歯科助手が持っていると有利な資格はある?

歯科助手になるのに資格は必要?

歯科助手は資格や実務経験がなくても働くことができます。

採用され、実際に働きはじめてから現場で一つずつ仕事を覚えていく人も多いです。

しかし、仕事を覚えるのが遅い、慣れない職場で仕事を覚えながら働くのは不安だという人は、歯科助手として働くための基礎的な知識を持っておくために、資格を取得するのも方法の一つです。

歯科助手はもともと資格が必要ない職業なので、国家資格ではなく、民間資格しかありません。

また、歯科助手の資格を取得しているからといって必ず歯科医院への就職に有利だとは限りません。

しかし、面接時に「歯科助手になりたいという強い気持ち」をアピールすることができます。

今回は、歯科助手の資格にはどんなものがあるのか、代表的なものをご紹介します。

歯科 医療事務管理士®技能認定制度

試験の内容と特徴

「歯科 医療事務管理士®」を取得すると、歯科助手に必要となる事務スキルを証明できます。

技能認定振興協会が実施するこの試験では、テキストを見ながら受験することができます。

試験は年6回実施され、最寄りの受験会場で受験しますが、ユーキャンやキャリアカレッジジャパン歯科助手講座を受講していると、在宅受験ができます。

受験資格・難易度・費用

受験資格はとくになく、年齢・性別を問わず受験できます。

マークシート形式の学科と実技からなり、セレプト作成のスキルが問われます。

合格率は70%ほどとなっており、難関といえるものではありません。

レセプトをたくさん書いて練習すれば合格の可能性が上がります。

学科・実技の受験料は7,500円(税込)、どちらかが免除される場合は5,400円です。

参考:歯科 医療事務管理士® 技能認定試験

歯科助手検定試験

試験の内容と特徴

歯科助手検定試験は、医療福祉教育振興グループの日本歯科助手検定協会が認定している検定試験です。

事務スキルだけでなく、歯科医師歯科衛生士のサポートをするための知識も問われます。

3級から1級まであり、飛び級をすることができませんので、3級から順番に受験していきます。

年3回おこなわれますが、1級の試験は年1回のみです。

受験資格・難易度・費用

受験資格はとくになく、だれでも受験することができます。

試験時間はすべての級位で60分となっており、歯科医療の基礎知識や診療方法、診療体制について出題されます。

いずれの級位も70%以上の正答率で合格となりますが、合格率は発表されていません。

受験料は3級で4,200円、2級で5,300円、1級で6,300円です。

参考:歯科助手検定試験

歯科医療事務検定試験

試験の内容と特徴

歯科医療事務検定試験は、全国医療技能検定協議会が認定する検定試験です。

受付やカルテ管理、会計、レセプト作成などの事務スキルと、診療室内での治療のサポートに必要な専門知識を証明する試験です。

3級から1級までの級位があり、試験の日程などは協会に直接問い合わせます。

受験資格・難易度・費用

受験資格はとくになく、どんな人でも受けることができます。

合格率は非公開ですが、3級に関しては難しくないといわれています。

いずれの級位も80%以上の正解率で合格となります。

受験料は、3級で3,800円、2級で5,500円、1級で6,300円です。

参考:歯科医療事務検定

歯科助手専門員

試験の内容と特徴

歯科助手専門員は、全国医療福祉教育協会が認定する資格です。

この資格は、受付や会計、レセプト作成などの事務スキルよりも、治療のサポートや印象材の練り方といった「実技の習得」により重点を置いています。

教育認定校であるヒューマンアカデミーを受講し、全3回の添削で合格ラインをクリアすると、資格が付与されます。

受験資格・難易度・費用

受験資格はとくになく、年齢・実務経験にかかわらず受けることができます。

指定のテキストやDVDをしっかりと読み込んで学習すれば、添削課題の内容はそれほど難しくないでしょう。

課題はすべてテキストを見ながら解答でき、合格しなかった場合はサポート期間を過ぎても繰り返し提出できます。

受講にかかる費用は4万円程度で、サポートの期間は8か月です。

参考:全国医療福祉教育協会

日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度

試験の内容と特徴

歯科助手資格認定制度は、日本歯科医師会が認定する資格で、歯科助手の民間資格のなかでは最も広く知られています。

都道府県の歯科医師会が開催する講習会を受講すると資格が得られ、「乙種第二」「乙種第一」「甲種」の3つに分かれます(難易度は甲種が最も高い)。

事務の知識や診療室内でのサポートに必要なスキルを証明する資格です。

受験資格・難易度・費用

この講習では、40時間以上の受講で乙種第二を、52時間以上の受講で乙種第一を取得できます。

甲種は、420時間以上の受講か、乙種第一を持ったうえで3年以上の実務経験があり、かつ補充研修を受けると認定されます。

都道府県によって開催日程や費用は多少異なりますが、おおむね受講期間は半年、費用は8千円〜1万5千円程度となっています。

高校卒業見込み者以上であれば受講することができます。

また、開催日程が木曜日や土曜の午後というように、歯科医院の休診日であるため、歯科助手として働きながら講習会を受けている人も多いのが特徴です。

参考:公益社団法人日本歯科医師会 歯科助手資格認定制度

事前に専門知識を勉強したい人に

歯科助手の資格は、就職の際に必須ではありません。

しかし、女性にとても人気の職業のため、競争率が高くなかなか採用されないというケースもよくあります。

そういう時には、「受講する予定である」「受講中である」「受講して認定されている」というように、向上心や向学心をアピールできるようにしておくことも大切です。

就職に有利に働く可能性がありますので資格取得が気になる人は、色々な講座をチェックしてみましょう。

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歯科助手にとって有利になる可能性があるその他の資格

最近は、歯科助手の認定資格を取得済みの人も増えていますので、今や歯科助手の認定資格さえあれば採用されるという状況でもありません。

そこで、今回は、歯科助手を目指すなら歯科助手の認定資格以外にも持っていると面接時に有利になる可能性が高い資格をご紹介します。

医療事務の認定資格

歯科助手は、歯科医師の診療のサポートと受付業務がおもな仕事内容ですが、レセプトという大切な仕事もあります。

レセプトとは診療報酬明細書のことで、窓口で患者さんに支払ってもらった健康保険の自己負担額の残りの部分を政府、組合、市町村など保険者に請求する業務になります。

簡単に説明すると、治療費が1000円、患者さんの加入している健康保険によって患者さんの負担額は300円(3割負担)だったとします。

残りの700円(7割)を保険者に請求する書類を作成するのがレセプトです。

このレセプトを毎月末に、患者さんの人数分まとめて提出する仕事も歯科助手がおこなう場合があります。

レセプトは書類作成にミスがあると、戻って来てやり直しとなり、審査が通るまでは歯科医院はミスのあった分の報酬がもらえなくなります。

ですので、レセプトの知識があると試験などで認められた医療事務の認定資格(民間資格)を持っていると採用で有利になる可能性があります。

パソコン検定

歯科医院では、レセプト業務のために専用のパソコンソフトを導入しています。

基礎的なワード、エクセルの知識やタイピングができれば問題ありませんが、パソコン検定などを取得していれば有利になるケースがあります。

保育士資格

歯科医院には小さな子供からお年寄りまで幅広い世代の人が来院されます。

とくに小さな子供は歯医者さんが嫌い、怖いといって、なかなか診察させてくれないこともよくあります。

そんなときに、子どもへの対応と保護者への対応の両方に長けている保育士の経験や知識があれば、子供を安心させることができます。

また、心配される保護者の方にも安心して待合室で待っていただくように適切なアドバイスをすることができます。

秘書検定

歯科助手は受付と電話対応も仕事に含まれる場合があります。

話し方、態度、振る舞いなど、接遇やビジネスマナーの知識が認められる秘書検定を取得しておくと、歯科医院側も安心して受付を任せることができるでしょう。

英検、TOEICなど

一般的な歯科医院ではあまりニーズは高くありませんが、外国人の多い地域の歯科医院を希望する場合は日常英会話ができると有利な場合があります。

これらの資格は、時給が良くなる、手当がつくというものではありません。

しかし、就職の際に有利になる場合があるので、所有している資格があるなら自信を持って履歴書に書くようにしましょう。