「保安」系の職業・仕事

警察官 国・都道府県の警察組織に所属し、事件や事故の捜査や取締りを行って社会の治安を保つ

警察官は、国民の安全を守る仕事です。警察の組織は、国家に関わる公安や警察組織全体の調整を行う警察庁と、各都道府県が管理する警察組織で、その地域で発生した事件を担当する都道府県警察に分かれています。警察庁勤務はキャリア警察官と言われるもので、勤務するためには国家公務員試験に合格することが必要です。都道府県警察で働くためには、各都道府県で実施される警察官採用試験において、採用されなければなりません。採用倍率は10倍以上あります。警察官の勤務体系は、交番勤務の場合、昼間勤務、夜勤、24時間勤務、休日といったように、変則的な勤務となります。一方で、寮が用意されているほか、各種手当があり、福利厚生は充実していると言えるでしょう。

消防士 地方自治体の消防本部や消防署に所属し、火災の消火や救急活動を行って住民の安全を守る

消防士(消防官)は、地方自治体の消防本部や消防署に所属し、火災の消化や救急によって、人々の安全を守る仕事です。消防士は「消火」、「救助」、「救急」、「防災」、「予防」の5つの活動が主な任務となります。消防官になるためには、消防士採用試験に合格することが必要です。採用は各自治体ごとに行われるので、自分が受験する地域の採用試験について確認する必要があります。地域によって異なりますが、採用倍率はおおむね10倍以上です。試験は、学力試験だけでなく、体力検査も行われます。勤務体系は、24時間勤務→非番日→週休日というように、交代制となります。火事や災害の際には、危険な中に飛び込まなければならない仕事ですが、その分福利厚生は充実しています。

救急救命士 救急車に同乗し、医師の指導の下で救急救命処置を実施。一刻を争う事態に最善を尽くす

救急救命士は、主に救急車に同乗し、病院までの搬送中に心肺停止などの緊急事態が起こったときに、医師の指示の下で救急救命の処置を行う仕事です。身分は消防士であり、地方公務員となります。救急救命士になるには、1.救急救命士養成校を卒業して消防署に勤務する、2.消防署に勤務後に講習を受ける、の2つのルートがあります。いずれにしても、消防官採用試験に合格することが必要となり、救急救命士への道のりは簡単ではありません。救急救命士は処置できる行為が限定されているため、救える命を救えなかったという事例もあります。救急救命士への期待は高まっており、より広い範囲の救命行為を行えるよう検討が進められています。

自衛隊 「陸・海・空」から日本の平和と安全を守り、外部侵略に対して防衛する任務を果たす

自衛官は、日本の平和と安全を守り、外部からの侵略に対して防衛する任務を持っています。自衛隊の活動には、国家を守る「防衛活動」、大規模災害のときに救助をする「緊急救助活動」、海外の紛争地域で、その地域の平和を維持する「国際平和協力活動」などがあります。自衛隊は非常に大きな組織のため、募集している職種も多岐に渡ります。必要とされる学歴もさまざまであるため、自分が希望する職種の募集状況を確認することが必要です。震災時の救助活動による活躍で、自衛隊に対する期待は高まりをみせています。また、日本近海において、緊張が高まっており、防衛面においても自衛隊の重要性が増してきている状況です。

海上保安官 日本の海域を常に監視し、不審船の取締りや海洋情報を収集して海の治安と安全を守る

海上保安官は、「海の警察官」として、日本の海域を巡視船や航空機を使って監視し、海の治安と安全を守る仕事です。身分は海上保安庁に所属する国家公務員になります。主な業務は、不審船の取り締まりなどを行う「警備救難業務」、安全な航海のための情報を集める「海洋情報業務」、海上交通の管理をする「海上交通業務」です。海上保安官になるためには、海上保安大学校か海上保安学校の学生採用試験に合格し、所定の課程を修了することが必要です。在学中は学生でありながらも、国家公務員の身分となり、月給が支給されます。勤務は陸上勤務と海上勤務に分かれています。海上での勤務の場合は手当がでますが、船内での宿泊もあるため、休日も不規則なものとなります。

刑務官 刑務所など法務省管轄の刑事施設に勤務し、施設の運営や警備、受刑者の指導を行う

刑務所、拘置所など法務省管轄の刑事施設に勤務する国家公務員のことです。各種施設の運営管理と保安業務を担当し、収容されている者の適切な生活管理・教育指導を通じて平穏で秩序ある施設内の生活を手助けします。また、各種教育や訓練によって受刑者の速やかな社会復帰と更生を手助けする職業です。刑務官の職務に就くには、公的な任務にたずさわれる良識と人間性、一定の知識教養と運動・身体能力を所持していることが期待され、その有無の検査のために二次にわたる試験を突破する必要があります。また主に刑事事件での受刑者の集団施設の警備担当でもあるため、それに対応した特殊な対人関係の能力や、警護能力、現場の組織文化になじめる人格が必要とされます。

法務教官 少年院や少年鑑別所に勤務し、非行を犯した少年が更生するよう教育や訓練、助言を行う

法務教官とは、非行少年を社会復帰へとサポートする国家公務員です。少年院に配属された場合は、個々の少年らの気持ちに寄り添いながら、教育的な指導や生活態度の指導を行うこととなります。また、少年鑑別所へ配属された場合は、家庭裁判所から送致された少年について、法務技官とともに少年らの資質を調査することとなります。少年の心の安定を図りながら、社会復帰への専門教育を行ったり、資質調査を行ったりする仕事は、精神的にも体力的にも易しいものではありません。しかし、それだけにやりがいも大きく、社会への貢献度もある重要な仕事であると言えます。少年院勤務の場合は宿直もありますが、週休2日制で福利厚生も手厚いのが魅力です。また公安職ですので、給与水準も、通常の国家公務員の給与体系よりもやや高めの基準が適用されます。

入国審査官 空港や港の地方入国管理局などに勤務し、日本に出入国する外国人の審査と管理を行う

入国管理官は、出入国する人の審査や日本にいる外国人の管理をし、日本の安全を守る仕事です。入国管理官の仕事は、日本に訪れる外国人の入国の可否を決定する「出入国の審査」、不法入国、不法滞在者を取り締まる「違反審査」、在留期間の変更を審査する「在留資格審査」などです。入国審査官としての独自の採用試験はなく、まずは、各地方にある法務省入国管理局の採用試験に合格することが必要です。法務省に所属する国家公務員であるため、国家公務員の試験に合格していなければなりません。外国人を相手にした私事になるため、働く際には語学力が必要になります。また、仕事量が多いので、事務処理能力も求められます。

入国警備官 入国管理局に勤務し、日本への不法入国、不法滞在の疑いがある外国人を調査、摘発する

入国警備官は、日本に不法に入国したり滞在している外国人を取り締まる仕事です。法務省入国管理局に所属する国家公務員となります。入国管理官は、入管法に違反している疑いのある外国人を調査し、違反が判明したら身柄を拘束します。拘束した外国人を収容施設に収容したり、本国へ送還するのも入国管理官の役目です。入国警備官になるためには、入国警備官試験に合格することが必要です。受験資格に学歴の制限はありませんが、採用倍率は30倍前後と非常に高くなっています。入国管理官の勤務先は、各地にある入国者収容所入国管理センターや地方入国管理局、空港や港です。摘発を行う際には、危険にさらされることもあるため、正義感や運動能力が求められます。

税関職員 全国の空港や港で、輸出入貨物の審査・検査や手荷物の検査、不正薬物の密輸取締等を行う

税関職員は税関に所属する国家公務員です。グローバル化が進む現代社会では、日本は世界中の国々と品物の売買を行っています。また、たくさんの人が海外旅行に出かけるようになり、日本から物品を持ち出したり現地で自由に買い物をしたりしています。このような外国から持ち込んだ品物や日本から持ち出す品物に対して税金がきちんと支払われるように監視するのが、税関職員の役割です。全国の港や空港にある税関で、税に関する申告を受けたり、輸入や輸出に関する書類をチェックしたり、品物を検査したりしています。また、麻薬や覚せい剤、偽造貨幣などが不正に国内に持ち込まれないように水際で取り締まる役割も果たしています。税関職員は、社会の安全を守るためにも欠かせない存在なのです。

皇宮護衛官 皇宮警察本部に所属し、天皇・皇后両陛下や皇族の護衛と皇居、御所、御用邸の警備を行う

皇宮護衛官とは、天皇・皇后両陛下や皇族の護衛と皇居、御所、御用邸などの警衛を行う仕事です。警察庁の附属機関である皇宮警察本部に所属する国家公務員です。勤務地は、主に皇居と赤坂御用地での勤務となりますが、そのほか全国の御用邸などでも警備にあたります。また、行事の際には、各都道府県の警察と協力して、護衛をします。皇宮護衛官になるためには、皇宮護衛官採用試験に合格することが必要です。採用人数が少ないということもあり、倍率は30倍を超えることもあります。皇宮護衛官は特殊な仕事となるため、警察官としての一般的な能力だけでなく、礼儀正しく教養豊かであることが求められます。勤務は、当番、非番、週休、日勤が繰り返される4交代制となります。

麻薬取締官 違法な麻薬の流通と薬物犯罪を取り締まり、特別司法警察官として状況に応じて逮捕を行う

麻薬取締官は、薬物犯罪を取り締まり、薬物汚染から日本を守る仕事です。薬物に関する専門知識が必要となるため、麻薬取締官の約半数は薬剤師です。厚生労働省の国家公務員の身分となりますが、特別司法警察官としての権限を与えられているため、状況に応じて武器の所持が認められています。麻薬取締役官になるためには、国家公務員試験か薬剤師国家試験に合格することが必要です。いづれかに該当する場合は、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部の採用試験を受けることができます。麻薬取締官は日本全体で260人ほどであり、毎年の採用数は若干名です。麻薬取締官の給与は、国家公務員の行政職の給与に調整額が付与された額になります。

食品衛生監視員 輸入食品の監視や検疫業務、飲食店で食中毒の調査等を行い、「食の安全・安心」を守る

食品衛生監視員は、食品衛生法などの法令に基づき、「食の安全・安心」を守る仕事です。国家公務員として検疫所で働く人と、地方公務員として各自治体の保健所等に勤務する人がおり、輸入食品の監視業務から感染症の侵入を防ぐための検疫業務、さらには飲食店等食品に関わる施設の食品衛生のチェックなど、それぞれが専門性を生かして多岐に渡る業務をこなしています。この仕事に就くためには特定の大学等で学び、任用資格を得たうえで、公務員になる必要があります。残留農薬問題やBSE問題など、食の安全・安心が脅かされる問題が国内外で頻発しているいま、その安全性を確保する食品衛生監視員の活躍への期待はますます高まっています。

警備員 工事現場や商業施設などの警備や人の警護を行い、人々と社会の安全・安心を守る

施設や人混みなどで警備をする「ガードマン」が警備員であるというのが一般的な認識ですが、実際にはそれ以外にも警備員が担当している業務は多岐にわたります。夜中の道路工事現場での交通誘導、ショッピングセンターでの館内案内、万引きGメン、要人警護、機械式警備のメンテナンスなど、警備員が担う役割は幅広くあります。社会の安全を人知れず守る縁の下の力持ちという存在で、その重要性が増すのと同時に業務内容の専門性は高くなる傾向にあります。「そこにいること」が警備員の最大の業務であった時代から、総合的なセキュリティサービス業へと業界全体がシフトしており、専門的な知識を有する人材が活躍できる環境になってきています。