「化粧品メーカー社員」とは

化粧品を製造・販売する会社。新商品を企画・開発し、店舗販売や通販で消費者に届ける。
化粧品メーカーとは、おもに化粧品を製造し、販売する企業のことをいいます。
市場ニーズを踏まえ、どのような製品を作るのか企画し、原料を組み合わせて化粧品を開発し、出来上がった製品を百貨店や直販店舗などの店頭あるいは通販等を通じて消費者の元に届けます。
このように自社で商品の企画から製造、販売まで一貫して行う企業のほか、他社のブランドのために化粧品を企画・製造し、ブランドへ卸す「OEMメーカー」といわれる企業もあります。
大手化粧品メーカーの新卒採用では、幹部候補になる「総合職(事務系・技術系)」を中心に行われています。
化粧品メーカーの平均年収は550万円~600万円程度とされていますが、全体としては売上高が高い化粧品メーカーほど、平均年収も高水準になる傾向にあるようです。
化粧品は生活必需品として安定した需要があるものの、近年は異業種企業の化粧品業界参入も相次いでおり、競争は厳しくなっているといえるでしょう。
「化粧品メーカー社員」の仕事紹介
化粧品メーカー社員の仕事内容
化粧品を製造・販売する仕事
化粧品メーカーとは、化粧品を製造し、販売する企業のことです。
どのような製品を作るのか企画するところからスタートし、原料を組み合わせて化粧品を開発し、出来上がった商品は百貨店や直販店舗などの店頭、あるいは通販などを通じて消費者の元に届きます。
化粧品メーカーは、商品の企画から製造、販売まで一貫して行う企業をイメージする人が多いかもしれませんが、このほか「OEMメーカー」といって、他社のブランドのために化粧品を企画・製造し、ブランドへ卸すことを事業としている企業もあります。
また、化粧品は「薬事法」に基づいて製造しなくてはならないため、製品そのものはもちろん、商品名や広告、販促物といった細かいものに至るまで法律に基づいたものでなければなりません。
化粧品メーカー社員の就職先・活躍の場
全国の化粧品メーカー
化粧品メーカーに就職するといっても、全国には多くのメーカーが存在します。
誰もが知っているような有名メーカーから、名前をあまり知られていないOEMメーカーまでさまざまです。
化粧品メーカーの中には、マーケティングをして新しい化粧品を企画する「開発部門」、化粧品を多くの人に届ける「営業・販売部門」、百貨店などで直接お客様と接し化粧品を販売する「美容部員」、化粧品を知ってもらうための販売促進を行う「広告部門」、社内の事務作業や管理を担当する「管理部門」などがあります。
化粧品メーカー社員の1日
担当部門によってスケジュールは変わる
化粧品メーカーといっても、どの仕事を担当するかによって一日のスケジュールは大きく変わります。
一般的には朝出社し夕方退社するスタイルですが、化粧品を生産している工場勤務の場合は、朝が早めのことが多いようです。
ここでは化粧品メーカーの営業職をしている人の1日をご紹介します。
8:45 出社
メールチェックをし、今日のスケジュールを確認
9:00 会社を出る
出来上がったばかりの化粧品サンプルと資料をもって商談へ
10:00 商談 1
お得意先との商談
長い付き合いなので会話も弾む反面、鋭いところをつっこまれることも
11:30 昼食
13:00 商談 2
新商品の見積もりについて商談。
相手の要望に沿えるようさまざまなアイディアを出します。
16:00 会社へ戻る
商談の反応を報告し、企画部門や販促部門と共有する
17:30 研究開発部と相談
得意先から要望があった点について、今後どのように進めるか相談する
19:00 退社
化粧品メーカー社員になるには
化粧品メーカーの採用試験を受ける
化粧品メーカーの社員になるには、各メーカーが実施する社員採用試験を受けます。
大手化粧品メーカーの場合、毎年新卒採用を行っています。
多くは「事務系」と「技術系」という2種類に分けられ、事務系では化粧品の販売に関わるさまざまな業務を担当します。
技術系は研究職や生産技術職として、化粧品の開発に関わります。
事務系の場合、まずは営業職として経験を積み、そこから各業務に配置転換されることが多いようです。
技術系で入社した場合には、専門性の高い業務内容となっていることから、一つの職場で長く働くことも珍しくありません。
化粧品メーカー社員の学校・学費
技術系は理工学系の知識が必要
事務系は学部・学科不問であることがほとんどですが、技術系については理工学系の学部・学科出身者を対象とした採用が行われることが一般的です。
高卒での求人は少なく、総合職として幅広く専門的な業務に携わっていきたいのであれば、基本的に大卒の学歴は必須です。
百貨店などで商品を販売する「美容部員」については、高卒者でも受け入れている企業がありますが、契約社員からのスタートということも多く、派遣社員やアルバイトとして働いている人も少なくありません。
化粧品メーカー社員の資格・試験の難易度
就職の段階で資格は必要なし
化粧品メーカーに就職するうえで、必要な資格は特にありません。
入社後、スキルアップなどを目的として各種資格の取得を目指すことはありますが、入社前に何かしらの資格が求められるケースはほとんどありません。
化粧品に関する民間資格としては、「日本化粧品検定」「化粧品検定」「スキンケアアドバイザー」などがあり、特に美容部員では取得している人も多いです。
こうした民間資格を取得して勉強するほか、自社で研修や資格制度を設けているところもあります。
化粧品メーカー社員の給料・年収
平均年収は500万円から600万円
化粧品メーカーの平均年収は500万円から600万円程度がボリュームゾーンとされています。
また、初任給は、大卒や大学院卒の場合で20万円から25万円程度となっています
ただし、企業によっても違いがあり、基本的には売上高が高い化粧品メーカーほど、平均年収も高水準になる傾向にあるようです。
職種によっても年収に若干の違いがありますが、全体としては年齢や勤続年数に応じて少しずつ給与が上がっていき、さらに役職がつくことで大幅な収入アップも期待できます。
化粧品メーカー社員のやりがい、楽しさ
ものづくりに携わる喜び
化粧品メーカーで働くことのやりがいのひとつは、「ものづくり」に携わり、その醍醐味を味わえることだといえるでしょう。
自身が仕事で関わっているのは化粧品のほんの一部分だったとしても、そこにかける時間や苦労が大きければ大きいほど、商品として完成したときの喜びは大きなものとなります。
また、化粧品は生活に身近なものだけに、完成品を見かける機会も多くなります。
自分がかかわった商品がテレビや雑誌で取り上げられたり、店頭で並んでいるのを見かけたりしたとき、商品がヒットしたときには大きな誇りとやりがいを感じられるものです。
化粧品メーカー社員のつらいこと、大変なこと
お客さまの声がダイレクトに影響する
化粧品を使う人は、年齢も性別もさまざまです。
化粧品は直接肌に触れるもののため、お客様の反応もどうしてもシビアになりがちです。
どれだけ品質や効果にこだわって作った商品でも「自分の肌には合わなかった」「効果が見られなかった」など、クレームがつきまといます。
こうしたクレームを受けることは、メーカーという会社で働く以上、ある程度覚悟しておかなくてはなりません。
クレームが多ければ、商品の販売をストップしたり回収したりしなくてはならず、お客様の声がダイレクトに影響する仕事であるといえます。
化粧品メーカー社員に向いている人・適性
化粧品や美容に興味関心がある
化粧品メーカーで働くには、「化粧品に興味がある」「メイクや美容が好き」といった気持ちの持てる人がふさわしいといえるでしょう。
自社の商品を愛する気持ちはもちろん、世の中のさまざまな化粧品やメイクのトレンドに敏感でいられる人は、化粧品メーカー社員には最適です。
また、自分のことだけでなく、自分たちの作る化粧品によって、たくさんの人々に美を提供したい、笑顔や幸せを与えたいという気持ちを持てる人は、化粧品メーカー社員に向いています。
化粧品メーカー社員志望動機・目指すきっかけ
「なぜそのメーカーなのか」を伝える
化粧品メーカーの志望動機を聞かれ、多くの人が「そのメーカーの化粧品が好き」と答えます。
しかし、いざこれからその会社で働くとなれば、「消費者」という立場から「作り手」になる必要があります。
したがって、志望動機では「化粧品が好き」という思いだけではなく、「その会社で何がしたいのか」「仕事を通じてどう世の中に貢献し、何を世の中に届けていきたいのか」といったことまでをしっかりと考え、きちんと説明できる内容にすることが大切です。
化粧品メーカー社員の雇用形態・働き方
契約社員や派遣社員も多い
化粧品メーカーでは、専門的な知識が必要だったり、自社製品の守秘義務を守ったりということから正社員の割合が多くなっています。
ただし、契約社員や派遣社員も多く働いています。
なかでも美容部員や販売員の求人は比較的多く、事務系や技術系の職種とは異なり高卒や専門学校卒でも働ける可能性があります。
化粧品メーカーは基本的に人気が高く、採用の際は高倍率になることもありますが、もし化粧品メーカーを目指したいという人は契約社員や派遣社員も視野に入れて考えるとよいでしょう。
化粧品メーカー社員の勤務時間・休日・生活
一般的なサラリーマンと同じ
化粧品メーカーの勤務時間は、本社勤務の場合、一般的なサラリーマンと同様朝から夕方までの時間帯で設定されています。
ただし、勤務時間は事業所によって異なり、配属先によってはこれよりも早い時間に出社することもありますし、もう少し遅めの出勤になることもあります。
化粧品メーカーに限らず、特に研究所や工場勤務の場合には、朝は7時から8時頃からスタートするなど、やや早めとなっているケースが多いようです。
化粧品メーカーは女性が多く働いていることから、ワークライフバランスや働きやすさを意識した職場になっているところが多いようです。
化粧品メーカー社員の求人・就職状況・需要
新卒は定期採用が中心
大手化粧品メーカーでは会社の将来を担っていく人材として「総合職」を中心とした新卒採用に力を入れているところが多く、年に一度の採用活動で「数十人単位」といった比較的多めの人数を採用しています。
ただし、化粧品業界は人気が高めとなっているため大勢の学生が集まりやすく、採用試験はだいぶ高倍率になることも珍しくありません。
技術系の場合は大手を中心に高等専門学校生を対象とした採用も実施されています。
また、大学院に進んで専門知識や技術を深めてきた人も、比較的多く集まってきます。
化粧品メーカー社員の転職状況・未経験採用
中途採用は能力重視
中途採用に関しては人員が不足した際に不定期で行われることが多く、この場合、即戦力として業務経験がある人が求められることがほとんどです。
とくに外資系の化粧品メーカーはもともと経験者を中心に採用するところが多く、営業やマーケティングなどの実務経験が求められることがほとんどです。
企業によりますが、一般的には最低でも3年以上の社会人経験が必要とされ、外資系メーカーの場合はそれに加えてビジネスレベルの英語力なども必要とされます。
化粧品メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し
今後はますます競争が激化する
日本には化粧品メーカーとして国内メーカー、外資系メーカーの両方が多く存在していますが、市場シェアを占めているのは大手10社程度といわれています。
ただし、近年は化粧品メーカー以外の異業種企業による化粧品業界への参入や、各社のプライベートブランドの開発が相次ぎ、競争が激化しています。
もともとは直販店舗での販売をメインとしていたメーカーも、インターネット通販や小売店への卸などに踏み出しており、競争の激化による販売チャネルの多角化は今後避けられないでしょう。