MRの年収はいくら? 給料についてくわしく解説

MRの平均年収・給料の統計データ

MRの平均年収は、550万円~650万円程度がボリュームゾーンと考えられます。

MRは一般的な会社員の平均より給料が高水準で、製薬業界のなかでも年収が高い職種です。

営業手当や住宅手当などの各種手当が手厚く、福利厚生が充実していることも特徴です。

20代から30代にかけて年収のアップ率が高く、国内大手の製薬会社や外資系の製薬会社では平均年収が1000万円を超えるところも多く見受けられます。

MRの平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
MR
(転職ステーション)
575万円 -
MR・医薬情報担当者
(Indeed)
528万円 月給 28.3万円
時給 1,261円
MR
(DODA)
658万円 男性:682万円
女性:566万円
20代: 476万円
30代 :706万円
生涯賃金:3億5221万円
MR
(求人BOX)
511万円(正社員) 平均時給
派遣社員:1,303円
アルバイト・パート:992円
MR・MS
(転職会議)
614万円 20代前半:423万円
20代後半:548万円
30代:679万円
40代以上:874万円
最高:4000万円
最低:200万円
MR
(マイナビエージェント)
580万円 20代:540万円
30代:666万円
MR
(給料バンク)
742万円~981万円 平均給料: 61万円
20代の給料:44万円
30代の給料:65万円
40代の給料:74万円
初任給:22~24万円

上記の表から、MRの平均年収は550万円~650万円程度がボリュームゾーンと推定できます。

20代の平均年収は500万円前後ですが、30代では700万円前後となっており、20代から30代にかけて年収の伸びが大きい傾向にあることがわかります。

MRの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データを基に算出すると、MRの手取りの平均年収は500万円前後、手取りの平均月収は30~40万円程度になると考えられます。

ボーナスの支給状況は企業によっても異なりますが、年に2回、合計4ヵ月分が支給されたとすると、手取りのボーナス額は130万円前後となります。

また、成果報酬制度を取り入れている職場では、個人の売上や成績に応じてインセンティブが支給されるため、手取りを増やすチャンスがあります。

MRの初任給はどれくらい?

MRの初任給は、企業によって幅があるほか、最終学歴によっても違いがあります。

たとえば国内製薬会社最大手の武田薬品工業では、2019年の支給実績は下記の通りです。

<研究職、研究技術職、開発職、MR・総合職>

  • 博士卒:月給298,000円
  • 修士卒:月給264,000円
  • 学部卒:月給240,000円

他社を見ても、大手製薬会社の場合、初任給は学部卒で月給22万円前後、大学院の修士卒で月給25万円前後、大学院の博士卒だと月給28万前後になるのが一般的です。

また、MRは病院訪問などの外勤がメインになるため、「営業手当(MR手当)」がつくケースが多いです。

営業手当は大手製薬会社で月に6万円~8万円ほど、中小の製薬会社では月に4万円~6万円ほどが基本給に加算されます。

MRの福利厚生の特徴は?

MRが勤務する製薬会社は各種手当が手厚く、福利厚生が充実しています。

とくにMRは転勤が多いため、引越し手当、単身赴任手当、家賃補助など住居に関する手当がとても手厚いのが特徴です。

また、医療に関連する業界で働くことから、医療費補助や医薬品の支給など、健康を意識した手当・補助も多めです。

会社によっては、月々1万円ほど払えば会社の営業車をプライベートでも使用できる車両制度を設けているところもあります。

ほかにも映画やコンサートのチケットが支給されたり、資格取得のための費用や自己啓発に掛かる費用を会社が負担してくれたりするケースもあります。

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MRの給料・年収の特徴

平均よりも高めの年収が期待できる

MRは、一般的な会社員の平均年収に比べると、よい給料がもらえるといえるでしょう。

平均年収500万円以上となるケースが多く、大手製薬会社になると平均年収が1000万円を超えるところもあります。

また20代~30代でも高年収となることが多く、40代になり役職に就くと年収2000万円に達するケースもあります。

他業界の営業職と比較しても、また製薬業界のなかでも年収が高い職種です。

ただし、個々の営業成績で年収が変動することもあります。

手当やインセンティブがつく

MRは医薬品のスペシャリストとして一日中病院を訪問して歩きまわる仕事をしているため、「営業手当」や「外勤手当」などがつき、それが高収入となる理由のひとつです。

外勤手当は1日外勤するたびにもらえる「営業日当」で、1日あたり2,000円~3,000円ほどが支給されます。

会社にもよりますが、一般的に月に4万円~6万円ほど、年間にすると50万円~70万円ほどが給料に加算される計算です。

さらに、個人の売上の実績に応じて「インセンティブ」がつく企業もあります。

インセンティブのしくみは企業によって異なり、たとえば個人の実績に応じて毎月の給料に合わせて報奨金が支給されることもあれば、チームの実績に応じて海外への報奨旅行に行けるといったケースもあります。

こうした制度は、MRのモチベーションを引き出すきっかけとなっています。

給与体系は企業によってさまざま

MRの平均年収は、在籍する企業の規模や種類(内資系・外資系・CSO)、取り扱う商品(新薬・ジェネリック)、役職の有無、営業成績によって大きな差があります。

大手製薬会社で高いところでは年収1000万円以上、低いところでも年収500万円ほどになるため、やはり一般企業に比べると全体的に高給であることは間違いないでしょう。

ただし、MRは成果主義の要素が強い仕事であり、営業成績が悪い人は、そのぶん給料が下がってしまうというリスクもつきものです。

また、近年では外資系の製薬会社の国内進出も盛んになっています。

一部の外資系製薬会社では、個々の営業成績に応じて給料が大きく変動する「完全歩合制」の給与体系になっているところや、給与額を1年単位で決定する「年俸制」の給与体系になっているところもあります。

また高収入である一方で、福利厚生や退職金などの制度は整っていないこともあるため、事前によく調べておき、将来的なリスクを考えておくことが大切です。

MRの勤務先別の給料・年収

新薬メーカー

国内で活躍するMRの8割以上は新薬メーカーで勤務しています。

新薬メーカーは新薬の開発・製造・販売を行う製薬会社で、MRには医薬品や疾患領域に対する幅広い専門知識が求められます。

新薬メーカーは莫大なコストをかけて新薬を開発するため、医薬品の薬価が高く、高い利益率を確保できます。

そのため従業員の年収も高く、30代で1000万円を超えることも珍しくありません。

ジェネリックメーカー

ジェネリック医薬品は、正式には「後発医薬品」と呼ばれ、特許存続期間の終了した新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使って作られた医薬品です。

新薬に比べ開発費が抑えられるため、新薬より低価格となりますが、そのぶん利益率も低くなります。

そのためジェネリックメーカーの年収は新薬メーカーより低い傾向にあります。

平均年収は一般的に20代なかばで450万円ほどといわれています。

2020年現在公開されている有価証券報告書から、大手ジェネリックメーカー5社の平均年収を算出すると、650万円程度となります。

CSO

CSO(Contract Sales Organization)とは、依頼に応じて製薬会社にMRを派遣したり、医薬品の営業やマーケティング活動を請け負ったりする企業のことです。

日本語では「医薬品販売業務受託機関」と表記され、CSOに所属するMRのことを「コントラクトMR」と呼びます。

コントラクトMRはいわゆる一般的な派遣スタッフとは異なり、CSOに直接雇用された「正社員」となります

未経験からコントラクトMRになった場合の年収は400万円~500万円ほどで、製薬会社のMR経験者がコントラクトMRに転職した場合の年収は、500万円~800万円ほどです。

大手CSOで管理職にキャリアアップすれば、年収1000万円に達することも可能です。

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MRが所属する代表的な企業の年収

平均年齢 平均年収
武田薬品工業 42.0歳 1076万円
エーザイ 43.0歳 920万円
第一三共 44.4歳 1117万円
アステラス製薬 42.0歳 1064万円
中外製薬 43.3歳 1155万円

出典:2022年現在(各社有価証券報告書より)

武田薬品工業の平均年収

武田薬品工業の平均年収は1076万円、平均年齢は42.0歳です。

武田薬品工業は製薬業界において国内最大手企業であり、2020年に医療用医薬品の売上高で世界10位にランクインしています。

230年以上の歴史を持ち、ビタミン剤「アリナミン」や風邪薬「ベンザ」など一般的にもよく知られた医薬品を製造していますが、連結売上高の約9割は医療用医薬品が占めています。

アステラス製薬の平均年収

アステラス製薬の平均年収は1064万円、平均年齢は42.0歳です。

アステラス製薬は、2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して誕生した会社で、医薬品売上国内第3位の大手製薬会社です。

医療用医薬品に特化しており、泌尿器、移植分野に加え、米国社買収で抗がん剤を第3の柱に育成しています。

ここ数年の平均年収は横ばいの傾向にありますが、経営状況は基本的に上向きのため、安定して高収入が望めそうです。

MRが収入を上げるためには?

MRは個人の営業実績に応じてインセンティブがつくケースが多いため、着実に実績を積み重ねることで年収アップにつながります。

そのためには常に新しい情報をキャッチし、他社製品を含めた幅広い専門知識を身につける地道な努力が必要です。

実績が認められ、営業所長や支店長などのマネージャー職に就けば、さらに年収が上がります。

また、MR経験を生かして、プロダクトマネージャーや学術担当などの上流職にキャリアアップすることで年収を上げることもできます。

一方、転職によって年収アップを図ることも可能です。

一般的に中小製薬会社よりも大手製薬会社、ジェネリックメーカーよりCSO、CSOより新薬メーカーの方が年収が高くなります。

たとえば中小製薬会社からCSOに転職をし、コントラクトMRとしてさまざまな経験を積みながら、オンコロジー(抗がん剤領域)などの専門領域型MRとなることで年収アップを目指す方法があります。

また成績優秀なコントラクトMRが大手製薬会社にスカウトされて転職するケースもあります。