【2021年版】自動車メーカー社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「自動車メーカー社員」とは

人間が乗る自動車を企画・開発し、生産する会社。最先端技術を用いる研究開発も。

自動車メーカーは、人々が乗る自動車を開発し、実際に生産を行う会社のことをいいます。

軽自動車・コンパクトカー・セダン・ミニバンから、トラックやバスといった商用車まで、自動車にはさまざまな種類があり、各メーカーが個性を出しながら自動車づくりを行っています。

自動車メーカーにおける仕事は、大きく「商品企画」「研究・開発」「生産」に分けることができます。

エンジニアやデザイナー、マーケッター、営業、企画担当者、生産担当者など、さまざまな職種の人たちがチームプレイで働いています。

自動車メーカーの新卒採用は「事務系」と「技術系」の2区分で実施されることが多く、基本的に「大卒以上」あるいは「高等専門学校卒以上」の学歴が求められます。

また、技術系の場合は理工学系の大学や大学院で学んだ人が求められる傾向にあります。

自動車業界は大きな産業であり、業界再編の動きも出ていますが、「日本のものづくり」の最先端をゆく業界として今後も多くの雇用を生み、存在感を示していくことに変わりはないでしょう。

「自動車メーカー社員」の仕事紹介

自動車メーカー社員の仕事内容

自動車を販売するためにさまざまな社員が働く

自動車を企画・開発し、生産する仕事

自動車メーカーは、人々が乗る自動車を開発し、実際に生産を行う会社のことをいいます。

具体的な仕事の流れとしては、まず消費者ニーズや市場動向を踏まえて、どのような自動車をつくるか企画するところからスタートし、デザインやコンセプトなどについて協議します。

商品企画がまとまったら、それに基づいて各部品の設計図を引き、工場で車体やエンジンなどの生産・組み立て作業を行います。

1台の自動車が完成するまでには非常に多くの工程があるため、安定的に、かつ効率的に自動車を生産できるよう、生産工程や設備配置については随時修正・改良を繰り返します。

このように、自動車づくりは、エンジニアをはじめ、デザイナー、マーケッター、生産担当者など、異なる役割をもった数多くの社員が連携して行っています。

「事務系」と「技術系」

自動車メーカーの仕事は、「事務系総合職」、「技術系総合職」の大きく2つに分けられるのが一般的です。

事務系総合職としては、商品企画、マーケティング、営業、生産管理、調達などの職種が代表的で、ビジネス的な思考や、調整力や交渉力なども求められます。

技術系総合職としては、研究開発、生産技術、品質管理などの職種が代表的です。

技術系総合職の仕事では理系の専門知識が必要となるため、採用は理系学部出身の学生のみで限定されることが多く、文系学生では応募できないことがあります。

特に「機械工学」や「自動車工学」を学んだ学生が活躍していることが多いです。

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自動車メーカー社員になるには

事務系か技術系どちらかの採用試験を受ける

職種系統別に採用試験を受ける

自動車メーカー社員として働くには、各自動車メーカーが独自で実施する社員の採用試験を受け、合格する必要があります。

新卒採用においては、募集要項に「4年制大学卒以上」と明確に条件が指定してあることも多く、専門学校卒や高卒では応募自体ができなくなる自動車メーカーもあります。

将来自動車メーカーへ新卒で入社したい場合は、高校卒業後、4年制大学へ進学するのがポピュラーな進路です

採用にあたっては、企画やマーケティング、資材調達、経理などの「事務系」と、研究開発や生産ライン設計、製造・品質管理などの「技術系」という2つの区分で募集されるケースが一般的です。

事務系の場合、新卒として一括採用されたのちに、個人の適性や能力に応じて各部門へ配属されるのが一般的な流れとなっています。

ジョブローテーションでさまざまな仕事を経験

自動車メーカーでは、ジョブローテーション制を採用している会社がほとんどで、適性や本人の希望から最初の配属部署を決定し、その後は数年おきにさまざまな部署に異動し、幅広い経験を積みます。

20代~30代のうちは幅広い経験をつみ、その後は係長や課長といった「管理職」に昇進していくのが一般的です。

また、ある程度の年齢になると、子会社に出向し、子会社側の管理職として統括をまかされることもあります。

ただし、意図的にジョブローテーションを行わず、一つの道を突き詰めキャリアアップしていくケースもあります。

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自動車メーカー社員の学校・学費

技術系への就職はとくに学歴が問われる

自動車メーカーに就職するために必要な学歴は、基本的に「大卒以上」あるいは「高等専門学校卒以上」となっていることが多いです。

事務系総合職の採用は、全学部・全学科が対象となるのが基本で、文系学生の応募が多くなりますが、理系の学生が応募することも可能です。

技術系については、理工学系の大学や大学院で学んだ専門知識のある人材が求められる傾向にあります。

学生時代の研究テーマや技術論文なども評価の対象となることがありますし、理系ならではの学校推薦制度を利用して入社する人も少なくありません。

自動車開発には多数の最先端技術が用いられるため、より専門的な研究開発職を目指すなら、大学院で機械工学や電気・電子、応用物理学などについて学ぶ必要があるでしょう。

自動車メーカー社員の資格・試験の難易度

必須資格はないが、語学力は重要

自動車メーカーで働くために必要となる資格は特になく、新卒採用時になんらかの資格保有が条件となることはほとんどありません。

ただし、自動車メーカーは商品として自動車を扱うため、自動車に対する知見を深める上で「普通自動車免許」は取得しておくのが望ましいでしょう。

近年では人口減少や若者の車離れなどにより、国内マーケットは頭打ちであるため、各自動車メーカーは事業拡大のために海外での生産・販売や海外企業との合併などを積極化させています。

事務系職であっても技術系職であっても、海外赴任する可能性や海外とやりとりが必要になるケースは十分にありますので、語学力は磨いておいたほうがより有利となるでしょう。

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自動車メーカー社員の給料・年収

平均年収は高いが、景気に左右される傾向にある

一般的なサラリーマンより高い

自動車メーカー社員の平均年収は、600万円~800万円程度がボリュームゾーンといわれています。

誰もが知る業界トップクラスの企業では平均年収が800万円を超えるところもあるなど、一般的な会社員と比較するとやや高めの給与水準であるといえます。

ただし、年齢や役職、勤続年数などによっても年収は変わるため、若いうちから多くの収入が得られるわけではありません。

また、大手企業は諸手当や福利厚生も充実しており、会社の寮や社宅、保養施設が利用できるなど、充実した環境で働くことができるでしょう。

景気の波に左右されやすい

リーマンショック後、自動車業界は世界的に大打撃を受け、給料がダウンした企業は非常に多くありました。

人件費を抑制するために残業を禁止したことにより、残業手当がなくなり大幅に給料が減ったという人も少なくありません。

自動車メーカーはどうしても景気の波によって売り上げが左右されやすく、景気が悪くなればどんどん給料も下がっていく傾向にあります。

その後も円高などの影響を受け、自動車業界は最盛期ほどの勢いは無くなり、今後も安定した高い給料が得られるかどうかの保証がなくなってきています。

今後は平均年収が徐々に減少することも考えられ、「自動車メーカーに就職したから安心」「高級が期待できる」という考えを持つ人はより少なくなっていくと考えられるでしょう。

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自動車メーカー社員の現状と将来性・今後の見通し

自動車産業は100年に一度の大変革の時代

50兆円近い市場規模を誇るとされる自動車関連産業は、現代の日本経済を支える産業の一つとなっています。

日本車は海外からも評価が高く、国産メーカーの大半は世界市場でも大きなシェアを獲得しています。

ただし、自動車業界はいま「100年に一度の大変革の時代」に入ったといわれており、大きな変化の渦の中にいます。

これからの自動車メーカーには、グローバル化のほか、環境対策、エネルギーの効率化、安全面の強化といった数々の重要問題をクリアしていくことが求められるでしょう。

国内市場が緩やかに縮小していくと見込まれるなか、業界再編の動きも出ていますが、今後も「日本のものづくり」の最先端をゆく業界として、その存在感を示していくことに変わりはないでしょう。

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自動車メーカー社員の就職先・活躍の場

企業によってつくる自動車の方向性が異なる

国内の自動車メーカーは、「トヨタ」「日産」「ホンダ」「SUBARU(旧富士重工)」「三菱自動車」、「マツダ」です。

「スズキ」「ダイハツ」「三菱自動車」などの軽自動車メーカー、「日野自動車」「いすゞ自動車」「三菱ふそう」などの大型車メーカーもあります。

自動車メーカーは、その企業によって、事業理念や得意とする技術分野などが異なっています

それぞれ燃費効率を重視したハイブリッド技術が得意だったり、電気自動車に強みを持っていたり、安全性能に定評があったり、軽自動車の生産に集中していたりと、事業の方向性はさまざまです。

また、各企業共通して生産拠点を海外に設けたり、海外の自動車メーカーと提携したりするなど、活躍の場を海外に拡げようとする動きが活発化しています。

自動車メーカー社員の1日

グループ企業と協同で仕事をする機会も多い

自動車メーカー社員のスケジュールは、担当する業務によって大きく異なります。

マーケティング職の場合、メーカー系列の販売店社員と連携して、自社商品の販売促進を担ったり、売上動向を分析したりします。

<若手マーケティング職の1日>

8:30 出社、メールチェック、案件ごとの打ち合わせなど
10:00 集客のための企画会議
12:00 休憩
13:00 販売店訪問、イベント内容について協議
15:00 販売動向の分析や売り上げ予測などの内勤
18:00 退社

自動車メーカー社員のやりがい、楽しさ

日本の代名詞的存在である自動車産業に関われる

自動車製造は、日本を代表する一大産業であり、また各企業には全国から優れた人材が集まって、日夜新しい技術開発に切磋琢磨しています。

自動車メーカーは、経済的にも技術的にも日本のトップをけん引する存在であり、各社員は日本産業界を支えているという誇りを持って仕事をしています。

また自動車メーカーは、数ある「ものづくり」を担うメーカーの中でも、最も優秀なプロフェッショナルが集う企業ですので、ものづくりの最先端に関われることは大きなやりがいです。

優秀な人材や最先端の技術に触れながら自動車を開発する楽しさを味わうことができますし、自分が開発にたずさわった自動車が街を走っている様子を見ると大きな感動を味わうことができるでしょう。

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自動車メーカー社員のつらいこと、大変なこと

プロジェクトの規模が大きく成果が見えづらい

自動車の新車開発プロジェクトは、スタートしてから実際に販売されるまで、一般的に数年単位の時間を要します。

その間に数え切れないほど多くの人が携わりますので、足並みが揃わず計画がうまく進まなかったり、自分の関わり方が曖昧になったり、成果が出ないことに戸惑うケースも決して少なくありません。

自動車づくりはチームプレーの楽しさもありますが、その規模は非常に大きなものとなるため、仕事を進めていくうえではさまざまな困難も同時に伴います。

また、答えがないところに自分たちで答えを作っていくことが求められる点も、やりがいがある反面、大変な部分です。

組織規模が大きいだけに、仕事を進めるための承認フローなども複雑であり、自分の想うように動きにくいのも苦労する点でしょう。

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自動車メーカー社員に向いている人・適性

幅広い仕事に興味が持てる人

この業界で活躍するには、クルマに対していかに興味を持てるか、そしてビジネスを結びつけて考えられるかは大きなポイントです。

社員の中にもクルマ好きが多いため、同じ趣味、価値観の者同士の環境で働けるという魅力もあります。

また自動車メーカーにはさまざまな職種があり、事務系として就職した人は、数多くの経験を積むため、マーケティング、企画、営業、広報、経理など、数年単位での異動を繰り返すことが一般的です。

なかには人事部や労務部など、自動車産業の特色があまりない役割を任されるケースもあります。

自動車メーカーはどこも大企業ですので、その中の一員という自覚を持ち、どんな業務でも前向きに取り組める、興味範囲の広い人は、自動車メーカー社員に向いているといえるでしょう。

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自動車メーカー社員志望動機・目指すきっかけ

自動車が好きで入社を希望する人は非常に多い

自動車開発を目標とする人も多い

自動車メーカーを志望する人は、やはり自動車が好きで、自動車に対する思い入れの強い人が多いようです。

早い段階から自動車開発を目標として、大学で自動車工学などを学んできた人も少なくありません。

また自動車メーカーの社会に与える影響は大きいため、社会を変えたい、自動車を変えたい、ものづくりを突き詰めたいという人も目立ちます。

ただ、自動車メーカー各社は他業界の企業と比較しても抜群の知名度を誇り、就職先として非常に人気がありますので、採用されるためには高い競争倍率をくぐり抜けなければなりません。

各企業の理念や目指す方向性を深く理解し、それに自分自身の自動車への思いをうまく融合させて、採用担当者にアピールする必要があるでしょう。

なぜ自動車メーカーなのかを考える

志望動機では、自動車メーカーでなくてはならない理由を明確化する必要があります。

たとえば単に「クルマが好き」という志望動機では、カーディーラーのセールスマンや運送ドライバーなどでもよいのではという話になります。

漠然とした動機ではなく、自動車メーカーでなければ実現できない動機まで落とし込んでいくことがポイントとなります。

また自動車メーカーといっても、それぞれで会社の理念やクルマづくりの方針は異なります。

メーカー側としても、自分たちのメーカーだからこそ就職したいという人を求めているため、企業のもつ強みや事業の特徴などをよく研究する必要があります。

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自動車メーカー社員の雇用形態・働き方

一般的に全国転勤を伴うことが多い

自動車メーカーでは正社員のほかに、契約社員や派遣社員、アルバイトやパートも多く働いています。

契約社員やアルバイトから正社員に登用されるケースも見られますが、非正規雇用で活躍できる部署や業務は限られます

また自動車メーカー各社は、全国各地に支店や営業所を設けているため、職種などにもよりますが、おおむね隔地間の転勤を伴います。

異動サイクルもさまざまで、2~3年程度で転勤になることもあれば、10年以上同じ職場に留まり続けるというケースもあります。

自動車メーカー社員の働き方は、社員数が多いぶんそれぞれに事情が異なりますので、実際の働き方を知るため、インターンシップに参加することも理解を深めるために有効な手段といえるでしょう。

自動車メーカー社員の勤務時間・休日・生活

技術系の職種のほうが忙しい傾向にある

自動車メーカーの勤務時間は、オフィス勤務の場合は一般的企業と同じ8:30~17:30くらいに設定されているところが多いようです。

品質管理や生産ライン製造などの役職で工場に勤務する場合は、始業・終業とも、工場の稼働時間に合わせてやや早い時間になります。

ただし「フレックスタイム勤務制度」「時短勤務」「テレワーク」など、さまざまな勤務制度が用意されており、自分のライフスタイルにあった働き方をすることも可能です。

販売店などのように店舗の営業時間にしばられることもないため、勤務時間は比較的自由がききます。

なお、残業時間については、事務系よりも技術系の職種のほうが長くなりがちで、プロジェクトの進捗状況によっては、毎日終電前後まで働かないといけないケースもあるようです。

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自動車メーカー社員の求人・就職状況・需要

求人数は多いが、ハードルは高い

数百人単位での採用も

自動車メーカー各社はその事業規模に比例して求人数も多く、特に技術系では数百人単位で採用されることも珍しくありません。

最大手の「トヨタ」においては、従業員数が7万人を超えることもあり、新卒採用では毎年500名以上もの学生を採用しています。

ただ、自動車メーカーは非常に人気が高い就職先で、一流国立大学や有名私立大学の学生も多く集まるため、いくら募集人数が多いとはいえ、採用されるには厳しい競争を勝ち抜かねばなりません。

とくに事務系総合職においては、理系総合職より採用枠が少なく、全学部が応募できることもあり応募者が多いので、厳しい競争が余儀なくされます。

自動車メーカーに就職したいなら、学生のうちからしっかり勉学に励んでおく必要があるでしょう。

新卒や第二新卒採用が一般的

自動車メーカーの総合職は「新卒採用」、「第2新卒採用」で入社するのが一般的で、まったくの未経験から自動車メーカーに入社するのは難しいのが現状です。

自動車メーカーが全国各地にかまえる生産工場では、自動車の製造や組み立てを行う工場作業員、いわゆる「期間従業員(期間工)」も大量に採用しています。

まずは期間従業員として採用され、ゆくゆくは正社員登用制度を利用して自動車メーカーの正社員になるルートもあります。

ただし、期間従業員から正社員となる場合は、生産部門限定の正社員採用となり、総合職で入社した正社員とは仕事内容、待遇、キャリアルートが異なる点を理解しておかなければなりません。

自動車メーカー社員の転職状況・未経験採用

それぞれの職種に精通した即戦力が求められる

自動車メーカー各社は中途採用についても積極的に行っており、通年で採用を実施しているところも珍しくありません。

中途採用の場合は新卒時とは異なり、営業、企画、生産管理など職種別に募集されるうえ、必要となるスキルや実務経験も明示されるケースが一般的です。

マーケティング職の募集であれば、マーケティング職におけるある程度の実務経験年数が条件となったり、語学力についてもTOEICスコアなどの具体的な基準が示されたりします。

企業としては、新卒社員については中長期的に育てていく方針である一方、中途入社の人材には即戦力となることを期待しますので、前職でのキャリアや能力は非常に重視されます。

転職者には自動車業界出身の人が多く、別の自動車メーカーや自動車部品メーカーの開発職出身の人が目立ちます。

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