海外で日本語教師として働くには? 求人の状況は?

海外で日本語教師になる条件は?

世界各国に日本語を学ぶ人たちがいる

国際交流基金により公表されたデータによれば、2015年度の調査では137の国・地域で日本語教育が実施されていることが確認されています。

日本語学習者の数も時代が進むにつれて右肩上がりを続けており、2012年には過去最大の398万人を超える結果となりました。

その後、2015年には約365万人へと減少に転じているものの、いまだ世界各地に日本語学習者がおり、日本語を教えられる教師も安定した需要があるようです。

国内のみならず、海外へ活躍の場を求めることができるのは、日本語教師という職業の特徴だといえるでしょう。

しかし、現在の日本には国際基準となる日本語教師の資格はありません。

そのため、資格がなくても仕事をすることは可能ですが、現実的には「日本語を教えられる実力がある」ということを証明できない限り、採用されない可能性が非常に高いようです。

アジア圏での日本語教師の需要は大きい

国内の日本語学校ではたいてい、日本語教師の採用条件として、以下の3つのうちいずれかが求められます。

1. 日本語教師養成420時間講座を修了する
2. 日本語教育能力検定試験に合格する
3. 大学または大学院で日本語教育を主/副専攻する

このうち、中国や台湾、ベトナムなどアジア圏の国で働きたい場合にも、上記のいずれかが採用条件になることが多いようです。

アジア圏は日本語学習者が多く、民間の語学学校も多くあるため、日本語教師の需要は最も大きいとされています。

日本国内で働くことを目指すのと同じ条件を満たしていれば、アジア圏での仕事を見つけることは可能でしょう。

欧米圏で働くのは難しい

欧米圏の場合、日本語教師はおもに日本語を学習する公立や私立の小・中・高校で活躍しているといわれます。

そこで教師として働くとなると、現地の大学で教職課程を履修し、教員免許やそれに準じる資格を取得する必要があるなど、アジア圏で働く場合よりもハードルは高めとなってきます。

それに加えて、日本と同様に日本語教師養成講座を修了していると優遇されることがあるといわれます。

四年制大学卒業の学歴は必須に

海外では日本語教師としての資格や経験のほか、学歴として「四年制大学卒」であることが採用条件になっている求人も多いようです。

それというのも、海外で働く場合には「就労ビザ」が必要になり、その取得のためには四年制大学卒の学歴が必要になるからです。

現地の駐在員の配偶者や、現地に国籍を持つ人と国際結婚をしている人であれば、すでにビザを所持しているため日本語教師の仕事は得やすいですが、そうでない人は学歴がビザ取得の壁として立ちふさがることがあります。

また、現地の大学で教えるとなれば、大学院へ進んで修士や博士の学位を持つことも求められてきます。

海外で日本語教師として本格的に働こうとすると、国内以上に、さまざまなハードルを乗り越えなくてはならないことが多いでしょう。

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国や地域によって求人募集状況は異なる

世界のあちこちで日本語教師は活躍することができますが、国や地域によって、日本語教師の求人募集状況は異なっています。

全体としては、日本文化への関心が高まるなかで、日本への留学や就職を考える若者は増えているようです。

また、初等・中等・高等教育で日本語教育が導入されている地域でも、日本語教師の需要は安定しています。

とくに近年はタイやベトナムなど、東南アジアにおける日本語教師の数が大きく増えているようです。

一方、日本とその国の関係が悪化するなど「国と国」としての問題が発生した場合には、日本に対する関心が薄れ、日本語学習者も減少するといった面もあるようです。

海外での求人募集状況は国際情勢とも関わってくるため、この先、海外で働くことを目指す場合には最新の情報をチェックしておいたほうがよいでしょう。

ボランティア・ワーキングホリデー、インターンシップで働くこともできる

海外では、一般の語学学校や大学以外に、ボランティアやワーキングホリデー、インターンシップで日本語教師として働くことも可能です。

実際に日本語教師として働く前に、海外のボランティアなどに参加することで、日本語教師の職業経験を得たり日本語教師としての適性を確認することができるでしょう。

海外での日本語教師について少し調べてみると、数多くの仲介業者が、ビザの手続きから現地との連絡まで代行していることがわかります。

このような業者に依頼すれば、現地の学校と直接交渉する必要がない分、初心者でも安心して参加できます。

しかし、業者や国によって参加料金が異なり、高額になる場合もあります。

参加条件は、ボランティアであれば特別な資格はあまり求められませんが、一方、JICAのような国際協力機関の日本語教師として活動する場合は資格要件があり、研修参加が必須です。

日本人教師のなかでも、JICAの給料や待遇はよい方といわれています。

ワーキングホリデーの場合、たいていは日本語教師のアシスタント業務を任されます。

特別な資格や経験は求められませんが、現地の人たちに日本語を楽しく学んでもらうための工夫や努力が求められてきます。

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海外で働く魅力は?

海外で日本語教師をすると、いろいろな新しい発見があります。

これまで常識だと思っていたことが海外では通じなかったり、日本の経済や文化が海外でどれだけ注目されているかや、日本人の国民性など、日本語教師として学習者と対話することで、自分の国について考え直すことが多々あります。

海外に身を置くと違う視点が養われますし、国によって見方も変わります。

中国から見た日本、韓国から見た日本、オーストラリアから見た日本など、それぞれの国から日本を眺める見え方は違います。

日本語を教えるだけではなく、異文化から学ぶ意義はとても大きなものとなるでしょう。