【2023年版】グランドスタッフの年収はいくら? JALとANAの初任給の違いは?
ここでは、グランドスタッフの平均年収や初任給、代表的な企業の年収、収入の上げ方などを紹介します。
グランドスタッフの平均年収・給料の統計データ
近年、航空業界では各社とも経費削減の流れが続いています。
グランドスタッフの雇用形態は契約社員が中心となっており、正社員の採用は減少傾向にあるのが実情です。
また、航空会社間の競争が厳しいため、グランドスタッフの給与は増減があり不安定担っていることも少なくありません。
求人サービス各社の統計データをみると、グランドスタッフの年収は260〜420万円ほどとなっています。
なお、契約社員の場合の平均時給は1,000円~1,500円ほどとされ、他業種のアルバイトとさほどかわりありません。
アルバイトが募集されることもありますが、時給は契約社員とほぼ同等と考えておいてよいでしょう。
グランドスタッフの手取りの平均月収・年収は
グランドスタッフの手取り年収は、経験年数や勤務先の会社によって異なりますが、年収200万〜350万円程度が大半でしょう。
東京都で勤務するグランドスタッフで、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は20万円前後、手取りは17~8万円ほどになると見込まれます。
現在、日本人全体の平均年収が約420万円と言われていることから考えると、一般的な職業よりも給与水準は低めとなっています。
基本給以外では、賞与に加えて、シフト勤務手当・年末年始就労手当て(年末年始のシフトに当たった場合)・早朝深夜出退勤手当などがつきます。
グランドスタッフの初任給はどれくらい? 高卒と大卒で違いはある?
正社員の初任給は15万〜18万円ほどが相場です。
初任給に関しては、ANAエアポートサービス(専門学校・高等専門学校卒)で東京国際空港勤務の場合は183,500円(2022年度実績)です。
JALスカイの初任給(大学院卒、大卒、短大卒、専門卒、高専卒)は月給181,000円(2022年度実績)となっています。
このように、会社によっては学歴に関わらず初任給は一律のところがあります。
グランドスタッフの福利厚生の特徴は?
- 通勤費(会社の規定に沿って定期代相当額を支給)
- 住宅手当
- 各種社会保険
- 有給休暇
- 懐妊・育児休職制度
- 各種休職・休暇制度
グランドスタッフに限らず、航空関係の仕事をする場合は早朝や深夜勤務があるため、社宅・単身寮なども用意されています。
搭乗優待制度は自社の航空券を社割で購入できる制度で、すべての会社にあるというわけではありませんが、うまく利用すれば格安で飛行機に乗ることができるので、これを利用し旅行を楽しむという人が多いようです。
また、グループ会社の旅行ツアーが割引きになったり、ホテルが安く泊まれたりといった優待があるケースもあります。
グランドスタッフの給料・年収の特徴
経費削減の流れを受けて
LCC(格安航空会社)の参入などもあり、近年航空業界は企業同士の競争が激しくなっています。
運賃をできるだけ安く抑えるために、経費削減の流れが加速し、グランドスタッフにかかる人件費を抑えるため機械化・自動化を進める企業も多いのが現状です。
この先もグランドスタッフの年収が増えることを期待するのは難しいでしょう。
航空会社各社のグランドスタッフの給料は?
ANAエアサポートサービス、株式会社JALグランドサービスや株式会社JALスカイなどをみると、給料にさほど差はないようです。
初任給は大卒で18万円前後、280万~300万円ほどで、勤続すると300万円~400万円ほどになると考えられます。
旅客部業務責任者資格、国際線発券業務資格などの資格を取得してキャリアアップしていくことで年収は徐々に上がっていきます。
なお、自社でハンドリング業務を行う航空会社と、航空会社からハンドリング業務を委託して行っている会社では、航空会社のほうが給料が高い傾向にあります。
航空会社が自社でハンドリング業務を行い、グランドスタッフを採用している航空会社は、スカイマーク、AIRDO、ジェットスターなどがあります。
なお、航空会社からハンドリング業務を請け負っている委託会社としては、スイスポートジャパン、羽田タートルサービス、FMGなどがあります。
男性と女性で年収に違いはある?
グランドスタッフは女性の職業であるというイメージがいまだ根強いですが、近年では男性グランドスタッフも活躍しています。
グランドスタッフ全体の1割程度といわれ割合としてはまだ少ないものの、外資系航空会社を中心に男性グランドスタッフが活躍しています。
グランドスタッフとして働く場合、男性と女性で年収に大幅な違いはありません。
ただし、妊娠や出産などで一時現場を離れなくてはならない女性に比べると、男性の方が生涯賃金が増えると考えられます。
勤務地で年収に違いはある?
羽田空港で働く場合、国内線グランドスタッフの給料は約18万円~21万円で、国際線グランドスタッフの給料は約18万~23万円前後になるといわれています。
地方の空港に比べると、羽田や成田などのハブ空港(中核空港)では、利用客の数や仕事の多さから、年収がやや高めに設定されていることが多いです。
同じ業務をしていたとしても、地方空港のグランドスタッフでは15~16万円程度になることは珍しくありません。
とくに契約社員などとして働く場合は、勤務する空港によって給料に差があることもあるため、あらかじめ確認しておくことが必要です。
なお羽田空港と成田空港では、羽田空港の方が圧倒的に利用客が多いものの、仕事内容にあまり差がないことから給料の差はほぼ無いようです。
キャビンアテンダントとグランドスタッフの年収の違い
勤務先が大手航空会社かLCCか、国内企業か外資系企業かによって差はありますが、キャビンアテンダントの平均年収は、400万円~650万円程度が相場となっています。
グランドスタッフの年収に比べると、キャビンアテンダントの方が大幅に高くなっています。
キャビンアテンダントとグランドスタッフの大きな違いは、雇用される会社にあります。
キャビンアテンダントはANAやJALといった航空会社の社員ですが、グランドスタッフはこうした航空会社のグループ会社や空港サービス会社に雇用されるため、給料に大きな差があるのです。
またキャビンアテンダントは飛行機に登場すると手当てが上乗せされますが、グランドスタッフは地上職で手当てがつかないため、この差も大きいと考えられます。
グランドスタッフの給料は高い?低いともいわれる理由は?
グランドスタッフの年収は低いといわれることが多いです。
それは、航空業界で働きたいというグランドスタッフの志望者が絶えないことです。
もし人材不足で困ってしまうようであれば、航空会社としても給料アップを考えるでしょうが、グランドスタッフは志望者が多いため、たとえ年収が低めであっても企業は特に困ることはないのです。
また、航空業界は現在非常に苦しい経営状態になっているところが多く、できるだけ人件費を抑えたいという思いがあります。
企業としては給料をアップさせ優秀な人材を確保するよりも、機械化・自動化を進めグランドスタッフの人数をしぼり、人件費を抑えようという傾向になりつつあります。
今後も大幅にグランドスタッフの年収が上がるとは考えにくく、現状をしっかりと理解したうえで、給料以外のやりがいを見つけていくことが大切になっていくでしょう。
グランドスタッフが収入を上げるためには?
グランドスタッフが収入を上げるためには、キャリアアップと転職の2通りの方法があります。
まずは、経験を積みリーダー職やチーフとなる方法です。
経験を積むと、アシスタントマネージャーとして空港の運営全般に関わることができるだけでなく、空港運営の基幹となって働くことができ給料もアップしていきます。
グランドスタッフは女性が多いため、産休や育休から職場復帰しキャリアを重ねていく人も非常に多いのが特徴です。
転職で収入をアップさせる方法としては、地方空港勤務からハブ空港勤務へ、国内の航空会社から外資系航空会社などさらに規模が大きく待遇のよい会社へと移る方法が考えられます。
特に外資系航空会社ではキャリアを重視し、中途採用も積極的に行っています。
語学力に自信がある場合は、こうした転職にチャレンジするとさらに給料がアップする可能性があります。
グランドスタッフの給料・年収のまとめ
キャビンアテンダントの平均年収は260〜420万円の間ですが、勤める企業の規模、役職の有無などによって大きく変わります。
収入を延ばしたい場合は、経験を重ねて将来的に管理職を目指したり、よりよい待遇の航空会社への転職を検討するとよいでしょう。