歯科衛生士の需要・現状と将来性



歯科衛生士の現状・需要

歯科衛生士の需要は高まっている

歯科衛生士は、専門学校や短期大学で一定の教育を受け、厚生労働省所管の国家試験に合格した資格保有者で、活躍の場がさまざまあります。

虫歯や歯周病の予防措置、保健指導、歯科医師の診療補助をおこなう歯科衛生士は、歯科医院になくてはならない職業です。

厚生労働省の医療施設動態調査によると、歯科医院の数は現在6万8000施設を超えており、歯科衛生士の需要も高く、比較的求人が安定しているのが現状です。

さらに、近年では虫歯にならないよう口腔内の健康を保つ「予防歯科」の考え方が広まり、定期検診や歯のクリーニングなどを希望する人が増えています。

そのため、歯科医院にて歯の検診やブラッシング指導、歯石や歯垢の除去などの業務をおこなう歯科衛生士が多く必要とされています。

歯科衛生士が不足している施設が多い

予防歯科の普及などにより需要が高まっている一方で、歯科医療の現場では歯科衛生士が不足しています。

その理由として、歯科衛生士国家試験の合格者数が毎年横ばいで、需要の増加に追いついていないことが挙げられます。

また、女性が多い職業のため、結婚や出産、子育てなどで離職する人も少なくありません。

復職したくてもブランクが長くて諦めざるを得ない人や、より多くの患者さんに来てもらおうと診療時間を延長する歯科医院が増えており育児と両立できないケースも目立ちます。

最近では、有資格者が働けないといったこれらの課題を解消するため、シフト制の導入・拡大や、産休・育休制度を整備など、勤務条件の改善をおこなう医院も少しずつ増えています。

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歯科衛生士の将来性

統計局によると、65歳以上の高齢者は平成24年の調査で3074万人、総人口の24.1%という報告が出ています。

前年に比べると102万人増加し、これは団塊の世代とよばれる人達が65歳に差しかかったと考えられています。

2050年には2.5人に1人が高齢者になると予測されており、入れ歯を必要とする人や在宅診療を受ける人は今以上に増えるでしょう。

そのような意味で、高齢者が健康を維持するための「口腔ケア」が近年注目されています。

口の中に汚れがあるままでいると、細菌により病気になることも少なくないので、綺麗に保つことで予防につながります。

歯石除去といった状態の改善や正しい歯磨き指導を行う歯科衛生士の重要性は今後も高くなり、将来性があるといえるでしょう。

歯科衛生士の今後の活躍の場

歯科治療は日々進歩しており、現在ではインプラントなど高度な治療への関心が高まっています。

インプラントは歯を失った部分に人工の根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法で、保険が効かない自費診療です。

従来は歯を失うと、入れ歯もしくは前後の歯を支えにして被せるブリッジという手法しかありませんでした。

その点、インプラントは見た目も自然で、自分の歯と同じように噛めることから、治療を望む患者さんも増えています。

インプラント治療は一度きりで終わりというわけではなく、状態の確認や歯周病の検査といったメンテナンスが大切なので、歯科衛生士が果たす役割が大きくなります。

まだ進歩途中であるインプラントは、今後も伸びていく分野だといわれています。

高度な技術が発展すると、一般歯科以外にも歯科衛生士の活躍の場は広がっていくでしょう。