銀行員の退職金はいくら? メガバンクと地方銀行の違いや定年の年齢についても解説

銀行員は高収入でありながら、実質的な退職が他の職業よりも早いことで知られます。

しかし、具体的にどれほどの退職金を受け取れるのでしょうか?

今回は、銀行員の退職金の実際の金額、勤務先や役職によって生じる金額の違いについて解説します。

銀行員の退職金は2000万円~3000万円

銀行員の退職金は、一般的には2000万円から3000万円程度といわれています。

他の業種と比較すると、銀行員の退職金は高水準です。

ただし、その額には勤務先や役職によって大きな差があります。

所属する銀行や職種によって退職金の額は異なり、年収の差が大きいと、それだけ退職金の差額も大きくなります。

同じ支店長という立場でも、メガバンクの支店長と小さな地方銀行の支店長では年収に大きな差があります。

また、同じメガバンクに勤めていても役員までのぼりつめた人と、一般職のままで退職した人では年収の差があります。

とくに、メガバンクや都市銀行の役員になると退職金は4500~5000万円を超える場合もあるといわれます。

一方で、地方銀行の役職がないままで退職するケースでは退職金が1500万円~2000万円程度のこともあります。

しかし、退職金が多いからといってそれでよいとは限りません。

例えば、大規模な会社や重要な役職についている場合、業務量やストレスが非常に多い可能性もあり、退職金の額だけで幸福度を測ることはむずかしいといえるでしょう。

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銀行員の収入のピークは40代

銀行員の定年退職は他の業種よりも早く、年収のピークは40代といわれています。

「メガバンク」と呼ばれる大手都市銀行に勤める総合職の社員の場合、役職につけば30代後半で年収1000万円を超えるケースもあります。

このように若い時期から高収入を得ることができますが、生涯年収で考えると他の業種と大きな違いはないとされています。

銀行員の実質的な定年は55歳前後

50歳前後で出向する人が多い

銀行員の定年は一般的に60~65歳で、多くの銀行員はこの時期に退職を迎えます。

三井住友銀行・三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行の三大メガバンクは、いずれも定年が65歳になっているようです。

しかし、実際には65歳まで銀行員として働くケースは非常に少ないのが現状で、実質的な定年は55歳前後といわれます。

支店長などのポジションであっても、役員候補になるなど更なる昇進の機会が限られている場合、関連会社や取引先への出向や転籍が一般的です。

出向とは、「会社の業務命令によって、会社に在籍したまま、子会社や関連会社で業務に従事すること」です。

出向先としては、大手取引先の役員や経理部などが主な選択肢となり、融資や銀行関連の手続きなど、銀行との取引を円滑に進めることが期待されます。

出向すると大幅に給料が下がる

出向は、人件費を削減するために給与を減額することが主な目的とされています。

そのため、出向後の年収は基本的に下がる傾向があります。

一般的には、出向後の給与は元の給与の約6〜7割程度になることが多く、再度銀行に戻ることは困難とされています。

そのため、一般的に年収が高い銀行員であっても、出向する前に貯蓄を増やしておく必要があります。

また役員などのポジションで銀行に残り、最後まで良い待遇で働きたい場合は、約45歳までに実績を積み上げ、昇進の機会を見極めることが重要です。

ただし、支店長などの役職に就いていない銀行員や一般の窓口担当をしている女性銀行員は、裏方業務としてヘルプデスクやマニュアル作成、監査担当などに異動し、60~65歳まで銀行員として働くことができます。

定年退職後も、銀行員として再雇用される場合、嘱託社員として65歳まで働くことも可能です。

しかし給与水準は月に約20万円程度であり、現役時代と比べて大幅に減少する覚悟が必要です。

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定年後の仕事はさまざま

銀行員や出向・転籍先での定年退職後、さまざまな選択肢が考えられます。

銀行員の定年退職後、関連会社へ就職する人も少なくありません。

メガバンクを含む銀行業界では、事務センターなどを通じて関連会社を設立しています。

これらの関連会社は、不動産部門や福利厚生、調査機関など、さまざまな分野に存在し、銀行員の転職先としての役割を果たしています。

また、銀行の紹介や関係を通じて、取引先である一般企業への再就職も見られます。

これらの関連会社や一般企業への就職は、銀行員の経験や専門知識を活かすことができるため、一定の需要があります。

また銀行業界で得た知識を生かして、コンサルティング業務や経理職に就くことも可能です。

さらに、働かずに銀行員としての知識を活かし、投資や資産運用に取り組むことも一つの選択肢です。

退職金や貯蓄を運用し、配当収入や売買益を得ることができます。

将来的には、銀行業界においても定年退職の年齢が引き上げられる可能性もありますが、銀行員としての経験を活かし、セカンドキャリアを考えながら仕事をすることが重要です。

銀行員の退職金・定年のまとめ

銀行員の退職金は、2000万円~3000万円の範囲内といわれていますが、メガバンクと地方銀行では大きな差があり、一概にこの範囲とは言い切れない場合があります。

銀行員の定年は一般的に65歳ですが、実際には定年まで銀行員として働くことができる人は少なく、50~55歳前後で出向や転籍という道が一般的です。

定年後の銀行員の生活は多岐にわたり、個人の意思やキャリアによって異なりますが、銀行員としての知識や経験を生かすことで新たなキャリアや収入源を築くことができるでしょう。