獣医師は公務員として働ける?

公務員の獣医師になるには

医師は動物病院や製薬会社など、民間企業に就職するばかりではなく、公務員として働く人もいます。

公務員の獣医師の種類は、大きく分けると「国家公務員」と「地方公務員」の2つです。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

国家公務員の獣医師

国家公務員の獣医師になるには、「農林水産省」と「厚生労働省」の2つの省で採用が行われています。

国家公務員になるには、いずれも各省の採用試験を受けて合格しなければいけません。

農林水産省では4月から受付が始まり、6月に第1次試験、6月〜7月に第2次試験、8月に第3次試験が行われ、採用者が決定となるスケジュールです。

厚生労働省では、4月に受付が始まり、5月に第1次試験、7月に第2次試験で最終合格者が発表され、その後行われる獣医師国家試験に合格すると正式な採用となります。

参考:農林水産省 獣医系技術職員採用について

参考:厚生労働省 獣医系技術職員採用について

地方公務員の獣医師

獣医師免許を取得した上で、各都道府県や市町村が行う試験を受け、地方公務員として活躍することも可能です。

地方公務員の獣医師になるには、各自治体が行う採用試験に合格しなければいけません。

試験の時期は自治体ごとに異なる場合があるので、受けたい自治体のHPをよく確認しておくようにしましょう。

公務員の獣医師の資格・難易度

公務員の獣医師になる場合も、まずは国家試験に合格して獣医師免許を取得する必要があります。

国家公務員の試験は受験資格があり、年齢制限のほか、「獣医師国家試験の合格者、あるいは受験年までに獣医師国家試験の受験資格を有する見込みのある者」が条件です。

採用人数は農林水産省では本省・検査所・動物検疫所合わせて20名程度、厚生労働省では例年「若干名」とあまり多くありません。

ただし受験者数も多くなく、たとえば厚生労働省の平成30年度の受験者数は16名で、最終合格者は2名です。

獣医系大学を出たばかりの人から、大学院生、社会人経験者まで採用されているので、幅広い人にチャンスがあるといえるでしょう。

一方、地方公務員は自治体によって差があるものの、獣医師枠は倍率が低いといわれています。

一般的に地方公務員は人気職ではありますが、多くの人が動物病院で小動物の診療を行う臨床獣医師を目指しているため、地方公務員を目指す人は少ないようです。

公務員の獣医師になるための学校の種類

公務員の獣医師になるためには、6年生の獣医系大学に進学して、獣医師免許の取得を目指します。

動物病院や企業に勤める場合も、獣医師免許を取るまでは同じルートです。

現在、獣医学科を設置する獣医系大学は全国に16あるので、そのいずれかに入学する必要があります。

6年生のときに国家試験を受験し、獣医師の資格の取得を目指しましょう。

公務員の獣医師に向いている人

公務員の獣医師に向いている人は、仕事も家庭も両立させたい人です。

残業がほとんどなく定時で帰ることができるので、アフターファイブを楽しんだり、家事や育児と両立させることができます。

動物病院に勤める場合は、急患対応で残業が当たり前の職場など、勤務時間が長いのが一般的です。

しかし公務員の獣医師であれば、有休消化や育休・産休取得も整えられた環境の中で働くことができます。

ただし動物病院で働く場合と比べてデスクワークが多かったり、獣医師免許がなくてもできる仕事を任されることがあるなど、仕事内容の違いが大きいため仕事内容は確認しておいた方がいいでしょう。

ひとくちに公務員の獣医師といっても、働く施設によって仕事内容は若干異なり、農林水産省は「獣医系技術職員」、厚生労働省では「獣医系技官」と呼ばれています。

本省のほか、全国の空港や海港にある検疫所(厚生労働省)や動物検疫所(農林水産省)などで働くのが特徴です。

主な仕事内容は、外国からの輸入食品が食品衛生法に適合しているかを確認したり、人体に悪い影響を及ぼす微生物が付着していないか検査・監督指導を行ったり、他国の食品安全情報の収集などを行います。

地方公務員の場合は、本庁や食肉衛生検査所、家畜保健衛生所、畜産・林業・水産試験場、さらには動物園、水族館、動物愛護施設など、さまざまな場所で家畜衛生や公衆衛生に携わる仕事です。

口蹄疫などの伝染病や鳥インフルエンザなどの感染症、狂犬病の発生や流行を未然に防いだり、食品の安全性を高めるために家畜の健康を現場で管理したり、流通する食品の検査・監督する役割があります。

どんな仕事をするのか、働き方などをイメージした上で公務員の獣医師を目指すとよいでしょう。

公務員の獣医師のキャリアプラン・キャリアパス

公務員の獣医師として採用された場合、国家公務員・地方公務員でキャリアプランが異なります。

国家公務員の場合は、出世街道を進むのが一般的で、数年で肩書きがつくようです。

本庁の場合は激務といわれていますが、動物保護や環境保全の観点から国の政策に関わることができるのが魅力でしょう。

地方公務員は若いうちは3年ほどのスパンで、動物園や保健所などに異動を繰り返し、さまざまな部署や仕事を経験する地方自治体もあるといいます。

長く働けば自然と役職がつき、部下を管理する立場になることも可能です。

公務員の獣医師を目指せる年齢は?

公務員の獣医師の採用試験には、年齢制限が設けられていることがほとんどで、一般的には30歳を目安にしておくとよいでしょう。

国家公務員の募集では、農林水産省・厚生労働省ともに2019年度は「平成元年4月2日以降生まれ」の人が条件となっています。

地方公務員の募集では、自治体によって異なりますが、30歳くらいを上限するケースが目立つのが特徴です。

中には26歳までが条件の場合や、逆に59歳まで受けられる自治体もあるので、希望の自治体の年齢制限は早めに確認しておくことをおすすめします。

公務員の獣医師は高卒から目指せる?

公務員の獣医師になるには、獣医師免許の国家資格を取得しなければいけません。

この資格を取得するには、獣医系の大学で6年間学ぶ必要があるので、高卒からそのまま公務員の獣医師になることはできないのです。

高校卒業後は、獣医系大学に進学を目指しましょう。

公務員の獣医師は女性でもなれる?

公務員の獣医師は、女性でもなることができ、たくさんの女性が活躍しています。

動物病院などに比べて定時がはっきりしているため、残業が少なく拘束時間が短い場合も多いようです。

家庭や育児と両立したい女性にとっては、休暇制度なども整っているため働きやすさを感じられるでしょう。

安定した働き方を求めて、民間企業や動物病院から公務員試験を受けて転職する獣医師もいるようです。