「物流企業社員」の仕事とは

物流企業社員の仕事内容

モノの輸送に関するあらゆる業務を請け負う

物流企業社員の仕事は、メーカーなどで製造されたありとあらゆる「モノ」を、ある場所からある場所へと運ぶことです。

ただモノを運ぶといっても、トラックなどに荷物を載せて輸送するだけが物流企業の仕事ではありません。

倉庫で保管してモノの品質を保つことや、荷物の積み下ろしや倉庫への入出庫、製品のラベル張り、梱包、また荷物の現在地点を知らせることなども、物流機能に含まれます。

物流企業の活躍するフィールドは幅広く、宅配便のような個人宅への配送をはじめとして、企業間で行われる大規模な貨物輸送や、大型機械の保管なども、物流の一環です。

インターネットで買い物をする機会が非常に多くなっている昨今、物流企業の担う役割はより重要性を増しています。

物流企業社員の就職先・活躍の場

物流企業にはさまざまな業態がある

物流企業は、輸送手段などによっていくつかの種類に分けることができます。

トラックや鉄道などを使って個人向け荷物を主に取り扱う「陸運」、大型船で石炭などの資源を一度に大量輸送する「海運」、軽量荷物を中心に国際輸送を手掛ける「空運」などが代表的です。

また、近年では、法人企業の物流業務すべてを一手に引き受ける「サードパーティー・ロジスティクス(3PL)」という業態の物流企業が増加傾向にあります。

契約企業にとっては、物流に関する企画・設計から運営まで一括して外注できるというメリットがあるため、人気を博しているようです。

物流企業社員1日

数多くのスタッフを管轄する

物流企業で働く社員のスケジュールは担当する仕事によって差がありますが、一例として物流業務を統括するマネジメント職の1日をご紹介します。

物流には多くのスタッフが関わるため、コミュニケーションが重要になるようです。

9:00 出社
メールチェック、スケジュール管理などを行います。

10:00 支店巡回
前日のデータを確認し、各支店やセンターを回って情報を共有します。

12:00 ドライバー面談
戻ってきたドライバーと、配達状況について話し合います。

13:00 休憩

14:00 資料作成
営業成績などを整理し、報告書を作成します。

15:00 マーケティング
集荷データを分析し、問題点を洗い出します。

18:00 帰社

物流企業社員になるには

さまざまな役割を担った社員が働いている

物流企業社員として働くには、学校を卒業後、物流企業への就職を目指す必要があります。

募集職種としては、営業や流通管理、総務、人事といった複数の職種を含む「総合職」や、宅配業務を担うドライバー、倉庫での作業員、一般事務などがあります。

総合職の場合は、個人の希望も考慮されますが、基本的に会社側が判断した適性や、会社の人員配置状況などによって配属先が決定されるため、必ずしも希望通りの仕事に就けるとは限りません。

物流企業社員の学校・学費

大手企業の総合職は大卒などの学歴が必要

大手物流会社などによる総合職の募集では、一般的に「大卒以上」の学歴が必要となります。

ただ、短大や専門学校によっては、学校経由での採用枠が設けられているケースもありますので、学校に確認してみるとよいかもしれません。

また、企業によっては学校を卒業してから3年以内の人を対象とした「第二新卒採用」を実施しているところもあり、学歴次第でさまざまなルートがあります。

ドライバーや倉庫での作業員などは、学歴が問われるケースはあまりなく、意欲さえあれば誰にでもチャンスがあります。

物流企業社員の資格・試験の難易度

必須でないが、関係資格は複数ある

物流企業で働くために必須となる資格はありませんが、関連する資格はいくつかあり、取得すればキャリアアップや待遇面などでプラスとなるケースもあります。

マネジメントに有用な資格としては「運行管理者」が代表的で、安全かつ効率のよい乗務スケジュールを作成したり、運転者を監督したりできるようになります。

その他、工場や倉庫に勤務する場合は「フォークリフト免許」が、輸出入を手掛ける企業の場合は「通関士」が、薬品などを運送する場合は「危険物取扱者」が、それぞれ役立つでしょう。

物流企業社員の給料・年収

平均的サラリーマンとほぼ同じ

物流企業社員の平均年収は、450万円前後といわれています。

他業界の企業と同様、個人の経験や年齢、スキルによって年収に差が出るのはもちろんですが、輸送するモノの種類や、職種によっても違いが生じる傾向にあります。

物流の管理業務やマネジメントといった仕事に携わるようになると、年収は高まっていくようです。

また、会社によっては「フォークリフト免許」「通関士」「運行管理者」「貿易事務」関連の資格を持っていると、給与に資格手当が付くケースもあるようです。

物流企業社員のやりがい、楽しさ

社会のインフラであるという誇り

モノを運ぶという物流企業の仕事は、人々が生活していく上で欠かすことのできない、社会になくてはならないものです。

普段意識することはないかもしれませんが、私たちがスーパーなどで買い物をしたり、飲食店で食事ができるのも、商品や食材が物流企業社員の手で適切に管理され、輸送されているからこそです。

社会全体を支える基盤となっていることが、物流企業社員としての誇りであり、仕事へのやりがいに繋がっているといえるでしょう。

物流企業社員のつらいこと、大変なこと

ミスがなくて当たり前であるということ

物流企業が輸送するものはさまざまですが、その内容がなんであれ、顧客から預かったものを安全かつ確実に、目的地まで届けなくてはなりません。

万が一にも壊してしまうことのないように、荷物の積み方などには細心の注意を払わなければなりませんし、スケジュールに遅延しないように、配送ルートなどを考慮する必要性もあります。

社会のインフラである物流業務には、常に完璧であることを当然のように求められるというつらさがあるといえます。

物流企業社員に向いている人・適性

変化に対応できる人

昨今、荷物の配達状況を追跡できるサービスはすっかり当たり前になりましたが、物流企業各社はそれだけでなく、IT技術を駆使して在庫管理や品質管理など、さまざまな取り組みを行っています。

労働力不足の問題もあって、今後もそういった流れは加速していくと想定されますので、物流企業で働く社員にも、新しい流れに対応することが求められます。

これまでと違うやり方にも柔軟に対応できる人は、物流企業社員に向いているといえるでしょう。

物流企業社員志望動機・目指すきっかけ

社会に必要不可欠な仕事をしたい人が多い

輸送だけでなく、保管、回収、情報管理など、さまざまな物流機能が正しく機能していなければ、私たちは生活を送ることができません。

物流企業社員を目指すのは、そういった物流の重要性を認識し、社会に貢献したいと考える人が多いようです。

また、企業によって業務内容はさまざまですので、物流全般を手掛けたい人は大手企業、海外志向が強い人は輸入時の通関手続きを手掛ける「フォワーダー」など、それぞれ志望先は異なるようです。

物流企業社員の雇用形態・働き方

個人の都合に合わせた働き方ができる

物流企業では正社員としてフルタイムで働いている人も大勢いますが、慢性的な人手不足の影響もあって、さまざまな雇用形態で働く人がいます。

特に配達を担当する支店のドライバーや配達助手、受付事務などは、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、個人の要望や生活事情によって働き方を選択できるようになっています。

ライフイベントなどがあって一度職場を離れても、また復帰しやすいという点は物流企業で働くメリットといえるでしょう。

物流企業社員の勤務時間・休日・生活

業界全体で勤務時間は長くなりがち

物流企業で働く社員の勤務時間は、本社や支店などの勤務場所によりますが、総合職であれば、一般的なオフィスワーカーと同じ8:30~17:30のところが多いようです。

ただ、ネット通販の普及などによる業務量増加の影響もあって、残業時間はどの企業でも長くなる傾向にあります。

また、物流業務は基本的に土日祝日も休みなく行われますので、それを管理する総合職も、土日が必ずしも休日とは限らず、交代で休みを取得するシフト制が採用されている企業もあります。

物流企業社員の求人・就職状況・需要

物流業界は働き手を強く求めている

物流業界は、その需要に対して供給が追い付いていないところが多く、新卒者などの若手世代を中心として、企業の求人は数多くあります。

特にドライバー職については、高齢化が進展している影響もあり、各社とも、世代交代が喫緊の課題となっているようです。

また物流業務は地域を問わず必要となるものですので、人口の少ない地方であっても、そのエリアの物流企業や、あるいは大手物流企業の支店があり、就職先を見つけることは困難ではないでしょう。

物流企業社員の転職状況・未経験採用

経験の有無を問わず、誰にでもチャンスが

物流企業各社は、人手不足の影響から、新卒採用だけではなく、転職者向けの中途採用に対しても積極的です。

年齢や学歴によっては「第二新卒」としての採用枠もありますし、業界未経験者であっても、意欲さえあれば採用されるチャンスは十二分にあるといえます。

また、長らく男性の職場というイメージの強かった物流業界ですが、働きやすい環境を整えて、女性にも活躍してもらおうという動きを活発化させている企業もあります。

力仕事の印象があるかもしれませんが、活躍している女性は大勢いるようです。

物流企業社員の現状と将来性・今後の見通し

深刻化している人手不足をどう解決するか

物流企業は、世の中にあらゆる「モノ」が存在し、モノの出し手と受け取り手が存在する限り、絶対に必要とされる仕事です。

近年では、ネット通販の普及によって物流企業の業務量が増加していますが、その一方で、どの職場でも人手不足が深刻化しています。

今後、労働人口が減少していくことによって、働き手の確保はますます業界全体で大きな課題となっていくでしょう。

働きやすい職場環境や制度を整えて、若手社員の囲い込みや育成に力を入れる企業はさらに増加していくと思われます。