時代が進むにつれ、世界はどんどん近くなっています。

ここでは、グローバル社会の最前線で活躍する「国際」系の職業・仕事の種類について紹介しています。

自分の語学力を生かして活躍したい人、異なる文化や環境で育った人と一緒に仕事がしたい人にとっては、刺激を感じられる仕事がたくさん見つかるでしょう。

なかには、組織で国際的なボランティアや途上国の支援活動に携わる仕事もあります。

国際ビジネス・貿易系

商社やメーカーなど海外の企業と取引を行う企業で、さまざまな「もの」のやりとりに関わる仕事です。 新しい市場を開拓するための営業活動を行ったり、輸出・輸入に必要な手続きや調整業務などに携わったりします。

商社マン

総合商社や専門商社に勤める人。営業の仕事を中心に、世界中と「もの」の商取引を行う。

商社マンとは、一般的に商社で営業などの仕事をする人のことをいいます。

商社には、分野や業種問わず幅広いものやサービスを扱う「総合商社」と、特定の分野や業種においての取引を専門的に行う「専門商社」があります。

商社マンになるには基本的に大卒以上の学歴が必要です。

とくに大手総合商社は就職先として非常に人気が高く、語学力だけでなく、高いコミュニケーション力や判断力、リーダーシップなども求められます。

商社マンは残業続きになることや、海外赴任や転勤などもあるため多忙な生活になりがちですが、給料や待遇は恵まれています。

また、多くの人の利権を調整し、自らの手で億単位の規模のお金を動かすなど、ダイナミックにビジネスを進めることができます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

海外営業

メーカーなどの企業で、海外のクライアント企業や販売代理店とやりとりをする営業職。

海外営業とは、メーカーなどの企業において、海外の企業を顧客とし、その企業や販売代理店とやりとりをする営業職のことをいいます。

具体的な仕事内容としては、日々の担当顧客との商談をはじめ、市場調査やマーケティング、営業戦略の立案、現地のパートナー企業の開拓、クレーム対応、契約関連などが挙げられます。

海外営業には高いビジネス英語力が求められ、TOEICのスコアでいえば最低でも700点以上、できれば800点以上あると評価されることが多いでしょう。

新卒や未経験者の場合、まずは国内営業などの仕事で経験を積み、能力や適性が認められて海外営業へ異動となることもあります。

グローバル化が進む一方、国内市場が縮小傾向にあるといわれるなか、大手企業から中小企業まで海外市場へ進出する企業は増えています。

海外営業の需要はさらに大きくなり、活躍の場も広がるでしょう。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

貿易事務

貿易を行う企業において、輸入・輸出に関する際に必要な書類作成や調整業務を担当する。

貿易事務とは、海外から物品を輸入したり、日本から物品を輸出したりする際のさまざまな事務手続きや調整業務を担当する仕事をする人のことです。

輸出入では、法律に基づく通関書類の作成や関税処理が求められており、貿易事務は専門知識を生かして、取引がスムーズに行えるようにサポートします。

このような定型業務に加え、取引先との納入日や納入品数の調整の役割を担うこともあります。

貿易事務は事務職ではあるものの、貿易に関する専門的な知識を習得していかなくてはなりません。

一般的には大学卒業後、メーカーや商社、海運・通関業者、船会社・航空会社などに就職し、研修や実務を通じて貿易事務の業務を習得していきます。

輸出入が盛んな日本では、安定して需要が大きな職業のひとつとなっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

就職・転職

通関士

貿易業務に必要となる専門的な手続きを代行し、物のスムーズな輸出・輸入を支える。

通関士は、さまざまな「モノ」を輸出、輸入するときに必要な税関での手続きを代行する専門家です。

通関書類を作成し、通関手続きを商社やメーカーなどの輸出入業者に代わって行います。

税関から許可が下りなかったりトラブルが生じたりした場合の交渉をするのも、通関士の仕事の一部です。

通関士のおもな勤務先は運送会社、海運会社、倉庫会社などの税関への手続きを代行する通関業者ですが、商社やメーカーの貿易部門に勤務する人もいます。

通関士として働くには通関士試験に合格し、国家資格を取得しなくてはなりません。

受験資格に年齢や学歴などの制限はとくにありませんが、合格率は約10%の難関資格です。

グローバル化が進み貿易量が増えていることから、通関士の需要は増しています。

仕事内容

なるには

給与・年収

資格・試験

就職・転職

語学系

高度な語学のスキルを生かして、外国と日本の架け橋となる仕事です。 国際的な会議などの場で外国語を日本語に訳したり、外国語で書かれた文章を日本語に書き直したり、あるいは外国人に日本語を教えたりします。

通訳

ビジネスや観光の場で、二つ以上の異なる言語を、お互いの国の言葉に訳して相手に伝える。

通訳とは、2つ以上の異なる言語を、お互いの国の言葉に訳す人のことです。

通訳は、活躍する場面や分野によって、いくつかの種類に分かれます。

・国際会議での通訳を行う「会議通訳」
・商談などのビジネスの話で通訳をする「ビジネス通訳」
・スポーツ選手や来日する芸能人の通訳を担当する「スポーツ・芸能通訳」
・日本への観光客を案内する「通訳案内業」

通訳として働くためには、通訳のエージェントや派遣会社に登録し、仕事をあっ旋してもらう方法が一般的です。

通訳案内業以外で必須の資格はありませんが、通訳の養成スクールで訓練してから仕事をはじめる人が多いです。

また、医学や法律など特定の専門分野に強みがあると採用されるチャンスが広がり、よい待遇で働きやすくなります。

仕事内容

なるには

給与・年収

学校・講座

就職・転職

働き方

翻訳者

文芸、研究論文、映像作品などに使われている外国語・日本語の文章を日本語・外国語に訳す。

翻訳者の仕事は、外国語の文章を日本語、または日本語の文章を外国語に訳すことです。

小説やノンフィクションなどの文芸作品を翻訳する「文芸翻訳」、企業や研究者、消費者が利用するための翻訳をする「実務翻訳(産業翻訳ともいう)」、映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの字幕や吹き替え原稿を翻訳する「映像翻訳」などの分野があります。

翻訳者はフリーランスとして働く人が多いですが、翻訳会社や一般企業で働く人もいます。

翻訳者として働くために必須の資格はありませんが、英語であれば英検1級、TOEIC900点台の高い語学力が必要とされます。

翻訳の専門学校やスクールで学んでから翻訳関連の資格を取得すると、仕事を探すときに有利になることがあります。

近年は翻訳業界の競争が厳しくなっており、未経験者が条件のよい仕事を探すのは簡単ではありません。

医療やITなど特定の分野の専門知識を身につけていったり、地道に実績を積んでいったりすることで、収入アップにもつながります。

仕事内容

なるには

給与・年収

資格・試験

就職・転職

働き方

日本語教師

日本語の背景にある習慣や文化、歴史を伝えながら、外国人に日本語を教える先生。

日本語教師とは、日本語を母国語としない人に対して日本語を教える先生のことです。

日本語を学びたいと考えるビジネスマンや留学生などに対し、国内外の日本語学校・スクールなどで、日本語の発音や文法、読み書きなどをを指導します。

言葉の背景にある日本の文化や習慣、歴史などをわかりやすく伝えていくのも日本語教師の役割です。

日本語教師は、学校の教員とは異なり法的な免許などは定められていませんが、多くの日本語学校では「日本語教育能力検定試験」の合格や、「日本語教師養成講座」の修了などを採用条件としているケースがほとんどです。

ただし、採用条件を満たしたとしても「専任」での雇用枠が小さいため、キャリアの浅い日本語教師は非常勤講師として働きながらステップアップを目指しています。

日本語学習者が増えたことで、日本語教師のニーズは時代を追うごとに高まり続けており、途上国など海外で日本語教育に携わる人もいます。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

就職・転職

働き方

体験談

海外観光系

観光に関わる場面で、語学力を生かしながら旅行を楽しむ人のサポートをする仕事です。 ツアーで海外を訪れる日本人観光客の案内をすることもあれば、逆に日本を訪れる外国人のガイド役になることもあります。

キャビンアテンダント

パイロットと協力し合い、旅客機内での保安管理と乗客への機内サービスを行う。

キャビンアテンダント(客室乗務員、CA、フライトアテンダント)とは、旅客機に搭乗し、乗客の搭乗から到着までのさまざまな業務を担当します。

具体的な業務内容は、機内食や新聞、雑誌、毛布の配布・回収、免税品の販売などを行う「機内サービス」と、急病人への救急処置、天候の悪化時の機内の安全確保などを行う「保安管理」の2種類に分けられます。

キャビンアテンダントになる人は、一般的な大学で学んだ人のほか、キャビンアテンダントの養成を目的としたエアライン専門学校の卒業生も多くいます。

航空会社によって基準は異なりますが、キャビンアテンダントの採用試験では身長制限が設けられ、さらに外国人客とコミュニケーションをとるための語学力も求められます。

この仕事に憧れる人は多くいるものの、長時間のフライトでの立ち仕事に加え、国際線の場合は時差にも対応しなければならず、体力も必要な仕事です。

仕事内容

なるには

給料・年収

学校・講座

就職・転職

コラム

グランドスタッフ

搭乗手続きから乗客の案内まで空港での接客業務を行い、安全・安心なフライトを実現する。

グランドスタッフとは、空港での接客業務を担当する仕事です。

おもな業務は、チェックインカウンターで航空券の発券や荷物の受け取り、座席の指定、乗り継ぎの案内などを行う「搭乗手続き」と、航空機が時間通りに出発できるように、搭乗ゲートにて乗客の案内を行う「搭乗案内」です。

接客能力や判断力、語学力などが求められます。

ほとんどの空港は早朝から深夜まで開いているため、勤務体系は通常シフト制です。

早朝から勤務することも多く、また勤務中は立ち仕事が続いたり空港を走り回ることもあるため、体力が必要となります。

グランドスタッフを航空会社が直接採用しているところは少なく、一般的には、航空会社の関連会社がグランドスタッフの採用を行なっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

学校・講座

就職・転職

体験談

通訳案内士

訪日外国人に対して日本の魅力をわかりやすく伝え、滞在中の生活を広くサポートする。

全国通訳案内士とは、観光やビジネスなどで日本を訪れる外国人に対して、日本の名所や文化、歴史を案内したり、滞在中のサポートをする人のことです。

「通訳ガイド」とも呼ばれています。

有償の通訳ガイド業務自体は無資格でも行うことができますが、「全国通訳案内士」と名乗れるのは、全国通訳案内士の国家試験に合格し、都道府県の登録を受けた人のみとなっています。

全国通訳案内士国家試験の難易度は高く、合格率は例年10%程度です。

全国通訳案内士には、高い語学力に加え、日本の文化・地理・歴史・経済などに関する幅広い知識が求められます。

また、旅行スケジュールの管理やホテルの予約といったツアーコンダクター的な業務を担当することもあり、お客さまに楽しんでいただきたいという「ホスピタリティ」の精神が欠かせません。

現状では正社員として働く人は少なく、多くの人が兼業やフリーランスで活動しています。

日本への外国人観光客の数は時代とともに増えており、とくに地方で活躍できる人材や、アジア圏の言語が扱える人材の需要が拡大しています。

仕事内容

なるには

給料・年収

資格・試験

学校・講座

海外ツアーガイド

日本から海外へ旅行するお客さまのガイド役。現地の観光案内や送迎などを行う。

海外ツアーガイドとは、海外に駐在し、日本から旅行に来るお客さまをガイドする仕事です。

近年は「ツアーコンダクター(添乗員)」がつかない海外ツアーが多いこともあり、必要に応じて観光案内だけでなく、送迎や空港でのサポートも行います。

海外でツアーガイドとして働くためには、基本的に現地の国の労働ビザが必要となりますが、ワーキングホリデービザを利用し、現地の旅行会社でツアーガイドとして働く方法もあります。

現地の言語に長けている人や、日本での旅行関係の仕事やツアーコンダクター経験、あるいはバスガイド経験などがあると採用に有利です。

ですが、正社員待遇のところは少なく、アルバイトでの労働形態となることが一般的です。

収入が安定しづらく、繁忙期と閑散期で仕事量に差がある場合も多いため、兼業で働く人が多くなっています。

仕事内容

なるには

給料・年収

海外支援系

日本を代表して外国との政治的・文化的な交流の最前線に立ったり、紛争・人権・貧困・教育など、世界のさまざまな課題を解決する仕事です。 国際的な機関に所属し、自ら発展途上国で支援活動に携わる人もいます。

外交官

自国を代表し、政治・経済・文化面などにおいて外国との交渉や交流を行う国家公務員。

外交官とは、日本の国を代表して、外国との交渉や交流を担当する国家公務員です。

人事院の「国家公務員採用試験(総合職・一般職)」もしくは、外務省が実施する「専門職員採用試験」のいずれかを受験し、外務省に採用されます。

東京・霞が関にある外務省に勤務することもあれば、世界各地の在外公館(大使館や総領事館)に勤務することもあり、世界各地のさまざまな拠点で活躍しています。

世界がグローバル化するなかで、日本でも、食糧や工業品の輸入や輸出、海外への事業展開などの動きは年々激しくなるばかりです。

その一方で、現在でも紛争やテロが続く地域があったり、長年解決していない領土問題があったりと、世界平和のための課題も山積みといえます。

外交官は、こうした世界の課題をよりよい方向へ導き解決させていくために、高度な語学力や外交に関する専門知識・能力を発揮し、情報収集や分析、交渉、広報や文化交流活動などを行って国の未来を支えます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

国連職員

国連本体やその下部機関に所属し、紛争、人権、貧困など世界の諸問題の解決に取り組む。

国連職員とは、国連本体や下部機関などに勤務し、世界の諸問題を解決するための仕事をする人のことを意味します

具体的には、国連事務局をはじめ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際労働機関(ILO)などの国際機関で働いています。

国連職員は、紛争や人権、貧困、気候といった世界のさまざまな問題解決の手助けを行うために、実際に問題が起こっている世界各地に赴任し、現地にてその問題解決に取り組みます。

国連職員になるためには、大卒の学歴をもつ若年層向けの試験を受験する方法や、一般企業や公務員として専門性を高めてから空きポストに応募する方法など、いくつかのルートがあります。

国連職員は、国際的に中立な立場で業務にあたる特殊な職業であり、高度な語学力や専門性のほか、世界の諸問題解決に対する理念、問題解決への意欲が必要とされる職業です。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

青年海外協力隊

世界の途上国に派遣され、ボランティアとして現地の公共事業や社会福祉などの支援を行う。

青年海外協力隊員は、途上国などに派遣され、2年間(長期の場合)の任期でボランティアとして勤務します。

日本がもつ高度な技術を人的リソースから途上国に伝えることが、青年海外協力隊の役割です。

応募資格は、20歳から45歳で、かつ日本国籍を有することで、応募書類を提出し、面接に合格すると青年海外協力隊として活動できます。

合格後は派遣される前に語学や業務の知識を修得するために、訓練もおこなわれます。

ボランティアではあるものの、現地の生活費や手当が支給され、住まいもあっ旋してもらえます。

若者の安定志向、少子化などが原因で青年海外協力隊への応募者は減少傾向です。

しかし、このプログラムの意義は高く評価されており、現地での経験を生かして、帰国後に希望のキャリアを実現している人も多くいます。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

JETRO職員

独立行政法人JETROに勤務する人。日本経済のグローバル化と発展を支援する。

「JETRO」は、正式には「独立行政法人日本貿易振興機構」といい、日本企業の海外展開支援、対日投資・外国企業誘致の促進を軸に、日本経済のグローバル化と発展を支援する役割を担う機構です。

JETROで働く人をJETRO職員といい、全国各地の営業所、もしくは世界70ヵ所以上の海外事務所にて、日本の産業と海外市場や外国企業を結びつける仕事をしています。

JETRO職員になるには、新卒採用試験か社会人採用試験を経て、JETROに採用される必要があります。

新卒採用は毎年30名ほど、社会人採用は流動的ですが毎年数名の採用しかありません。

JETROは、税金を資金として活動する独立行政法人の立場として、ボーダーレス化が進む日本経済と世界市場を結びつける重要な使命を背負っています。

今後もJETRO職員の重要性は増していくと考えられますが、複雑化するニーズに応えるため、職員には高度な専門知識やスキルが求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

JICA職員

独立行政法人「JICA」に勤務し、開発途上国の支援プロジェクトの進行管理等を行う。

「JICA(日本国際協力機構)」とは、国から供与されるODA(政府開発援助)を使用し、開発途上国を支援する独立行政法人です。

この組織で働くJICA職員は、語学力と専門性を生かし、開発途上国支援プロジェクトのマネジメントに携わります。

JICAでは新卒採用と社会人採用が行われており、どちらの試験も難関で、就職先としては狭き門となっています。

平均年収は800万円と高水準ではあるものの、海外長期勤務が必須であり、異動も頻繁に行われます。

なお、近年では日本の財政状況の悪化から、ODA(政府開発援助)の予算が削減される傾向です。

JICA職員は、開発途上国支援に深く関わるやりがいのある仕事ができますが、限られた予算のなかで業務の合理化や、高い成果を出すことが求められるなど、厳しい面も多々ある仕事です。

仕事内容

なるには

給料・年収

就職・転職

働き方

国際公務員

国際連合などの国際機関に所属し、国際社会の利益と共存のために仕事をする。

国際公務員とは、大きく分けて「国際連合」「国連総会により設立された国連の下部機関」「専門機関」「その他の国際機関」の4種類の国際機関で働く人のことをいいます。

国際公務員は「国」という概念を超えて、国際社会の利益と共存のために仕事をします。

高度な専門性が求められるため、基本的に大学院まで進学し、一定レベルの学位を修めておく必要があります。

国際公務員の年収は、おおむね500万円~1000万円の間に収まりますが、担当業務やキャリアによっても差が出ます。

人種、貧困、紛争など、さまざまな国際問題を解決するための国際機関は、各種の問題があり続ける限り存在すると考えられ、そこで活躍する国際公務員の将来性も十分にあるといえます。

現在では専門分野にプラスして、ITリテラシーの高い人材や、時代の変化にスムーズに対応できる人材が求められています。

仕事内容

なるには

給料・年収

学校・講座

NGO職員

政府とは異なる立場で国際協力や世界的な問題解決のための活動をする。

NGO職員とは、「NGO(Non Governmental Organization:非政府組織)」に所属する人のことをいいます。

NGOは、政府や国際機関とは異なる民間の立場で、多様な社会の課題解決のための活動をする団体です。

とくに貧困や飢餓、人権、環境破壊、紛争といったグローバルな問題に向き合うことが多いことが特徴です。

日本国内には400以上のNGO団体があるとされ、NGO職員は各NGO団体の理念にしたがい、活動を行っています。

多くのNGOは「寄付金」によって事業を運営しており、職員は有給で働く正規雇用スタッフだけでなく、ボランティアとして活動する人も少なくありません。

資金に限りがあることから、新卒採用はあまり行われておらず、民間企業や国際機関、国際ボランティアなどで豊富な経験がある人が活躍するケースが目立ちます。

国際系の仕事にはどんなものがある?

国際系の仕事は、「国際ビジネス・貿易系」「語学系」「海外観光系」「海外支援系」の4つのジャンルに分けることができます。

それぞれの仕事について簡単に説明しましょう。

一つ目の、「国際ビジネス・貿易系」とは、商社やメーカーなど海外の企業と取引を行う企業で、さまざまな「もの」のやりとりに関わる仕事です。

商社マンや海外営業として、新しい市場の開拓や、輸出・輸入などに携わります。

二つ目の「語学系」とは、高度な語学のスキルを生かして、外国と日本の架け橋となる仕事です。

通訳や翻訳の仕事を行い、情報発信やコミュニケーションの舞台裏を支えます。

三つ目の「海外観光系」は、ツアーガイドのように海外旅行を楽しむ人のサポートをする仕事です。

そして最後の「海外支援系」は、日本を代表して外国との政治的・文化的な交流の最前線に立つ仕事です。

外交官や国連職員として世界中で活躍できるのが大きな魅力です。

国際系の仕事に資格・語学力は必要? 資格なしや未経験でもできるものは?

国際系の仕事を目指す人が気になるのは、特定の資格や語学力が必要なのかということでしょう。

これに関しては、職種によって資格や語学力が求められるかどうか変わってくるというのが現状です。

たとえば、税関関係や来日客の通訳など、専門性の高い仕事では国家資格が必要となります。

また、海外営業や外交などの仕事では、語学力がなければ務まらないものも多くあります。

一方で、就職の時点で特定の資格や語学力がなくても、今までの職歴や経験を生かして活躍できるものもあるようです。

具体的にどのような職種にどのようなスキルが求められるのか、詳しく見ていきましょう。

国際系で資格や語学力が必須の職業・仕事

国際系の仕事のなかには、国家資格や高い語学力が必須とされるものがあります。

たとえば、​​輸出や輸入の際に税関での手続きを代行する「通関士」は、国家資格がなければ働くことができません。

試験では、関税法や外国為替、通関書類の作成に関する知識などが問われます。

また、海外から来た客を案内する「​​全国通訳案内士」も、​​2018年に改正通訳案内士法によって新しく誕生した国家資格です。

「通関士」と「全国通訳案内士」はどちらも難関試験があることで知られており、合格率はわずか10〜15%ほどといわれています。

この他にも、「外交官」や「国連職員」などの仕事は海外で働く機会が多いので、いうまでもなく語学力が必須とされます。

学生時代から英語やその他の言語を積極的に習得しておくことが大切です。

留学やホームステイ、TOEFLやTOEICなどの語学試験にもチャレンジしておくとよいでしょう。

国際系で資格なし・未経験でもできる職業・仕事

一方で、国際系でも特定の資格や語学力、経験がなくてもチャレンジできる仕事もあります。

代表的なのは「青年海外協力隊」や「NGO職員」です。

「青年海外協力隊」というのは、​​世界の途上国に派遣され現地の公共事業や社会福祉などの支援を行うボランティアです。

募集される職種は120以上あり、医療関係者や教員、スポーツ指導員、エンジニア、土木関係の技術者など、さまざまな職歴を持つ人たちが集います。

中学卒業程度の英語力があれば問題ないため、義務教育を卒業している人であればチャレンジできます。

同様に、政府や国際機関とは異なる民間の立場でグローバルな問題に向き合う「NGO職員」も、資格や語学力がなくても採用されることがあります。

昨今は、ITスキルや経営・マネジメントスキルの高い人材を求めていることもあるようです。

希望のNGOが見つかったら、求められる資格やスキルについて調べてみるとよいでしょう。

国際系の仕事の年収はどれくらい? 高収入・安定が得られる仕事はある?

国際系の仕事の年収は、仕事内容によって大きく異なるのが実情です。

たとえば、「青年海外協力隊」として海外で働く場合、ボランティアとして業務にあたるため、一般企業のような給料はもらえません。

代わりにJICAから月々の生活費や手当が支給されます。

生活費は派遣国によって異なり、手当は訓練期間は月々40,000円、派遣期間は月々55,000円です。

同様に「NGO職員」も収入は高くないことが多いので、やりがいを感じられる人に向いている仕事です。

その一方で、国際系の仕事には高収入や安定が得られるものもあります。

民間企業のなかで収入が高いことで有名なのは、商社マンです。

商社全体の平均年収は700〜900万円ほどで、大手総合商社の場合は平均年収が1000万円を超えます。

公務員の場合は、国家公務員である「外交官」や「国際公務員」が安定した収入を得られます。

外交官として活躍し、在外公館の大使や総領事になれば、年収2500〜3000万円を目指すことも可能です。

国際系の仕事に就くにはどんな大学・学部に行けばいい?

国際系の仕事を目指すなら、なりたい職種に合わせて進学先を決めることが大切です。

たとえば、「キャビンアテンダント」や「グランドスタッフ」になりたいのであれば、エアライン系の専門学校で学ぶとよいでしょう。

エアライン科やグランドスタッフ科などのコースがあり、より実践的な勉強をすることができます。

大手総合商社の「商社マン」やメーカーの「海外営業」を目指すなら、大学で経営やビジネスについて学んでおくとよいでしょう。

具体的にいうと、経済学部や商学部、経営学部などを選ぶ人が多いようです。

語学のスペシャリストである「通訳」や「翻訳家」を目指すなら、外国語の学部に進学するのがベストです。

ネイティブレベルの語学力を身につけるため、在学中に留学したり海外の大学院に進学したりする人もいます。

国家公務員を目指す場合も、応募できる職種の幅を広げるため、大学に進学しておくとよいでしょう。

外交関係の仕事とは?

国際系の仕事のなかでも重要な仕事として知られるのが、外交関係です。

外交とは、国家と国家の架け橋としてマネジメントを行う仕事全般のことを指します。

「外交官」の場合は、世界各地にある大使館や総領事館を拠点に、各国との信頼関係を築きます。

パーティーや祝賀会に招かれることも多く、語学力だけではなくコミュニケーション能力や教養、マナーを身につけていることが大切です。

「国連職員」や「国際公務員」も、業務を通じて海外と交渉・交流する機会が多くあります。

広い意味で外交に携わることができる仕事です。

今の時代はグローバル化が進み、食糧や工業品に加え、ファッションや音楽などのカルチャーも、輸入・輸出によって成り立っています。
悲惨な戦争や感染症の世界的な広がりなど、国と国が力を合わせて立ち向かわなければならない問題も山積みです。
これからの時代、外交関係の仕事は、ますます重要な仕事となるでしょう。

グローバル企業とは?

昨今では、「グローバル企業」と呼ばれる、複数の国に拠点を持ちながら事業を展開する企業が増えてきました。

これは、日本人なら誰もが名前を知っているトヨタ自動車やソニー、ユニクロなどの大企業だけの話ではありません。

音楽やアニメを制作する制作プロダクションや小規模なアパレルブランドでも、海外に拠点を持つことが増えてきています。

こうした企業を支援するために働いているのが「JETRO職員」です。

「JETRO」は、「独立行政法人日本貿易振興機構」といい、日本企業の海外展開支援、対日投資・外国企業誘致をサポートします。

日本経済のグローバル化と発展を支援する役割を担う機構であり、時代の流れとともに世の中に強く求められるようになってきた存在です。

グローバル企業に興味がある人は、こうした仕事を選ぶという選択肢もあります。

ただし、「JETRO」 の新卒採用は毎年30名ほどなので、狭き門であることは覚悟しておきましょう。

よくある質問

  • 国際系の仕事の種類は?

    国際系の仕事は、大きく4つに分けることができます。

    「国際ビジネス・貿易系」は、商社マンや海外営業の仕事。

    「語学系」は、通訳や翻訳の仕事。

    「海外観光系」は、キャビンアテンダントやグランドスタッフの仕事。

    「海外支援系」は、外交官や国連職員の仕事です。

    どの仕事も、グローバル社会の最前線で活躍できるのが大きな魅力です。

  • 国際系の仕事に資格は必要?

    職種によって、必要な資格や求められる語学レベルが異なります。

    「通関士」や「全国通訳案内士」は、専門性が求められるため国家資格が必要です。

    「外交官」や「国連職員」は海外で働く機会が多く、高いレベルの語学力が求められます。

    「青年海外協力隊」や「NGO職員」は、中学卒業程度の英語力があれば採用されることもあります。

  • 国際系の仕事の年収はどれくらい?

    働き方によって収入はさまざまです。

    「青年海外協力隊」はボランティアとしての仕事なので、JICAから月々の生活費と手当が支給されます。

    民間企業の「商社マン」の場合は、平均年収は700〜900万円ほどで、大手の場合は1000万円を超えます。

    国家公務員である「外交官」や「国際公務員」になると、安定した高収入を得ることができます。