通関士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

通関士に向いている性格・適性

忍耐力のある人

通関士の仕事は、税率計算や申告書類のチェック、作成などがメイン業務となりますが、間違えてしまうと輸出入する貨物の流通が遅れ依頼主に迷惑がかかります。

それだけではなく、追加税金を払う場合や何度もミスをしていると自分が所属する会社が営業停止になるなど、税関からペナルティーを課せられ、金銭的な不利益も生じさせます。

間違いが許されないため一つひとつの作業を確実にこなさなくてはならず、忍耐強さが必要になるでしょう。

多方面で物事を捉えらえる人

通関士の重要な仕事の一つに関税計算があります。

輸入する貨物は輸入統計品目表によって分類され、該当品目に適合した関税を申告しますが、その作業は通関士が行います。

例えば「A」と「B」2つの用途が考えられる商品の場合、「A」の商類は税率8%、「B」の商品分類は税率5%というケースも考えられ、そうした場合は当然「B」の商品分類で申告した方が支払う税金を抑えられます。

輸入統計品目表や貨物を一辺倒な見方しかできないと、本来削減できるコストを見逃してしまう可能性もあります。

そのため多方面から物事を捉えられる人が向いているでしょう。

通関士になるには? 必要な資格は?

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通関士に必要なスキル・能力

貿易の知識

当然ながら、貿易に関する知識は必須です。

そもそも知識がなければ通関士資格に合格しませんが、実務で役立てるため貿易に関する法律や税金情報、時には違反事例も参考になるでしょう。

蓄積された知識は自分の案件でも役立つため、常に情報取集を行い知識を広げるのも通関士の役目かもしれません。

コミュニケーション力

デスクワークが中心の通関士ですが人と関りながら業務を進める機会も多いため、コミュニケーション力も必要です。

申告書類作成時に不明点や確認事項が発生すればクライアントから必要な情報を聞き出さなければ、正確な申告書類を作成できません。

また税関への説明をする機会もあり、なぜこの申告内容にしたかの主張を論理的にしなければ税関職員を納得させることができず、意図した関税で輸出入できなくなります。

そのため通関士にとってコミュニケーション力は、事務能力と同じくらい大事な要因といえます。

通関士に向いていないのはどんな人?

通関士に向いていない人をあえて挙げるなら前項とは逆のタイプの人でしょう。

忍耐力があまりなく、おおざっぱなタイプの人は緻密な書類作成能力が求められる通関士の仕事はあまり向いていないかもしれません。

加えて、通関士の仕事は基本的に書類審査と作成、そして税関への申告業務の繰り返しとなるるため、毎日仕事の変化を求めたい人も続けるのは難しいと思います。

多方面で物事を捉えらえるのも通関士に向いている適性ですが、その逆に「この場合はこれしかない」など、柔軟性に欠ける考え方だと仕事に行き詰まるかもしれません。

しかし、ここで挙げたのはあくまでも一例であり、仮に向いていないタイプにあてはまったからといって通関士になるのを諦めるのは得策ではありません。

本当に通関士として活躍したいのであれば克服するのは可能でしょうし、実務経験を積んでいけばおのずと改善されていくでしょう。

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通関士に英語力は必要?

通関士に必要な英語力は?

通関士は、海外の貨物に対して通関業務を行うので高い英語力が必要かと思われがちですが、決してそんなことはなく、中学卒業レベルでも十分です。

申請書類には英語で記載されている項目もありますが定型的な内容が多いため、慣れれば問題ありません。

実務で使われる英語や単語は貿易に特化したものばかりですので、学生時代の英語の成績は関係なく、通関士を目指す場合、ほとんどの人がゼロから学ぶでしょう。

試験でも英語の問題は出ない?

試験に英語力を問う問題は出題されません。

ただし、書類作成問題などを見てみるとわかりますが、英語で書かれた「INVOICE」という用紙が付いてきています。

「INVOICE」とは仕入書のことで、申告に必ず必要な書類です。

内容は英語で書かれていますが決まった項目に対しての記載ですので、貨物がわかっていれば理解できる英語です。

慣れないうちは調べたり、先輩に聞いたりするかもしれませんが、どれも定型項目なので実務で何回も経験すれば大体慣れてきます。

試験対策も同様で、過去問題集が公開されていて市販の問題集もたくさん発売されているので、繰り返し問題を解いていけば書いてある内容で悩むことはなくなります。

専門的な英語も多いため、英語を学ぶというより専門用語を覚えるという感覚が近いでしょう。

英語力は就職に有利になる?

通関士として働きたい場合、英語力そのもので採用が左右されることはなく「ないよりはあった方がよい」というレベルです。

通関士の代表的な職場である通関業者で働く場合、クライアントの依頼によって通関業務を代行します。

不明点などがあった際はクライアントが海外の担当者とやりとりするため、英語での会話ができなくても問題はないようです。

商社などで働く場合もありますが、実際の通関業務は通関業者に依頼する場合が多く、スムーズな貿易を実現するため間に入って事前準備や通関業者からの問い合わせに対応します。

その際は海外の担当者と英語でやりとりする場合もあるでしょうし、現地担当として赴任することもあるでしょう。

そのような会社の部署で勤めたい場合、英語力があった方が有利といえます。

通関士として英語力を生かしたい場合は?

どうしても英語力を生かして活躍したいという方は、商社など貿易を業務にしている会社へ就職した方がよいでしょう。

実際の通関申告などは通関業者に委託しますが、通関知識を生かして貿易部門を底上げしたり、関連部署をサポートしたりするほか、海外からの問い合わせにも的確に対応できるためタイムロスも削減できビジネスチャンスの損失を防ぐことにもつながります。

ほかに考えられるのは海外で通関士として働くケースです。

ただし、通関士は日本の国家資格なので、海外で活用できるかどうかは何とも言えないところです。

海外で貿易申告等を仕事とする場合は、高いレベルでの英語力に加えて、業務を行う国の言語習得も欠かせません。

ほかにも就労ビザの取得、該当国での通関士ライセンスの取得、採用面接や採用試験など、海外で通関業務を行うハードルは高く、詳細な下調べが必要になるでしょう。

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