女性医師のキャリアパス・結婚後の生活

女性の医師の現状

かつては、医師というと「男性の職業」といわれることもありました。

戦前は女性が学問を究めることができる環境が少なかったこともあり、医療系の職業でいうと、男性は医師、女性は看護師になるのが一般的でした。

しかし、戦後の世の中の移り変わりとともに少しずつ女性の医師が増え、近年では偏りはあれど、あらゆる診療科で女性医師を見かけるようになりました。

平成31年の春に行われた国家試験の合格者を見ても、男性の合格者6,029人に対して女性の合格者が3,000人となっており、およそ3分の1を女性が占めていることがわかります。

大学の医学部でも、半数が女子といった大学もめずらしくなく、理系にしては女子の割合が高い統計が出ています。

とくに産婦人科や小児科のように子どもや母親と接する機会が多い診療科では、患者側も女性医師がいることで安心感を覚えるケースが多く、たくさんの女性医師が活躍しています。

なお、東京・新宿区には、日本唯一の女子医科大学(東京女子医大)があります。

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出産・子育てを経て復帰できる環境へ

近年、日本では深刻な医師不足に陥っており、結婚や子育てによりいったん休職した女性医師をいかにスムーズに現場に復帰させるかが、医学界の大きな課題のひとつとなっています。

一人前の医師になるには、大学での履修期間や研修医、新人医師としての期間などをあわせると、10年近くもの時間がかかります。

ましてや国公立大学の場合、その育成に多額の税金が使われています。

時間をかけて大切に育て上げたにもかかわらず、「子育てと両立できない」などの理由で離職させてしまうことは、本人にとっても医学界にとっても大きな損失となります。

こうしたなか、女性医師の子育て支援に取り組む病院が増えてきました。

「勤務時間の短縮」「当直なし」「緊急時の呼び出しなし」などのルールを決めることで、積極的に女性医師を確保しようという動きが広まっています。

これらの働きかけによって、時短勤務や院内保育園など、お母さんとなった医師が職場復帰し、家庭と両立しやすい環境ができつつあります。

女性の医師の強み・弱み

女性の医師の強みは、「女医さんに見てもらいたいと」考える患者さんに十分に対応できるところです。

産婦人科や婦人科、小児科など、女医が担当であれば安心して治療を任せられると多くの患者さんが感じる診療科もあります。

また、昨今増えている乳腺外来や更年期外来などでも、患者さんにとっては女性医師であれば悩みを理解してもらいやすいという点で、女性医師が重宝される傾向にあります。

一方、弱みといえる点もあります。

医師は、勤務先によっては夜勤や24時間を超えての連続勤務、長時間の手術に対応しなくてはなりません。

結婚・出産をしている女性医師の場合は仕事と家庭の両立で悩みやすくなりますし、体力の面できついと感じてしまうこともあります。

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医師の結婚後の働き方・雇用形態

いま、日本では多くの地域が深刻な医師不足に悩まされています。

とくに産婦人科や小児科などの人手が足りていない診療科では、常に医師の求人募集をしているというケースもあるほどです。

そのため、医師は結婚や子育てで一度退職したとしても比較的簡単に再就職することが可能です。

もし家庭生活や子育てと両立させながら働く場合は、短時間労働のパートタイムで働くことも可能で、自分の思い描くライフプランに合わせて働き方を選ぶことができます。

ただし、近年の医学の進歩にはめざましいものがあり、数年のブランクが大きな遅れになることもあります。

医師として復帰する予定がある場合は、常に医学の勉強を怠らないなどの努力が必要になります。

医師は子育てしながら働ける?

結婚生活や育児と医師の仕事を両立させたいと考えた場合には、「開業医」を目指す選択もあります。

個人の病院の場合は、自宅と診療所が同じ敷地内に建っていることが多く、昼休みや空き時間に自宅で休憩をとりながら家事や育児をすることができます。

また、産婦人科や小児科の場合は、夜も自宅で休みながら急患に対応できるようになる大きなメリットがあります。

医院の開業には多額の資金が必要にはなりますが、医師には定年退職がないので、一度開業すれば健康である限り生涯仕事を続けることが可能です。

また、医療に対する需要はどんな地域にもあるため、自分の出身地にUターンして開業することもできます。

とくに地方ほど医師不足に陥っているケースが多いので、開業医という選択は地域にも大きく貢献できるでしょう。

医師は女性が一生働ける仕事?

医師は一生をかけて従事する価値のある、専門性や社会的貢献度の高い仕事です。

憧れや強いモチベーションで医師免許を手にした人がほとんどであると同時に、誇りをもって携わっていきたいと考える人が多いようです。

医療が不要な地域はどこにもありません。

医師免許を持つ医師の働き方もさまざまで、大学病院でフルタイムでバリバリ働くこともできれば、クリニックや診療所でパートや時短勤務をすることもできます。

期間を決めて派遣医師として病院で勤務することも可能ですし、資金などの面が許せば独立開業することもできます。

研鑽を続け、プレッシャーや責任を背負いながら続けるのは大変であることは間違いありませんが、医師は女性にとって仕事が続けやすい職種のひとつです。