【2021年版】医療事務の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「医療事務」とは

病院の受付窓口業務や診療報酬明細書を作成する、医療現場における事務のスペシャリスト。

医療事務は、病院や診療所などの医療機関において、医療に関わる事務全般に携わる人のことです。

医療事務の仕事は、大きく分けると「受付窓口業務」と「レセプト作成業務」があります。

受付窓口業務は、保険証や診察券の確認、診察料の徴収などを行います。

レセプト作成とは、患者の医療費を計算して、専用の明細書を作ることです。

医療事務の資格には「医療事務技能審査試験」と「診療報酬請求事務能力認定試験」があり、このような資格があれば就職時に有利になります。

給料は一般事務職と大差ありませんが、都市部の大きな病院や、経験豊富な人材は、よい待遇で採用されることがあります。

「医療事務」の仕事紹介

医療事務の仕事内容

病院で医療費の計算や事務全般を担う

医療事務は、病院や診療所などの医療機関において、事務全般を担当する人のことです。

事務職の一種ではありますが、医療事務は医療業界特有の知識を生かして活躍します。

具体的な仕事内容は、診察券の確認や診察料の徴収といった「受付窓口業務」と、医療保険制度に基づき、医療費を計算する「レセプト作成」があります。

このレセプト作成業務は、医療事務の仕事のうち最も専門知識を要するもので、確かなスキルをもった人が活躍しやすくなっています。

クラーク業務を担当することも

医療事務は、入院施設を備えているような規模の大きな病院では「クラーク」と呼ばれる業務を担当することがあります。

クラークは、「外来クラーク」と「病棟クラーク」に分かれ、前者は初診・再診の受付とは別に設けられた診療科ごとの受付を担当し、後者は病棟で入院患者と医師・看護師とのつなぎ役を担います。

このように、医療事務はデスクワークだけではなく、実際に患者さんと接する機会も多いため、思いやりの心や責任感、コミュニケーション能力などが求められます。

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医療事務になるには

業務に関連する資格を持っていると就職に有利

医療事務は、特別な資格や学歴が必要な職業ではありません。

しかしながら、一般的な事務スキルに加えて、「レセプト作成」など医療業界特有の知識を必要とする業務があるため、医療系・ビジネス系の専門学校に進学し、専門知識を身につけてから就職先を探す人も増えています。

医療事務を養成するカリキュラムのある専門学校では、在学中に医療事務関連の民間資格の取得も目指すことができ、就職サポートも受けられます。

ただし、資格試験の勉強は民間スクールや通信講座で行うことも可能であり、有資格者が増えているため、資格があっても必ず就職できるとは限りません。

とくに勤務条件がよい医療機関は競争率が高いため、就職活動の準備には力を入れたほうがよいでしょう。

勤務先によって任される業務内容などに違いが

医療機関によっては、未経験者でも積極的に採用するケースがあります。

まずはアルバイト・パートや派遣社員などとして働きはじめ、実務経験を積んで医療事務の雰囲気に慣れてから、正社員を目指す人もいます。

医療機関は日本全国にあるため就職先の選択肢は豊富ですが、勤務先によってレセプト作成を中心に担当することもあれば、受付や病棟クラーク業務などまで幅広く任されることもあるなど、仕事の進め方などに違いがあります。

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医療事務の学校・学費

学歴はあまり重視されないことが多い

医療事務として働くために、必ず通わなくてはならない学校はありません。

学歴もあまり重視されませんが、都市部の市中病院や大学病院など規模が大きめの医療機関では、新卒採用については「大卒以上」の学歴をもつ人が優先的に採用されることがあります。

学部・学科はほとんどの場合、問われません。

実際に医療事務として働く人の学歴はさまざまで、医療とはまったく異なる業界、職種を経験して、医療事務になる人も少なくありません。

専門学校やスクールで医療事務の勉強ができる

医療事務は、即戦力になれる人が歓迎されやすい職業です。

とくに規模の小さな診療所やクリニックでは、医療事務の勉強をしている人が優先的に採用されるケースが多いです。

できるだけ早く現場で活躍したいのであれば、ビジネス系専門学校やスクールなどで、医療事務の知識・スキルを身につけておくとよいでしょう。

医療事務について学べる学校・スクールはたくさんあり、なかには通信講座も存在します。

学費はカリキュラムによって2~3万円程度の手軽なものから、10万円以上のものまでさまざまです。

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医療事務の資格・試験の難易度

業務に関連する複数の資格がある

医療事務には国家資格が存在しないため、「医師」や「看護師」のように特別な資格を持たずとも働くことは可能です。

しかし、医療事務の業務のなかには「レセプト作成」など、やや専門的なものもあり、確かな知識・スキルを備えている人が活躍しやすいのは確かです。

医療事務の能力を証明する資格として、各種団体が認定するものがいくつか存在します。

資格取得を目指せば、勉強の過程で習得した知識を業務に役立たせることができたり、就職・転職時に高く評価されることもあるでしょう。

取得におすすめの資格は?

医療事務の資格は、医療事務の業務全般をカバーするものもあれば、特定の分野に特化しているものもあり、難易度もまちまちです。

代表的な資格としては「診療報酬請求事務能力認定試験」や「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」があり、これらは厚生労働省などが認定する公的な資格となっています。

このほかにも「医療事務能力検定試験」「保険請求事務技能検定試験」「医療管理秘書士」など多種多様な民間資格があります。

まずは医療事務業務全般が試験範囲となっている資格を取得し、そのうえで、必要なジャンルに特化した資格を取得することをおすすめします。

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医療事務の給料・年収

安定した給料を望むなら正社員を目指すのがベター

さまざまな統計データを基に見ていくと、医療事務全体の平均年収は230万円~320万円ほどと考えられます。

ただし、医療事務は正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトなど、さまざまな雇用形態で働く人がいます。

このうち最も給与水準が高いのは正社員で、この場合の平均年収は300万円~400万円程度ほどが見込めます。

パートなど非正規雇用の場合の給料は時給制となり、地域や勤務する病院によって時給には大きく差が出やすいです。

勤務先によって福利厚生も大きく異なる

全体的に、個人経営の病院よりも大きな病院のほうが、給与水準や待遇はよい傾向にあります。

また、地域差も出やすく、フルタイム勤務の場合、都市部では月収20万円以上が得られる可能性は十分にありますが、地方病院の場合は月収10万円から15万円ほどにとどまることがあります。

ボーナスや諸手当などの待遇、福利厚生も職場によってさまざまです。

医療事務は専門的な知識・スキルが求められますが、経験を積むと昇進・昇給が見込めるかどうかは、職場の体制によって異なります。

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医療事務の現状と将来性・今後の見通し

需要は増しているが、有資格者も増えている

医療事務は、近年、女性を中心に非常に人気が高まっている職業のひとつです。

「手に職をつけたい」「安定した仕事がしたい」といった思いから、医療事務の資格取得を目指す人が増えており、まったく別の職業から転職を目指す例もよく見られます。

医療機関は日本全国にありますし、大病院から地域のクリニックまで、勤務先の選択肢も多様です。

結婚・出産を機に仕事を辞めても再就職しやすく、パートやアルバイトとしても働き口が多いというメリットがあります。

高齢化により保健医療の重要性は増しており、今後も医療事務のニーズは高まっていくものと思われます。

ただし、ITの発展で医療事務の重要業務である「レセプト作成」も電子化が進み人員削減の傾向が見られます。

有資格者も増えているため、これから医療事務を目指す人は、よりいっそう高い知識やスキルレベルを身につける努力が不可欠です。

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医療事務の就職先・活躍の場

日本全国の病院・クリニックで活躍できる

医療事務のおもな就職先は、病院やクリニック、診療所などの医療機関です。

日本全国に数多くの医療機関がありますが、その規模や特色は、入院施設を備えた総合病院や大学病院から、地域密着型の小さな診療所までさまざまです。

近年は医療事務の有資格者が増えており、とくに勤務条件がよい医療機関は競争率が高くなっています。

病院によっては求めるスキルレベルや経験年数が異なり、未経験者も積極的に採用するところもあれば、実務経験者のみを採用しているところもあります。

正社員(正職員)としての働き方以外に、派遣会社に登録して派遣社員として経験を積んだり、アルバイト・パートとして限られた時間帯だけ働く人もいます。

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医療事務の1日

病院の受付時間に合わせて勤務をする

医療事務の1日は、雇用形態や勤務先によっても異なりますが、基本的に勤務時間は病院の受付時間に準じます。

残業は基本的にありませんが、レセプト作成業務が立て込む時期は、残って仕事を片付けることもあります。

ここでは、地域のクリニックに勤務する医療事務の1日を紹介します。

8:00 出勤・制服に着替え、院内や入口を清掃
8:30 受付開始・患者さんの診察券や保険証を確認
9:00 午前診療開始・カルテ入力や会計業務
12:30 ほかのスタッフと交代で昼休み
14:00 午後診療開始・受付や会計業務
17:30 診察終了・レセプト業務
18:30 片付け・退勤

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医療事務のやりがい、楽しさ

医療関係者の一員として人の役に立てる

医療事務は、「医師」や「看護師」とは異なり診療行為に携わることはできませんが、医療関係者の一員として、病院やクリニックの円滑な経営を支えていくための重要な役割を担っています。

困っている人や苦しんでいる人の役に立ちながら、社会的に意義ある仕事だと感じることができるでしょう。

また、正社員としての勤務はもちろん、結婚や出産後もアルバイト・パート・派遣社員などムリのない形で、女性が長く続けていきやすい仕事であることも魅力のひとつです。

仕事で得た医療関連の知識は、日常生活のちょっとした場面で役立つこともあり、暮らしに密着した仕事としてやりがいを感じている人が多いです。

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医療事務のつらいこと、大変なこと

業務内容が幅広く、覚えることも多い

医療事務は、勤務先にもよりますが、受付窓口や診療費の計算、会計、処方せん窓口、カルテ管理、入退院受付、病棟クラーク、その他の庶務的業務など多岐にわたる業務を任されることがあります。

このため、最初は覚えることが膨大で大変な思いをするでしょう。

また、病気やケガを抱える患者さんのデリケートな気持ちに寄り添わなくてはならない場面も出てきます。

受付窓口などに立っていれば、患者さんから「説明がわかりにくい」「会計が遅い」など直接クレームやお叱りの声を受けたりすることもあります。

常に忙しい医療現場でキビキビと動き、さらに「ミスしてはならない」という緊張感を抱えることは、この仕事の大変な一面だといえます。

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医療事務に向いている人・適性

地道な作業も人間関係も大事にできる人

医療事務のメイン業務である「レセプト作成」では、決められた期日までに正確な書類作成を行う必要があります。

内容に不備や間違いがないようにしなくてはならないため、細かな作業を苦にせず、物事を慎重かつスピーディーに進められる人に向いています。

また、医療事務は多岐にわたる業務を担当するため、広い視野が求められると同時に、他の医療スタッフとの連携して効率的に仕事を進めていく力が求められます。

患者さんに対しての思いやりの心や気遣いも大事になってくるため、人との関わりを苦にせず、コミュニケーションを大事にできる人に適性があるといえます。

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医療事務志望動機・目指すきっかけ

「手に職をつけたい」と考える人が多い

医療事務は、目指す人の大半が女性であるといわれています。

未経験からでも資格スクールの講座などを利用して手軽に資格取得を目指しやすく、得た資格を生かして就職・転職しやすいことが、医療事務の人気を後押ししています。

医療関連職としての信頼性や、安定感などのポジティブなイメージもあいまって、別の職業から医療事務になる人も多いです。

実際、医療事務の資格やスキル、経験がある人はどのような病院・クリニックでも歓迎され、就職先を探しやすいいという魅力があります。

そのため、結婚や出産後も短時間勤務などでムリなく働きたいと考える人が、この仕事を目指すケースもよくあります。

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医療事務の雇用形態・働き方

フルタイムからパートタイムまで、多様な働き方が可能

医療事務は、さまざまな雇用形態で働くことができます。

正社員として病院・クリニックにフルタイム勤務をする人もいますが、派遣社員やアルバイト・パートなどの働き方も可能です。

さまざまな雇用形態での求人が出ているため、医療事務としてバリバリとキャリアを積んでいきたい人でも、あるいは家事や育児をしながら自分のペースで仕事を続けたい人でも、自分のライフスタイルや希望に合った働き方を見つけやすいです。

ただし、いずれの雇用形態でも、医療事務の資格や経験がある人が優先的に採用されやすいです。

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医療事務の勤務時間・休日・生活

雇用形態によって勤務スタイルはさまざま

医療事務としてフルタイムで働く場合の勤務時間や休日は、勤務先となる医療機関の診察時間や休診日に準じます。

診療時間が長いところでは何人もの医療事務がおり、「早番・遅番」といったシフト制勤務になることが一般的です。

1日の実働は7.5時間~8時間程度、週休2日程度が基本となるでしょう。

アルバイト・パート、派遣社員として決められた日数や短時間だけ働く人も多くいます。

日勤の職場が多いですが、大学病院や総合病院などで「救急外来」を置くところでは、当直が含まれることがあります。

患者さんの数や診療体制などによって、比較的ゆったりと仕事を進められる職場もあれば、とにかくスピーディーに仕事を回していくことが重視される職場など、雰囲気が異なります。

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医療事務の求人・就職状況・需要

医療機関は日本全国にあり、需要も増大している

高齢化社会が続くなかで病院や診療所の数は増加しており、医療事務の活躍の機会が増えています。

また、医療機関は日本全国どの地域にも存在するため、自分の希望通りの勤務先を探しやすいのが魅力といえます。

雇用形態も正社員からパート、派遣社員など多様であるため、自分のライフスタイルに応じた働き方を実現させやすい仕事です。

ただし、最近は医療事務の人気が高まっており、資格取得者や実務経験者が優遇されやすくなっています。

よりよい条件で就職するには、事前にスクールや通信講座などを利用して医療事務について学んでおくとよいでしょう。

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医療事務の転職状況・未経験採用

未経験であれば資格取得を視野に入れる

医療事務の求人募集は年間を通じて多く出ていますが、病院やクリニックの多くは、即戦力となれる経験者を採用したいと考えるようです。

未経験からこの仕事をスタートする場合には、基礎的なパソコンスキルをしっかりと身につけておいたリ、医療事務関連の資格を取得しておくほうが転職しやすいでしょう。

ただし最近は有資格者が増えているため、待遇や給料のよい大手の病院は、資格を持っていても競争が厳しくなることも考えられます。

勤務先の選択肢は豊富にあるため、経験が浅いうちは、あまり理想を高くし過ぎずに働ける場を探して、経験を積んでからよりよい環境へ転職するのもひとつの手です。

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医療事務と調剤薬局事務の違い

業務内容や活躍の場に違いがある

「医療事務」と「調剤薬局事務」は、どちらも医療業界で活躍する事務職です。

また、両者とも「レセプト作成」を担当し、患者さんの保険請求額を計算して会計を行います。

ただし、医療事務がおもに病院やクリニックなどの医療機関に勤務するのに対し、調剤薬局事務の勤務先は街の調剤薬局が中心です。

医療事務の場合、受付から会計、患者さんの対応、介護助手、レセプト作成まで業務内容が幅広く、レセプト作成に関しても、診察や検査、手術、入院など扱う報酬が多岐に渡ります。

一方、調剤薬局事務のレセプト作成では調剤報酬のみを扱い、大きな医療機関ほど幅広い業務は任されません。

医療全体の知識やスキルを身につけたい人には医療事務が、薬の調剤に特化した事務のスペシャリストを目指す人には調剤薬局事務が向いているといえます。

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