「自動車メーカー社員」の仕事とは

自動車メーカー社員の仕事内容

自動車を企画・開発し、生産する

自動車メーカーは、人々が乗る自動車を開発し、実際に生産を行う会社のことをいいます。

具体的な仕事の流れとしては、まず消費者ニーズや市場動向を踏まえて、どのような自動車をつくるか企画するところからスタートし、デザインやコンセプトなどについて協議します。

商品企画がまとまったら、それに基づいて各部品の設計図を引き、工場で車体やエンジンなどの生産・組み立て作業を行います。

1台の自動車が完成するまでには非常に多くの工程を要しますので、安定的に、かつ効率的に自動車を生産するため、生産工程や設備配置については随時修正・改良を繰り返します。

このように、自動車づくりは、エンジニアをはじめ、デザイナー、マーケッター、生産担当者など、異なる役割をもった数多くの社員が連携して行っています。

自動車メーカー社員の就職先・活躍の場

企業によってつくる自動車の方向性が異なる

自動車メーカーは、その企業によって、事業理念や得意とする技術分野などが異なっています。

燃費効率を重視したハイブリッド技術が得意だったり、電気自動車に強みを持っていたり、安全性能に定評があったり、軽自動車の生産に集中していたりと、事業の方向性はさまざまです。

また、各企業に共通することとして「グローバル化」が挙げられ、生産拠点を海外に設けたり、海外の自動車メーカーと提携するなど、活躍の場を海外に拡げようとする動きが活発化しています。

自動車メーカー社員1日

グループ企業と協同で仕事をする機会も多い

自動車メーカー社員のスケジュールは、担当する業務によって大きく異なりますが、一例として若手マーケティング職の1日をご紹介します。

メーカー系列の販売店社員と連携して、自社商品の販売促進を担ったり、売上動向を分析したりします。

8:30 出社
メールチェック、案件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 企画会議
若い親子客を獲得するため、子供向けイベントのアイデアを出し合います。

12:00 休憩

13:00 販売店訪問
販売店の社員と共に、具体的なイベントの作業内容について協議します。

15:00 内勤
車種ごとの販売データを集積し、購買年齢層やエリアごとの販売動向を分析、売上予測を立てます。

18:00 帰社

自動車メーカー社員になるには

職種系統別に採用試験を受ける

自動車メーカー社員として働くには、各自動車メーカーが独自で実施する社員の採用試験を受け、合格する必要があります。

採用にあたっては、企画やマーケティング、資材調達、経理などの「事務系」と、研究開発や生産ライン設計、製造・品質管理などの「技術系」という2つの区分で募集されるケースが一般的です。

事務系の場合、新卒として一括採用されたのちに、個人の適性や能力に応じて各部門へ配属されるのが一般的な流れとなっています。

自動車メーカー社員の学校・学費

技術系への就職は特に学歴が問われる

自動車メーカーに就職するために必要な学歴は、基本的に「大卒以上」あるいは「高等専門学校卒以上」となっているようです。

また、事務系の場合は文系・理系問わず募集されますが、技術系については、理工学系の大学や大学院で学んだ専門知識のある人材が求められる傾向にあります。

自動車開発には多数の最先端技術が用いられるため、より専門的な研究開発職を目指すなら、大学院で機械工学や電気・電子、応用物理学などについて学ぶ必要があるでしょう。

自動車メーカー社員の資格・試験の難易度

必須資格はないが、語学力は重要

自動車メーカーで働くために必要となる資格は特になく、新卒採用時になんらかの資格保有が条件となることはほとんどありません。

ただし、近年では人口減少や若者の車離れなどにより、国内マーケットは頭打ちであるため、各自動車メーカーは事業拡大のために海外での生産・販売や海外企業との合併などを積極化させています。

事務系職であっても技術系職であっても、海外赴任する可能性や海外とやりとりが必要になるケースは十分にありますので、語学力は磨いておいたほうが望ましいでしょう。

自動車メーカー社員の給料・年収

平均的サラリーマンより高い

自動車メーカー社員の平均年収は、600万円~800万円程度がボリュームゾーンといわれています。

誰もが知る業界トップクラスの企業では平均年収が800万円を超えるところもあるなど、一般的な会社員と比較するとやや高めの給与水準であるといえます。

ただし、年齢や役職、勤続年数などによっても年収は変わるため、若いうちから多くの収入が得られるわけではありません。

また、大手企業は諸手当や福利厚生も充実しており、会社の寮や社宅、保養施設が利用できるなど、充実した環境で働くことができるでしょう。

自動車メーカー社員のやりがい、楽しさ

自動車産業は日本の代名詞的存在

自動車製造は、日本を代表する一大産業であり、また各企業には全国から優れた人材が集まって、日夜新しい技術開発に切磋琢磨しています。

自動車メーカーは、経済的にも技術的にも日本のトップをけん引する存在であり、各社員は日本産業界を支えているという誇りを持って仕事をしています。

自動車メーカーは、数ある「ものづくり」を担うメーカーの中でも、最も優秀なプロフェッショナルが集う企業ですので、そこで働くことは大きな魅力があるといえるでしょう。

自動車メーカー社員のつらいこと、大変なこと

プロジェクトの規模が大きい

自動車の新車開発プロジェクトは、スタートしてから実際に販売されるまで、一般的に数年単位の時間を要します。

その間に数え切れないほど多くの人が携わりますので、足並みが揃わず計画がうまく進まなかったり、自分の関わり方が曖昧になったり、成果が出ないことに戸惑うケースも決して少なくありません。

自動車づくりはチームプレーの楽しさもありますが、その規模は非常に大きなものとなるため、仕事を進めていくうえではさまざまな困難も同時に伴います。

自動車メーカー社員に向いている人・適性

幅広い仕事に興味が持てる人

自動車メーカーには多種多様な職種があり、事務系として就職した人は、さまざまな経験を積むため、マーケティング、企画、営業、広報、経理など、数年単位での異動を繰り返すことが一般的です。

なかには人事部や労務部など、自動車産業の特色があまりない役割を任されるケースもあります。

自動車メーカーはどこも大企業ですので、その中の一員という自覚を持ち、どんな業務でも前向きに取り組める、興味範囲の広い人は、自動車メーカー社員に向いているといえるでしょう。

自動車メーカー社員志望動機・目指すきっかけ

自動車が好きな人は非常に多い

自動車メーカーを志望する人は、やはり自動車が好きで、自動車に対する思い入れの強い人が多いようです。

ただ、自動車メーカー各社は他業界の企業と比較しても抜群の知名度を誇り、就職先として非常に人気がありますので、採用されるためには高い競争倍率をくぐり抜けなければなりません。

具体的な志望動機を考える際には、各企業の理念や目指す方向性を深く理解し、それに自分自身の自動車への思いをうまく融合させて、採用担当者にアピールする必要があるでしょう。

自動車メーカー社員の雇用形態・働き方

一般的に全国転勤を伴う

自動車メーカー各社は、全国各地に支店や営業所を設けているため、職種などにもよりますが、おおむね隔地間の転勤を伴います。

また、異動サイクルもさまざまで、2~3年程度で転勤になることもあれば、10年以上同じ職場に留まり続けるというケースもあります。

自動車メーカー社員の働き方は、社員数が多いぶんそれぞれに事情が異なりますので、実際の働き方を知るため、インターンシップに参加することも理解を深めるために有効な手段といえるでしょう。

自動車メーカー社員の勤務時間・休日・生活

技術系の職種のほうが忙しくなりがち

自動車メーカーの勤務時間は、オフィス勤務の場合は一般的企業と同じ8:30~17:30くらいに設定されているところが多いようです。

ただし、品質管理や生産ライン製造などの役職で工場に勤務する場合は、始業・終業とも、工場の稼働時間に合わせてやや早い時間になります。

また、残業時間については、事務系よりも技術系の職種のほうが長くなりがちで、プロジェクトの進捗状況によっては、毎日終電前後まで働かないといけないケースもあるようです。

自動車メーカー社員の求人・就職状況・需要

求人数は多いが、ハードルは高い

自動車メーカー各社はその事業規模に比例して求人数も多く、特に技術系では数百人単位で募集がかかることもあります。

ただ、自動車メーカーは非常に人気が高い就職先で、一流国立大学や有名私立大学の学生も多く集まるため、いくら募集人数が多いとはいえ、採用されるには厳しい競争を勝ち抜かねばなりません。

学歴がすべてというわけではありませんが、自動車メーカーに就職したいなら、学生のうちからしっかり勉学に励んでおく必要があるでしょう。

自動車メーカー社員の転職状況・未経験採用

それぞれの職種に精通した即戦力が求められる

自動車メーカー各社は中途採用についても積極的に行っており、通年で採用を実施しているところも珍しくありません。

中途採用の場合は新卒時とは異なり、営業、企画、生産管理など職種別に募集されるうえ、必要となるスキルや実務経験も明示されるケースが一般的です。

マーケティング職の募集であればマーケティング職におけるある程度の実務経験年数が条件となったり、語学力についてもTOEICスコアなどの具体的な基準が示されます。

企業としては、新卒社員については中長期的に育てていく方針である一方、中途入社の人材には即戦力となることを期待しますので、前職でのキャリアや能力は非常に重視されます。

自動車メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し

自動車産業のプレゼンスは変わらない

50兆円近い市場規模を誇るとされる自動車関連産業は、現代の日本経済を支える産業の一つとなっています。

これからの自動車メーカーには、グローバル化のほか、環境対策、エネルギーの効率化、安全面の強化といった数々の重要問題をクリアしていくことが求められるでしょう。

国内市場が緩やかに縮小していくと見込まれるなか、業界再編の動きも出ていますが、今後も「日本のものづくり」の最先端をゆく業界として、その存在感を示していくことに変わりはないでしょう。