銀行員の出向

経験を積むための「出向」

銀行員として働く以上、切っても切り離せないのが「出向」です。出向というのは、一般的に「会社の業務命令によって、会社に在籍したまま、子会社や関連会社で業務に従事すること」のことをいいます。

サラリーマンの世界ではよくあることですが、特に銀行員は「出向」が多いことで知られています。

銀行員の出向には二種類あります。ひとつは、経験を積むための「出向」です。代表的な出向としては、業績の悪い取引先を立て直すために、銀行員がその企業の中に入って働くことがあります。

銀行としては、取引先の経営を多少なりともコントロールできるようになるので、メリットがあります。

また、他にも、若いときに財務省や経済産業省などの公的な機関や預金保険機構などに出向して経験を積むこともあります。

他企業や他団体で力を発揮することができれば、銀行に戻ってきてからのキャリアアップにつながることもあるため、このような出向はひとつのキャリアパスとしての意味合いが含まれています。

経費削減のための「出向」

もうひとつ、年齢を重ねてから関連会社などに「出向」を命じられる場合は、マイナスな意味を伴うケースがあります。

銀行としては、出向扱いにすることで給料を減額し、人件費を削減することが目的です。また、社内では役職の数が限られているということも理由の一つです。

一年ほど出向させた後は、そのまま「転籍」にして銀行から退職させて、新しい会社に転職させることもあります。

これは銀行員のなかで、いわゆる「片道切符」と呼ばれている出向で、一度出向したら銀行員として戻ってこれる可能性は極めて低くなります。

昔は、銀行のなかで何らかのポストに就けなかった人は、50歳くらいで出向になるケースが一般的でした。最近では景気の悪化に伴う経営難などの影響で、もっと早い40歳代から出向を命じられるケースも多くなっています。

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