文房具メーカー社員の仕事内容・企業の種類

文房具メーカー社員の仕事とは

鉛筆、消しゴム、ボールペン、はさみ、クリップなど、私たちが日常使用するさまざまな文房具を生み出し、世の中に届けているのが文房具メーカーです。

文房具メーカーの仕事は、大きく分けると「企画」「生産」「営業」といったものに分かれており、各部門に所属する人がそれぞれの役目を果たしながら、協力して働いています。

文房具メーカーの種類・分類

企業の規模やビジネスモデルによる違い

文房具メーカーは、「最大手」といわれる従業員数が数千人程度の企業から、従業員数が数十名程度の小規模な企業まで、大小さまざまな企業が存在します。

大手になると、全国各地に事業所や支社・営業所および工場を構えているほか、アジアやヨーロッパといった海外にも拠点を設け、グローバルに展開をしている企業も多いです。

また、手掛ける商品の種類も多様な筆記具から手帳、ダイアリーなどの各種文具、産業資材など幅広く、さらに家具やオフィス用具、宝飾品などの領域にまで進出している企業も出ています。

通販事業と併せて事業を展開し、流通卸を通さずに顧客に対して直販で販売するビジネスモデルをとっている企業もあります。

一方、小規模の企業は特定の商品に絞って、その分野の高い開発力を生かした製造を行っていたり、その会社ならではといえるユニークな商品に強みを持っていたりするところが多くなっています。

扱う商品による違い

文房具メーカーのなかには、大手のようにさまざまな文房具を企画・開発するメーカーもありますが、特定の分野の研究を進め、それに関連するものづくりに強みを持っているところが多いようです。

大きく分けると、以下のようなメーカーが存在します。

筆記具・小物文具を主とするメーカー

鉛筆・万年筆・ボールペン・カラーペンなどの筆記具に強みを持っているメーカーです。

事務用品を主とするメーカー

筆記具・付箋・クリップ・ステープラーなど、事務作業で用いることの多い文房具に強みを持っているメーカーです。

作業道具を主とするメーカー

糊・接着剤などに強みを持っているメーカーです。

紙製品を主とするメーカー

ノート類・包装紙・封筒・専門紙類・学童向けノートなどに強みを持っているメーカーです。

文房具メーカー社員の業務内容

商品企画

店頭に並び、私たちが手に取る文房具はすべて、誰かのアイデアから誕生しています。

文房具メーカーにおいて、その役目を担うのが企画・開発部門の人たちです。

世の中でどんな商品が求められているのかを調査し、新製品の企画を立案、それをどうやって販売し、売上をアップさせていくのかまで一連の流れについて考えます。

また、すでに販売している商品の使い勝手やデザインを見直すなど、リニューアルを検討することも重要な仕事の一部です。

生産

商品のアイデアが決定したら、実際に工場で生産を行います。

生産するには材料が必要になりますが、生産部門ではそれを専門業者から仕入れるにあたって価格交渉や在庫管理を行います。

また、工場設備の設計や配線、保守などの技術面を担当したり、コストやスケジュールを踏まえた量産体制を整えたりすることも、生産部門の大事な役目です。

営業

生み出した商品をお客さまの元へ届けるためには、商品を販売してくれる店舗を見つけなくてはなりません。

営業部門では、既存のお客さまへの新商品を提案したり、より多くの商品を扱ってもらえるように営業をしたり、自社の商品をもっと多くの店舗で置いてもらうために新規のお客さまを開拓したりします。

また、お客さまからのニーズや商品に対する意見・要望などの声を拾い上げ、社内に届ける役目も担っています。

まさに社外と社内をつなぐ橋渡し的な存在といえるでしょう。

そのほかの仕事

たいてい各企業では、部門や職種の名称は「商品開発」「研究」「品質管理」「製造」「国内営業」「海外営業」といったように細かく分けられています。

このほか、他の業種の企業と同じように、人事、総務経理、事業戦略、ITなど、会社そのものを裏方として支える人たちも大勢活躍しています。

文房具メーカーの役割

文房具メーカーの役割は、文具を世の中に提供していくことです。

近年はデジタル化やペーパーレス化が急速に進みつつありますが、日本の文房具メーカーは高機能・高品質な製品を次々と開発してきたことから、需要の落ち込みはあまり受けていません。

また、文房具が好きな女性のためのイベントが人気を集めていたり、万年筆やガラスペンなど昔ながらの文房具の価値が見直されたりなど、新たな動きも見られます。

こうした結果は、文具業界全体が努力していることのたまものといえるでしょう。

文房具メーカーに特有の職種

技術系の職種

研究・開発

新しい製品を生み出すためには、技術や材料、組成などに関する研究が不可欠です。

既に販売している製品の改良や、新しい付加価値を持った製品開発のための基礎となる仕事を担当します。

設計

企画・デザインを基に、製品設計を行います。

数多くの部品から成り立つ製品の場合、部品ごとに試作を繰り返して品質を向上させていくことが大切です。

製造

おもに工場で、製品をスケジュール通りに安定的かつ効率的に生産するための業務を担当します。

品質管理

製造工程における品質の確保をはじめ、お客さまの声を品質に反映させるなど、多くの人に満足してもらえる良い製品を世の中に届けるために品質の維持・向上に努めます。

事務系の職種

企画

新商品のテーマやコンセプト設定、商品企画を立案します。

お客さまのニーズ分析や市場調査を行ったうえでアイデアを出し、具体的に実現可能な企画としてまとめていきます。

営業(国内・海外)

国内営業では、文房具店や量販店をはじめとする国内各地のお客さま(販売店)に対して、自社製品の案内や販促、提案活動などを行います。

また、自社製品を扱う卸や販売会社に対しての商品提案も担当します。

海外営業では、海外市場の開拓や現地の市場調査、交渉、販促活動、展示会への参加などの業務に携わります。

販売促進

自社商品や自社そのものをお客さまに知っていただき、購入につなげるための活動を行います。

広告やパッケージデザイン、店頭での販売活動、カタログや展示会などの企画・制作などの業務を担当します。

調達

製品をつくるためには材料が必要となりますが、その材料を購入するためのさまざまな業務を担当します。

具体的には、購入先の選定や価格交渉、品質と納期の管理などに携わります。

いかに原価を抑えながら質の高い材料を安定的に調達かが大きな役割です。

顧客サポート

お客さまからの製品に対する意見、問い合わせ、クレームなどの窓口となり、適切な対応をとると同時に、入手した情報を社内へフィードバックします。

文房具メーカーの有名な企業

歴史ある文房具メーカー

文房具メーカーのなかには、長年続きロングセラー商品を提供している企業も非常に多いです。

三菱鉛筆、セロテープを手掛けるニチバン、ボンドで知られるコニシは、日本初のホッチキスを販売したイトーキなどは、すべて100年以上続く歴史ある企業です。

有名文房具メーカー

そのほか、国内で知られている文房具メーカーには、以下のようなものがあります。

・アスクル株式会社 (オフィス向け用品などの通信販売)
・コクヨ株式会社(キャンパスノートをはじめとした文房具・オフィス家具販売)
・株式会社パイロットコーポレーション(万年筆をはじめとした文房具販売)
・マックス株式会社(ステープラーをはじめとした文房具・機器・工具販売)
・ナカバヤシ株式会社(アルバム・製本事業)

文房具メーカーの仕事の流れ

マーケティング

商品を開発する際は、コンセプトやターゲットを考え「どのような商品が売れているか」「どのようなニーズがあるか」などを市場調査します。

文具店や雑貨店を見たり、ターゲットとなる層から話を聞いたりして、どのような商品を展開するのか具体的につめていきます。

アイデア出し

アイデアがある程度固まってくると、実際にスケッチやCGなどでラフ案を作成します。

企画・プレゼンテーション

企画会議でプレゼンテーションをするなどして、集まったアイデアを検討していきます。

商品化につながりそうなものはさらにブラッシュアップしていきます。

デザイン

商品化が決定すると、実際にデザイナーが具体的なデザインに落とし込んでいきます。

「プロダクトデザイン」といい、見た目の良さだけでなく機能性や使い勝手なども踏まえることが大切です。

製造

デザインが決まると、サンプル品や模型を作成し、問題はないかを検討します。

実際に製造工程に入る際には、コストや品質なども考慮しなくてはなりません。

営業・プロモーション

ターゲットに向けて商品が届くよう、営業をしたりプロモーションをしたりします。

販売店でのディスプレイやCM、SNSでの展開の仕方などを考えます。