男性でも歯科衛生士になれる? 男性のメリットとデメリットは?

以前は女性だけが就ける職業だった

日本では、歯科医師以外のスタッフはすべて女性で構成されているという歯科医院が多いですが、歯科衛生士は女性しかなれないのでしょうか。

かつての歯科衛生士法・第二条には、

「『歯科衛生士』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、歯科医師(歯科医業をなすことのできる医師を含む。以下同じ。)の直接の指導の下に、歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行うことを業とする女子をいう」

とあり、昔は、歯科衛生士という職業に就けるのは女性だけでした。

しかし、2002年に「看護婦」が「看護師」、「保健婦」が「保健師」と名称を変え、医療現場では男性のナースも多く見られるようになりました。

歯科医師会や厚生労働省もその改正を受け、歯科衛生士法について見直されるようになり、いまでは男性も歯科衛生士の仕事に就くことができます。

2012年には日本で初の男性歯科衛生士が登場し、平成24年6月現在では男性の歯科衛生士は43名にまで増えました。

最近は、専門学校や大学の歯科衛生士養成コースでも男子生徒を積極的に募集しており、男性の入学者数も少しずつ増加しています。

男性の歯科衛生士のメリット

定期的な昇給が期待できる

女性の歯科衛生士の多くは結婚、出産を機に退職していくため、平均年収は新人も含め若年層の歯科衛生士が大半であると推測されます。

産休の必要がない男性歯科衛生士の場合は、結婚後も働き続けるケースがほとんどなので、定期的な給与・賞与のアップが期待できるでしょう。

歯科医院や病院側にとっても、入社時の研修などで教育した歯科衛生士が数年で退職してしまうは痛手です。

最近は育児を積極的におこなう男性も増えていますが、結婚を機に退職する人はまだまだ女性よりも少なく、男性の歯科衛生士の需要は今後さらに高くなるはずです。

男性の歯科衛生士が求められる時代に

近年、歯科医療の現場では男性歯科衛生士の重要性が認識され始めています。

機材や薬剤の持ち運びなど、医療現場では力仕事も多いため、一般的に女性よりも力がある男性スタッフは重宝されます。

また、患者さんのなかには「女性とコミュニケーションを取るのが苦手」、「女性に自分の病気や身体のことを話すのが恥ずかしい」という人もいます。

美容院やマッサージなどで男性スタッフを指名する人が一定数いるように、女性よりも男性の歯科衛生士さんを希望している患者さんも実際には多いはずです。

よって、男性歯科衛生士のニーズは今後ますます高まると予想されます。

女性にしかなれない職業だと思い込んで諦めてしまわずに挑戦していきましょう。

男性の歯科衛生士のデメリット

家族を養うには心配な面も

男性の歯科衛生士も、給与などの待遇面は女性の歯科衛生士とほとんど同じです。

厚生労働省の「平成30年度 賃金構造基本統計調査」によると、歯科衛生士の平均年収は364万円となっています。

この統計データは、女性の歯科衛生士のみの平均年収ですが、男性の歯科衛生士も仕事内容はほとんど変わらないため、大幅に年収が上がるわけではありません。

この金額だけを見ると、男性歯科衛生士が結婚して家族を養っていくには少し厳しいといえるかもしれません。

しかし、勤務先によって給与や待遇は異なることも多いため一概には言えず、歯科衛生士になった後も勉強を続けてスキルアップしていけば、男女ともに昇給の機会に恵まれるはずです。

職場の人間関係に悩みやすい

男性の歯科衛生士も少しずつ増えていますが、現場ではまだまだ9割以上を女性が占めています。

男性が歯科衛生士になると女性ばかりの職場で働くことは避けられず、居心地の悪さを感じる人も少なくないようです。

女性は一般的に男性に比べて共感性が高いといわれており、それが悪いほうに働くと、気の合う同僚同士で派閥を作ったり、お局さんが登場したりします。

そうした女性ならではの人間関係に馴染めない男性は、つらい思いをするかもしれません。