看護師の就職状況・就職先の選び方

看護師の就職先にはどんなところがある?

看護師の就職先は多岐にわたります。

厚生労働省が発表している「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によれば、看護師として最も働く人が多い場は病院(ベッドの数が20床以上ある医療機関)で、その次が診療所(ベッドの数が19床以下)です。

その他、介護保険施設、訪問看護ステーション、社会福祉施設、看護師等学校養成所または研究機関、事業所などが挙がります。

その他、公務員の看護師として市区町村や都道府県、保健所などに勤務する看護師もいます。

看護師の病院以外の勤務先・活躍の場

看護師の求人の状況

国の調査によれば、平成30年度末現在、看護師資格を生かして働く人の数は120万人を超えています。

しかし、医療現場では長年の看護師不足が問題になっており、新たに看護師になる若手人材が求められています。

看護師不足の背景にあることのひとつが、看護師の離職率の高さです。

看護師は命に関わる責任ある仕事をし、さらに不規則な勤務体系で心身ともにハードな職業です。

せっかく看護師国家試験に合格したにも関わらず、比較的早い段階で現場を離れてしまう人が少なくありません。

女性が圧倒的に多い職業であることから、結婚・出産といったライフイベントを機に離職する人もいます。

ただし看護師免許は一生有効なものですから、家庭が落ち着いたら復職することは十分に可能です。

パートや派遣といった形での求人も多く出されているため、意欲さえあれば就職・転職はさほど難しいことではありません。

看護師の就職先の選び方

冒頭で紹介した通り、看護師には就職先の選択肢が多くあります。

職場によって求められる役割や業務の進め方などに多少違いが出てきますから、各職場の特徴を知って、自身に合った場を探すことが重要です。

医療機関の最大の特徴は、病気や怪我を抱える患者さんの看護にあたることです。

配属先はさまざまで、外来と病棟でも仕事の流れは異なるものの「患者さんが少しでも元気になるようにケアをする」という役割は同じです。

また、子どもから高齢者まで、幅広い年代の患者さんに接する可能性があります。

一方、福祉・介護系の施設では高齢者を中心に接し、介護サービスを利用する方の日常生活のサポートに携わることが多いことが特徴的です。

病院のように、即治療・即手術が必要な患者さんと日常的に接するわけではありません。

ただし、利用者さんのなかには持病を抱えていたり、心身が思うように動かなかったりする人も多くいます。

その人たちが豊かな日常生活を送れるように、医療・看護の専門知識を生かしつつケアする役割が求められます。

このように、看護師の役割は勤務先の種類によって異なります。

勤務先による看護師の仕事の違いをよく把握し、自分に合う就職先を選んでください。

勤務先による看護師の仕事の違い

看護師の志望動機・面接

看護師の志望動機を考えるときに大切なのは、「応募先の医療機関や施設の特性を踏まえ、なぜ、その場所で看護師として働きたいと考えているのか」に焦点を当てることです。

もちろん「看護師」という職業そのものを目指した理由を考えるのも大事ですが、それだけを熱く語っても採用側には響きません。

採用側は、もし目の前の応募者を採用したら、どれくらいの活躍をしてくれるのかや、将来どのような看護師へと成長してくれそうかを判断し、合否を決定します。

ひとくちに病院といっても、病院ごとに規模も経営方針も異なりますから、「うちの病院じゃなくてもいいのでは?」と言われてしまわないように注意が必要です。

たとえば、がん治療に力を入れている病院への応募であれば、「最先端のがん治療を通した患者ケアを学び、看護師としての専門性を深めたい」など、その環境での自身の目標まで具体的に話すことが大切です。

志望先の特色や求める人物像をよく調べて、自身の熱意が伝わる志望動機を考えましょう。

看護師の志望動機と例文・面接で気をつけるべきこと

看護師の就職先はどのように探したらいい?

看護師の就職先の探し方としては、いろいろなものがあります。

最も代表的なのは求人情報サイトです。

勤務地や勤務時間などの希望条件を入れて検索すると、全国の病院や診療所、事業所などの求人情報から絞り込んだ形で情報を集められます。

医療・看護系に特化した求人情報サイトもありますから、ネットを活用して積極的に探すのがおすすめです。

また、各病院や診療所のWebサイトにも求人情報はよく掲載されています。

希望の病院・診療所が頭に浮かぶのであれば、直接、各院のWebサイトを調べてみるのもよいでしょう。

自分の力だけでうまく探せそうもなければ、紹介会社を使うのもひとつの手です。

紹介会社に登録すると、担当者が希望に合う求人情報を紹介してくれ、採用までのサポートも幅広く手掛けてくれます。

一般に公開されていない求人情報の案件を持っていることもあるため、とくに転職活動では紹介会社を利用する人も増えています。

その他、都道府県の公的な支援機関である「ナースセンター」や「ハローワーク」でも、看護師の仕事を紹介してもらえます。

看護師の求人募集は数多く出されており、探し方も多岐にわたるため、さまざまな方法を組み合わせながらベストな就職先を見つけてください。