商社マンの仕事内容

商社マンの仕事とは

商社とは、食品や医療品、繊維、鉄鋼、石油、自動車など、「カップラーメンからロケットまで」という有名な言葉の通り、世の中のありとあらゆるものを取引する会社です。

その商社のなかで、事務職ではなく、総合職として営業などに携わる人のことを一般に商社マンと呼びます。

世界中には星の数ほどの生産業者があり、さまざまな商品を、さまざまな価格・条件で販売しています。

一方、メーカーや小売業者などは、できる限りよい品物を、できる限り安く調達したいというニーズを抱えています。

商社マンは、世界中を飛び回ってそれらの情報を集め、業者と取引条件を交渉し、売り手と買い手をつなぐ「パイプ役」となることがおもな仕事です。

私たちがさまざまな商品を手軽に購入したり、サービスを利用したりできるのは、その影に商社マンの働きがあるからであり、商社は私たちの暮らしにとって必要不可欠な存在といえるでしょう。

商社マンの業務の内容

商取引業務

商社マンの業務は、仕入先から調達した商品を、取引先へと販売する商取引業務、いわゆるトレーディングが中心です。

ただ、単純に品物を右から左へ流すだけではなく、輸出入にかかる貿易事務や、陸海空の物流サービスの提供をはじめ、商社マンの仕事は商取引にまつわる付帯事業全般に広く及びます。

ときには、商品や業界全体のマーケティングを行って、それに基づいて販売戦略を立案し、広告宣伝を企画したり、販路を開拓したりと、流通の上流から下流まで総合的にプロデュースすることもあります。

また、扱う商材も企業によってさまざまで、ありとあらゆるものを取り扱う「総合商社」もあれば、一部の分野に特化した「専門商社」もあります。

商取引の金額は1件で数億円や数十億円にのぼることも珍しくなく、商社マンの仕事は地理的にも経済的にも大規模である点が特徴的です。

金融業務

商取引には、為替が大きく変動したり、過剰在庫を抱えてしまったり、輸送時に積荷が破損したり、悪天候で期日までに届かなかったり、決済資金が足りなかったりと、さまざまなリスクがあります。

仕入先・販売先企業が抱えるそれらの問題を解決するため、外国為替取引や先物取引、デリバティブ、保険代理業務、子会社や取引先への保証付与など、金融事業を手掛ける商社も少なくありません。

それらの業務から得られる手数料収入や保険料収入は、商社を支える収益の柱のひとつとなっています。

投資業務

近年の総合商社は、資源開発や新エネルギー開発など、投資事業にもきわめて積極的です。

成長が見込める産業に対しては、ただ単純に資金を投下するだけでなく、自社の人材を出向させるなどして管理運営に主体的に参画し、事業拡大を図っています。

三菱商事がローソンに、伊藤忠商事がファミリーマートに、三井物産がセブンイレブンに出資しているコンビニ業界は、その典型的事例といえます。

各社は、それぞれの出資先に対して商品企画を行ったり、「POS」と呼ばれる在庫管理システムを提供したりして熾烈な覇権争いを繰り広げており、コンビニ同士の戦いは商社の代理戦争ともいわれています。

商社マンの役割

商社マンの役割は、生産業者と製造業者・販売業者をつなげ、商取引をサポートすることです。

ただし、近年は総合商社を中心として業務は多様化・複雑化しており、それに伴って商社マンに求められる役割も、単なる仲介役に留まらなくなっています。

上述したように、事業投資に注力する商社もあれば、自社で製品開発から製造、販売まで一貫して手掛ける「SPA事業」を行う商社、IT事業を手掛ける商社もあります。

商社マンは、ときと場合に応じて、卸売業者ではなく、投資家になったりメーカーになったりIT業者になったりと、その役割がさまざまに変化する点に大きな特徴があります。

世間でいわれるように、商社マンの役割は「何でも屋」なのかもしれません。

現在の商社マンには、ひとつの商品・サービスに対して、複数のツールを用いてさまざまな角度からアプローチし、今までになかった新しいビジネスを創出していくことが求められています。

商社マンの勤務先・有名な企業

総合商社

有名な商社としては、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商、双日の総合商社7社がまず第一に挙げられます。

いずれの企業も日本経済をけん引する大会社であり、最大手の年間売上高は10兆円を超えるという破格のビジネススケールで、グローバルに活躍することができるでしょう。

また、たとえば三菱商事は環境インフラやエネルギーに、三井物産は機械インフラや生活産業分野に強みがあるといったように、同じ総合商社でも、各社が得意とする商材には違いがあります。

専門商社

各分野に特化した専門商社も全国に約60社ほどあり、医療品業界のメディセオパルタック、食品業界の三菱食品、鉄鋼業界の日鉄住金物産、エネルギー業界の伊藤忠エネクスなどが有名どころです。

業務範囲という点では総合商社に劣りますが、それでもトップ企業となると売上高は数兆円規模に達し、各業界のスペシャリストとしてダイナミックに働くことができるでしょう。

専門商社のなかには、メーカーなどの系列会社として親会社の事業に関連した取引を中心に行うところもあり、トヨタ傘下の豊田通商がその代表格です。

商社の子会社・出資先企業

商社マンは、商社本体ではなく、その子会社や出資先の企業に出向するケースもあり、とくに近年は事業が多角化している影響もあって、出向者は増加傾向にあります。

出向期間は数か月~3年程度が一般的ですが、より長期に及ぶ場合もあり、なかにはそのまま出向先の企業に転籍するという人もいます。

出向というと、テレビドラマなどでは左遷のように扱われることもあって、ネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれません。

しかし、実際には、さまざまな経験を積んでビジネスマンとしてキャリアアップするために命じられるケースが大半です。

また、本社とつながりのある人材を送り込むことで、子会社や関連企業との連携を強化するといった狙いもあります。

出向から戻ってきて後、昇給したり役職が付いたりということも頻繁にありますので、たとえ出向となっても、自分を成長させるチャンスと捉えて、前向きに業務に励むことが大切です。

商社マンの仕事の流れ

商社マンの仕事は、取引先企業から「こんな商品・資材・原料が欲しい」というオファーを受けるところから始まります。

既存の仕入先から希望の品をスムーズに調達できるケースもあれば、情報を集めて、扱っている生産業者を訪問したり、国内に取り扱い業者がなければ、海外にまで探しに行くケースもあります。

仕入先がみつかれば、取引量や希望金額などの条件を交渉しますが、相手に合わせて外国語でコミュニケーションを取らないといけないケースも多く、高いコミュニケーション能力が求められます。

また、商品を調達するだけでなく、市場環境や競合状況などの情報を提供したり、新しい物流方法を提案したり、リスクヘッジするための金融商品を売り込んだりと、付帯サービスの提供にも努めます。

なお、上記の流れとは逆に、生産業者からオファーを受けて、販売先企業を探したり、資材の新しい利用方法を提案したりするケースもあります。

商社マンと関連した職業

通関士

商社マンと同じ貿易系の職業としては、通関士が挙げられます。

通関士は、商社などの輸出入業者が通関手続きを行う際、その書類作成などの実務を代行する仕事で、業務を行うには財務省管轄の国家資格が必要です。

自由度の高い商社マンと比較すると、通関士はより事務的で堅実な仕事内容になりますので、同じ貿易業界に属する職業といっても、適性は商社マンと正反対といえるでしょう。

通関士の仕事

物流企業社員

物流企業は、商品をある場所からある場所まで運ぶことが仕事です。

ただ、ものを運ぶといっても、運搬中に品質が低下することを防いだり、一定期間倉庫で保管したり、梱包したり、荷物の現在地点を知らせたりすることも物流機能の範疇であり、業務内容は多岐にわたります。

商社と物流企業は切っても切れない関係にあり、物流企業で働く社員は、商社マンに対して「物流マン」と呼ばれることもあります。

物流企業社員の仕事

銀行員

銀行員は、取引先企業にお金を貸し付ける「融資業務」が本業です。

ただし、商社マンが単に商品を売るだけではないのと同じく、銀行員も単にお金を貸すだけではありません。

経営に関するアドバイスを行ったり、取引先を紹介したり、保険や金融商品を提案したりと、業務内容はさまざまです。

商社マンと同様、融資先に出向する機会も多く、商社マンと銀行員には似通った部分が多いといえます。

就職活動においても、双方を併願志望する新卒学生は少なくないようです。

銀行員の仕事

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