男性でも保健師になれる?

男性でも保健師になれる?

保健師はもともと「保健婦」と呼ばれており、看護婦や保母などとともに、基本的には女性のみの仕事であったといえます。

1993年(平成5年)の法改正により、名称が「保健師」として統一され、男性も保健師を目指せるようになりました。

まだ歴史は浅いといえますが、全体的な割合が少ないとはいえ、男性保健師は徐々に増えているのも現状で、厚生労働省の調べによると、平成8年の男性保健師は44人でしたが、平成16年では281人、平成28年には1100人を超えており、毎年増加傾向にあることがわかります。

そうはいっても割合でみると女性が98%、男性2%ですから、男性には不利な職場のように感じられるかもしれません。

しかしながら、保健師という仕事が認知されるとともに、年を追うごとに男性保健師の数は増えつつあり、最近ではさまざまな場所で男性保健師を見かけることも増えてきました。

以前は保健師と同様に女性の仕事というイメージが強かった看護師も、今では男性看護師の姿が一般的なものになってきています。

それと同様、今後は男性保健師もめずらしくなくなる時代になっていくのではないでしょうか。

男性が保健師になるメリット・デメリット

性別の不利はある?

実際の男性保健師の数はまだまだ少ないとはいっても、頼りになる存在として職場で活躍している男性保健師は多いようです。

在宅介護の現場などでは男性保健師の力強さが頼りになります。

また、相談者が高齢者の場合だけでなく、新生児や幼児を対象としてみると、幼児健診などではお兄さんのような保健師が人気者になる場面も多くあるようです。

また、企業で働く産業保健師も男性の社員にとって同性ならではの共感や相談のしやすさなどが評価されていることもあります。

実際に現場で働いている男性保健師さんをみると、性別ではなく、保健師自身がひとりの人間としてスキルやモチベーションが高いかどうか、またコミュニケーション力があるかどうかのほうが関わる相手にとっては大切なことだといえるでしょう。

働きにくさを感じることも

しかしながら、やはり母子保健の現場に関しては、女性保健師の方が適材であるといわれるケースも否定できません。

新生児や子育て、妊娠・出産に臨むお母さんによりよく寄り添えるのは、やはり性別的に女性であることは間違いありません。

相談をする側のお母さんたちが女性の保健師を望むのであれば、それは仕方のないことです。

そうはいっても、自身も父親で職業柄子育てにも積極的に関わったという男性保健師は、経験や男性側の考えなどを話すことでかえって相談者が安心し、信頼するケースもあります。

「妊娠出産そのもの」や「母乳」など、女性でなければ共感できない、また繊細な相談は女性保健師が携わることが両者にとって良いといえます。

しかし、育児の相談などを通してお母さんだけではなくお父さんも育児に関わるきっかけを作ることができることもあり、男性保健師ならではのよさもたくさんあります。

男性が活躍できる場面は多い

看護師資格に裏付けされる医学の専門知識を持ち、地域住民や企業で働く人や子ども、お年寄りなどの健康サポートや健やかな生活作りのお手伝いをする保健師の仕事は、男女関係なく携われる仕事であるといえます。

保健師は、老若男女さまざまな世代や年代の人と接することや、相談を受ける人々にもさまざまな背景や価値観をもっています。

生活習慣なども一人ひとり異なります。

優しくてきめ細かく気遣いのできる女性保健師にアドバイスしてほしいという人もいれば、男性保健師のほうが頼りがいがあって相談しやすいと感じる人もいるでしょう。

保健師の大切な仕事は、人々に安心感をもたらし、人々の健康に関する不安や心配をなくすことです。

保健師自身が女性でも男性でも、それは同じです。

目の前の対象者に誠実に向き合ってしっかりと仕事をすることが大切です。

なお、ときには対象者から「同性同士のほうが安心して話せる」という声も挙がっており、これまで女性保健師ばかりであった職場で、積極的に男性を採用しようとしている動きも強くなりつつあります。

保健師が働く現場では、基本的に男女で仕事内容を区別されるようなことはありません。

むしろ、本人のスキルや知識、コミュニケーション力や人間力と、現場や相談者のニーズなどでしっかりと活躍の場があります。

保健師は、現在の日本において、なくてはならない職業です。

これからも、ニーズや役割、また活躍の場は広がっていくことは確実です。

保健師を目指そうという男性も自信を持ってこの世界に飛び込めば、活躍できるはずです。