商社の役割・商社不要論とは?

商社の歴史とその役割

日本における商社の歴史をみれば、1865年に坂本龍馬が長崎で組織した「亀山社中」という会社が日本初の商社とされています。

亀山社中は、イギリス商社のグラバー商会と取引して、藩に銃器類を卸すことなどを業務にしており、後に土佐藩に付属する外郭団体「海援隊」になりました。

それ以後、数多くの商社が生まれては消えていきましたが、初期の商社は、さまざまな商品や資材などを安く仕入れてきて、そこに中間マージンを乗せて販売するという卸売業の性格が強い業態でした。

現在でも、売りたい人と買いたい人をつなげる「仲介役」となることが商社の本業であることには変わりませんが、坂本龍馬の時代から150年余りが経過し、商社がもつ機能は高次化・多様化が進んでいます。

たとえば、商品の破損などを防ぐために最適な輸送方法を提案したり、万一破損した際にはその損害を補償したり、これまでとは違う商品の利用方法を提案したりすることも商社の仕事です。

IT(情報技術)、LT(物流技術)、FT(金融技術)、MT(マーケティング技術)など、これまで蓄積してきたノウハウを駆使して、取引先のビジネス全体を支援することが、現在の商社の役割となっています。

このような、業界をまたいで広くコンサルティングを展開する総合商社という業態は、ほかの国にはみられないものであり、総合商社は日本独自の存在とされています。

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商社不要論とは?

長い商社の歴史のなかで、幾度となく「商社不要論」が唱えられてきました。

1980年代には、高度経済成長期を経て急激に成長した一部の自動車メーカーや家電メーカーが、その事業規模や豊富な資金力を生かして、商社を通すことなく、独自に原材料調達に乗り出しました。

その後、販売網の構築にも成功した結果、商社は一連の商取引から完全に締め出され、「商社斜陽論」が展開されました。

さらに、1990年代に入ると、インターネット技術が広く一般に普及し、生産者側と製造者・販売者側が直接取引することが容易になったため、「中間業者不要論」が盛んに喧伝されました。

時代の移り変わりとともに、何度も存亡の危機がささやかれ続けてきた商社ですが、実際には、現在も生き残り続けており、衰退するどころかむしろ総合商社はその業績を大きく伸ばしています。

それは、上述したように、商社が単なる商取引の橋渡しだけに留まらず、取引先のさまざまなニーズに合わせて、業務を多様化させてきたからです。

近年では、成長産業に対して、資金や人材を注入し、積極的に事業拡大を図る「投資事業」が総合商社の大きな収益源となっており、かつての卸売業のイメージと現在の商社業務はかけ離れています。

ただし、そうした独自機能をもたず、ただ商品を横流しして中間マージンを搾取しているだけの専門商社も、今なお存在しています。

一部の業界では、特定の商社を通さなければ取引ができない「帳合い」と呼ばれる古い商慣習が残っており、既得権益を持った専門商社が幅を利かせているケースもあるようです。

そうした企業は、商社不要論で述べられている通り、そう遠くない将来に淘汰されていくでしょう。

ただ、日本における商社の起源である亀山社中も、単に銃器類を卸すだけではなく、航行訓練の技術支援も行っていました。

歴史的にみても、問屋機能しかもたない商社はただの転売業者にすぎず、真の意味では商社ではないのかもしれません。

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