通関士のつらいこと・大変なこと・苦労

通関士のつらいこと・大変なこと

経験がなければ期待にこたえられない

貿易関係で唯一の国家資格である上に、法律上、輸出入時には必ず通関士の審査を受けなければならず、税関への申告も通関士ししかできないため、通関士は貿易を行う会社にとってはとても重要な存在です。

通関実務は当然ながら、輸出入に必要な書類の種類や書き方、より効率的に貿易をする方法や海外取引についてなど、社内外から多くの依頼や相談を受けます。

はじめの内は当然自分で時間をかけて調べたり、先輩に聞いたりして相談に対する返答を導くためどうしてもタイムラグが発生してしまいます。

相談した方としては、貿易のプロに聞いているのでスピーディーな解決を望んでいますがその期待にこたえられないこともあるでしょう。

当然経験を積めばおのずと知識も蓄積されるので、徐々に期待にこたえられるようになりますが、通関士になりたての頃は期待に応えられないプレッシャーが大きいでしょう。

ミスが許されない

仕事をする上でミスが許されないのは当然ですが、通関業務の場合は自社のみならずクライアントにも大きな迷惑をかけることになります。

商品分類を間違えて申告してしまうと過少申告加算税や重加算税が加算されます。

ちなみに過少申告加算税は税関の調査により申告内容が適正でないと判断されたり更正が行われたりするとかかる加算税です。

過少申告加算税の金額は修正申告などで増加した税額の10%相当となりますが、正当な理由が認められた場合や自己申告による修正を行えばかかりません。

一方、重加算税の方は隠ぺいまたは仮装行為と税関に判断された場合に課される加算税で、本来申告するべき税額の35%相当が課税されるため、依頼者にとっては大きな負担となります。

重加算税が課せられた場合、該当通関業者は税関に目を付けられ税務調査の回数も多くなる傾向もあるうえに、営業停止処分を下されるケースもあります。

会社にとっても損害が大きくなるため、ミスがないように慎重な仕事が求められるためそういった面では精神的にも通関士の負担は大きいといえます。

通関士の悩み

通関申告は必ず通関士が行わなければいけないのは前記した通りです。

そのため仮に100件の輸出入案件があればすべて通関士が関わらなくてはならず、仕事を選べないという悩みはあるでしょう。

また貿易対象は衣料品や食品、電化製品や各種部品、動物や飲料品など非常に多種多様です。

商品知識がなければ正しく統計品目番号の振り分けができず、時間がかかるだけでなく税率の誤りにもつながります。

そうした環境は商品知識を蓄積でき、申告の対応力も増すため通関士としてのスキルアップにもつながりますが、上手に対応できなければどんどん悩みの種は大きくなっていくかもしれません。

通関士を辞める理由で多いものは?

転職をするきっかけは職業問わず人それぞれです。

当然通関士にも同じことがいえますが、あえて特有な理由をあげるとすれば、ルーチンワークの連続にあるかもしれません。

扱うモノは違えども、通関士の職務は「取引書類の審査をして、通関申告のための書類を作成して、税関に提出する」ことです。

コツコツと丁寧に仕事を進めるのが好きな人には向いていますが、毎日同じことの繰り返しに飽きてしまい、通関士を辞める人もいるようです。

もう一つ理由をあげるとすれば、営業所によっては一人当たりの業務量が多いという点です。

大都市圏の港湾に近い営業所に配置されると案件が多いのに加え、動物検疫や植物検疫といった特殊な案件も多くなります。

それだけ手間も増えますし、申告にはミスも許されず最短での手続き完了を求められるため業務量も比例して増加します。

そうした環境に耐えられず転職を考える人もいるでしょう。