日本語教師になるには

日本語教師になるまでの道のり

いまのところ、日本語教師になるために絶対に必要とされる免許や資格はありません。

日本教師の場合、「教師」とはいっても小・中学校や高校で働く教師のように教員免許を取得しなくてはならないということはなく、誰でも日本語教師になることができる可能性があります。

しかし、日本語教育の現場は多様化し、専門性が求められています。

したがって、まずは大学や短大、専門学校で日本語教育科目を履修したり、日本語教師を養成する目的で作られたカリキュラムを修了するなどして、日本語そのものについて学ぶと同時に、日本語の指導方法についての正しい知識やスキルを身につける必要があります。

民間の専門学校やスクールでも、日本語教師を目指す人向けのカリキュラムを置く学校がいくつもあり、多くの日本語教師志望者が、このようなスクールに通って学んでいます。

日本語教師の資格・難易度

日本語教師になるための条件は?

日本語教師の代表的な活躍の場は、国内の日本語学校やスクールです。

このような場において日本語教師の採用条件としてよく掲げられるのは、おもに以下の3つです。

1. 四年制大学において、日本語教育に関する専攻を修了する。
2. 財団法人日本語教育振興会が実施する「日本語教育能力検定試験」に合格する。
3. 民間が主催する420時間以上の日本語教師養成講座を修了する。

このうち、2の日本語教育能力検定試験は年に一度行われており、合格率は例年15%~30%程度を推移しています。

独学で合格している人もいますが、出題範囲が幅広いこともあり決して簡単な試験というわけではなく、民間のスクールで試験対策をして受験している人もいます。

ただし、この検定試験に合格したからといって、必ず日本語教師として就職できるわけではありません。

検定試験は、あくまでも現時点で日本語教育に関する基礎的な知識があることを示せますが、より実践力を身につけるために、420時間の日本語教師養成講座もあわせて受講し、就職を目指していく人が多いようです。

日本語教育能力検定試験の難易度・合格率
日本語教師を目指す人に必要な資格・免許は? 費用はどれくらいかかる?

その他の資格や条件が就職の条件になることも

日本語教師になるための代表的な方法は上記に挙げたものですが、実際にはどこで、誰に日本語を教えるかによっても変わってきます。

たとえば、ボランティア活動として、あるいは個人で教える場合には資格等はとくに必要ありません。

しかし、小・中学校など公教育機関で児童・生徒に教える際は、基本的に教員免許も必要です。

海外の学校で教える際には、現地の教員免許があることが勤務の条件となっている場合があるため注意が必要です。

また、大学の留学生に教えるときは、専門領域が日本語教育や日本語学、言語学であることや、大学院修士課程以上を修了していることが条件に挙げられるのが一般的です。

日本語教師になるための学校の種類

大学・大学院

日本語教師になるために、絶対に通わなくてはならない学校はありません。

ただし、特定の学校を出ていることで、就職の際に有利になったり、仕事で身につけた知識が役立ったりすることがあります。

まず、四年制大学の文学部や人文学部、教育学部などで日本語教育に関する専攻を修了していると、日本語教育について専門的に学んだことが認められるとともに、大卒の学歴も得られるため、就職先の選択肢が広がるでしょう。

大学を卒業後、さらに大学院へ進んで、より日本語の研究を進めてから日本語教師になる人もいます。

専門学校・スクール

日本国内には数多くの日本語教師の養成機関(専門学校・スクール)があります。

このような場で「日本語教師養成420時間コース」を受講することで、日本語教師を目指すことが可能です。

こうした養成機関のカリキュラムは、文化庁が出している日本語教師を養成するためのモデルシラバスに沿った形で作られており、カリキュラムを修了することが多くの日本語学校・スクールの採用条件のひとつにもなっています。

大学で日本語教育を専攻していなくても、この養成コースを修了し、現場で知識・経験を深めながら一人前の日本語教師として大きく活躍している人も少なくありません。

また、日本語教育能力検定試験への合格のために、同試験の対策講座に通って学んでいる人もいます。

通信講座

日本語教師を目指す人向けの講座は、その多くが通学制となっていますが、なかには通信講座で学べるものもあります。

通信講座は通学制の講座よりも費用が安く、自分のペースで手軽に勉強したい人にはメリットが大きいといえるでしょう。

普段はテキストやCD、インターネットなどを利用して自宅で学びますが、420時間コースに認定されているものでも実技の授業は通学が必要になってきます。

なお、日本語教師養成の通信講座は「420時間コース」として認定されているものと、そうでないものがあるため注意が必要です。

日本語教師になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・通信大学・大学院)

日本語教師に向いている人

教えることが好きな人

日本語教師は「人に物事を教える」仕事なので、基本的に人と接することを楽しみ、何かを伝えたり、アドバイスをしたりするのが好きな人に適性があるといえます。

日本語を学ぶ外国人は、日本人とは文化や習慣の違う中で生まれ育っているため、日本語を理解することにとても苦労することがあります。

日本語に関する知識や教授方法、さらにどういう教材が生徒の興味を引くのか研究することも含め、自分の知識をどんどん深めながら、わかりやすく人に教えることが好きな人にこの仕事は向いているでしょう。

異文化・日本文化に興味がある

さまざまな文化背景を持つ生徒に対応するには、世界の歴史や経済、国際情勢などについても、日ごろから関心を持っていることが大事です。

また、日本の文化を正しく相手に伝えていくことも大事な役割となります。

お互いの国の文化を尊重し合い、それを受け入れたり、知らないことを知ったりすることを楽しめる人なら、日本語教師の仕事に前向きに取り組めるでしょう。

忍耐強さ、根気強さがある

外国人の生徒と上手に関わっていくには、異文化を受け入れ、相手と根気強く向き合う必要があります。

ときには価値観や習慣の違いから多少のすれ違いが生じたり、コミュニケーションがうまくとれなかったりすることがあるかもしれません。

相手をしっかりと理解しようとする気持ちを忘れず、根気強く接していくことができる人は、日本語教師としての適性があるでしょう。

日本語教師に向いている人・適性・必要なスキル

日本語教師のキャリアプラン・キャリアパス

民間の日本語学校・スクールで新たに仕事を始めた日本語教師の多くが、まず「非常勤」としてキャリアをスタートします。

非常勤はフルタイム勤務をすることが難しく、週に2~3回程度の出勤で、1日の数コマの授業を受け持つ人が多いようです。

そのため、複数の日本語学校・スクールを非常勤講師としてかけ持ちしながら経験を積んで実績を残していき、「常勤」へステップアップするのが一般的なルートです。

常勤になれば、勤務先の日本語学校・スクールの専任講師として働くことができ、給料や待遇面もより充実したものとなります。

このほか、大学の専任講師などの条件が良い求人は競争力が高くなっています。

また、最近では海外での日本語教師の需要も高まっているようです。

海外では、日本語を教育できる人材がまだまだ足りないといわれており、とくにアジア圏では日本語に対する学習熱が高く、日本語を学びたいという人に対して日本人の日本語教師が少ない状況にあるようです。

日本語だけでなく、日本の文化や習慣を正しく伝える役割を持っている日本語教師は、グローバル化が進むなかでますます重要になっていくでしょう。

日本語教師を目指せる年齢は?

日本語教師になるのに、年齢はさほど問われません。

この仕事は大学などを出たばかりの新卒の状態から就く人もいますが、転職によって、ある程度の年齢に達してから目指す人も決して少ないわけではありません。

日本語教育能力検定試験の受験状況も見ても、40代以上の人が受験する割合も大きくなっており、第二の人生として日本語教師になるケースも多々あります。

さまざまな生徒に対応するには、それまでの豊かな社会経験が生きる場面も多々あるため、年齢が上がったから不利になると考える必要はないでしょう。

ただし、実務経験がない状態で日本語教師になる場合、たいていは非常勤からのスタートとなり、それは年齢が高いからといって変わりません。

非常勤は常勤よりも給料や待遇面で劣る場合が多く、不安定な生活になりがちなので、将来についてよく考えたうえで日本語教師を目指していくことをおすすめします。

日本語教師は高卒から目指せる?

日本語教師は、高卒であっても目指すことができます。

420時間の日本語教師養成講座や日本語教育能力検定試験は、学歴問わず受講・受験することができるため、もし高卒から日本語教師になりたいのであれば、これらの道を選択するとよいでしょう。

ただし、日本語学校・スクールによっては、養成講座などで日本語教師になるための勉強をしていることに加え、「大卒以上」の学歴を応募資格とする場合があります。

高卒であると、就職先の選択肢はやや狭まると考えておいたほうがよいでしょう。

また、大卒の人よりも給料などの面でやや不利になることもあるようです。

一方、学歴不問で採用する学校・スクールなどもあるため、高卒だからといって働き口がまったく見つからないということはないはずです。

高卒から日本語教師になるには