国際公務員は、いくつかの種類に分けることができます。
分け方はいろいろと考えられますが、ここではおもなものについて紹介していきます。
専門職と一般職
国際公務員の種類を考えるとき、まず挙げられるのが「専門職」と「一般職」というくくりです。
専門職の仕事としては、各機関で実施するプログラム(開発、環境、経済など)に直接携わる業務と、それをサポートする業務(財務、人事、総務、広報、ITなど)がありますが、各領域における経験や専門知識を有し、即戦力として活躍することが特徴です。
一方、一般職では各国際機関の本部やフィールドにおいて、専門職の指示の下、一般事務を中心に担当します。
また、秘書やタイピスト、運転手、ビルメンテナンス、警備などの業務に携わる一般職職員もいます。
このほか、専門職のなかでも昇進していくことで、全体的な管理・監督業務に携わる「管理職」といわれる上位クラスの職員になることができます。
なお、専門職や管理職になると、個室や秘書を与えられることが多いようです。
キャリア組と出向組
国際公務員へのなり方によって、「キャリア組」と「出向組」というふうに分けることもできます。
キャリア組は、試験や空席に応募して国際機関に採用され、国連システム内でキャリアアップしていく人たちです。
多くの人は、こちらのパターンで国際公務員になっていくでしょう。
次に、出向組といわれるのが、加盟国政府の関係省庁からの人材派遣によって国際公務員として働く人たちです。
この人材派遣も頻繁に行われており、派遣期間は2年~5年程度となることが多いようです。
とくに専門機関では、よりいっそう高度な知識や技能が要求されてくることから、出向組の活躍も目立つとされています。
このほか、国際機関が加盟国との政治的関係に配慮した結果、通常の選考手続きを経ないで任命される人もいます。
このケースは、高いレベルの管理職ポストの職員となる場合が多いとされています。