医学部の学士編入とは? 年齢制限はある?

医学部の学士編入の概要

「学士編入」とは、4年制大学の卒業者や卒業見込者などが、教養課程を飛ばして編入学部の専門課程から学んでいける制度のことです。

詳しくは、のちほど紹介しますが、基本的に卒業から何年経っていても学資編入制度を使うことができます。

実際、「医師」と「歯科医師」のダブルライセンスを持っている人は、学資編入制度を利用しているケースも多いです。

もともとは、さまざまなスキルを身につけて、円熟した人間が医師を目指すのを奨励するアメリカの教育システムを模倣したのが学士編入制度のはじまりです。

希望する本人はもちろん、医学業界にとっても他業界の知識を有した医師を育成し、世に貢献できるメリットがあります。

卒業見込みの場合はもちろん、社会人になってからでも医学部で学びたい熱意があるなら、ぜひ学士編入の利用を検討しましょう。

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医学部に学士編入する方法

医学部へ学士編入するためには、編入制度のある大学を探し、試験に合格する必要があります。

ここから、大学と試験についての情報を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

医学部編入制度のある大学

2018年度時点で、全国に医学部がある大学は81校ありますが、学士編入制度のある大学は全部で34校にとどまります。

その内訳は、私立大学が5校、国立大学が28校、公立大学が1校となっており、私立大学の学士編入は少ない傾向にあります。

実際、愛知医科大学なども学士編入を受け入れていましたが、2017年度に廃止しています。

また、多くの大学で学士編入の募集人数は5〜10名程度と狭き門になっているのが実情です。

競争倍率は10~20倍、場合によっては50倍を超えるケースもあり、熾烈な競争環境にあるといえます。

したがって、人によっては教養課程をスキップできなくなりますが、一般入試での入学を目指す場合もあるほどです。

もっとも、試験内容自体は、高校・大学の教養課程レベルとされているため、大学の卒業者であれば、きちんと対策すれば十分対応可能な範囲でしょう。

つづいて、編入試験についても紹介します。

編入試験の内容

医学部への編入試験は、1次試験で小論文を含めた筆記試験、2次試験で面接が課せられるのが一般的です。

一部の私立大学では、学士編入用の試験を設けず、一般や推薦入試、AO入試で対応しているケースもあります。

また、2018年度の時点で、神戸大学では面接試験を実施していません。

筆記試験においては、英語がほぼ必須です。

なかにはTOEFLで一定以上の点数をとっていることを合格の条件にしているケースもあります。

もちろん、医学を学ぶにあたって必要になる基礎知識を測るために、化学や生物、物理といった理系科目もほぼ必須です。

一方で、国語系の試験を課している大学はほぼありません。

ただし、小論文は課せられるケースは多く、テーマとして医療問題はもちろん、生命倫理や社会問題も取り上げられますので、社会人としての時事問題への理解が必要になります。

そして、1次試験の面接は大学によってさまざまです。

個人面接やプレゼンテーションをおこなう場合もあれば、集団面接やグループワークをおこなう場合もあります。

いずれにせよ、1次試験の点数がいいだけでは学士編入は望めず、医師になるのにふさわしい人格や熱意を有していることが求められると理解しておいてください。

医学部の学士編入に年齢制限は基本的にない

医学部の学士編入は難易度が高いものの、年齢制限は基本的に設けられていません。

というのも、2018年度の時点で年齢制限を設けているのは、獨協医科大学における「26歳まで」というケースだけだからです。

実際、54歳で高校教師から京都大学医学部に学士編入した事例もあります。

このほか、僧侶の仕事をしつつ2000年に京都大学医学部に入学した46歳の男性は、2006年には見事に医師免許を取得しています。

上記事例のように、社会人として長年活躍してからでも医学部への学士編入は十分可能であり、医学部への入学が現役生や浪人生だけのものではないとわかります。

もっとも、あくまでも入学するのがゴールではなく、医師になるための医学部の勉強はハードなものですから、学士編入を決意したら、早め早めの行動を心がけるべきでしょう。

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医学部の学士編入はハードながらもメリットがあり、年齢制限もなし

今回は、医学部の学士編入の概要や実施している大学、試験内容、年齢制限などについて紹介しました。

簡単に、今回紹介した内容をまとめます。

・学士編入は専門課程から学べるのがメリット
・募集している大学は国立を中心に34校
・倍率は高く、合格へのハードルは高い
・試験は1次試験が筆記で、2次試験が面接の場合が多い
・基本的に受験の年齢制限はなし

学生から社会人まで、効率的に医師になれる道が、医学部への学士編入です。

ハードルこそ高いものの、入学のチャンスは誰にでもあるため、ぜひチャレンジしてみましょう。