診療放射線技師になるには? 資格は必要?

診療放射線技師になるには、診療放射線技師国家試験に合格する必要があり、誰でも受けれるわけではありません。

放射線技師の養成課程がある大学・短大・専門学校で3年以上学び、修了すれば受験資格が得られます。

この記事では、診療放射線技師になるために必要なこと・資格について解説します。

診療放射線検査技師になるまでの道のり

診療放射線技師になるには、診療放射線技師国家試験に合格する必要があります

この試験にパスすると、厚生労働大臣から免許が与えられ、診療放射線技師として働けるようになります。

ただし、国家試験は誰でも受けられるわけではありません。

試験の受験資格を得るためには、放射線技師の養成課程がある

  • 大学
  • 短大
  • 専門学校

で3年以上学び、修了する必要があります。

診療放射線技師になるまでのルート

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診療放射線検査技師の資格・難易度

高度な放射線医療技術のために

診療放射線技師は医師看護師などと同じように、国家資格がなければ仕事ができません。

かつては医師が放射線を扱って来ましたが、医療の現場で放射線を利用した検査が増大してきたことを受けて、医師をサポートするために作られた資格が診療放射線技師です。

正しく使わなければ人体に有害になってしまう放射線を安全に用いるには、放射線だけでなく医学的な知識やスキルをもっていることが大切で、放射線の扱い方だけでなく医療技術者としてもスペシャリストといえます。

関連するその他の資格

放射線取扱主任者は国家試験の内容が、診療放射線技師と重なる部分も多い資格です。

診療放射線技師になるための養成学校に通っている学生が多く、受験しています。

この放射線取扱主任者には第1種から第3種まであり、医療の現場に限らず工場や研究施設で放射線を扱う際に選任されます。

さらに、最近では、

  • 人工呼吸器や血液透析などで使われる高度な医療機器を操作
  • 保守点検するための国家試験である臨床工学技士の資格

もあわせて取得を目指す学生が増えています。

診療放射線検査技師国家試験の合格率・難易度

診療放射線検査技師になるための学校の種類

大学または専門学校

文部科学大臣指定の診療放射線技師養成校は、大学であれば

  • 国立(11校)
  • 公立(3校)
  • 私立(20校)

があり、短大では認められていません。(2019年2月時点)

参考:厚生労働省

そのほか、全国の都市圏を中心とする専門学校で学ぶこともでき、

  • 大学:4年間
  • 短大:3年間

専門学校では、

  • 全日制:3年間
  • 定時制:4年間

をかけて国家試験を受験します。

学ぶ内容

診療放射線技師の資格取得を目指す場合、

  • 医学分野の基礎科目(解剖学や生理学、病理学など)
  • 理工学分野の基礎科目(電気工学、遠視工学、放射線物理学など)

を学んで、診療放射線技師の専門の土台となる知識を蓄えます。

大学では、

  • 一般教養としての自然科学や人文科学
  • 外国語

などを基礎分野と呼び、医療従事者として必要な知識も学びます。

以前は専門学校が主流でしたが、近年、診療放射線技師の業界でも高学歴化が進んでいて、大学や大学院を経て就職する人も珍しくなくなってきました。

診療放射線技師になるための学校と学費(大学・専門学校)

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診療放射線検査技師に向いている人

診療放射線技師は、多くの機器を用いるため、機械やコンピューターに抵抗がない人に向いているといえます。

さらに機器や技術の進歩が著しい領域であるため、新しいことを学ぶことが好きで、勉強熱心なタイプが向いているでしょう。

診療放射線技師に向いている人・適性・必要なスキル

診療放射線検査技師のキャリアプラン・キャリアパス

放射線検査は診療放射線技師にしかできないこともあり、就職先はある程度安定してあるため、それほど心配しなくてもよいでしょう。

診療放射線技師の就職先として多いのは、中・大規模の病院となり、大学卒の方が若干優遇される傾向にあります。

新人のうちは簡単な検査から担当し、経験を積むうちに高度な検査をまかされたり、実際の治療を行ったりするようです。

診療放射線検査技師を目指せる年齢は?

診療放射線技師は、大卒または専門学校卒で就職する人が多い職業です。

年齢を重ねてからも診療放射線技師になることはできます。

しかし、どうしても現役生よりは就職先の選択肢が狭まってしまうことは覚悟しておきましょう。

採用する側としても、これからの教育や勤続年数のことを考えると、若い人たちに就職して欲しいと考えています。

1から資格を取得するとなると勉強する期間も捻出しなくてはならないため、診療放射線技師を目指すのであれば出来るだけ早いうちに動いた方がよいでしょう。

診療放射線技師の働き方の種類・雇用形態

診療放射線技師は、正社員での雇用が多く採用されています。

なかには派遣社員・アルバイト・パートとして働く場合もありますが、正社員でも子育て支援を積極的に行い、時短勤務の相談にも応じるなど、働きやすい環境が整っていることもあります。

この記事では、診療放射線技師の働き方の種類・雇用形態について解説します。

診療放射線技師の雇用形態

診療放射線技師の主な雇用形態
  • 正社員
  • 派遣
  • アルバイト・パート
  • フリー

診療放射線技師は正社員での雇用が多く、とくにベッド数100以上の病院では、正職員の求人が多い傾向があります。

また、入院施設のない診療所ではパート社員として、午前中のみなど検査のある時間帯のみの勤務を求められることもあります。

正職員として働いている場合でも、子育て支援を積極的に行い、時短勤務の相談にも応じてくれる病院もあります。

さまざまな雇用形態があり、人の手が必要な職種であること、体に触れる職種でもあることから、女性の診療放射線技師の活躍は今後も増えていくと考えられます。

派遣の診療放射線技師

派遣社員として働く

診療放射線技師として働く人の多くは、正社員雇用で病院に就職するケースがほとんどですが、現在の厳しい経済状況の影響で派遣社員として働いている人も増えています。

派遣の診療放射線技師として働きたい場合、まず人材派遣会社に登録する必要があります。

一般的な人材派遣会社でも診療放射線技師など医療従事職の募集はしていますが、件数としてはあまり多くないのが実情です。

そのため、より多くの求人募集案件から派遣先を見つけたいときは、看護師や保健師の派遣を専門に扱っている医療系の派遣会社に登録するほうが近道といえるでしょう。

派遣会社に登録してからの流れ

登録準備
登録したい派遣会社を見つけ、連絡を取ります。

登録説明会に参加したり個別に登録予約を行うなどし、派遣社員として登録を行います。

当日、履歴書や診療放射線技師の免許証などが求められますので持参品を忘れないように聞いておきましょう。

登録
登録では基礎的なパソコンスキルがチェックされることもあります。

医療職の場合は、これまでの経歴について質問されたり、今後どういった職場で働きたいかなどの希望を聞かれたりすることの方が多いようです。

とくに希望する勤務時間、フルタイムで働きたいのかパートタイムで働きたいのか、残業が発生しても対応できるのかどうか、希望する給与はいくらかなどはあらかじめ考えておきましょう。

派遣社員として働く
派遣先が決まって派遣社員として働く場合、所属はその派遣会社ですが、仕事上のあらゆる指示は派遣先の病院などから直接与えられます。

派遣会社の信頼を損なわないよう、責任ある仕事をすることが大切です。

アルバイト・パートの診療放射線技師

医療職でもさまざまな働き方ができる

診療放射線技師の資格取得後、アルバイトやパートタイマーとして活躍する人が増えています

また、診療放射線技師として医療機関に在籍しながら、週末や休日のアルバイトとして別の医療機関で働く人もよく見られるようになりました。

最近では、ハローワークや求人情報サイトでもアルバイトの診療放射線技師を募集している病院が増加しています。

アルバイトやフリーとして働く場合

フリーで診療放射線技師として働く場合、嬉しいサービスなのが医療系職業専門の人材派遣サービス会社でしょう。

なかには診療放射線技師や放射線専門医を対象とするものも登場しています。

働き方としては、週に数回から月に数回、派遣先に行き

  • X線
  • 骨密度
  • マンモグラフィ
  • CTスキャン
  • MRI検査
  • 血管造影
  • 超音波等画像診断検査

などを実施します。

また、企業や団体に検診車が出向いて健康診断を実施する際に、

  • 胸部X線
  • 骨密度
  • マンモグラフィ
  • 胃部X線
  • 超音波

などを行います。

こうした人材派遣会社では単に診療放射線技師を確保するだけでなく、検診経験の少ない人については定期的な研修指導を行っているので、学校卒業してすぐのアルバイト探しであっても安心です。

診療放射線技師の求人・就職状況・就職先選びのポイント

診療放射線技師の就職先にはどんなところがある?

診療放射線技師の就職先は、主に病院をはじめとした医療機関で、

  • 夜間の検査が増えてきていること
  • 女性技師の需要が増えている

ことから、病院からの診療放射線技師の求人は増加傾向にあるようです。

さらに、

  • 診療放射線技師の国家資格の所持者
  • 放射線取扱主任者(1級・2級)の国家資格

を所持していると、さらに就職はしやすいでしょう。

放射線取扱主任者、とくに1級の国家資格は平均合格率20%前後の難関資格であり、放射線を安全に取り扱う責任者として大きな強みとなります。

中級以上の英語(読解、記述、会話)力があれば、画像診断機器の輸入・販売メーカーでの開発や営業販売業務に就くこともできます。

診療放射線技師の求人の状況

高度な「チーム医療」が前提で進められる医療の現場では、診療放射線技師の役割はますます高まっています。

その証拠に、長年横ばいであった求人数が、ここ数年で右肩上がりに増加しているという報告もあるほどです。

医師や看護師が検査のすべてを担当していた時代は終わり、医療技術が進むにつれ、これからますます医療の専門化や細分化が進むだろうと予想されます。

診療放射線技師が扱う医療機器も急速に発達しているため、確かな知識・スキルをもった技師を求める声がさらに高まっているほか、高齢化社会が進展するなか、病院で治療を受ける患者数もこれまで以上の増加が予測されています。

このような背景から、診療放射線技師の需要は今後も高まっていくことでしょう。

診療放射線技師の就職先の選び方

就職率であれば、病院や検査施設においての求人は安定して見られるため、条件を選ばなければ、どこにも行くところがないという状況にはあまり陥らないようです。

ただし、診療放射線技師の場合も他の医療職と同様、給与や待遇面が高水準となりやすい大きな病院や企業に応募が殺到する傾向もあるため、新卒で就職活動が厳しかったと感じる学生は多いかもしれません。

もちろん、大きく有名な病院への就職は在学中の成績が求められますし、就職対策もしっかりしなければならないでしょう。

優秀な学生がこぞって集まるなか、何十倍という高い倍率を勝ち抜かなければなりません。

しかし、大手病院や施設にこだわらなければ、そこまで高い倍率になることはあまりなく、大学卒や専門学校卒といった学歴の違いも就職にはあまり影響しないといわれています。

なかには、診療放射線技師免許さえもっていれば、実務経験がなくても中途の人材を採用する病院もあります。

就職活動では病院の規模や知名度を重視したくなるかもしれませんが、その場で自分らしく働ける条件であるかどうかを重視していけば、募集の数自体は多いため、それほど心配しなくても就職することはさほど難しくないでしょう。

診療放射線技師の志望動機・面接

レントゲンを撮影してくれる人がいるのは知っていても、その人たちが「診療放射線技師」という職種で、国家資格であることは、よく知られたことではありません。

自分や身の回りの人が怪我をして、エックス線撮影などを行う専門の人がいるのをはじめて知ったという人も、よく見受けられます。

面接では

  • どうして診療放射線技師なのか
  • どうしてこの病院(医療機関)なのか

がメインの質問となるため、しっかりと自分なりの答えを用意しておく必要があります。

診療放射線技師の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先はどのように探したらいい?

就職先を見つける際には、病院や医療機関の求人を探します

専門学校や大学に通っている場合は、学校があっせんしてくれる場合もありますし、学校にも求人が多く届くため、求人を見つけることにそれほど心配することはありません。

また、診療放射線技師の求人は医療系の求人サイトやハローワークなどでも見つけられます。

「診療放射線技師になるには? 資格は必要? 」のまとめ

診療放射線技師になるには、診療放射線技師国家試験に合格する必要があり、誰でも受けられるわけではありません。

放射線技師の養成課程がある大学・短大・専門学校で3年以上学び、修了すれば受験資格が得られます。

年齢を重ねてからも診療放射線技師になることはできますが、1から資格を取得するとなると勉強する期間も捻出しなくてはならないため、出きるだけ早いうちに動いた方がよいでしょう。