通訳のつらいこと・大変なこと・苦労

通訳のつらいこと・大変なこと

曖昧な日本語がもたらす大変さ

日本語は、世界のなかでも曖昧な表現が多い言語といわれます。

多少漠然とした言い回しであっても、日本国内であれば「文脈」や「その場の雰囲気」で相手が本当に伝えたい内容が伝わることが多いため、私たちがその曖昧さについてほとんど意識することはありません。

しかし、これが海外の国と国との外交であったり、企業同士の交渉取引であればどうでしょうか。

たとえば日本で話す感覚のように、「そこのところよろしくお願いします」「前向きに検討します」などと日本側が発言しても、「イエス」か「ノー」かで交渉ごとを明確に進める外国人相手には通用しないことがほとんどです。

結論はどうなのかを確認して通訳しなければ、双方の意見がますます食い違うことになってしまいます。

曖昧な日本語をどうやって通訳するのかについては、通訳が直面する大きな苦労のひとつになるといえるでしょう。

ビジネス通訳ならではの苦労

社内通訳として働く場合、あるいは通訳エージェントから派遣されて企業間の大きな取引の同行通訳として業務を行う場合、ちょっとしたニュアンスをうまく変換できなかったことで、その後の交渉がスムーズに進められなかったという失敗を耳にします。

また、双方の主張を忠実に通訳しようとして公平な立場を貫いたことで、雇用された会社側から「いったいどちらの立場に着いているのか」などと苦情をいわれてしまうこともあるようです。

通訳は単に、双方の言葉を翻訳すればいいというのではなく、両方のビジネス的な立場を踏まえながら上手にコミュニケーションが図れるよう気配りをしていくことも求められるのです。

こういったことは、さまざまな通訳の経験を積んで、ビジネス実務とは何かを肌で感じることで培われていくものでもあります。

とくに経験が浅いうちは数々の失敗を繰り返したり、壁にぶつかったりすることもあるでしょう。

通訳の悩み

勤務時間が不規則

通訳の仕事の場は、日本国内だけではありません。

時には、インターネットや電話を利用して、世界中を相手に仕事をすることもあります。

そういう場合には、相手の国の時間に合わせて勤務することが求められます。

アメリカやヨーロッパなどを相手に仕事をすると、深夜に起きだして仕事をして、朝眠る…なんていうスケジュールも珍しくありません。

更には、深夜勤務をした翌日は、国内で行われる会議通訳のため、仮眠をとったらすぐにまた朝から勤務、なんていう日もあるでしょう。

さまざまな国の人と仕事をするからこそ、勤務時間が不規則になりがちなのが通訳の悩みの一つです。

長期的な予定が立てづらい

フリーランスの場合は特になのですが、通訳の仕事は会議やプレゼンテーションなどに合わせて、必要なタイミングで単発で依頼がくる事があります。

また、クライアント企業の業務によっては直前の依頼や、突発的な出張同行などが入ることもあります。

カレンダー通りの勤務とは違い、いつ重要な依頼が入るかわからないため、長期的な休暇や先の予定を立てづらい、という側面も、通訳の悩みの一つです。

通訳を辞める理由で多いものは?

通訳を辞める理由として多いのは、収入や業務予定の不安定さです。

企業に正社員として雇用されている通訳も一部いますが、通訳の多くはフリーランスとしてや、エージェントに登録して活動しています。

この場合、自分の仕事を気に入ってもらえればどんどん仕事が来ますが、そうでなければ、全く仕事がない期間が長く続く、ということもあり得ます。

また、体調を崩してしまうなどして働けない期間があると、そのまま収入減少となってしまいます。

このように、収入が不安定で、保証がないことは、通訳が他業種に転職する理由の大きなものとなっています。