製薬会社の現状と将来性

競争が激化する製薬業界

現代社会では、医学や薬学の発展がめざましく、医薬品の開発や研究に関して世界中の企業で激しい競争が繰り広げられています。

国によって国民の体質や食生活が違うことから寿命やかかりやすい病気には多少の違いはありますが、やはり多くの国で共通の死因となっている「がん」「動脈硬化症」「心疾患」「糖尿病」「高血圧」に関しては特に新薬の開発が盛んです。

また、これからの時代は高齢化が進むため「認知症」や「パーキンソン病」などの患者数が増加するという見込みもあり、こうした分野に力を注ぐ企業も多いようです。

とくに患者本人の精神的な負担や家族の介護の負担、そして社会的な経済負担が大きいことで知られている「アルツハイマー病」は患者数も市場規模も莫大なものとなっており、予防薬や治療薬の開発には全世界の製薬会社が社運をかけてのぞんでいる現状があります。

「特許切れ」とパテントクリフ

新薬への競争が過熱する背景には、製薬会社には既存の商品の「特許切れ」の問題がつきまとうという事情があります。

製薬会社が開発した医薬品は、特許を出願した日から20年間しか特許権が認められません。

この期間中には莫大な利益があったとしても、特許が切れるとジェネリックと呼ばれる後発医薬品の進出によって利益が激減してしまうという、いわゆる「パテントクリフ」という現象が起きます。

主力医薬品の特許切れを目前に控えている製薬会社にとっては、自社による新薬の開発や販売ができなければ、合併や吸収など他の方法で経営の根幹を見直さざるをえなくなるでしょう。

このような主力医薬品の特許切れとパテントクリフの問題、新薬開発の困難さは、多くの製薬会社を悩ませる問題となっています。

近年では外資系企業の国内進出や買収も進んでいるようです。

製薬業界は医薬品という景気に左右されにくい商品を扱うという点では安定した利益が見込めますが、厳しい競争にさらされている現状があることは覚悟したほうがよいでしょう。