日本語教師の仕事で大切にしていること(体験談)

学生と楽しむこと

異文化を楽しむ、これはこの仕事の楽しみの1つです。タイに来て、初めての日本語教師の仕事に、毎日が精いっぱいでしたが、学生との関わりは毎回、いろいろな発見があり、楽しいものでした。

時には、厳しく指導する必要はあるものの、学生たちの大らかな性格は、日本人学生にはきっとないものでしょう。私が少し失敗しても、学生たちは笑って「マンペンライ、マンペンライ」と言ってきます。

マンペンライとは、タイ語で「気にしない」「大丈夫」といった意味で、難しことや細かいことを言わずに気楽にいこうよといったニュアンスがあります。

教師自身が楽しいと感じていれば、学生側も授業を楽しんでいるはずです。授業が終わり、「先生、今日の授業おもしろかった。」と聞くと、次の授業もがんばろうと励みにもなります。

学生たちにとって、魅力ある授業になるよう、学生の国のことを知り、彼らの国の文化を楽しむことは海外での日本語教師には必要だと思います。

好奇心や知識の習得、スキルアップ

教師は教えることが仕事ですが、教師自身が学んでいかなくてはいけないと思っています。それには、好奇心が大切です。

どうすれば学習者に分かりやすい授業ができるのか、教材はどんなものが有効なのか、学習者のやる気をどうすれば引き出せるのかなどの教授スキルだけではなく、日本についての質問にいろいろな角度から答えられるように、アニメや芸能から政治・経済までいろいろなことに好奇心を持っていることが大切だと考えています。

外国人の学習者がどんなことに興味を持つのかといった視点で日本を眺めるようにしています。

1回1回の授業は、学生にとっては一度きりの時間です。限られた時間の中で、効果的な授業を展開するためには、教師自身が研究心を持ってこの仕事に向き合っていかなくてはいけないと感じています。