「国連職員」の仕事とは

国連職員の仕事内容

国際機関で働く職員

国連職員とは、国連本体やその下部機関で働く人のことをさします。

国連とは「国際連合」と称する国際平和と安全の維持、国家間の友好関係の構築や生活水準の向上、人権の推進等を任務とし、世界各地の難民の救済や保護、テロ対策、開発、核不拡散への働きかけなどの課題解決に重点をおく組織です。

「国際公務員」という身分になり、現在、世界に広がる国連加盟国出身の約4万4千人程度の人が国連職員として、紛争、貧困、人権問題など多種多様な問題に取り組んでいます。

携わる職種はIT、貿易、金融、環境など多岐にわたりますが、各領域に専門を持つエキスパートが実際に問題が起こっている世界各地へ赴任し、現地で問題解決に取り組み問題解決に取り組みます。

国連職員の就職先・活躍の場

就職先や活躍の場はたくさん存在する

国連職員とは国際公務員のことであり、活躍の場は、世界各地に広がっています。

国連職員と聞いて、国際的で官僚的な業務を、国連事務局で行う職員だと思っていた人もいるかもしれません。

しかし国連職員とは、国連本体だけでなく下部機関、専門機関で働く人々のことも指します。

世界193か国が加盟する(2018年5月現在)国際連合の職員は、国連事務局をはじめ、世界銀行や、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)、国際労働機関(ILO)、国連ボランティア連絡事務所(UNV)などでそれぞれ仕事に従事します。

国連職員は、その約6割を本部以外の世界各地に派遣する、即応型のフィールド主体組織であり、世界各地で問題解決を行います。

職種としては、IT、財務、農業、貿易、金融、産業育成、人事や環境など幅広く複数あり、各職種の専門家がチームとして問題解決に当たります。

国連職員1日

基本的に、自国以外の国に赴任する

国連職員は、専門職として働く場合、基本的に自国以外の国に赴任します。

国連事務局の専門職として働く国連職員のある1日を見てみましょう。

8:30 
出勤したら、まずはパソコンでのメールチェックをします。

日々たくさんの連絡が入ってくるため、重要度の高いものから対応していきます。

9:00
来年に控えた世界国連会議の準備会議に出席、多様な国籍を持つ同僚と意見を出し合いながら、進捗状況などの共有を行います。

12:00
出向先から一時戻った同僚とランチミーティングの時間を持ちます。

13:00
他機関と合同で行うスカイプ会議に出席します。

15:00
当日行われたミーティングや会議の内容を書類にまとめていきます。

国際機関では必ず文書で残されるため、事務処理にかかる時間も長くなります。

16:30
上がってきた報告書に目を通し、内容に誤りや齟齬がないか入念に確認します。

18:00
退勤

国連職員になるには

職務遂行可能な語学力は必須

国連職員として働くには、語学力が必須です。

特にほとんどの国連や国際組織への応募条件は、英語もしくはフランス語で職務遂行が必須条件と定められています。

一部学士(大卒)で応募できる若年層向採用プログラムもありますが、実際に採用されるのは、海外での大学院修了者(修士以上)がほとんどです。

また、日本の国内資格で特に採用時に有利となるものはありませんが、例えば会計の職を目指す場合には、CPA(米国公認会計士)が、監査の職を目指すならばCIA(内部公認監査人)など、職務に繋がる資格を保有し経験を積むこともアピールできる手段のひとつとしても考えられます。

国連職員の学校・学費

在職者の出身大学は多様

国連の国際組織で活躍する国連職員の出身大学は多様であり、一見難関大学卒業者が占めているかと思われがちですが、実は、出身大学名は一切採用に関係ありません。

同様に、学部についても、選考に有利な学部は一切ありません。

出身大学よりもむしろ、自身が目指す国際機関と、そこで求められる職種と専門性を調べ、大学・大学院での専攻や仕事まで、「専門の一貫性」を持つことが求められています。

とはいえ、学歴のキャリアの中に留学経験があることは採用に直接影響はないにしろ有利になります。

高レベルな語学力に加え、他国での文化・環境に触れた経験というものは選考後の実務の場においてもおおいに生かされるでしょう。

国連職員の資格・試験の難易度

国連職員に資格は不要

国連職員になるために、基本的に資格というものは必要ありません。

国連職員として、一般的に最低限必要とされるのは、何らかの資格ではなく語学力と学位、その学位の専門性です。

しかしながら、語学力を客観的に示すためのTOEICやTOEFLの高得点が直接的な評価に繋がるということではありません。

国連職員の場合、「資格」というよりは、「条件」と捉えたほうが適切です。

また、学位については、学士でも応募できる試験もありますが、実際には、海外の大学院在学中であったりMBAなど修士号以上の学位を持っていることがほとんどです。

「専門性」が重視される国連職員になるためには、一貫した専門知識と能力が求められます。

国連職員の給料・年収

勤務地によって給料は変わる

国際機関の職員の処遇については、各機関ごとに規則で定められていますが、OECDやIMF等の国際金融関係機関を除き、国連共通制度というものを採用しています。

そのため、国連と専門機関、下部機関では、基本的な勤務条件・処遇はほぼ同様のものとなっています。

国際機関の職員給与は、【基本給+地域調整給+各種手当】です。

また、基本給は扶養者の有無などにより異なり、職員のグレード(階級)によって変わってきます。

休日は、1年につき30日間の年次有給休暇が与えられます。

国連職員のやりがい、楽しさ

国境を超えた世界のための支援を行える

国連職員は、世界各地で問題解決のための支援を行い、中立的な立場で国際平和と国際協力のために日々働くことになります。

その役割や職務は、所属する国際機関ごとに異なり、貧困や環境対策、資金調達や広報活動、現地事務所への支援など多種多様です。

世界の各国の垣根を超えて、信頼される立場にある国連職員だからこそ責任と意義深い職務に従事することができます。

世界の人々のために役に立っているという自覚や実感が、国連で働く職員のやりがいであることは間違いありません。

国連職員のつらいこと、大変なこと

高度な専門性と熱い熱意が求められる

国連職員は、その世界への貢献性・やりがいの大きさの反面、苦労もあります。

一筋に解決できない世界規模の難題に取り組むプレッシャーや責任感はもちろん、紛争地帯や危険を伴う地域などリスクのある環境で任務を遂行することもあり、その点が国連職員の大変さであるといえます。

また、一般企業のように終身雇用などといった安定した雇用形態ではなく、多くが有期契約の職員になります。

中には数ヶ月単位の契約もあります。

現在、パーマネント契約は減少傾向にあり、ほとんどの職員が契約雇用です。

そのため、1年1年成果を出し認められなければならいないという緊張感があります。

国連職員に向いている人・適性

志が高く勉強熱心で人間力のある熱い人

国連職員には、世界のさまざまな問題を解決するための即戦力が求められており、専門的かつ最高水準の能力が必要とされます。

問題意識を持ち、問題解決への意欲が高く、そして高い志があることや、国連職員になって何を専門とし、何で貢献したいのかという目的が明確な人が求められています。

また、国連職員として就職するには、専門分野に関する経験や知識も求められます。

何を専門にするかは人や派遣先によってそれぞれ異なりますが、追及していきたいテーマを見つけ、主体的に努力できるような人は国連職員としての適性があるといえるでしょう。

国連職員志望動機・目指すきっかけ

世界の役に立ちたいという強い意志

国連職員を目指す人たちは、世界をフィールドに活躍したいという強い意志を持っています。

とくに国連職員は、途上国の貧困問題や教育問題、紛争、災害、環境問題といった大きなテーマを扱うため、世界平和や国際的な課題に関心が強く、世界問題を解決したいと考える志の高い人が志望します。

具体的に自らの中に課題や改善したい問題があること、また役立てられる専門知識や経験、スキルがあることも国連職員を志願する動機となるでしょう。

国連職員の雇用形態・働き方

安定性は低く緊張感が高い

国連職員の雇用形態は多様です。

短期契約をはじめ、終身雇用であるパーマネント契約、数年契約をし、その後更新するフィックスタームなどの形態がありますが、多くは基本的に、安定した雇用形態ではなく有期契約の雇用となります。

中には数ヶ月単位の契約もあり、常に成果を出し、貢献を認められなければならない緊張感があります。

実態として現在、パーマネント契約は減少傾向にあり、ほとんどの職員が契約雇用となっています。

安定を求める人には厳しい職種であるといえるでしょう。

国連職員の勤務時間・休日・生活

人や派遣先によってまちまち

国連職員の休日についても、勤務先となる派遣先機関によって異なります。

多くの場合、平日に仕事をして土・日曜日に休みの週休2日となるようです。

休暇については、年齢やポストに関わらず1年につき30日間の年次有給休暇が与えられるのに加え、病気休暇、特別休暇、出産休暇があります。

また、給与については、国連職員はどの国に赴任されたとしても同程度の水準が維持されるような制度となっており、生活水準は国によっても少々異なりますが、ある一定以上の生活環境は確保されています。

国連職員の求人・就職状況・需要

狭き門で競争が激しい

国連職員への転職については、とくに年齢制限は設けられていません。

空きポストに応募するルートのほか、特定のポストではなく、「国連職員」という大枠での募集の採用試験を受ける方法もあります。

ヤング・プロフェッショナル・プログラムと呼ばれる採用枠です。

しかしこの選抜試験は非常に倍率が高いため、やはり競争は高い専門性や経験が有利になるハイレベルなものになると覚悟しておいた方がよいでしょう。

また、日本人のみを対象としたジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)という採用制度もあります。

日本人のみが対象のため、上記ふたつの試験よりは倍率が低いといえます。

こういった倍率の高い職種に応募する前に、特定プロジェクトのインターンやフィールドサービスとして国連内部で働き、実績を作った上で空きポストや一般選抜に応募するのもひとつの手段です。

国連職員の転職状況・未経験採用

キャリア採用の枠がある

国連職員の仕事には、転職が不利という概念はありません。

国連という多国籍な組織で、多岐に渡るニーズにどう貢献できるかが重要であるため、即戦力となる社会経験やスキルを持った人を採用するのが一般的だからです。

国連には中途採用という採用形式はありませんが、特定のポストに空席が出た際に、一般から職員を募集するシステムが、中途からのキャリア採用の枠に該当します。

空いたポストに応募する場合は、そのポストに関連する分野のスペシャリストであることが求められます。

未経験からの転職は相当に壁が高く、ほぼチャンスはないと考えて間違いないでしょう。

空席に伴う新規職員募集は、国連の採用情報専用ホームページに掲載されるので、志願する人はこのホームページを自ら定期的にチェックすることがおすすめです。

国連職員の現状と将来性・今後の見通し

スキルの高い人材を求めている

国連は、世界各地の難民の救済や保護、テロ対策、開発、核不拡散への働きかけなどの課題に重点をおく組織です。

国連職員には、世界各地の極度の貧困の撲滅など、問題を解決するための即戦力が求められており、高いスキルを持った人材が必要とされています。

また現在、国際的に経済状況が悪化していることで、先進国からの国連拠出額も減少しています。

その影響もあり、限られた活動費の費用効果を高めるために効率的な運営が考えられています。

そのため、長期雇用契約は減少していますがその分短期契約で民間出身者の採用の機会も広がると見られています。