歯科衛生士のつらいこと・大変なこと・苦労



歯科衛生士のつらいこと・大変なこと

人間関係が大事

個人開業の歯科医院で働く場合には、歯科医師である院長の指示に従って働くことになります。

同じ歯科衛生士としての仕事をまっとうするにしても、医院によってコンセプト(審美歯科専門、予防に力を入れるなど)も違えば、業務の進め方や院長が求めることも異なるのが普通です。

また、他の歯科衛生士や歯科助手、受付スタッフなど複数の人と一緒に働くことが多いため、スタッフ同士の人間関係の構築やコミュニケーションは非常に重要なものとなります。

ただし人間である以上、どうしても自分と合う、合わないといったことも出てくるでしょう。

もし仲間とのコミュニケーションがうまくとれないと、仕事そのものが大変だ、つらいと感じてしまうかもしれません。

患者さんは選べない

患者さんはむし歯などの疾患を治すため、もしくは口の中の健康を目指すために歯科医院に訪れます。

状態が良くなれば患者さんからは「ありがとう」と言われることが多く、それが歯科衛生士の喜びにもなりますが、忘れてはならないのは「患者さんはお客さまでもある」ということです。

もし歯科衛生士が傲慢な態度をとったり、患者さんの不安を助長するような対応をとったりすれば、患者さんはその歯科医院には二度と行きたくないと考えてしまうでしょう。

患者さんは子どもからお年寄りまでさまざまな人がやってきますが、どんな場合でも丁寧に、思いやりの心を持って接しなければなりません。

直接クレームやお叱りを受けることもあるかもしれませんが、謙虚に受け止めて、反省すべきところは反省することも大切です。

歯科衛生士の仕事の悩み

新人の歯科衛生士の場合、仕事の悩みというと、歯科医師の治療を上手にサポートできず、歯科医師や先輩の歯科衛生士から注意されることが最も多い悩みではないでしょうか。

たしかに、思ったように仕事ができないとつらいですし、注意を受けるとモチベーションも下がり、ますます仕事へのやりがいを失い、悩みが増えます。

しかし、これは新人歯科衛生士特有の悩みで、1年も続けていれば次第に慣れてきますから心配いりません。

深く悩まずに、目の前の仕事を正確にこなしていくようにしましょう。

ほかには、患者さんに説明してもなかなか理解してもらえないことなども歯科衛生士の悩みとして挙げられます。

しかし、これも経験を積んでいくことで徐々に患者さんと上手にコミュニケーションをとっていくためのスキルが身に付いてきます。

すぐに諦めてしまわずに、患者さんとのコミュニケーションが上手な先輩をよく見て学ぶようにしましょう。

歯科衛生士の悩みやつらいことは、誰しも通る道ですし、乗り越えれば一人前の歯科衛生士となるため、諦めずにスキルアップしていきましょう。

ただし、職場に行くことさえつらいと感じるようになると重症ですので、そのときは潔く職場を変え、気分よく働ける環境を探すのもひとつの選択肢です。

歯科衛生士を辞める理由で多いものは?

歯科衛生士を辞める理由はさまざまですが、「女性同士の人間関係に疲れた」といった声が多く聞かれます。

歯科医院の院長である歯科医師は男性である場合も多いですが、歯科衛生士、歯科助手、受付にかぎると、9割以上が女性という現場がほとんどです。

例外はあるものの、男性よりも女性のほうが個人的な感情を職場に持ち込む傾向にあるため、嫌がらせやいじめのような経験がある歯科衛生士も珍しくありません。

特定の人に仕事を教えない、シフトの希望を通さないなど、日々の業務にも影響が出るような嫌がらせを受けてしまうと、やはり「辞めたい」と思うようになります。

ほかの理由としては、範囲外の仕事をさせられるなど「仕事内容」に不満があったり、サービス残業が多いというように「給与・待遇面」に不満があったりして、離職するケースも多いです。

経験を通じて身につけられることも多い

ここに挙げた通り、歯科衛生士の仕事に就くとつらいことや大変なことにも出会います。

しかし、どんな職業にも大変な面はあり、また一方でやりがいもあります。

歯科衛生士の仕事をしていると、患者さん一人ひとり口の中の環境や状態が異なるため、実際の仕事を通じて初めて学ぶこと、身につけられることが多々あります。

また、歯科分野の医療技術は年々進歩していくため、日々新しいことを学ぼうとする姿勢を大切にしていると活躍の幅も広がります。

仕事に就いてからも勉強を続けるのは大変ですが、自分がスキルアップするのをやりがいと感じられるようであれば、より早く一人前の歯科衛生士として活躍することができるでしょう。