【2021年版】自動車ディーラー社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「自動車ディーラー社員」とは

おもに自動車メーカーと特約店契約を結び、販売やアフターサービスを提供する。

ディーラーとは、 自動車メーカーや自動車メーカーの販売子会社と「特約店契約」を結んだ販売業者 のことです。

メーカーの車(新車・中古車)を販売するほか、車両の点検、メンテナンスなどのアフターサービスも提供しています。

自動車ディーラーの仕事には、お客さまのニーズをヒアリングして適した車を提案する「営業職」と、自動車の一般整備や定期点検、車検整備などを担当する「整備職」があります。

営業職は大卒、整備職については専門知識やスキルが求められるため、自動車整備の専門学校などを出ている人を対象とした採用が中心です。

自動車ディーラー社員になるには、各社が実施している採用試験を受けますが、採用活動や面接自体は、自動車メーカーに関係なく、全国各地のディーラー各社が独立して行っています。

国内の自動車産業は、若者の車離れ、人口減少、乗り換えサイクルの長期化などの理由によって今後縮小が進むことが予測されています。

ディーラーの多くは販売後のアフターサービスに力を入れることによって、顧客の囲い込みに取り組んでいます。

「自動車ディーラー社員」の仕事紹介

自動車ディーラー社員の仕事内容

契約メーカーの自動車を専属で取り扱う販売業者

自動車ディーラーとは、自動車メーカーや自動車メーカー販売子会社と「特約店契約」という契約を結んだ販売業者のことです。

具体的な仕事内容としては、 契約している自動車メーカーの新車販売や中古車販売 が主ですが、自動車の定期点検や車検、事故時や故障時の修理対応といったアフターサービスも手掛けます。

営業職は、「カーセールス職」「カーライフアドバイザー職」と呼ばれ、自社の取り扱い車種の中から最適な車種を提案する仕事です。

ショールームを訪問したお客さまに対し接客やセールスを行い、契約を取ることができた場合、メーカーに新車を手配するよう要請します。

整備職は、「サービスエンジニア職」「メカニック職」とも呼ばれ、営業職が接客したお客さまから点検や修理の依頼を受け、それぞれに仕事が割り振られ、順次お客さまの車両を整備していきます。

1つのディーラー店舗には数名の整備職が常駐しており、1人当たり1日数件の車両を整備します。

なお、特約店契約を結んでいない販売業者は、単に「販売店」または「サブディーラー」と呼ばれますが、販売店の自動車仕入れ先は、自動車メーカーでなく、自動車ディーラーになります。

このため、ディーラーは、取り扱いメーカーが限定される代わりに、自動車メーカーから直接仕入れることができるため、一般販売店よりも価格面などの条件で強みをもつことが可能となります。

関連記事自動車ディーラー社員の仕事内容・企業の種類

自動車ディーラー社員になるには

各ディーラーが独自に行う採用試験に応募する

希望する地域のディーラーに応募する

自動車ディーラー社員になるには、各社が実施している採用試験を受ける必要があります。

大手自動車メーカーと特約店契約を結んでいるディーラーでは、たいてい自動車メーカーのホームページに採用情報が掲載されていますので、一度チェックしてみるとよいでしょう。

ただ、 採用活動や面接自体は、メーカーに関係なく、全国各地のディーラー各社が独立して行っている ケースが大半です。

従って、希望する地域のディーラーに応募することが、自動車ディーラーに就職するための第一歩となります。

自動車ディーラーで働くまでのルート

大手のディーラーでは、大学や専門学校を卒業したのちに新卒で入社する人が多い傾向ですが、中小のディーラーでは、「未経験採用」も積極的に行われています。

高校卒業後そのまま入社する人や、まったくの異業種から転職をしてくる人も少なくありません。

営業職の場合は特別な学歴は必要とされないことが一般的ですが、整備職を目指す場合には、整備士資格の関係で自動車整備学校に進学するのが基本です。

営業職の場合、入社後はまずはショールームでの接客など経験しながら、営業の基本を身に付け、一人前になると保険対応やアフターフォロー、法人営業などを行います。

整備職の場合、入社後は見習い整備士としてオイル交換などの簡単な作業から入り、徐々に車検や修理といった高度な整備作業を覚えていきます。

関連記事自動車ディーラーで働くには

自動車ディーラー社員の学校・学費

職種によって必要な学びや学歴が異なる

自動車ディーラー社員の募集条件は、営業職・整備職によって、必要な学歴が異なります。

営業職については、企業によりますが、多くは「大卒以上」 が条件となっています。

これは、多くの営業職がリーダーやマネージャーに昇進し、ゆくゆくは店長となるためです。

整備職については、入社時点である程度業務に必要な専門的知識・スキルを有していることが必要で「自動車整備の専門学校卒」などの学歴が条件となります。

整備職の応募条件としては、「整備士学校卒業者」「整備士養成課程卒業者(国家整備士2級課程以上など)」「自動車整備士試験合格者」などがあります。

自動車整備学校には、2年制・3年制・4年制とコース種別があり、学費はおおよそ年間100万円程度です。

自動車ディーラー社員の資格・試験の難易度

営業職・整備職問わず普通自動車免許は必須

自動車ディーラーの営業職として働くために必要な資格はとくになく、自動車に関する専門知識は、入社後の社内研修や実務を通して習得していきます。

一方、 整備職については、整備士資格となる「自動車整備士試験(自動車整備士技能検定)」の資格を保有していることが採用条件 となっています。

入社後にも、ディーラーごとに定められた独自資格を取得していくことが奨励されます。

営業職・整備職問わず、お客さまの自動車を引き取る際、あるいは引き渡す際など、ディーラーで働くうえで「普通自動車免許」は欠かせません。

多くのディーラー募集要項では、「普通自動車免許取得者」、もしくは「入社までに自動車免許を取得できる人」とされています。

関連記事自動車ディーラー社員に必要な資格やスキルはある?

自動車ディーラー社員の給料・年収

職種により給与体系は多少違いがある

営業職と整備職の給料

自動車ディーラーの平均年収は、400万円~500万円程度とされています。

営業職の場合は個人ノルマがあり、「基本給」に加えて成果に応じた「歩合給」が合計の給料となります。

初任給は手当を含めて大卒で20万円~23万円程度となっていますが、ここからどれだけ収入アップできるかは、こうした個人の成績によっても変わってきます。

そのため 同じ会社であっても給料には個人間でバラつきがあり、自分の売上を増やすほど、収入をアップさせていく ことができます。

整備職については固定給で、初任給が18万円~20万円程度となっています。

整備士の国家資格や社内独自の整備士資格を取得することで、基本給にプラスして資格手当が支給されるケースが多いです。

諸手当で収入をアップさせる

自動車ディーラーでは、さまざまな諸手当が用意されています。

まず営業職の場合、個人の売上や成果に応じた手当てがあり「歩合」とよばれます。

自動車の販売台数や売上額に応じた手当のほか、保険やJAFへの加入を勧めて契約がとれれば、それに対する手当も別に支給されます。

整備職であれば、国家1級整備士手当、国家2級整備士手当、自動車検査員手当、整備主任者手当などが代表的な手当となります。

また、大手自動車メーカーのディーラーであると、メーカー独自の整備士資格に合格することで手当がつくケースもあります。

関連記事自動車ディーラー社員の給料・年収

自動車ディーラー社員の現状と将来性・今後の見通し

車場慣れなどにより事業環境は徐々に厳しくなっていく

自動車業界は全体的に縮小傾向

国内の自動車産業は、人口の減少や、若者の車離れ、乗り換えサイクルの長期化などによって、今後緩やかに縮小していく見通しです。

とくに「若者のクルマ離れ」の影響は大きく、都市部の若年層は車を所有している人のほうが珍しくなっています

このように自動車が売りにくくなったことから、自動車ディーラーの再編も進んでいます。

ディーラーの多くは、アフターサービスやカーシェアリングサービスに力をいれ、 新車販売以外に新たなビジネスの柱として取り入れようとする動き が進んでいます。

自動車ディーラーがなくなることは考えにくいですが、今後の各自動車メーカーの経営状態によっては、販売店の数を減らしたり、規模を小さくしたりするといった可能性はあるかもしれません。

新たなビジネスを探る動きも

このような環境下、ディーラー各社は、新車販売やアフターサービスだけでなく、自動車保険や生命保険、携帯電話、クレジットカード、JAFへの加入促進など、付帯事業の拡充に努めています。

また、海外ではまだまだ自動車需要の伸びている国はたくさんあるため、東南アジアやアフリカなどの新興国に向けて自動車を輸出販売しようとしているところが増えてきています。

今後は、海外に移住し現地の自動車ディーラーで働くといったこれまでになかった働き方も、自動車ディーラー社員の将来のキャリアプランの1つとなってくるでしょう。

関連記事自動車ディーラーの現状と将来性

自動車ディーラー社員の就職先・活躍の場

営業職と整備職で活躍の場は異なる

自動車ディーラー社員の就職先は、 大手自動車メーカーと特約店契約を結んでいるディーラー です。

自動車ディーラーにおける募集職種は、「営業職」と「整備職」に大別することができ、それぞれに業務内容や活躍の場は異なります。

営業職は、主に販売店に来店するお客さまへの接客を担当する仕事で、主に店内で働きます。

車種ごとの説明や、お客さまのニーズに合わせた提案、見積書の作成、契約業務を行うほか、集客イベントの企画運営なども行います。

整備職は、エンジニアやメカニックなどの職種が挙げられ、ディーラーに併設されている整備工場内で働きます。

展示車の管理や、自動車の一般整備、定期点検、車検整備などを担当します。

自動車ディーラー社員の1日

お客さまの接客と並行してさまざまな業務をこなす

自動車ディーラー社員の1日は、職種にもよりますが、基本的に店舗の営業時間に合わせてそれぞれの業務内容をこなすことになります。

<営業職の一般的なスケジュール>

9:00 出社、メールチェック、顧客来店スケジュールの確認、開店準備など
10:00 来店されたお客さまへの接客
12:00 休憩
13:00 納車作業(引き渡し車両の準備や書類など)
17:00 整備費用や納車関係の書類作成などデスクワーク
19:00 帰社

自動車ディーラー社員のやりがい、楽しさ

顧客との信頼関係を構築できたとき

自動車は、多くの人にとって住宅の次に高価な買い物といえます。

そんな大きな買い物をしてもらえるまでには、それぞれのお客さまとの信頼関係が築く必要があります。

お客さまの要望を聞き、それに合った車を提案し、納得して車の購入を決められたときには、営業職としての大きなやりがいが感じられるでしょう。

また、自動車購入後も、車検をはじめとした定期的なメンテナンスや、モデルチェンジによる買い替えなど、担当するお客さまとコミュニケーションする機会は長期間にわたって断続的に続きます。

これは営業職だけでなく整備職も同様で、 構築した人間関係や信頼関係に基づいて仕事ができる という点が、自動車ディーラーの魅力といえるでしょう。

関連記事自動車ディーラー社員のやりがい・楽しさ・魅力

自動車ディーラー社員のつらいこと、大変なこと

売上目標という数字に追われ続ける日々

自動車ディーラーは、店舗ごと、また営業マン個人ごとに、売上目標が定められます。

目標達成に向けて取り組むことは、やりがいや楽しさもありますが、同時につらさや厳しさも伴います。

自動車は1台で100万円を超える、ときには数百万円となることもある高額商品ですので、思うように売れないときもあります。

個人に課された ノルマや店舗全体の売上目標を達成できないときには、胃の痛むような思いをすることも 少なくありません。

また、お客さまの満足のいく対応ができないと、時にクレームやお叱りを受けてしまうこともあります。

高額な買い物であるが故にお客さまも慎重な態度をとる人が多いため、常に誠実な対応を心がけ信頼関係を築いていくことが大切です。

関連記事自動車ディーラー社員のつらいこと・大変なこと・苦労

自動車ディーラー社員に向いている人・適性

車が好きで精神的にタフな人

営業職であれ整備職であれ、自動車ディーラー社員は車と密接に関わる仕事となるため「クルマが好き」であることが、重要な資質となります。

もともと 車の運転が好き、プライベートでも車いじりをしてしまうような人 であれば、天職でしょう。

営業職には、ノルマに追われ続けるプレッシャーや、さまざまな顧客からのクレーム対応などのつらさがあります。

また、整備職には、そもそも立ちっぱなしの体力仕事であることに加え、年末年始や年度末など、整備作業が集中する時期があり、限られた時間で大量の作業をこなさなければならない難しさがあります。

いずれの職種においても、精神的な強靭さが求められるため、打たれ強い人は自動車ディーラー社員に向いているといえるでしょう。

関連記事自動車ディーラー社員に向いている人・適性

自動車ディーラー社員志望動機・目指すきっかけ

もともと自動車が好きという人が大多数を占める

自動車を扱う仕事がしたい

自動車ディーラーへの就職を考えるきっかけで多いものは、やはり自動車が好きで、自動車に囲まれた職場に憧れを抱く人が多いようです。

別に必ずしも自動車が好きでなくても構いませんが、やはり興味があるほうが、さまざまな知識の習得も捗りますし、仕事に対する熱意も持ちやすいでしょう。

お客さまに提案する際にも、自身の経験などに基づいた、より説得力のある提案ができるはずです。

各メーカーの研究が求められる

就職活動に際しては、 自動車メーカーやカーショップなどとの違いや、自動車ディーラーの役割をしっかりと考え た上で「なぜディーラーでなければならないのか」という観点で差別化していくことが大切です。

営業職であれば車を販売すること、整備職であれば車を整備・メンテナンスすることといったように、その職種の業務内容と関連付けて志望動機を考えていくとよいでしょう。

メーカーごとに、そして全国各地にあるディーラーのなかから、どうしてその企業を選んだのか、理由を明確化しておくと役に立ちます。

また、自動車ディーラーの面接では、いかに自分がクルマ好きであるか、クルマの知識を持っているかをアピールしようとする人もいます。

クルマ好きをアピールすることは問題ありませんが、クルマが好きなことだけを述べるだけでなく、クルマとディーラーの仕事を結びつけて語ることが重要です。

関連記事自動車ディーラー社員の志望動機と例文・面接で気を付けるべきこと

自動車ディーラー社員の雇用形態・働き方

雇用形態はほぼ正社員、整備職は資格でステップアップしていく

自動車ディーラーでは、その取り扱う車種ごとに異なるノウハウや技術があるため、 職種に関係なくほとんどが正社員 として働いています。

まれに、受付スタッフなど内勤を担当する人は契約社員であるケースもありますが、営業職の多くは正社員として雇用され、主任やリーダー役、店長候補を経て店長など管理職として昇進していきます。

なお、整備職の働き方として、ディーラーごとに「社内級」という制度が設けられています。

トヨタならトヨタ、ホンダならホンダの技術や構造などについて、段階的に学んでいく仕組みが取られており、独自の資格制度をとっているところも多いです。

これらの資格を取得していくことで業務範囲を徐々に拡げていき、キャリアアップしていく働き方が一般的です。

自動車ディーラー社員の勤務時間・休日・生活

週末はお客さまが多く休みがとりづらい

自動車ディーラーの勤務時間は、たいてい店舗の営業時間にあわせて設定されており、9:00~19:00くらいのところが多くなっています。

また、来店客数が増えるのは、世間的に休日となる土日祝日であるため、 ディーラー社員は普通の人たちが休んでいる土日祝日には働かなければなりません

土日の代わりに平日が休日となり、月曜日や火曜日などの店休日と、どこか1日を加えた「週休二日制」となっているところが一般的です。

ただ、お客さまの都合によっては、どうしても店休日に対応しなくてはならないこともあります。

とくに営業職の場合は休日を変更して柔軟に対応しなければならないケースもあり、変則的な勤務となるでしょう。

関連記事自動車ディーラー社員の勤務時間・休日・残業は多い?

自動車ディーラー社員の求人・就職状況・需要

営業職の求人数は多く、就職先を選べる傾向にある

自動車ディーラーの求人は、営業職と整備職に分けて募集されますが、 どちらの職種も求人数は多く、就職先を見つけるのはそれほど難しくない でしょう。

とくに営業職については、ノルマに追われる精神的きつさや、土日に働かなければいけないことなどから離職率が高いため、各ディーラーは積極的に新入社員を募集しています。

新卒の場合は数十人単位で採用することも珍しくありませんし、中途採用者も積極的に受け入れてくれる傾向にあります。

ただし、同じ自動車ディーラーでも、職場によって働きやすさや雰囲気は大きく異なりますので、複数のディーラーを比較検討して、自分に合った就職先を選ぶことが望ましいでしょう。

自動車ディーラー社員の転職状況・未経験採用

転職市場も活況だが、人の出入りは激しい

自動車ディーラー各社は中途採用も積極的に行っており、職種を問わず、採用情報は多数見つけられるでしょう。

営業職については未経験者であっても十分にチャンスがありますが、ノルマや残業時間の長さなどもあって、人によって合う・合わないがはっきり分かれる傾向にあります。

また、一度ディーラーで職務経験を積み、 より条件のいい大手ディーラーに転職する という人もいます。

なお、大手ディーラーや都市部の人気ディーラーなどは人気があるため、前職も営業職や接客職であるなど経験がある人の方が採用されやすいです。

整備職は入社時点で整備士の国家資格が必要になりますので、まったくの未経験から整備職に就きたい場合、まずは専門学校に2年程度通い、資格取得を目指すところからのスタートとなります。

関連記事自動車ディーラーへの転職・中途の未経験採用はある?

ディーラーとサブディーラーの違い

自動車メーカーと特約店契約を結ぶか、複数メーカーを扱うかの違い

ディーラーとは、自動車メーカーと特約店契約を結んで車を売る販売店のことです。

店名には「トヨタカローラ」や「Honda Cars」「スズキアリーナ」など、メーカーの名前が入っています。

一方、サブディーラーでは、 特定のメーカーと契約をせずに、ディーラーから仕入れた複数のメーカーの車を扱って います。

複数のメーカーの車を一挙に扱うことで、車種やデザイン、機能性などを比較しやすく、店舗独自の値引きをしやすいというメリットがあります。

一方で、特約店契約を結ぶディーラーと比べると、品質の保証やサービスに不安があることも否めません。

また、設備や技術は店舗によって異なり、最新の技術や設備の取扱いができないこともあります。