銀行員の転勤・異動はなぜ多い? 頻度はどれくらい?

銀行員の異動・転勤事情は、キャリアにおける大きな舞台です。

銀行員は引越しの連続であり、新たな挑戦の連続でもあります。

銀行員たちは地域や部署の枠を超え、幅広い経験を積むことが求められる一方で、異動のタイミングや転勤先の選定は出世にも深く関わります。

この記事では、銀行員の異動・転勤事情に迫り、キャリア形成における重要な要素について探っていきます。

銀行員の転勤のペースと時期

銀行員は転勤が多い職業

銀行員は、転勤が多い職業で知られています。

都市銀行や地方銀行など、さまざまな大きさの銀行がありますが、どの銀行でも共通しているのは、いろんな場所に支店があるということです。

そのため、銀行で働く人は、転勤を避けることはできません。

全国的な大きな銀行では、国内外に約400店舗もの支店を持っているところもあり、転勤先は全国もしくは海外の支店になることが多く、引っ越しの繰り返しになります。

転勤のペースは2~3年ごとに一度

転勤のペースは、銀行によって異なりますが、一般的には2~3年ごとになっています。

転勤は、部署や地域を事前に知らされることなく、突然指示が出されます。

1週間ほどで引き継ぎをして引っ越さなければならないので、転勤の時は非常に忙しいです。

そのため、子どもが大きくなってくると家族全員で引っ越しするのは難しくなり、銀行員の中には単身で赴任する人も多くいます。

ただし、転勤が多い分、銀行は単身寮や社宅を持っていることが多いので、見知らぬ土地で住む家を探す必要はあまりありません。

また、海外転勤の場合は、予防接種やビザなどの準備が必要です。

これは出発の1か月~3か月前に内示として知らされるので、国内転勤よりも余裕を持って準備できます。

部署によって異動の差はある?

多くの場合、転勤ペースは2年から3年が一般的です。

特に新入行員は異動が早く、2年以内に異動するケースがほとんどです。

これは、早く多くの経験を積んで即戦力となってほしいという期待からです。

そのため、仕事に慣れてきてお客様や職場の人々と打ち解けた頃に異動がある事に不満を持つ人も少なくありません。

また、異動の頻度は担当する部署や配属先によって異なる傾向があります。

営業店への配属の場合、一般的には1年半から3年程度で異動することが一般的です。

しかし、営業活動を行わない内部事務の場合は、在籍期間がやや長くなる傾向があります。

本部への配属になると、5年以上在籍することも珍しくありません。

これは本部では業務が細分化され、その分野に精通したスペシャリストが求められるため、専門的な部署の中心人物になるほど異動されることは少なくなります。

なぜ銀行員は転勤が多いの?

銀行員が転勤が多い理由のひとつは、「地域の特定の企業や人物との癒着を避ける」という目的があるからです。

銀行員も一人の人間ですから、長い間同じ土地で働いて特定の人々と接し続けると、関係が深くなりすぎて客観的な判断ができなくなることがあります。

とくに融資業務では、企業や個人に対して厳しい判断をしなければならないため、地域との一定の距離を保つことが重要です。

また、同じポジションで長く働きすぎると、個人の権限が大きくなりすぎて不正行為に繋がる可能性もあります。

これらの問題はどの企業でも起こり得るものであり、そのため銀行は特に転勤制度を重視しています。

銀行はお金を扱う組織であるため、信頼性や公正性を保つためにも転勤が多いのです。

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銀行員の転勤は出世と関係ある?

異動が多ければ出世するとは限らない

異動や転勤と出世の関係性について言えば、異動の回数よりもどこに配属されるかが重要であるといえます。

確かに「転勤は出世コース」という言葉もありますし、優秀な人材ほど異動のペースが早い傾向にあります。

しかし、最近は銀行業界も人員削減が進んでおり、営業店の人手が不足しているケースが多いです。

そのため、異動の決定前に人事部が各支店長に異動内容を打診することが増えています。

支店長が積極的に人材を引き留める場合もありますので、異動の早さと優秀さが必ずしも直結しているとはいえない状況です。

とくに、あまりにも短期間での異動を繰り返す人は、「少々問題がある」ととらえられるケースも多いです。

異動の回数よりも転勤先が重要

出世や昇進に関しては、転勤先が重要な判断材料です。

異動と同時に昇進する場合はもちろんですが、期待される人材は、各支店の中でも厳しい状況や高い成績が求められる支店に配属されることが多いです。

特に都市部や中心部にあるような大型店舗への異動は、出世や昇進の兆候として見なされることが多く、評価が高い証拠とされます。

したがって、異動や転勤による出世においては、単に異動の回数や早さだけを重視するのではなく、どのような配属先になるのかが重要な要素となります。

どのような環境でも努力が大切

例えば、大きな支店で働いていた人が、特別な理由がないのに小さな支店に異動になった場合、それまでの成績があまり良くなかったと見なされることもあります。

逆に、支店での業績が良かったり、大きな支店に異動したり、専門的な役職に就いたりすると、出世の道に乗っていると考えられます。

ただし、小さな支店に異動した場合でも、頑張って成果を上げることで評価され、次の異動で昇進の機会を得ることもあります。

そのため、どんな環境でも一生懸命仕事をすることが大切です。

銀行員の海外転勤

国内での収益が難しくなっているため、銀行は海外支店や海外法人を設立したり、買収したりして、海外での収益を増やす努力をしています。

地方銀行でも海外収益を追求するために支店を増やす動きが見られます。

このような背景から、銀行では優れた語学力を持つ人材を積極的に採用し、入社後には英語研修などを提供しています。

そのため、実際に海外駐在員として活躍する銀行員も増えており、世界中で日本人の銀行員が活躍しています。

性別に関係なく、やる気があれば、女性でも海外駐在のチャンスがあります。

ただし、海外転勤には語学力だけでなく、銀行業務を遂行できる能力も求められます。

国内での優れた実績がなければ、海外駐在員として活躍することは難しいことを覚えておく必要があります。

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銀行員の転勤・異動のまとめ

銀行員の転勤は、銀行の業務や組織の特性によって必要な制度です。

転勤を通じて新たな経験を積み、幅広い視野を持ちながら成長することが期待されます。

それぞれの銀行は異なる転勤制度を持っていますので、銀行員になる際には、その点を考慮して自身の適性やキャリア目標と照らし合わせて選択することが重要です。