女性の商社社員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の商社社員の現状

商社に勤める女性というと、事務を手掛ける一般職のイメージが強いかもしれませんが、男性と同じように、総合職、いわゆる商社マンとして働く女性もいます。

ただし、商社は、総合職全体に占める営業職の割合が高いこともあって、ほかの業界と比べると、女性総合職が多いとはいえません。

もちろん営業職として海外のビッグプロジェクトを担当したり、数十億円という規模の取引を動かしている女性もいますが、どちらかというと、経理や人事、総務など、組織を支える部署で働くほうが多いようです。

それでも、近年は多様な人材が求められるようになっていることもあって、働き方改革や社内制度の改善を進めて、女性の採用を積極化している商社も多数あります。

事例としては少ないものの、なかには管理職としてビジネスの第一線で活躍する女性社員もおり、今後女性総合職が増えてくれば、営業職として活躍する女性社員も目立つようになるでしょう。

女性の商社社員の強み・弱み

商社での仕事に男女間の差はまったくなく、どれだけの仕事を任せてもらえるかは、単純に個人の実力次第です。

手掛けるプロジェクトが大きければ大きいほど、関わる人の数が増え、高いコミュニケーション能力が求められるようになりますので、女性ならではの細やかな気遣いや協調性が生きる場面も多いでしょう。

しかし、男女差がないということは、逆にいえば屈強な男性社員と同じだけのハードワークをこなさなければならないということでもあります。

営業職の場合、早朝から深夜まで作業したり、取引先を接待したり、国内出張・海外出張をかなりの頻度でこなしたりと、男性でも倒れかねないスケジュールで働かないといけないときもあります。

精神的にも体力的にもタフでなければ商社の仕事が務まらないのは男女同じですが、肉体的な強靭さでどうしても男性に劣る女性には、よりハードルが高く、女性営業職が少ない要因となっています。

結婚後の働き方

近年は、商社業界全体で残業時間を抑制する方向にあり、一昔前のように、終電近くまで毎日働いたり、土日も休まず働くということはほとんどありません。

ただし、それでも仕事量が多いことに変わりはなく、早朝出勤したり、自宅に持ち帰って仕事をするケースもあり、どうしても家事などに充てられる時間は限られます。

さらに、営業職であれば、夜中に取引先企業から呼び出されたり、急に長期間の出張が入ることもあるようです。

結婚を機に退職するという人は徐々に少なくなっていますが、商社の仕事に対する配偶者の理解、家事の分担は不可欠といえるでしょう。

また、商社の総合職には全国転勤・海外赴任がつきものですので、場合によっては配偶者と自分、どちらかが仕事を辞めるか、あるいは別居婚となることを迫られるかもしれません。

商社は子育てしながら働ける?

企業によって事情は異なりますが、たいていの商社では、出産に伴う産休・育休制度が整えられています。

加えて、大手商社では、社内に従業員専用の託児所が用意されているところもあり、またフレックスタイム制やテレワークを導入するなど、社員の子育てを支援する仕組みを充実させています。

部署や上司の性格にもよりますが、子供が急に熱を出したときなどには早退が許可されたり、出張をほかの社員が代わってくれるというケースもあるようです。

しかし、それだけのサポートがあっても、やはり商社での仕事と子育てを両立させるのは大変です。

本来、どちらか一方をこなすだけでも大変な労力が必要ですので、一般職に移ったり、離職したりする人も少なくないのが実情です。

さらに、転勤・海外赴任の問題もあり、辞令が出た場合、配偶者に加えて、子供の生活環境や学校教育をどうするのかという点にも、頭を悩ませることになるでしょう。

商社は女性が一生働ける就職先?

最近では、多くの企業が「女性が働きやすい環境づくり」に取り組んでおり、商社の労働環境も急ピッチで改善されています。

それでも、女性が定年退職まで商社で働けるかどうかは、周囲の理解やサポート、また自身が思い描くキャリアプラン次第といえます。

なかには、結婚・出産を経ても、変わらず営業職としてトレーディングを手掛け、海外転勤となった際には夫を日本に単身残し、赴任先に子供を連れて、数年間ともに海外で暮らしたという女性もいます。

しかし、誰もがそれだけのことができるわけではありませんので、営業を離れて本社機能を担ったり、一般職に移ったり、一時的にせよ仕事を離れたりすることが、現実的な選択肢となるでしょう。

ただ、たとえ離職することになっても、元社員向けに復職制度を設けているところもありますので、キャリアを継続することは決して難しくはないでしょう。