「電力会社社員」とは

インフラのひとつである電力を生み出し、住宅や企業、工場などへ安定的に供給する。

電力会社とは、社会インフラとなる電力を生み出し、それを住宅、企業、工場、商業施設などに安定的に供給する会社です。

電力会社の仕事は、大きく営業、広報、人事、資材、燃料などの「事務系」と、配電、火力・水力、電子通信、土木建築などの「技術系」に分けることができ、それぞれ別区分での採用試験が実施されています。

事務系であれば基本的に学部・学科不問ですが、技術系の場合には学部・学科が指定されることがあります。

平均年収は600万円~700万円台がボリュームゾーンとされており、比較的安定した給与が期待できるといわれますが、原発事故のような大きなトラブル、あるいは不祥事などが発生した場合には大幅な給与カットが行われる可能性があります。

電力自由化など、今、電力会社を取り巻く環境は大きく変化しており、各社はさらなる企業努力が必要とされると同時に、事業フィールドを広げながらより良いサービスを追求するなど、新たな挑戦が求められる時代に突入しています。

「電力会社社員」の仕事紹介

電力会社社員の仕事内容

電力を安定的に供給する

電力会社とは、私たちの生活に必要不可欠な社会インフラのひとつである電力を生み出し、それを住宅や企業、工場、商業施設など、必要とされるあらゆる場所に安定的に供給する会社です。

具体的な仕事内容としては、発電、送電、変電、配電といった電力供給に関する一連の事業のほか、各発電所や送電設備などの監視やメンテナンスなどが挙げられます。

また、エネルギーをより効率的に利用するための研究開発を行ったり、オール電化など、新しいライフスタイルを提案することも事業内容に含まれます。

公共性の高いインフラ事業を営む電力会社各社は、非常に社会への影響力が大きいため、他の業種よりもさらに、安全性の徹底や、環境への配慮が強く求められます。

電力会社社員の就職先・活躍の場

所管する各地域がおもな活躍の場

電力会社は企業ごとに事業を営む地域がある程度定まっており、東京電力ならば関東エリアが、中部電力ならば中部が、関西電力ならば関西近郊が、それぞれおもな活躍の場となります。

多くの社員は、それぞれの地域で電力供給や顧客対応などを担いますが、担当する業務によっては、地域を飛び出して海外で仕事をするケースもあります。

各地から燃料や資材を調達したり、海外のプロジェクトに資本参加したり、発展途上国のインフラ整備を支援したりと、世界を股にかけて活躍することも可能です。

電力会社社員1日

公共性の高さから、外部と連携して働く

電力会社の仕事は多岐にわたるため、担当する職務によってスケジュールはさまざまですが、一例として燃料調達部門で働く事務職社員の1日をご紹介します。

公共事業であるという特性上、企業の垣根を越えて外部と連携しながら仕事をする機会が多いようです。

9:00 出社
メールチェック、案件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 市場分析
燃料価格の推移を各統計から予測し、レポートに取りまとめます。

12:00 休憩

13:00 情報交換
銀行のアナリストや商社の燃料担当者と情報を共有します。

15:00 プレゼン
経営陣に対して、購入価格や調達量などのプレゼンを実施します。

18:00 帰社


(参考:https://www.kepco.co.jp/firstcareer/person/challenge_person/kettoku_hanako/)

電力会社社員になるには

職種別の採用試験を受ける

電力会社社員として働くには、各社が実施する採用試験を受ける必要があります。

電力会社の仕事は、大きく営業、広報、人事、資材、燃料などの「事務系」と、配電、火力・水力、電子通信、土木建築などの「技術系」に分けることができ、採用もそれぞれに実施されます。

なお、募集方法については、広くエントリーを募る一般公募だけでなく、高等専門学校や高校経由で応募するケースもあります。

学校の進路指導担当教諭や、就職課などに問い合わせてみるとよいでしょう。

電力会社社員の学校・学費

学歴に関わらず幅広い募集がなされている

電力会社の新卒採用にあたっては、大学や大学院をはじめとして、専門学校、短大、高等専門学校、高校と、それぞれの学生を対象に募集がなされています。

学歴によって応募できる職種や辿るキャリアは多少異なりますが、能力や適性次第で幅広い職務にチャレンジできる可能性があります。

また、事務系採用については基本的に学部・学科不問ですが、技術系の場合は、それぞれの職種に応じて、建築系、電気系、機械系、情報系など、学部・学科が指定されることがあります。

電力会社社員の資格・試験の難易度

必須ではないが、役立つ資格は複数ある

電力会社で働くために必須となる資格はとくになく、仕事に必要な知識やスキルは、それぞれの職場に配属されてから実務を通して学ぶことが一般的です。

ただし、技術系の職種については、作業の専門性が高いことから、取得しておけば業務に生かせる知識や資格はあります。

電気系であれば「電気工事士」や「電気工事施工管理技士」、「第一種電気主任技術者」が、機械系であれば、火力発電所や原子力発電所で働くことが多いため「ボイラー技士」が役に立つでしょう。

電力会社社員の給料・年収

大きなトラブルさえなければ安定している

電力会社の給料は、年収にして600万円~700万円台がボリュームゾーンとされています。

初任給は学歴によって差がつけられており、大卒の場合は20万円前後となっています。

事業基盤が安定していることもあり、給与面についてもある程度保証されているといえますが、公共性の高い事業を営んでいるだけに、なんらかのトラブルが発生した際の影響は非常に大きくなります。

原発事故のような大きな問題が発生した場合には、大幅な給与カットが行われる可能性もあるでしょう。

電力会社社員のやりがい、楽しさ

社会基盤の一部を担っているという誇り

電気は目に見えないため、普段あまり意識する機会はないかもしれませんが、家庭のなかでも、学校でも職場でも、私たちの生活を支えるたくさんのものが、電気で動いています。

社会インフラである電力事業を営む電力会社で働くことは、世の中全体を支えているという大きな誇りを感じられるでしょう。

また、法改正によって新規参入業者が相次いでいるとはいえ、電力会社各社のそれぞれの地域における事業地盤は非常に強固なものであり、安定的に働けることも電力会社の魅力のひとつといえます。

電力会社社員のつらいこと、大変なこと

世間から厳しい目でみられることも

東日本大震災で発生した原発事故以降、電力会社各社の原子力発電に頼る収益構造が問題視されるようになり、電力会社への風当たりは強くなっています。

こうした社会問題は世間全体からの注目度が非常に高いため、電力会社社員というだけで、個人的にいわれのない批判を受けたり、消費者から厳しい意見をぶつけられることもあるかもしれません。

原発依存からの脱却や、電力自由化による環境の激化など、電力会社が抱える課題は重いものばかりであるといえます。

電力会社社員に向いている人・適性

チャレンジ精神を備えている人

これまでの電力会社は、市場が競争にさらされていなかったこともあり、どちらかというと従来のやり方を踏襲する社員が好まれる傾向にありました。

しかし、原発問題や電力自由化などによって事業環境は大きな変革期を迎えており、これからの電力会社社員に対しては、新しいことに取り組んでいくチャレンジスピリットが求められています。

さまざまなところに問題意識をもち、主体的に課題を発掘できる人は、電力会社社員に向いているといえるでしょう。

電力会社社員志望動機・目指すきっかけ

公共性の高さに魅力を感じる人が多い

電力会社を志望するのは、電力事業の社会的な役割の大きさに魅力を感じ、社会に対して貢献したいと考える人が多いようです。

ただ、電力会社の事業内容は、その規模の大きさからもわかるように非常に幅広く、電力供給事業だけでなく、エネルギー・環境事業、情報通信事業、グローバル事業など、多岐にわたります。

そのなかで、自分が具体的にどのような業務を担いたいのか明確にするため、各企業が実施するインターンシップなどを利用して、事業内容に対する理解を深めることも必要かもしれません。

電力会社社員の雇用形態・働き方

学歴に関係ない働き方ができる

電力会社は、大卒に限らず、高専卒や高卒を対象とした採用も行っていますが、入社後は、学歴に関わらず、発電所や送配電設備の保守運転業務など、現場勤務からキャリアをスタートさせます。

その後は、学歴や専攻に応じて、それぞれの職場に配属されますが、能力や努力次第では、高卒であっても、大卒の社員らとデスクを並べ、同じようにステップアップしていくことができます。

学歴に関係なく、がんばり次第で自由な働き方ができる点が、電力会社の特徴といえるでしょう。

電力会社社員の勤務時間・休日・生活

勤務場所によって事情は異なる

電力会社の勤務時間は、本社勤務や事業所勤務の場合は、おおむね8:50~17:30くらいで設定されています。

一方、設備現場勤務の場合は、電力は24時間休みなく供給し続けなければならないため、多くが「交代制勤務」となっています。

2交代または3交代で設備の監視業務や維持管理にあたるため、順番に早朝勤務や深夜勤務をこなすことになります。

休日についても、本社や事業所においては土日が休みとなっている一方、設備現場では交代で休日を取得するようです。

電力会社社員の求人・就職状況・需要

毎年安定した求人数があるが、人気は高い

電力会社各社は毎年採用を実施しており、大手を中心に100名ほどの募集をしているところも珍しくありません。

ただ、事業の安定性もあって、電力会社は就職先として非常に人気で、競争倍率は高くなりがちですので、内定を勝ち取ることは容易ではありません。

また、電力会社各社の特徴として、それぞれの地域の地方大学と結びつきが強いということが挙げられます。

学歴がすべてではありませんが、地方国立大学の学部卒業生や、地方大学大学院の修士卒業生が採用されるケースが多く、それらの学歴を有していると有利かもしれません。

電力会社社員の転職状況・未経験採用

経験者を対象としたキャリア採用が中心

電力会社は、不定期ではありますが、中途採用も実施しています。

中途採用の場合は、「提案型営業」や「配電職種」、「原子力職種」など、必要職種に応じてピンポイントで募集され、それぞれの実務経験を有した即戦力が求められるケースが大半です。

未経験者でも応募できる職種もありますが、「営業事務」や「コールセンター勤務」などに限られます。

ただし、企業によっては、新卒採用と同じ形式で、35歳未満を対象に職種を問わない「オープン採用」を実施しているところもありますので、年齢によってはチャンスがあるでしょう。

電力会社社員の現状と将来性・今後の見通し

法改正によって事業環境は激変

これまでの電力供給事業は、それぞれの地域において各電力会社が事実上独占している状態でしたが、電力が自由化されたことによって、多数の業者が競争する環境へと大きく変化しました。

各社とも、消費者からの信頼を得るために、これまでよりさらに企業努力が必要とされるようになったと同時に、ガス供給事業に乗り出すなど、事業領域の拡大が求められるようになっています。

電力会社の仕事は、今後ますます多様化が進展していくものと想定されます。