「文房具メーカー社員」とは

鉛筆やノート、はさみなど、多種多様な文房具の企画、生産、販売を行う会社に勤める人のこと。

文房具メーカーは、鉛筆、消しゴム、ボールペン、はさみといった多種多様な文房具を作る会社です。

「人々の求める文房具は何か?」「もっと使いやすいものを作るにはどうすればいいのか?」という製品の企画からスタートし、仕様やデザインを決定して工場で生産、そして文房具店や量販店、ホームセンターなどの文房具を取り扱う販売店や卸を通じて、自社の商品を人々の元へ届けます。

文房具メーカーで特別な資格が求められることはほとんどなく、新卒の場合は総合職として一括採用され、入社後に配属先が決まるのが一般的な流れです。

平均年収は500万円~600万円程度となっており、他業界とさほど変わらないといえるでしょう。

近年、業界は緩やかな縮小傾向にあるといわれますが、最近ではスマートフォンなどと連動したデジタル文具も続々と出始めており、今後はさらにこうした高付加価値商品が普及するものと考えられています。

海外に活路を求める文房具メーカーも出てきており、厳しい市場環境の中でも、独自の戦略で大きく伸びていく会社が出ることは十分に考えられます。

「文房具メーカー社員」の仕事紹介

文房具メーカー社員の仕事内容

さまざまな文房具を企画し、生産する

文房具メーカーは、鉛筆、消しゴム、ボールペン、はさみといった多種多様な文房具を作る会社です。

文房具メーカー社員の仕事は、「企画」「生産」「営業」の3種が主となっており、各部門に所属する人がそれぞれの役目を果たしながら、協力して働いています。

仕事の具体的な流れとしては、「人々の求める文房具は何か?」「もっと使いやすい文房具を作るにはどうすればいいのか?」という観点を基に、製品を企画することから始まります。

幾多の試行錯誤と企画開発会議を経て、仕様やデザインが正式に決定したら、製品を工場で生産します。

そうやって製造された商品は、文房具店や量販店、ホームセンターといった文房具を取り扱う販売店や卸業者を通じて販売され、人々の元へと届けられます。

文房具メーカー社員の就職先・活躍の場

企業によって異なる特色がある

文房具メーカーは、数千人の従業員を抱える大手企業から、数十人程度の小さな企業まで、その事業規模はさまざまです。

大手であれば、あらゆる文房具を総合的に手掛けるケースも珍しくありませんが、文房具は非常に幅広いラインナップがあるため、特定の分野に絞って事業を展開している企業も数多くあります。

筆記用具が得意なメーカーや、事務用品を専門的に取り扱うメーカー、糊や接着剤など、業者が使用する作業道具に強みをもつメーカー、ノートなどの紙製品を主力とするメーカーなどが代表的です。

また、自社で流通経路を持ち、消費者に直接販売する仕組みを整えているところもあり、企業によって特色は異なっています。

文房具メーカー社員1日

他部署と連携して仕事を進める

文房具メーカー社員のスケジュールは、担当する業務によって異なりますが、一例として営業職の1日をご紹介します。

文房具づくりはチームプレーであるため、多くの人と協同して作業を進めるようです。

8:30 出社
メールチェック、案件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 開発会議
企画職、開発職と合同会議を行い、新商品の方向性について話し合います。

12:00 休憩

13:00 店舗訪問
自社製品を販売してくれている店舗を巡回します。

15:00 内勤
帰社し、商品別の売上動向やヒアリング結果などを資料に取りまとめます。

18:00 帰社

文房具メーカー社員になるには

募集職種が分かれていないことが多い

文房具メーカー社員になるには、各社が実施する採用試験を受ける必要があります。

職種としては、営業や企画などの「事務系」と、研究や設計などの「技術系」に大別できますが、新卒採用にあたっては「総合職」として一括りで募集されるケースが一般的です。

配属先については、各人の適性や能力を考慮して会社が決定するため、必ずしもすぐ自分の希望する業務を行えるとは限りません。

文房具メーカーへの就職を希望するなら、さまざまな役職を担当する可能性があることに留意しましょう。

文房具メーカー社員の学校・学費

希望職種によっては学歴はかなり影響する

文房具メーカーへ就職する際には、企業によって「大卒以上」の学生を対象としている場合と、「高等専門学校卒・専門卒以上」を対象としている場合があります。

また、営業職や企画職などの事務系であれば、文系・理系問わず採用されますが、研究職など技術系の職種は、専門知識を生かせる理工系学部の出身者を優先するケースもあります。

加えて、デザイン系の職種は、美術系の大学やデザインの専門学校出身者のみに限定して採用することもあるようです。

文房具メーカー社員の資格・試験の難易度

語学力は磨いておくべき

文房具メーカー社員として働くうえで、特別な資格が必要とされることはほとんどありません。

文房具メーカーにはさまざまな職種があるため、大企業などでは数年おきの異動を繰り返しますが、必要な知識やスキルはその都度現場で身につけていくことが一般的です。

ただ、近年は国内市場が飽和状態にある影響もあって、海外へと販路を伸ばしていく方針の企業も少なくなく、そういった企業では英語をはじめとした語学力に長けた社員が望まれます。

今後も海外事業に注力する企業は増えると想定されますので、学生のうちから語学力を磨いておくことはより重要になるでしょう。

文房具メーカー社員の給料・年収

実力よりも勤続年数が優先されやすい

文房具メーカーの平均年収は500万円~600万円程度となっており、他業界とさほど変わらないといえるでしょう。

しかし、文房具メーカーは数が多く、事業規模もばらばらですので、小規模の会社では400万円台やそれ以下のところもあります。

大手企業ではそれなりの安定性が見込めますが、一方で年功序列の要素がやや強いため、たとえ実力があっても、若いうちからどんどん昇進して、他の社員より高給を得られるケースは稀なようです。

文房具メーカー業界で高給を得たいのであれば、できる限り大手へ就職するか、あるいは部長クラスの管理職を目指す必要があるでしょう。

文房具メーカー社員のやりがい、楽しさ

文房具は扱う人や場所を問わない

文房具は、私たちが暮らす中で触れる機会が非常に多い、生活に身近な商品です。

家庭でも学校でもオフィスでも必要となりますし、取り扱うのも子供から大人まで幅広く、ありとあらゆるシーンで用いられます。

人や場所を問わない、汎用性のある商品を取り扱えるという点が、文房具メーカーの大きな魅力です。

自社製品を日常生活の中で見かけたときには、そしてそれが自身の手掛けた商品であればなおさら、嬉しい気持ちになり、仕事のモチベーションにつながるでしょう。

文房具メーカー社員のつらいこと、大変なこと

新しいものを生み出していく苦労

世の中にはすでに、数え切れないほど多種多様な文房具が出回っており、人々の生活に必要な文房具類は、とりあえず充足しているともいえます。

文房具メーカー社員は、そうした環境の中で、これまでになかった商品や、これまでより便利な商品など、世の中にない新しいものを日々企画開発していかねばなりません。

取り扱うものが文房具という日常的なものであるため、画期的な商品を生み出すには、より多くの苦労が伴うこともあります。

文房具メーカー社員に向いている人・適性

オリジナリティのある人

文房具メーカー社員に向いているのは、日常の些細なことや、ちょっとした不便に気付き、「もっとこうなったら便利なのに」「こんなものがあればいいのに」と創意工夫ができる人です。

人と異なった視点を持っていたり、人とは違うこだわりがあれば、斬新で新しい商品のアイデアを思いつける可能性が高まります。

すべての社員が企画開発に携わるわけではありませんが、各部署が協力してひとつの商品をつくっていきますので、独自性や想像性に優れた社員は、どの部署であっても活躍できるでしょう。

文房具メーカー社員志望動機・目指すきっかけ

なんといっても文房具が好きな人が多い

文房具メーカーへの就職を希望するのは、なんといっても文房具が好きという人が多いようです。

子供のころから文房具への関心が高く、学校や家庭で使用するいろんな文房具が好きで、なかには、さまざまな種類の筆記用具を試しては、自分なりに分析していたという人もいます。

また、働いている社員のなかには、文房具に限らず身近なもの全般が好きという人も多く、就職活動では文房具メーカーだけでなく食品メーカーや家電メーカーを併願していた人も珍しくありません。

文房具メーカー社員の雇用形態・働き方

働き方を知るためインターンに参加する人も

文房具メーカーでは、さまざまな職種によってその働き方も業務内容も異なります。

それぞれの企業で、実際に社員がどんなふうに働いているのか知るためには、インターンシップに参加してみることも有効な手段のひとつです。

文房具メーカーのインターンシップでは、企画業務体験やエンジニア体験など、一部の業務に焦点を当てて実施されることが多いようです。

ホームページやパンフレットからでは得られない職場の雰囲気などがわかり、自分がそこで働く姿を想像しやすくなるでしょう。

文房具メーカー社員の勤務時間・休日・生活

業界全体に働きやすい企業が多い

文房具メーカーの勤務時間は、どの企業でもおおむね8:30~17:30くらいに設定されています。

ただし、生産管理などの役職を担当して工場に勤務する場合は、始業時刻・終業時刻共にやや前倒しになるでしょう。

残業時間については、あまりあくせくせず、じっくり腰を据えてよい商品を企画開発していこうという業界全体の風潮もあって、そこまで業務に追われて残業が長引くというケースは少ないようです。

休日についても、土日が休みの「完全週休二日制」のところが多く、トラブルさえなければ予定通り休めるでしょう。

文房具メーカー社員の求人・就職状況・需要

求人数は少ないが学生からの人気は高い

文房具メーカーの採用人数は、最大手で30~40名、それなりに知名度のある企業でも10~20名程度と、さほど多いとはいえません。

中小規模の企業の場合、定期的な新卒採用を実施していないところもあります。

その一方で、就職先として文房具メーカー業界の人気は比較的高いため、企業によっては学生が殺到し、競争倍率が非常に高くなるケースも散見されます。

就職にあたっては、知名度の高い大企業だけでなく、幅広い会社にアプローチしてみる必要性があるでしょう。

文房具メーカー社員の転職状況・未経験採用

中途採用は業務経験者が中心

中途採用の場合は、新卒採用時とは異なり、職種別に募集されることがほとんどです。

その際、営業職ならば営業経験者、マーケティング部門であればマーケティング経験者というように、前職で同じ業務に就いていた人が対象となるケースが多く、未経験者の転職は困難なようです。

また、新卒採用が多くないことからもわかるように、中途採用も募集数自体がそもそも少なく、あっても研究職や生産関連など、専門色の強い職種の募集が中心です。

文房具メーカーに転職したいなら、退職者に伴って欠員が生じるのを待つなど、長い期間をかけることが必要かもしれません。

文房具メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し

市場環境は徐々に厳しくなっていく

世界有数の文房具消費国といわれる日本ですが、人口の減少やIT技術の進歩によって文房具が使われる機会は以前と比べて少なくなりつつあり、文房具業界全体は緩やかな縮小傾向にあります。

近年では、海外へ販路を拡大したり、スマートフォンと連動したデジタル文具などの高付加価値商品を開発したりと、文房具メーカー各社は生き残っていくためにさまざまな施策を打ち出しています。

今後も引き続き厳しい市場環境が続く見通しですが、日常生活に不可欠な文房具がなくなることは考えられませんし、独自の戦略で業績を伸ばしていく文房具メーカーが出てくることも想定されます。