「通訳」の仕事とは

通訳の仕事内容

意思疎通に欠かせない役割

通訳は、異なる言語をお互いの国の言葉に訳す仕事です。

政治の場で各国間の通訳を行う「政治通訳」、国際会議での通訳を行う「会議通訳」、ビジネスの場で商談などの通訳をする「ビジネス通訳」などをはじめ、スポーツ選手や来日する芸能人の通訳を担当する「スポーツ・芸能通訳」や日本への観光客を案内する「通訳案内業」などさまざまな分野の通訳が存在しています。

一口に通訳といっても、話し手の言葉を聞くと同時に訳す「同時通訳」や、ひと呼吸置いて話をまとめる「逐次通訳」などいくつかの手法があります。

通訳をするためには、その分野に精通していることが必要になるため、下知識をしっかり身に付けて通訳の場に臨まなければなりません。

通訳の就職先・活躍の場

企業・行政への就職や、登録など

通訳の就職先としてまず挙げられるのが、企業に「社内通訳」として就職するケースです。

貿易関係の企業や総合商社、製造メーカーなど、昨今グローバル化する企業がこの例での就職先に当たります。

また行政や自治体でも、近年通訳者の募集が見られるようになりました。

ほかには、企業などの組織に属さず、フリーランスとして活躍する通訳もいます。

フリーランスで通訳として活躍する場合は、多くはエージェントに登録して仕事の依頼を受け、派遣先の企業や行政の職場や取引先で通訳を行います。

通訳1日

フリーランスは不規則

企業内で通訳の業務に従事する場合は、日々のタイムテーブルはその企業に準じます。

役員の海外出張などに同行することなどもありますが、基本は他の社員と同様です。

フリーランスで活躍する通訳は、時給制で勤務することが多いため、1日に2時間程度だけの勤務という場合もありますし、深夜の勤務が発生することもあり不規則です。

通訳の中には語学力を生かして翻訳家を兼業している人もいますが、その場合、日中は通訳、夜は自宅で翻訳という働き方をしているケースもあり、ある程度は自分の裁量で決められますが依頼によっては決まった休みが取れないといったこともあり得ます。

フリーランス通訳の1日


フリーランスで活躍する通訳は、時給制で勤務することが多いため、1日に2時間程度だけの勤務という場合もありますし、深夜の勤務が発生することもあり不規則です。

9:00 現場に出勤
通訳ガイドの業務が入っている午前中は、外国人旅行者の団体の通訳をします。
観光地を外国語で案内しながらアテンドを行います。

13:00
通訳ガイド業務が終わると、依頼もとの企業に提出する報告書をまとめます。
詳細な記録が求められる場合もあり、時間をかけてしっかりと作成します。

15:00
会社に報告書を提出して、本日の業務は終了です。報告書はメールで提出できる場合もあります。

17:00
帰宅して、来週に入っているビジネス通訳の準備をします。
依頼もとの企業の業界に関する単語や慣用表現、時事などをインプットしノートにまとめます。
予習は終わりがないので、日付が変わる時間まで調べ物をすることもあります。

企業内で通訳の業務に従事する場合は、日々のタイムテーブルはその企業に準じます。

役員の海外出張などに同行することなどもありますが、基本は他の社員と同様です。

通訳になるには

スクールは必須ではない

通訳になるのに絶対に必要な資格や学歴はありませんが、高度な語学力は不可欠です。

そのため、通訳を目指す人の多くは大学の外国語学部など、語学系学部の出身者や海外留学経験者です。

なかには、さらに通訳の専門学校に通って通訳に必要なスキルを身につけている人も少なくなく、常に語学力を研鑽する環境に身を置いている人もいます。

フリーランスで通訳になる場合、通訳のエージェントや派遣会社に登録することで、仕事を紹介・斡旋してもらうことができます。

通訳の学校・学費

外国語大学卒業程度では難しい場合も

外国語大学などには通訳者を育成するコースが設置されている場合がありますが、このコースを卒業したからといってそのまま通訳になれるわけではありません。

通訳を本業として仕事にするレベルのスキルを身につけるのであれば、大学の学部で学ぶ以上の語学力が必要になると考えて間違いないでしょう。

通訳を志す多くの人が大学卒業後にすぐ、あるいは社会人として働きながら民間の通訳専門学校などに通い、さらに高い実地レベルの語学の勉強をしています。

通訳の資格・試験の難易度

唯一の国家資格、通訳案内士

「通訳案内士」、通称「通訳ガイド」は、日本で唯一の語学通訳に関する国家資格です。

この国家資格を取得することで、日本を訪れる外国人観光客に対して、有償で日本の観光地や文化を案内したり、旅行中のサポートを行うことができるガイドのプロフェッショナル資格です。

通訳案内士の試験は一般的な語学試験と異なり、1次試験では語学についての筆記試験のほか、一般常識試験(日本の地理や歴史、産業・経済・政治文化など)が問われます。

さらに、2次試験の口述試験においては、実際に外国語を使用して通訳による案内をしなければならず、相当難易度の高い試験であることは間違いありません。

通訳の給料・年収

安定を求めるなら正社員になる

フリーランスで働く通訳は、時給制で仕事をしている場合がほとんどで、時給2000円~4000円程度が相場になりますが、スキルや経験によっても異なります。

専門とする分野で、通訳業務の依頼が来るので、多くの仕事を受けるためには語学力に加え、医学系や理工系など得意分野があると通訳としての強みとなるでしょう。

企業で正社員として勤める場合は、年収400万程度から、多ければ役職などについて収入を上げる人もいますので、安定を希望するのであれば正社員として就職することがおすすめです。

通訳のやりがい、楽しさ

スキルアップが勉強次第で実感できる

通訳として自らが満足のいく仕事をするためには、よりネイティブに近い表現や言い回しを身につけるのみならず、文学的な表現からスラングといった新語まで、言語とともにある文化に対する深い知識をつねにアップデートしなければなりません。

また、ビジネス通訳であれば、重要な取引になればなるほど専門用語や微妙な言い回しなどが頻繁に出てくるため、的確に通訳するためには非常に高い語学力を求められます。

しかし、自分の通訳で大切な話がまとまったなど、成果に立ち会えることが通訳のやりがいや魅力のひとつです。

通訳のつらいこと、大変なこと

勉強に終わりがないのが語学

ここまで身に付ければ完成、といったゴールがないのが通訳という仕事の大変なところです。

日々新しい言葉が生まれ、古い言葉が消えていくこともそうですが、人同士のコミュニケーションの場に立ち会い円滑に話し合いが進むよう的確に通訳しなければならないため、そのための準備は大変なものがあります。

勉強し続けなければいけないところが、通訳の醍醐味でもありますが大変なところです。

通訳に向いている人・適性

コミュニケーション力にたけている人

通訳は言葉で人と人を繋ぐことがメインの仕事です。

人前で上がってしまう上がり症だったり、人見知りであったり、もしくは対人関係でストレスを感じてしまうような人にとっては、通訳という仕事は難しいかもしれません。

反対に、人とのコミュニケーションにやりがいや喜びを感じられる人であれば、通訳の仕事はきっと楽しめるはずです。

また、いざという局面で機転が利く、臨機応変に対応できるような人も、この仕事に向いているでしょう。

通訳志望動機・目指すきっかけ

語学が好き、旅行が好き

学生の頃から語学が好きだった、外国の文化に関心があったという人が、自分の適性や好きなことを活かして仕事につきたいと考えたときに浮かぶ仕事のひとつが通訳であるケースは少なくありません。

旅行先で実際に言葉が通じずに困ってしまった経験がある人や、映画や海外旅行が好きな人など、外国語に触れる機会が多い人も身近に通訳を志すきっかけがあるかもしれません。

また、大学で外国語学部に進んだ人が就職した際、出身学部から通訳のある部署に配属されるというケースもあるでしょう。

通訳の雇用形態・働き方

通訳として活躍する場合はフリーランスが多い

通訳として活躍している人は、その多くがフリーランスとして働いています。

しかし、フリーランスで通訳としてしっかり収入を安定して得ることは簡単なことではありません。

同時通訳ができたり、国際会議での通訳経験が豊富だったりなどのハイレベルなスキルがある場合は名指しで仕事が安定して入って来る場合もありますが、一般にフリーランスの通訳の仕事は毎日確実にあるとは限りません。

しかし、企業での通訳専業採用は機会が少ない現実もあります。

派遣や単発通訳などで実績を積み、徐々に仕事が入って来るフリーランスとしての働き方が一般的な通訳者のキャリアアップとなります。

通訳の勤務時間・休日・生活

フリーランスは自分の采配次第

通訳としてフリーランスで仕事をする場合、多くが時給制で仕事を取ることになります。

丸一日通訳の業務に携わるケースよりは、数時間、半日などといった短い単位で仕事を受けることになるでしょう。

また、国際会議やビジネス通訳などの場合は不定期で発生するケースもありますが、観光通訳などはシーズンによって繁忙期などもあり、かき入れ時は定期的な休みなどを取ることができない可能性もありますので、無理のない範囲で自分で采配することが大切です。

通訳の求人・就職状況・需要

通訳の需要は増加傾向にある

近年、一般企業のグローバル化とともに最近増えているのがビジネス通訳の需要です。

インターネットの普及や国際化によって、各業界のメーカーや商社だけでなく、一般の起業まで海外との取引を積極的に行う機会が増加しており、ビジネス通訳の依頼が急増しています。

また、外資による資本提携といったビジネスの局面も増す中で、外国人の経営幹部を受け入れる企業も増えていることから、実務現場での通訳も急速に需要が高まっています。

通訳の転職状況・未経験採用

未経験者はとにかく経験値を増やす

未経験の状態から、転職後すぐにプロの通訳として働くというのは、ほぼ不可能に等しいと考えてまちがいありません。

通訳の募集は、昨今インターネットを通じて行われることも増えつつありますが、そこではやはり経験者を想定した募集になっていることがほとんどです。

フリーランスとして独立しても、経験値がものをいう通訳業界では、やはり経験の長いベテランの通訳に仕事が集まる傾向が強く、未経験の通訳に仕事が回ってくることは難しいかもしれません。

まだ実績のない未経験の通訳者は、フリーランスの通訳として、複数の通訳エージェントに登録し、小さな仕事を地道にこなして通訳エージェントの信用を得、徐々に大きな仕事につなげていくことが必要です。

通訳の現状と将来性・今後の見通し

通訳の活躍の場は増えている

国際化が進み、ビジネスの現場では通訳を必要とする場面が増えています。

貿易商社や輸入関連企業のみならず、メーカーをはじめとするさまざまな業種業態で海外取引を行う企業が急増しており、特にビジネス通訳・会議通訳の需要が高まっています。

通訳はますますグローバル化が進む昨今、どの言語であっても今後も安定したニーズがあると見込まれますが、一定以上のスキルがなければ務まらない専門職ですので、安定して活躍するためには、小さな仕事からでも着実に成果を積み上げていく努力が必要となるでしょう。