電子部品メーカー社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「電子部品メーカー社員」とは

電子部品メーカー社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

電気製品に組み込む電子部品を開発・製造する

電子部品メーカーは、私たちの生活に欠かせないスマートフォンやパソコン、テレビ、自動車などの電気製品に組み込む「電子部品」を開発・製造している企業です。

電子部品には家電からオフィス機器までさまざまな種類があり、各メーカーによって取り扱っている製品は大きく異なります。

国内における電子部品メーカーの代表的な企業としては「京セラ」「村田製作所」「日本電産」などが挙げられるでしょう。

そのほか知名度はそこまで高くなくても、ニッチな分野で世界一のシェアを誇る電子部品メーカーも日本には数多く存在します。

近年はスマートフォンの高性能化や家電へのAI搭載、車の自動運転技術の進化などにより、より頑丈で精密な電子部品が求められるようになっています。

成長産業であり求人需要も高く、年間を通してたくさんの求人を見つけられるでしょう。

募集職種についても開発系の仕事だけでなく、製造管理や品質管理、そのほか事務系など幅広い職種で採用が行われています。

「電子部品メーカー社員」の仕事紹介

電子部品メーカー社員の仕事内容

どの職種で働くかによって仕事内容は異なる

電子部品メーカー社員と一口に言っても、どの職種で働くのかによって担当業務は大きく異なります。

電子部品メーカーの代表的な5つの職種と、それぞれの仕事内容についてみていきましょう。

研究・開発

自社で取り扱う電子部品の研究・開発を担います。

具体的な仕事内容は商品設計、回路設計、材料選定、製品評価、ソフトウェア開発など多岐にわたり、高度な専門知識が求められる職種です。

製造管理

電子部品の製造工程全体の統括・管理を担う職種です。

中長期的な生産体制計画を立案し、それを実現させるための人員調整や外部企業との調整などを行います。

品質管理

電子部品の品質管理を担当する職種です。

完成した部品のチェックだけでなく、つねに同じ品質で電子部品を保てるよう製造ラインの見直しを行うこともあります。

営業

取引先を訪問し、自社の電子部品を紹介して契約につなげます

営業先は「EMS」と呼ばれる電子機器の受託生産メーカーなどが中心であり、BtoB営業となります。

管理部門

ほかの業界と同様、総務や人事、経理といった管理部門の仕事も欠かせません

ここまで紹介した職種と比べると専門知識が問われる場面は少ないため、文系出身者でも就職しやすい職種だといえるでしょう。

電子部品メーカー社員になるには

目指す職種によっては理系学科を卒業する必要がある

電子部品メーカーの採用は大きく「技術系」と「事務系」に分かれます。

具体的な職種名は企業によって異なるものの、技術系の代表的な職種としては「研究・開発」「製造管理」「品質管理」「品質保証」「情報システム」などが挙げられます。

一方、事務系の職種には「営業(国内・海外)」「経理・財務」「総務」「人事」「広報」などが挙げられるでしょう。

技術系のなかでも「研究・開発」などの高度な専門知識が求められる職種については、電気・電子系や物理系、化学系などの理系学科を卒業していなければ応募できないこともあります。

そのほかの職種に関しては、学部学科は問われないケースがほとんどです。

求められる学歴も企業によってまちまちで、中小企業では学歴不問で採用を行う場合が多くみられますが、一部の大手企業では大卒以上に限定して募集をかけることもあります。

以上のように就職を目指す職種や企業規模などによって通うべき学校は異なるため、自分自身が目指したい方向性に合わせて進学先を選ぶとよいでしょう。

なお理系の学校で学んだ知識は事務系の仕事に就いたとしても生かせる部分が多いため、「理系の学校を卒業後に営業として入社する」といったケースも少なくありません。

電子部品メーカー社員の学校・学費

「高専・短大卒以上」「大卒以上」などの応募資格を設けている企業も

電子部品メーカーの研究・開発系の職種を目指す場合は、電気・電子系や物理系、化学系などの学校を卒業しなければなりません。

電気・電子系の4年制大学に進学する場合なら、初年度で150万円〜180万円程度の学費が必要です。

電子部品メーカーでは営業や総務・人事といった事務系の職種も募集しており、そちらを目指す場合は文系出身でも問題ありません。

なお学歴については高卒でも就職可能な業界ですが、一定規模以上の企業では「高専・短大卒以上」「大卒以上」などの応募資格が設けられているため注意しましょう。

電子部品メーカー社員の資格・試験の難易度

就職時点で必須の資格はない

電子部品メーカーに就職するのに必須の資格はありません

職種によっては理系出身者であることが応募条件となっているケースもありますが、その場合でも特定の資格が応募条件になることは基本的にはありません。

入社後にその会社の研修制度などを利用して、自分の担当分野に適した資格を取得していくのが一般的といえるでしょう。

ただし海外展開を進める企業の場合には英語スキルが必須となるため、面接時にTOEICのスコアを聞かれることもあります。

参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC Program

電子部品メーカー社員の給料・年収

大手企業の課長・部長クラスなら年収1,000万円以上も狙える

求人サービスなどの調査データから、電子部品メーカー社員の平均年収は400万円~600万円程度になると考えられます。

ただし上記はあくまで平均であり、実際には本人の持っているスキルや就職する会社の規模などによって年収は大きく変動します。

基本的には企業規模が大きくなるほど年収も高くなる傾向があり、大手企業の課長・部長クラスなら年収1,000万円以上も狙えるでしょう。

月給で言えば22万円〜30万円くらいが相場であり、本人の最終学歴や前職の経験などに応じて初任給の金額が決定されます。

学歴については高卒よりも大卒、大卒よりも大学院卒のほうが初任給は高く設定されるため、その点も考慮したうえで進学先を選ぶとよいでしょう。

また上記以外にも「どの職種で働くのか」によっても給料は変わります。

たとえば研究職なら「研究・開発者手当」、営業職なら「営業手当」、海外赴任を任される際には「海外出張手当」などが付く場合が多いため、その分、手取りの額は多くなるでしょう。

電子部品メーカー社員が収入を上げる手段としては社内で昇進を狙うのが一般的ですが、十分なスキル・経験を見に付けたあとでより好条件の同業他社へ転職する方法も考えられます。

電子部品メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し

電子部品の供給先産業の動向に大きな影響を受ける

現在、電子部品メーカーの収益の柱には「スマートフォン向けの部品」と「自動車向けの部品」があります。

スマートフォンの市場は世界的にも安定しており、また自動車業界についてもハイブリッドカーや電気自動車、自動運転など新たなトレンドが発生しており市場は好調です。

これらの市場に牽引される形で、電子部品メーカーも今後順調に成長していくと見込まれています。

とはいえ電子部品メーカーは供給先産業の動向に大きな影響を受けるため、事業のリスク分散ができていなければ大きなトレンドに流され大打撃を受けてしまう可能性も考えられます。

電子部品メーカー社員の就職先・活躍の場

各メーカーによって得意とする領域や経営方針が異なる

各電子部品メーカーによって、得意とする領域や経営方針は大きく異なります

たとえば電子部品メーカー大手の村田製作所は、「電子セラミックス」と呼ばれる素材に特化して売り上げを伸ばしてきた企業です。

一方、同じく電子部品メーカー大手である京セラは、「電子セラミックス」「電子部品」「通信機器(おもに携帯電話)」「情報機器(プリンタやコピー機)」など事業を多角化させることで企業規模を拡大しています。

就職先を選んだり面接に参加したりする際には、各企業の事業戦略の違いをよく分析しておくことが大切です。

電子部品メーカー社員の1日

ほかの部門や外部企業とも協力しながら業務にあたる

電子部品メーカー社員の1日の流れは、勤務先や職種などによって大きく変わってきます。

ここでは、製造管理職として働く電子部品メーカー社員の1日を紹介します。

8:10 出勤
少し早めに出社し、今日やらなければならない仕事の確認や準備を進めます。
8:30 朝礼
部署で朝礼を行い、連絡事項を確認・共有します。
8:45 生産体制計画の立案
新しい電子部品に関する生産体制計画の立案を行います。必要に応じて外部企業との調整も進めます。
11:30 休憩
ランチ休憩をとり、午後の仕事に備えます。
12:30 電子部品の品質チェック
できあがった電子部品の品質チェックを行います。不具合はないか、クライアントの要求レベルをクリアしているかなどを慎重に見定めます。
15:00 製造現場の視察
製造現場の管理も大切な仕事です。ときには製造オペレーションの見直しを行うこともあります。
17:30退勤
翌日の予定やクライアントからのメールを確認し、問題がなければ退勤します。

電子部品メーカー社員のやりがい、楽しさ

普段の生活のなかで、自分が供給した電子部品を搭載している製品を見つけられること

私たちの身の回りにある家電や通信機器といったあらゆる電気製品は、無数の電子部品によって作られています。

電子部品メーカーは世の中になくてはならない存在であり、仕事を通して社会を支えている実感が持てる点は働くモチベーションとなるでしょう。

また取り扱う製品の種類にもよりますが、「自分自身が普段使っている電気製品に自分たちが供給した電子部品が搭載されている」という場面に出くわすこともあります。

このように、仕事で携わった電子部品が使用されている製品を生活のなかで見つけられたときには大きなやりがいを感じるでしょう。

電子部品メーカー社員のつらいこと、大変なこと

高い品質基準が求められること

電子部品メーカーは「精密さ」が求められる仕事です。

電子部品メーカーが製造・納品する部品にわずかでも問題があれば、その部品を搭載する機械製品にもトラブルを発生させてしまいます。

そのためすべての電子部品に高い品質基準が求められ、その基準を達成させるために電子部品メーカー社員は慎重に仕事を進めていかなければなりません。

また取引先の生産量の変動によって業務量には波があり、案件が立て込む時期には残業や休日出勤が増えることで体力的な負担を感じることもあります。

電子部品メーカー社員に向いている人・適性

一つひとつの仕事を丁寧かつ着実にこなせる人

電子部品メーカーは取引先が企業である「B to Bビジネス」のため世間的な認知度はそれほど高くありませんが、私たちの生活を支えるさまざまな電気製品を作るうえでなくてはならない存在です。

派手さはなくても、一つひとつの仕事を丁寧かつ着実にこなせる人には向いている仕事です。

また一つの部品が完成するまでには開発から設計、製造管理、品質管理などの多くの工程を踏まなければならないため、そのなかでほかの部門とのチームワークも大切にできる協調性の高い人も重宝されるでしょう。

電子部品メーカー社員志望動機・目指すきっかけ

完成品ではなく構造や部品のほうに興味がある

「ものづくりの業界で働きたい」「完成品ではなく、その構造や部品のほうに興味がある」などの理由で電子部品メーカーを目指す人が多くみられます。

また電子部品メーカーには海外展開している企業も多いことから、「グローバルに活躍したい」と考え就職を考える人もいるでしょう。

なお電子部品メーカーの志望動機を考える際には、「なぜ完成品メーカーではなく電子部品メーカーを選んだのか」という点に注意しましょう。

この部分は面接でも掘り下げて質問されるケースもあるため、自分なりの考えをまとめておくとよいでしょう。

電子部品メーカー社員の雇用形態・働き方

正社員のほかアルバイトや派遣社員として働く人も

電子部品メーカーには正社員のほかに、アルバイトや派遣社員の立場で働く人もたくさんいます。

アルバイトや派遣社員の仕事内容としては、部品のピッキング作業や外観検査、営業事務などを任されることが多いでしょう。

その場合、学歴や業務経験は不問のケースが多く、平均時給は仕事内容にもよるものの1,000円〜1,500円程度が相場です。

「開発のメイン部分に携わりたい」「営業として働きたい」といった場合には正社員での就職を考えるとよいでしょう。

電子部品メーカー社員の勤務時間・休日・生活

基本的には安定した勤務スケジュールで働ける

電子部品メーカー社員の勤務時間は8:00〜18:00前後の場合が多く、実働は8時間程度となります。

休日は基本的に土日・祝日が休みで、大企業ならリフレッシュ休暇や育児休暇なども充実しているケースが多いでしょう。

「どの職種で働くのか」「本社勤務か工場勤務か」などによって勤務時間や休日は多少変わるものの、基本的には安定した勤務スケジュールで働くことができます

ただし自社で作った部品に不具合が見つかったときには、職種に関係なく残業や休日出勤するなどして対応にあたらなければなりません。

電子部品メーカー社員の求人・就職状況・需要

需要は高く、数多くの求人が出されている

電子部品メーカーの求人は、大手求人サイトなどを使えば簡単に見つけられます。

電子部品業界は成長産業であるため求人需要も高く、正社員以外にもアルバイトや派遣社員の求人も数多く見つかるでしょう。

ただしそれぞれのメーカーによって強みや取引先の業界などは大きく異なるため、各メーカーの将来性をよく分析したうえで応募先を選ぶことが大切です。

なお求人によっては「CADの使用経験」「機械・電子分野の知識」などが応募の必須条件とされている場合もあります。

電子部品メーカー社員の転職状況・未経験採用

大手企業は倍率が高くなる傾向あり

ほとんどの電子部品メーカーでは中途採用も行われています。

未経験でも採用されるかどうかは、応募する職種によっても異なるでしょう。

たとえば研究・開発系の職種であれば、それに近い業務経験を持っていることや、機械や電子系の学校を卒業していることが応募条件とされるケースが多くみられます。

一方、製造管理や営業、事務などに応募する場合は、専門知識は問われず「人間力」の部分を重視して選考が行われます。

知名度のある大手企業は倍率が高くなる傾向があるため、あまり知られていない優良企業を探すほうが内定は得やすいでしょう。