「石油会社社員」とは

重要なエネルギー源である石油の輸入や精製、生産、販売を一貫して手掛ける。

石油会社とは、ガソリンや火力発電の燃料など、私たちの暮らしに不可欠なエネルギー源である石油の輸入や精製、販売を行う会社のことをいいます。

日本では石油の99.7%程度を海外からの輸入に頼っており、原油油田で採掘された原油はタンカーで運ばれ、製油所でガソリンや軽油、重油といった石油製品へと精製されます。

この原油の輸入から精製・生産、製品販売までを一貫して手掛けている「石油元売り会社」のことを、一般的に石油会社と呼びます。

新卒採用ではたいてい「総合職」として一括採用され、技術系では基本的に大学および大学院の理工系学部・学科卒業・修了予定者が対象となりますが、事務系の場合は学部・学科不問であることがほとんどです。

平均年収は800万円~900万円前後がボリュームゾーンとされており、他の業界・業種と比べても高めの水準にあるといえます。

国内の人口減少や燃費のよいエコカー普及などの理由によってガソリン需要が年々低下していることから、近年の石油業界では再編の動きが活発化しており、各社とも規模を大きくしながら生き残りを目指しています。

「石油会社社員」の仕事紹介

石油会社社員の仕事内容

石油の精製から販売までを一貫して手掛ける

石油会社とは、ガソリンや火力発電の燃料など、私たちの暮らしに不可欠なエネルギー源である石油の輸入や精製、販売を行う会社のことをいいます。

日本では石油の99.7%を海外からの輸入に頼っており、原油油田で採掘された原油はタンカーで運ばれ、製油所でガソリンや軽油、重油といった石油製品へと精製されます。

精製された石油は、ガソリンスタンドや発電所、工場などに運ばれ、燃料として用いられたり、化学製品の原料に使用されます。

この原油の輸入から精製・生産、製品販売までを一貫して手掛ける「石油元売り会社」のことを、一般的に石油会社と呼びます。

石油会社では、このような一連の流れをそれぞれに担当する、エンジニアなどの技術職や、販売・管理職など、さまざまな社員が働いています。

石油会社社員の就職先・活躍の場

事業再編によって就職先は減少傾向

石油を取り扱う企業の代表格である石油元売り会社は、国内企業・外資系企業合わせて、かつて20社ほどが存在していました。

しかし、省エネ化の推進や、エコカーの普及などによって石油需要が減少した結果、大手企業同士の経営統合や外資系企業の撤退が相次ぎ、その企業数は大きく減りました。

石油元売り会社のほか、原油開発から石油生産までに事業範囲を限定した「油田開発会社」や、ガソリンなどの卸売を手掛ける「石油販売会社」もありますが、就職先の選択肢は狭まりつつあります。

石油会社社員1日

海外との取引先とやりとりする機会が多い

石油会社社員のスケジュールは、担当する役職などによってさまざまですが、一例として資源調達部門で働く社員の1日をご紹介します。

原油はほぼ輸入によって調達するため、海外とのやりとりが多くなるようです。

9:00 出社
メールチェック、案件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 会議
ロンドン、ヒューストン支店の担当者と、国際電話会議を行います。

12:00 休憩

13:00 外部交渉
産油国の担当者と、原油の調達価格について交渉します。

15:00 デスクワーク
統計資料や世界経済の動向を基に、今後の原油価格動向について取りまとめます。

18:00 帰社

石油会社社員になるには

事務系と技術系に分かれた採用試験を受ける

石油会社社員になるには、各社が実施する入社試験を受ける必要があります。

ほとんどの新卒採用では、営業やマーケティング、調達、物流管理、事業企画、財務などの「事務系」と、プラント管理やセールスエンジニア、研究職などの「技術系」に分けて募集されます。

事務系であっても技術系であっても、それぞれの系統の職務を数年単位でローテーションする「総合職」として採用されるケースが一般的で、幅広い業務を経験することになります。

石油会社社員の学校・学費

大手企業では高学歴が求められる

石油会社の新卒採用では、基本的に大卒または大学院卒の学歴が求められますが、一部の技術職では高等専門学校卒を対象とする場合もあります。

事務系の場合、学部・学科は不問ですが、技術系では、理工系学部・学科の卒業・修了予定者が対象となるケースがほとんどです。

とくに化学系、機械系、電気・電子系、金属・材料系、建築・土木系学科の学生が望まれますので、石油会社への就職を目指すなら、それらを専攻するとよいでしょう。

ただ、大手石油会社には、一流といわれる有名国公立大学の学生が多数集まるため、内定を勝ち取ることは容易ではありません。

石油会社社員の資格・試験の難易度

具体的な必須資格はない

石油会社に新卒として入社するにあたって、必須となる資格やスキルなどはとくにありません。

ただし、専門性が求められる技術系の採用については、具体的な資格というわけではありませんが、自身の研究成果などを取りまとめた資料の提出が求められるケースがあります。

また、石油会社では、部署にもよりますが、電話やメールなど、英語によるコミュニケーションをする機会が多くあります。

新卒採用でTOEICスコアなどが条件となることはほぼありませんが、学生のうちからある程度外国語に精通しておくことは必要かもしれません。

石油会社社員の給料・年収

企業によって百万円単位の開きが

大手石油会社の平均年収は800万円~900万円前後がボリュームゾーンとされており、他の業界・業種と比べても高めの水準にあるといえます。

20代後半では年収500万円程度のところが多いですが、40代になると年収1,000万円を超える人も出てきます。

ただ、石油会社ならどこでも好待遇というわけではなく、大手企業と中小企業の差が大きいことが石油業界の特徴として挙げられます。

大手では高い年収に加えて諸手当や福利厚生も充実している一方、中小企業ではトップより数百万円程度も低い年収となっているところもあるようです。

石油会社社員のやりがい、楽しさ

グローバルに活躍することができる

石油会社での仕事は規模の大きいグローバルなものが多く、産油国や海外主要都市をはじめとして、世界を股にかけて幅広く活躍することができます。

大手石油会社ともなれば、世界各地に支店や営業所を構えているため、20代の若いうちから海外出張を繰り返したり、海外赴任を命じられる人も珍しくありません。

多様な価値観や文化を持つ人たちと共に仕事をすることで、ビジネスマンとして、また人間としても大きく成長できるチャンスがある点が、石油会社で働くうえでの大きな魅力といえるでしょう。

石油会社社員のつらいこと、大変なこと

部署異動や転勤が多い

石油会社社員は、数年単位で異動することが一般的であるため、異動のたびに、新しい業務を一から学ばなくてはなりません。

新しい仕事を覚えることは、もちろん自身の成長にもつながりますが、これまでと違う環境や仕事の進め方、人間関係などに戸惑いを覚えるケースは少なくないでしょう。

また、石油会社は全国規模で事業を展開しているため、転居を伴う隔地間異動も多く、場合によっては海外転勤するケースもあります。

慣れない仕事に加え、異なる文化圏での生活には苦慮することもあるかもしれません。

石油会社社員に向いている人・適性

業界の変化に対応できる人

近年、石油業界では、大手石油元売り会社を中心とした業界再編が急ピッチで進んでいます。

今後についても、国内の石油販売量が漸減していくことは不可避であり、事業環境は厳しさを増していく見通しです。

このような状況下、石油会社各社は、石油だけの取り扱いにとどまらない「総合エネルギー会社」への転換を加速させています。

これからの石油会社社員に向いているのは、定められた仕事を淡々とこなす人でなく、新しい分野への挑戦に抵抗がない、チャレンジ精神に溢れた人であるといえるでしょう。

石油会社社員志望動機・目指すきっかけ

エネルギー事業に関心の高い人が多い

石油会社への就職を目指すのは、石油を含めたエネルギー事業全体に興味のある人が多い印象です。

普段意識することはあまりないかもしれませんが、電気やガス、水道と同じように、私たちの生活や各種産業は、石油をはじめとした多くのエネルギーによって支えられています。

世の中を陰から支える、あまり目立たない存在ですが、重要な社会インフラであるエネルギー事業に携わりたいと考える人は少なくありません。

また、大手石油元売り会社では、グローバルに活躍できる機会があるため、海外志向の強い人が石油会社を志望する傾向にあるようです。

石油会社社員の雇用形態・働き方

石油会社の事業は幅広く、働き方はさまざま

石油需要が減少傾向にある背景もあって、石油会社各社は、石油事業だけでなく、電気やガス、石炭といった他のエネルギー事業も手掛けるなど、その事業領域を拡大しています。

このため、同じ企業内であっても、配属先によって担当する仕事内容は多岐にわたりますし、勤務地も国内外を問わずさまざまです。

また、人によっては、グループ内の別企業に出向するケースもあります。

それぞれの社員がどんな働き方をしているのかを具体的に知るために、各社が学生向けに実施しているインターンシップに参加してみることも、非常に有効な手段といえるでしょう。

石油会社社員の勤務時間・休日・生活

比較的仕事とプライベートを両立させやすい

石油会社の勤務時間は、オフィスワークの場合、9:00~18:00くらいに設定されていることが一般的で、研究所や工場などに勤める場合は、始業・終業時刻共に、1時間程度早くなります。

残業時間については、事務系・技術系問わず、ワークライフバランスを重視する傾向や、残業代を削減する方向性が強まっており、そこまで多くはないようです。

ただ、技術系職種の場合、プラントなどの設備になんらかのトラブルがあった場合、業務時間外であっても、また休日であっても、出勤して作業に当たらなくてはならない事態も想定されます。

石油会社社員の求人・就職状況・需要

大手の求人数は多いが人気は高い

大手石油会社は毎年新卒採用を実施しており、100名を超える人員を採用しているところもあります。

職種別にみれば、事務系よりも、石油事業に大きく関わる技術系の募集人数のほうが多いところが目立ちます。

ただ、大手の石油元売り会社は、知名度が高く、また給与水準が高めであること、加えて福利厚生面も充実していることなどから、採用試験には多くの学生が集まり、かなりの高倍率になりがちです。

内定を勝ち取るためには、有名大学卒などの学歴や、大学院での専門的な研究成果などで、自身の能力をアピールする必要があるでしょう。

石油会社社員の転職状況・未経験採用

経験者中心の中途採用を実施している

石油会社各社は、中途採用についても不定期に実施しています。

とくに中小の石油会社は積極的で、大手のように新人を育成する体制が十分に整っていないところが多いため、中途採用をメインにしている企業も見受けられます。

中途採用の場合、石油業界の経験はなくても構いませんが、募集職種の実務経験が求められるケースが大半で、「危険物取扱者」や「高圧ガス製造保安責任者」といった資格が必須となるところもあります。

他業界からの転職者としては、化学や素材、機械メーカーで働いていた人が多いようです。

石油会社社員の現状と将来性・今後の見通し

石油需要は今後も減少していく見通し

人口の減少や若者の車離れ、また燃費のよいエコカーが普及したことなどによって、ガソリンの需要は低下傾向にあります。

外部環境が厳しさを増していくなか、石油業界では再編の動きが活発化しており、大手石油元売り会社は相次いで経営統合を表明するなど、規模拡大による生き残りを目指しています。

今後についても、火力発電用の燃料が石油から天然ガスへシフトするなど、より石油需要の落ち込みが懸念されます。

石油会社各社は、従来の石油ビジネスのみにとどまらず、さまざまな燃料を取り扱う「総合エネルギー会社」として事業の方向性を模索していくと想定されます。