「外交官」とは

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自国を代表し、政治・経済・文化面などにおいて外国との交渉や交流を行う国家公務員。

外交官とは、国を代表して外国との交渉や交流を担当する国家公務員のことです。

国内の外務本省に勤務することもあれば、世界各地の大使館や総領事館に勤務することもあり、世界各地のさまざまな拠点で活躍をしています。

世界がグローバル化するなかで、食糧や工業品の輸入や輸出、海外への事業展開などの動きは高まり続けています。

その一方で、今なお紛争やテロが続く地域があったり長年解決していない領土問題があったりと、世界平和のための課題も山積みとなっています。

外交官はこうした課題をより良い方向に解決させるために、情報収集や分析、交渉、広報や文化交流活動などを行い、国の未来を支えるのが使命です。

「外交官」の仕事紹介

外交官の仕事内容

国と国の懸け橋となる重要な仕事

外交官とは、国内の外務省や世界各地の大使館や総領事館に勤務し、外国との交渉・交流を行う仕事です。

グローバル化が進み、世界各国との関わりはますます重要なものとなっています。

その中で、外交官は海外諸国との政治的な交渉事や経済的な連携などを通して、日本の平和と国民の安全を守るために尽力しています。

また、同じ地球上に生きる人間として、日本を代表して開発途上国の支援を行い、世界平和のために働くことも外交官の役割です。

外交官になると外交官特権という「外交官の不可侵(抑留・拘禁の禁止)」、「住居の不可侵権」などの特別な権利が任務遂行のために与えられます。

また、海外で働いている場合でも、消費税などが免税になる特権もあります。

外交官の就職先・活躍の場

外務省へ入省

外交官は国家公務員または外務省専門職員の採用試験を受けて合格した場合外務省へ入省し、東京・霞が関にある本省や世界中にある大使館や総領事館などで働くことになります。

採用後、本省にて1~2年研修を受けたのちに、各国の大学などで2~3年の研修を受けてその国の言語や文化、政治などを学びます。

ただし、高卒や短大卒で採用される一般職は、本省で会計や予算管理などをすることになり、稀に海外出張はありますが、総合職のような海外研修はありませんし、交渉の舞台に立つようなこともありません。

平成29年度の一般職採用は、男性26人、女性30人と半々でした。

外交官の1日

有事には徹夜の場合も

海外の国に勤務する外交官は、現地での情報収集にあたったり、要人に会って交渉をしたりするのが仕事です。

海外赴任中の総合職職員の基本的なスケジュールとしては以下の通りです。

8:30 出勤
メールチェックやデスクワークを行う。

10:00 インターネットで情報収集
担当国の治安や政治の状況について情報収集や分析。

12:00 昼休憩
昼食を食べます。

13:00 視察
現地の学校や政治的な活動などの視察

16:00 報告書作成
視察内容から日本への報告書を作成

18:00 退勤
仕事が終わったら一旦家に帰ります

20:00 パーティー
パーティーへの出席も大切な仕事です。要人との会話から情報収集を行います。

外交官になるには

年1度の採用試験を受ける

外交官は、外務省に勤務する国家公務員です。

外務省に入るための試験としては、「国家公務員採用総合職試験」「外務省専門職員採用試験」「国家公務員採用一般職試験」の3種類があり、それぞれ外務省入省後のキャリアパスや業務内容が異なります。

専門職員の場合は、それまでに培った高い語学能力で、その国のスペシャリストとしての活躍が期待される職種で、総合職や一般職とは異なり、外務省が独自に作成した試験を受けます。

外交官の学校・学費

総合職を目指すならば高学歴が有利

「キャリア」と呼ばれる外交官になるための「国家公務員採用総合職試験」は非常に難関で、東大や京大、有名私大といった難関大学(特に法学部)や大学院出身者が多いといわれています。

「外務省専門職」を目指す場合は、語学力や専門知識が評価されるので、海外留学などで外国語のコミュニケーション能力を身に着ける必要があります。

一般職の場合は、高卒や短大卒でも採用試験を受ける資格があり、学歴よりも採用試験を突破できる能力が必要です。

外交官の資格・試験の難易度

採用人数も少なく狭き門

総合職の採用人数は例年30名程と少なく、国家公務員の中でも最難関資格として知られています。

外務省専門職員の場合は、英語やその他言語の高い語学力が求められ、試験では18言語のうち1つを選んで会話の試験を受けます。

他の言語を選択する場合でも英語の能力も求められ、TOEFL100点またはIELTS7.0以上のスコアが推奨されています。

一般職の場合は高校卒業程度の学力となっていますが、こちらも毎年50名程度の募集と倍率が高いため、専門学校などで試験勉強をしてから採用試験に臨む人が多いです。

外交官の給料・年収

海外で働く場合は手当が大きい

外交官の給料は、国家公務員として国が規定する額が支給されます。

大学学部卒者が総合職として外務省に入った場合、初任給は213,816万円で、40代になった頃の月給はおよそ38万円です。

また、外交官は先進国ばかりでなく、生活環境があまり恵まれていない発展途上国に赴任する可能性もあります。

そんな海外赴任者やその家族が安全に生活できるように、現地での生活のためのさまざまな手当が支給されるので、役職によっても異なりますが、海外赴任中の収入は1,000万円~3,000万円となります。

国内勤務でも、他の国家公務員と同様に、期末・勤勉手当、住宅手当、配偶者手当などがあります。

外交官のやりがい、楽しさ

世界との架け橋となる仕事ができる

外交官のやりがいは、世界に出て海外との架け橋となる仕事をできることです。

日本を背負って仕事をすることになるので、難しい交渉が多く責任は重いですが、成し遂げた時の達成感はかなり大きいです。

例えば発展途上国に対して日本としての支援方針を考えたり、条約を結んだりするような仕事では、発展途上国の成長に貢献することができます。

また、担当国がテロなどの危険な状況になれば、危機管理の最前線に立ち、直ちに邦人の身の安全のための対策を現地国と考え実行するなど責任感のある仕事をすることになります。

外交官のつらいこと、大変なこと

高レベルの言語取得が求められる

外務省に総合職として採用されたら、入省後1年の研修を受けた後、各言語に割り振られて通常2年、ロシア語やアラビア語など難易度の高い言語は3年間留学することになります。

国費を使っての勉強ですし、各言語交渉などに差し支えのないレベルにまで達する必要があるので、勉強漬けの毎日になることは理解しなくてはいけません。

また、治安が悪い国に派遣される可能性もあるので、外交官として国のために働くという覚悟を持って入省することが必要です。

外交官に向いている人・適性

社交的で物怖じしない人

海外で働くということは、さまざまなタイプの国民性の人と仕事することになり、外交官か自己主張をしっかりできなければ、日本としての意思表示もできなくなってしまいます。

そのため、相手が外国人であっても物怖じせずに発言ができることが大切ですし、パーティーなどで仕事の進展に繋がる話があるかもしれないので、積極的に要人と会話できるような社交性が必要です。

また、日本の更なる発展のために仕事をすることになるので、日本という国が好きで日本と海外が良好な関係を築くための努力を惜しまないということが大前提になります。

外交官志望動機・目指すきっかけ

外国語が得意で海外で働きたい

外交官を目指す最初のきっかけとしては、学生時代に留学経験があるなど、外国語が好きで世界を股にかけて仕事をしたいという理由が多いです。

総合職や専門職員の場合は、本省勤務と海外勤務の繰り返しで、外交官人生の半分を海外で暮らすことになります。

日本という国を背負う責任感の大きい仕事をしたい、海外に日本の良さを広めたいなどさまざまな理由があると思いますが、海外で仕事をするということに価値を感じている人にとって魅力的です。

外交官の雇用形態・働き方

国家公務員として採用される

外交官は総合職、専門職員、一般職という職種に分かれますが、いずれの職種も国家公務員として採用されて働きます。

一般職は外務省本省での勤務になりますが、総合職と専門職員は海外に派遣されることが前提となり、本省研修と語学研修の後は海外勤務と外務省本省勤務を繰り返します。

ただし、一般職であっても海外とのやり取りをする必要があるので英語のスキルアップが求められますし、やる気さえあれば海外出張や海外に語学研修のチャンスもあります。

外交官の勤務時間・休日・生活

1日7時間45分勤務

外交官が日本で外務省に勤務する場合、規定時間は9時15分から18時15分の休憩を挟んだ7時間45分勤務の土日祝休みです。

しかし、国会が開催されている期間や大きな会議がある時などは残業が増えます。

また、海外勤務の場合はその国によって就業時間は異なりますが、国内勤務よりも忙しくなることが多く、特に緊急事態が発生した時などは何日も家に帰れない日が続くこともあります。

国を背負っている仕事なので、有事の時はプライベートや家庭を後回しにする覚悟が必要です。

外交官の求人・就職状況・需要

年に1回の国家公務員を受験

外交官になりたい場合、年に1回ある国家公務員試験を受験することになります。

どの職種も国家公務員の中では採用人数が少なく、毎年求人はありますが、総合職の場合は大卒以上が条件で、東大や京大卒が多く、合格するのは高学歴の人ばかりです。

専門職員の場合は大卒程度の学力があれば良いとされていますが、試験に通るためには極めて高い学力が必要なので、実際は大卒以上ばかりです。

採用試験に合格できれば男女平等で、女性の場合も総合職や専門職員なら海外でバリバリ働く環境にありますし、産休や育休を上手く使いながら子育てしながら働くことも可能です。

外交官の転職状況・未経験採用

民間企業での経験者枠もあり

外交官になるためには、社会人にもチャンスがあり、民間企業などで実務経験のある人で係長級以上の官職として採用する経験者枠の採用試験があります。

ただし、平成29年度の実績は合格者1名と非常に狭き門といえます。

また、一旦一般企業に就職して働いた場合でも、総合職と専門職員の場合は30歳までは国家公務員の採用試験を受ける資格があるので、転職ではありませんが努力次第でチャンスはあります。

上記でも説明していますが、採用人数は少なく倍率も非常に高いので、働きながら目指す場合は採用試験のためにしっかり勉強をする時間を確保することが大切です。

外交官の現状と将来性・今後の見通し

外交のために今後も活躍が期待される

私達が安全に海外へ旅行できる裏では、外交官の活躍があります。

紛争やテロなどが起こる地域もある中、外交官は治安情報や経済情報を迅速に、かつ正確に情報発信することで、日本国民を守っているのです。

また、発展途上国を支援して平和を守ったり、国家間の交流を深めたりしながら日本の良さを世界に伝えることも、外交官の役割です。

「世界平和」という人類共通の使命に向けて、世界を股にかけて働く社会的意義の大きな仕事として今後もますます活躍の場が広がるといえるでしょう。