「JICA職員」とは

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独立行政法人「JICA」に勤務し、開発途上国の支援プロジェクトの進行管理等を行う。

「JICA(日本国際協力機構)」は、国から供与されるODA(政府開発援助)を使用し、開発途上国を支援する独立行政法人です。

語学力と専門性を生かし、開発途上国支援プロジェクトのマネジメントを手がけるJICA職員には、強い意志と人並みはずれた体力、周囲の人を動かしていく人間性が求められます。

新卒採用、不定期の社会人採用ともに、難関の就職先といわれています。

JICA職員の平均給与は800万円と高水準ですが、海外長期勤務が必須だったり、頻繁に異動があったりと、常にフットワークの軽さが必要とされます。

近年では日本の財政状況の悪化から、ODA(政府開発援助)予算削減が続いています。

JICAとしても民間企業との連携を計るなどの変化を求められている中で、JICA職員も業務の合理化やマインドセットの変更を迫られていくかもしれません。

「JICA職員」の仕事紹介

JICA職員の仕事内容

開発途上国支援プロジェクトを管理する

JICA(日本国際協力機構)は、国から供与されるODA(政府開発援助)を使用し、開発途上国を支援する独立行政法人です。

JICA職員の一般によく知られている仕事内容としては、開発途上国支援事業のマネジメント業務があります。

これは、各国の政府要人、日本の各省庁、現地で事業を担当する専門家など、支援事業のさまざまな関係者を結びつけ、プロジェクトの進行を管理する仕事です。

なお、JICA職員の役割はあくまでもマネジメントで、プロジェクトの現場で実働することは基本的にはありません。

そのほかにも、JICAの国内拠点で海外研修員の受け入れをコーディネートする人や、一般企業と同様に、人事、経理、広報といった業務を担う人もおり、さまざまな役割を担った職員が働いています。

JICA職員の就職先・活躍の場

海外で活躍する場合もある

JICAは、本部の東京をはじめとして、国内に15カ所、海外に90カ所の拠点があります。

2年~4年の頻度で転勤を繰り返し、さまざまな業務を経験しながらキャリアを形成していきます。

海外勤務については、20代で1回、30代で1回ほど割り当てられるのが通例であり、1回の海外勤務は3年が目安です。

勤務地や配属部署については、基本的に自分で選ぶことはできませんが、JICAは年に1度自身のキャリアについて面談する制度を取り入れており、個人の希望もある程度は考慮されるようです。

JICA職員の1日

打ち合わせや会議をする頻度が高い

JICA職員のスケジュールは担当業務によってさまざまですが、代表的な業務である技術協力プロジェクトに携わる職員の1日をご紹介します。

マネジメント業務が主体であるため、関係各所との調整に大半の時間を費やします。

9:00 出勤
メールチェック、スケジュール確認などを行います。

9:30 会議
プロジェクトのメンバー全体で、現状の課題を共有します。

10:30 外部打ち合わせ
相手国側の日本大使館に連絡し、進捗状況などを報告します。

12:00 休憩

13:00 専門家会議
派遣予定の専門スタッフと、渡航期間や業務内容について打ち合わせます。

15:00 デスクワーク
スタッフの海外派遣費用などを計算し、見積もりを作成します。

18:00 帰宅

JICA職員になるには

採用試験を受ける

JICA職員になるには、職員採用試験を受けて合格する必要があります。

試験は、エントリーシートの提出とWebテストまではJICAのホームページ上で行われ、それらをパスすると面接と論文試験に進むことができ、最終面接を経て内々定となります。

JICAの技術支援事業は非常に幅広い分野に及んでおり、運輸、農業、平和構築、環境、エレルギー、医療など、必要になる知識はまったく異なりますが、新卒採用は職種を問わない総合職のみの募集です。

JICA職員の学校・学費

短大卒以上の学歴が必要

JICA職員採用試験を受験するには、短大、4年制大学、大学院修士課程、大学院博士課程のいずれかを卒業見込みであるか、卒業後3年以内であることが必要です。

学部・学科についてとくに定めはなく、JICAの業務が分野をまたいで広範なフィールドに及んでいることから考えても、特定の専攻分野が有利・不利になることはないでしょう。

発展途上国を支援するという業務の特性上、学歴よりも、むしろボランティア経験や海外経験などが役に立つかもしれません。


JICA 採用ホームページ

JICA職員の資格・試験の難易度

内定を得られる人はほんの一握り

JICAはその社会貢献度の高さから、非常に人気の就職先として知られています。

新卒者採用には毎年1万人前後のエントリーがあり、採用倍率は250倍から300倍という超高倍率です。

倍率もさることながら、試験自体もかなり難易度が高く、エントリーシート提出と同時に実施されるwebテストは、「玉手箱形式」といわれる専用の対策が必要になる難関試験です。

とくに英語は、TOEICでハイスコアを取れる人でも制限時間が足りなくなるレベルですので、できる限り早い段階から準備しておくべきといえます。

JICA職員の給料・年収

高給も人気の理由の一つ

JICA職員の給料は、35歳で年収680万円、45歳で年収1000万円というモデルケースが提示されています。

職員全体の平均年収も800万円前後となっており、給与水準の高さも就職先として人気を集めている理由の一つといえそうです。

また、海外に駐在する期間については、月額給与にさらに海外勤務手当が上乗せされ、海外勤務中の平均年収は1200万円前後に達します。

業務には高い語学力と専門知識が要求されますが、それに見合った高額な報酬が得られるでしょう。

JICA職員のやりがい、楽しさ

開発途上国で暮らす人々のために働く

JICAは、独立行政法人として政府からODA(政府開発援助)を供与されて活動しており、日本の開発途上国支援政策の中枢を担っている存在です。

手掛けるプロジェクトは大規模なものが多く、いずれも途上国で不便な生活を強いられている人々の役に立つものばかりですので、大きなやりがいを感じながら働くことができるでしょう。

また、ひとつの課題に対して、資金協力、技術協力、人間開発など、多角的なアプローチを行えることも、組織の大きいJICAならではの魅力です。

JICA職員のつらいこと、大変なこと

開発途上国に長期間滞在する

JICAは、開発途上国の支援を目的とする組織であるため、海外赴任先のほとんどは開発途上国です。

言葉や文化、生活習慣が異なるうえ、インフラ面や衛生面も日本より大きく劣る環境で数年間暮らすことには、数多くの苦労と困難が伴います。

また、自分一人だけでも大変ですが、家族がいる場合は、家族を同伴するかどうかの判断にも非常に悩むでしょう。

単身赴任するにしても、家族と共に暮らすにしても、決して軽くない負担を強いることになります。

JICA職員に向いている人・適性

手際よくものごとをこなせる人

JICA職員の業務には、日本の省庁関係者、海外政府関係者、外部専門家、ボランティアなど、大勢の人が関わるため、それらの調整作業に多くの時間を費やします。

また、海外出張する頻度もかなり高く、ときには十数時間のフライトを短いスパンでこなさなければなりません。

調整作業や移動時間などの合間を縫って、書類作成など大量のデスクワークを行うことが求められますので、JICA職員には、同時並行で複数の業務を進められる、手際のよい人が向いているでしょう。

JICA職員志望動機・目指すきっかけ

自身の経験を踏まえた説得力ある内容に

JICA職員を志望するのは、もちろん開発途上国を支援したいという思いがある人です。

採用試験における面接では、その思いを抱いた理由について、一般論に留まるのではなく、自分自身の経験に基づいて、説得力のあるストーリーを語れるよう準備しておきましょう。

また、国際協力を手掛ける組織は複数ありますので、JICAでなければできないことは何か、という切り口で考えることも有効です。

とくに、企業の海外展開支援という業務の共通性があり、同じ独立行政法人であるJETROとの違いについては、明確にしておく必要があるかもしれません。

JICA職員の雇用形態・働き方

インターンシップには是非参加すべき

ほかの一般企業などと同じように、JICAにも、実際の職員の働き方を知るためのインターンシップ・プログラムが用意されています。

書類選考などがあるため、誰もが参加できるわけではありませんが、現地スタッフとして採用されれば、数か月間にわたって途上国に派遣されることになり、現場を肌で知ることができます。

頭の中で思い描いていた想像と現実のギャップを埋めていくことで、採用試験に役立てられることはもちろん、国際協力とは何かを改めて見つめ直す契機にもなるでしょう。

JICA職員の勤務時間・休日・生活

忙しさは部署によって異なる

JICAの勤務時間は、9:30~17:45で、休憩時間の45分を除いて実働7時間30分と定められています。

残業時間については部署による差が大きく、忙しいところでは深夜まで業務に追われることも珍しくありません。

なお、国内事務所よりも在外事務所のほうが、不測の事態に対応するため手厚く人員が配置されている分、一人あたりの業務量は少なくなる傾向にあるようです。

休日についても、土日を休みとする完全週休二日制ですが、出張などで休日勤務するケースも頻繁にあります。

JICA職員の求人・就職状況・需要

求人数は減少する懸念がある

JICA総合職職員の求人数は、近年30名~40名前後で推移しています。

現状でも決して多いとはいえませんが、日本の厳しい財政状況を受けてODAが年々削減されている状況を勘案すれば、今後求人数が減少する可能性もあります。

新卒で内定を得られない場合は、とりあえず民間企業などに就職して専門スキルを積み、働きながら転職を目指すというルートを視野に入れておくことが必要かもしれません。

契約職員としての募集もありますので、長い目でみれば、JICAで働けるチャンスは決して少なくはないでしょう。

JICA職員の転職状況・未経験採用

転職には関連する知識や経験が必要

JICAでは不定期ながら社会人採用も実施しており、募集があるときは15名~20名ほどのまとまった採用枠があります。

中途採用には毎回400人~500人前後の応募があり、新卒採用時ほどの高倍率ではないものの、厳しい競争であることに変わりはありません。

また、現職などで培った経験や知識を生かしたいと応募してくる人が大半ですので、いずれかの事業領域に関係する専門知識や、あるいは国際経験がないと、内定を得ることは難しいでしょう。

JICA職員の現状と将来性・今後の見通し

国家財政の悪化がJICAにも影響する

JICAは、国の税金であるODA(政府開発援助)を資金源としていますが、日本国内の景気低迷や財政状況の悪化から、予算は年々削減される傾向にあります。

JICA職員には、これまで以上に予算の使い道を明確に「見える化」し、無駄なくプロジェクトを運営していくことが求められており、業務の難易度はより増しているといえます。

さらに、今後プロジェクトの規模を維持していくために民間企業と連携することも考えられますが、そうなった場合は民間企業の利益についても配慮する必要が生じ、舵取りはより困難になるでしょう。