医師のつらいこと・大変なこと・苦労

医師のつらいこと・大変なこと

命を預かるプレッシャー

医師の仕事には「人の命を預かる」という責任が伴うため、日々発生するどんな小さな仕事にも緊張感がつきまといます。

たとえば、カルテや治療行為での取り違えは許されませんし、毎日の診察ひとつでも病気の見落としがないように常に気を引き締めなければいけません。

軽い風邪のように見える症状でも、視点を変えて丁寧に診察してみると、その裏に大きな病が潜んでいることもあるからです。

医師にとって怖いのが、見落としや誤診をしてしまうことです。

誤診は患者さんの命や人生を左右することもあり、病院の大きな信頼問題にも発展するので、こうしたことが起きないように毎日最大限の注意を払いながら診察を進める必要があります。

さらに、大きな病気の手術のときは患者さんの生死に直接に関わることになるため、言葉にできないほどのプレッシャーを感じることがあります。

患者さん本人はもちろん、ご家族の思いを考えるとなんとか助けてあげたいという気持ちがわいてくる一方で、命を助けることが難しい現実もあり、板挟みになって悩むことも多くあります。

医師は、こうしたプレッシャーと闘い続けなくてはなりません。

不規則かつ多忙な日々を送ることも

臨床医にとって大変なことのひとつは、激務になりがちで、規則正しい生活を送れない場合があることです。

来院する患者さんの数は、季節や日によって大きく変わります。

たとえば、花粉症が流行する時期には耳鼻科や皮膚科が混み合いますし、インフルエンザやノロウイルスが流行する冬場には内科の患者数が非常に多くなります。

昼休みもろくに取れなかったり、閉院の時間になっても診察が終わらなかったりすることもめずらしくありません。

さらに大変なのは、急性期と呼ばれる「外科」や「産婦人科」、また救急のある病院で働いている臨床医です。

こういった科では、容体が急変して飛び込んでくる患者さんがいるため、医師は24時間体制で呼び出しに備えることになります。

仮眠や食事をほとんど取ることができずに夜を徹して働くこともあります。

そして、夜勤の後は、そのまま通常の日勤に入るため、連続24時間を超える勤務となることもあります。

人の命を救えたときのやりがいも大きいのですが、心身ともに大変な仕事であることに間違いはありません。

医師の悩み

激務でハイプレッシャーを抱えながら働く医師は、自分自身がうつ病などの精神的な病にかかってしまうケースもあります。

医師が抱える悩みのひとつとして、まず「人間関係」が挙げられます。

官公庁や民間企業が実施する医師を対象にした各種アンケートや調査の結果を見ると、医師の悩みやストレスの原因は、「長時間労働」や「待遇」、「人間関係」がいつも上位に挙がっています。

直属の上司である教授や他の同僚の医師との関係に悩む医師も少なくありません。

常に緊張感のある病院や医局内での人間関係は、今も昔も変わらず難しい問題のひとつといえます。

また、勤務医は病院に雇用されている立場である以上、経営陣の経営方針や根本的な医療、患者さんに対する考え方の相違などから、教授や上層部の医師との関係性に悩むケースも多々出てきます。

正しいと思うことがあっても医療現場は年功序列の色が強いので、発言権がない状況にあっては、意見や提案を述べることはできない場合もあります。

また、「看護師」や「薬剤師」など、一緒にチームを組む医療スタッフとの関係性の難しさにも苦労する場合があるようです。

とくに経験の浅い若い医師の場合、ベテランの看護師からきつく当たられるなど、人間関係の作り方に悩む人もいます。

医師を辞める理由で多いものは?

医師になるためには、医師免許を取得するために6年間大学へ通い、さらに研修期間を経るといった、長い期間のブラッシュアップが必要です。

心が折れそうになることを何度も経験しながら、何とか医師になろうと頑張ってきた人でも、多忙な日々やストレスなどから仕事から離れることを決める人もいます。

医師の転職理由で多いものとしては、やはり医師ならではの人間関係の複雑さが挙げられます。

患者さん自身やその家族とのトラブルも、そのひとつです。

患者さんと揉め、医療訴訟に発展するケースなどはその最たる例でしょう。

訴訟の件数が増加しているのは、医師不足が原因との見方もあり、とくに医師不足が深刻な医療機関では過労死基準を超える労働を強いられるケースもあります。

職場環境の悪さと人間関係のトラブルなどが重なると、正常な業務がままならないと判断した医師は転職を考えるきっかけになるようです。

また、近年では患者や家族の過度な要求や理不尽なクレームなどが増え、その対応に神経をすり減らし、疲弊する医師も少なくありません。