【2021年版】工作機械メーカー社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「工作機械メーカー社員」とは

工作機械をつくり販売する

工作機械メーカーは、工作機械を開発し、生産をする会社のことをいいます。

工作機械は総務省の日本標準産業分類では、「金属工作機械製造業」として分類されており、機械部品をつくったり加工したりするための機械のことです。

私たちの身近にあるスマートフォンやタブレットなどの電子機器、冷蔵庫や食洗器といった家電など、あらゆる機械やその部品類は工作機械によって作られています。

工作機械の性能は、そのまま機械製品の出来の善し悪しを左右することも大きく、日本のものづくりの根幹を支えていると言っても過言ではありません。

工作機械メーカーにおける仕事は、主に工作機械の研究開発、実際の生産などといった技術系の仕事と、営業や事務といった事務系の仕事にわけられ、多様な職種の人たちがチームプレイで働いています。

事務系の場合は、大卒以上の学歴が求められることが多いですが、技術系の場合は理工学系の大学や大学院、専門学校で学んだ人が有利となります。

工作機械が一般の人の目に触れたり、生活に関わったりすることはほとんどありませんが、日本の産業の土台となる重要な仕事であり、海外からの需要も大きいです。

「工作機械メーカー社員」の仕事紹介

工作機械メーカー社員の仕事内容

事務系と技術系の2種類

工作機械メーカーの仕事は、事務系と技術系の大きく2つにわけられます。

事務系は、企画や営業、生産管理、事務などの職種です。

機械を新しく作る際には「どのような工作機械をつくるか」という目的だけでなく、入初機関や予算の調達、そしてそれを誰にどのように営業するかなどを考えなくてはなりません。

実際に工作機械をつくるわけではありませんが、工作機械をより多くの人に知ってもらい、利用してもらうという点では欠かせない仕事です。

多くの場合は文系の学生が就くことが多いですが、理系の学生がつくこともあります。

技術系の仕事は、研究開発や生産、品櫃管理などです。

研究開発では、企画が考えたものを技術者の観点から見直し、実際につくるにはどのような部品や工程が必要かを考えていきます。

技術系の仕事は理系の専門知識が求められるため、多くは「機械工学」などの理系学部出身の学生に限定して採用されます。

企業によっては「電気系」「機械系」「情報系」「研究職」などさらに細分化して採用されることもあります。

工作機械は、総務省の分類によれば機能・用途別に旋盤、ボール盤、中くぐり盤、フライス盤等に細分化され300種類にも及びます。

さらに工作機械がかかわる分野は、産業用ロボットから建設機械、印刷機械、重機械、農業、縫製、食品の製造加工など実にさまざまです。

そのため一つの工作機械を作るにしても、自社だけでなく非常に多くの人たちが関わり、仕事内容も多種多様です。

工作機械メーカー社員になるには

事務系と技術職で必要な学歴が異なる

工作機械メーカー社員として働くには、各企業が行っている採用試験を受け、合格しなくてはなりません。

採用の際には、企画や経理などの「事務系」と、開発や製造に関わる「技術系」という2つの区分で求人があります。

事務系の場合は基本的に学部を問わず、個人の適性や能力に応じて各部署に配属されます。

募集要項に「4年制大学卒以上」と明記してあるところも多く、専門学校卒や高卒では応募自体ができなくないメーカーもあるため注意が必要です。

新卒で入社したい場合は、高校卒業後、4年制大学へ進学するのが近道といえるでしょう。

技術系の場合は「理系の学部・学科出身者のみ」としているところも多いです。

理系と言っても機械系、材料系、制御系、電気電子系、情報系、物理系、数学系などさまざまですが、メーカーがどのような工作機械をつくっているのかを知り、生かせる部分をアピールするとよいでしょう。

なお、工作機械メーカーはリーマンショックなどを乗り越え、スマートフォンの普及などによりこれまで安定した業績を得ていましたが、2019年ごろから下降しはじめています。

工作機械は自動車はじめとする電機・精密機械、航空機、IT製品、産業機械、医療用器具など、さまざまな業界で使用されているため、景気に左右されやすいのが原因です。

工作機械全体としては変革期にあり、今後はこれまで通りの規模の採用が行われなくなる可能性もあります。

工作機械メーカー社員の学校・学費

技術系への就職は理系への進学が必須

工作機械メーカーに就職するために必要な学歴は、基本的に「大卒以上」あるいは「高等専門学校卒以上」とされています。

工作機械メーカーを志望するのであれば、まずは高校進学後に大学か高等専門学校への進学を考えるとよいでしょう。

事務系の場合は出身大学や学部問わず採用されますが、技術系については、理工学系の大学で学んだ専門知識のある人限定で採用しているところが多く、また大学院出身者の採用も多いです。

機械系、数学系、電気・電子系、情報工学系、物理・応用物理系などを学んでおくと現場でもその知識を生かせるでしょう。

なお、人気のある工作機械メーカーの技術職は倍率も高く、有名大学や大学院出身者が多いことも珍しくありません。

工作機械メーカー社員の資格・試験の難易度

語学系の資格があると有利

工作機械メーカーで働くために必要となる資格は特にありません。

新卒採用時になんらかの資格が条件とされることもほとんどないでしょう。

工作機械メーカーの就職では、どちらかといえば資格よりも学歴や出身大学のほうが重要視される傾向にあり、大学で何を学び、それをどのように生かせるか採用のポイントとなります。

ただし、近年は国内だけでなく海外へ営業に出たり、海外に向上を持ったりする工作機械メーカーが増えつつあるため、語学力を磨いておくとよいでしょう。

技術系職種の場合も、英語で説明をしたり、英語で書かれた技術論文を読んだりする機会などもあるため、TOIECなどを取得しておくことはアピールにつながるでしょう。

工作機械メーカー社員の給料・年収

給料はやや高めで待遇も良い

工作機械メーカー社員の平均年収は、600万円万円程度がボリュームゾーンといわれています。

業界トップクラスの企業では平均年収が800万円を超えるところも珍しくありません。

一般的な会社員と比較するとやや高めであり、安定した収入が得られると考えてよいでしょう。

ただし、年齢や役職、勤続年数などによっても年収は変わるため、若いうちから多くの収入が得られるわけではありません。

工作機械メーカーは規模や売上が多ければ多いほど収入が多い傾向にあり、古くからある企業も多いため年功序列が強いところも多いです。

初任給は、たいてい学部卒、修士了、博士了といった最終学歴ごとに定められています。

工作機械メーカー大手として知られるオークマ株式会社の場合、基幹職(総合職)の初任給は大学院修了(修士)が月給236,000円、(博士)月給270,500円です。

大学卒の場合は月給217,000円、高等専門学校卒の場合は(専攻科)月給217,000円、(本科)月給200,000円です。

大手メーカーの場合、諸手当や福利厚生は充実しており、時間外勤務手当、住宅手当、家族手当、通勤手当などがあります。

そのほかの福利厚生も充実しており、企業年金制度、団体生命保険、持株会、育児短時間勤務制度、介護短時間勤務制度などを利用できます。

高めの給与体系と安定した待遇が保証されているところが多く、安心して働ける環境が整っているといえるでしょう。

工作機械メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し

世界と競争していかねばならない

近年はスマートフォンやタブレットをはじめ、電子機器の発達により製造業の業績は非常に好調でした。

それらをつくるために必要な工作機械は需要も高く、安定した業績をあげてきましたが、最大の市場であった中国経済が停滞しはじめたことに影響を受け、徐々に低迷しはじめてきています。

工作機械業界は新規参入も多く、近年は低コストで製品を供給できるアジア企業の人気が高まっています。

こうした現状を受け、日本の得意分野である自動運転技術や、近年急速に需要が増えつつある5GやAI、IoTなど新しい分野にチャレンジする企業が増えています。

世界の工作機械メーカーとの競争に打ち勝つため、国内の工作機械メーカーもさまざまな努力をしているといえます。

工作機械メーカー社員の就職先・活躍の場

国内の工作機械メーカー

工作機械メーカー社員の活躍の場は、国内の工作機械メーカーです。

工作機械メーカーは、企業によって得意とする機械や開発している機械が異なります

「一般社団法人 日本工作機械工業会」によると、その種類は大まかに分けて以下の9種類です。

・旋盤
・ボール盤
・中ぐり盤
・フライス盤
・研削盤
・歯切り盤
・マシニングセンタ
・ターニングセンタ
・放電加工機

日本はとくに精密加工が得意とされており、世界でもトップクラスといわれる工作機械メーカーも多くあります。

一方、規模は小さいものの少数精鋭で独自の工作機械を作っているメーカーもあります。

また現在では、ネットに接続して作業の効率化をはかる「IoT」技術の応用に力を入れているところも多いです。

工作機械メーカー社員の1日

仕事内容で若干異なる

工作機器メーカー社員のスケジュールは、担当する業務によって違いがあります。

工場など製造の現場に配属された際には、比較的始業が早い傾向にあります。

一例として営業職の1日をご紹介します。

8:45 出勤
9:00 始業
ミーティングをして1日のスケジュールや仕事内容を確認
9:30 新作機械のデモ機を実習
新しい工作機械は営業先に見せることもあるため、自分で扱えるように研修を受け練習します。
12:00 休憩
13:00 営業先へ
上司とともに営業先へ行き、今後どのような機械が欲しいか、現在使っている機械に不具合はないかなどをヒアリング
16:00 帰社
デスクワークなど事務処理を行います。
17:30 資料作成
明日まわる営業先に対して商品を提案するための資料を作成します。
18:00 終業

工作機械メーカー社員のやりがい、楽しさ

日本のものづくりを支える仕事

工作機械は、私たちの身の回りにあるさまざまなものを製造するのに使われており、日本の製造業の根幹となっています。

私たちが普段工作機械を目にする機会はあまりありませんが、工作機械がなければスマートフォンやタブレットなどの電子機器や家電、食品なども作ることができません。

日本のものづくりになくてはならない仕事であり、さまざまな製品を作り出す際の手助けをしていると実感できることは大きなやりがいです。

また、工作機械メーカーは常に新しい技術を取り入れよりよいものをつくろうとしています。

近年はIOTによりさらなる進化を遂げており、技術水準が格段に上がっている分野もあります。

新しい技術や製品にチャレンジできる機会が多く、成長していきたい人には大きなやりがいを感じるでしょう。

工作機械メーカー社員のつらいこと、大変なこと

日の目を見ることが少ない仕事

工作機械メーカーは、一般向けの商品を製造しているわけではないため、一般の人にはなかなか知られていない仕事です。

あまり日の目を浴びない仕事であるため、製造メーカーなどと比べると直接製品作りに関わっているという実感を得にくいかもしれません。

それでも日本のものづくりを支えているという情熱をもって仕事をする必要があります。

また近年では海外に進出する企業が多く、事業所を世界各国に置いているところも少なくありません。

職種によって海外に赴任したり、異動が頻繁にあったりする場合もあります。

新しい環境にすぐ適応できる人はよいですが、不慣れな環境で仕事や生活をすることが辛いと感じる人も多いでしょう。

工作機械メーカー社員に向いている人・適性

チームプレイが得意な人

工作機械メーカーの仕事はチームで取り組むことが多く、協調性やコミュニケーション能力が欠かせません。

一つの製品を作り、売り出すには、営業などの事務系と生産開発などの技術系それぞれの力が必要です。

多くの人と協力し合い、チームで一つのものを作り上げるのが好きな人は、工作機械メーカーに向いているでしょう。

また近年は海外へ進出する工作機械メーカーが非常に増えているため、海外に関わる仕事をしたいという人にも向いています。

海外の事業所で仕事をすることもありますし、海外の論文を読んで参考にすることも多いため、語学力がありそれを生かして働きたいという人にもおすすめです。

工作機械メーカー社員志望動機・目指すきっかけ

ものづくりに対する興味関心

工作機械メーカーを目指す理由で多いものは、理系の知識や技術を生かしてそれに貢献したい、技術系の仕事がしたいというものです。

日本のものづくりは世界トップレベルであり、ものづくりに興味を持って理系大学に進学したという人は非常に多いです。

もともと工作機械という分野に興味はなかったとしても、就職先を検討するうちに工作機械分野に関心を持つようになったという人もいます。

また、工作機械業界はさまざまな業種と関わり合い、世界に関わる仕事も多いため、特定のジャンルだけではなく幅広い出会いがあり、新しいことにチャレンジしやすいのも魅力の一つです。

いろいろなノウハウ・技術を身につけたいとこの業界を選ぶ人も多いです。

工作機械メーカー社員の雇用形態・働き方

技術系の場合は正社員が一般的

工作機械メーカー社員は、主に正社員の採用が多く、大手の場合は新卒でも数十人単位での採用があります。

一度採用されると、事務系、技術系それぞれに分かれ、異動をしながら徐々に経験を積んでいきます。

キャリアアップしていくなかで、管理職となる人も少なくありません。

事務系の中には短時間勤務や非正規雇用の人もいる場合がありますが、研究・開発・生産・品質管理などといった工作機械に欠かせない仕事の場合は、正社員が担います

工作機械は一般消費者に馴染みが少ないため、インターンシップなどを行い学生向けに仕事内容をアピールしている企業も多いです。

工作機械メーカーに関心があれば、ぜひ積極的に参加してみましょう。

工作機械メーカー社員の勤務時間・休日・生活

技術系の場合始業が早いことも

工作機械メーカーの勤務時間は職種によって若干異なります。

事務系の場合は、一般的なサラリーマンと同じ9:00~18:00くらいとなります。

ただし、研究職や工場勤務の技術系は、始業や終業が1時間程度早くなることが多いようです。

大手企業の場合はフレックスタイム制を導入し、仕事内容に合わせて柔軟な働き方ができるようになっているところもあります。

休日は、一般的な会社員と同じように、土・日曜日が休みとなる「完全週休2日制」となっている場合が多く、大型連休や年末年始も休みとなります。

ただし仕事内容上、交代制勤務となってしまう場合は、シフト制勤務となり平日休みとなるところもあります。

工作機械メーカー社員の求人・就職状況・需要

理系学生からの人気が高く倍率も高い

工作機械メーカーの求人は比較的多く、大手では数十人~100人を超える採用を実施しているところもあります。

ただし理系学生からの人気が高く、とくに大手や有名企業では倍率が高くなりがちであることを知っておきましょう。

工作機械メーカーは国内に多数あり、古くから歴史のある技術を脈々と守っている企業や、新しい技術に積極的に挑戦する風土の企業など、その社風はさまざまです。

また、扱う工作機械にもさまざまな種類があり、それぞれ得意としている分野も違います。

企業が求めている人物像や、どのような知識・技術を持つ学生を欲しているのかなどを理解し、なぜその会社を志望するのかをしっかり伝えられるようにしておきましょう。

工作機械メーカー社員の転職状況・未経験採用

技術系の場合は経験者が中心

工作機械メーカーの多くは、「キャリア採用」や「経験者採用」といった形式で中途採用を行っています。

開発、設計、品質管理など、それぞれの分野で採用されることが多く、前職で同様の仕事をしていた人は有利となりますし、さらなるステップアップを目指して転職を考える人も多いです。

工作機械メーカーへ転職する人は、もともと理系大学を卒業し機械や電機系の仕事をしていたり、工作機械を扱う他業界のメーカーなどで働いていたりした人が多くなっています。

未経験者を対象とした中途採用を行っているところもありますが、若い世代が中心であり、特別な経歴や抜き出た学力などがなければ難しいことも多いため注意が必要です。