【2021年版】ガス会社社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ガス会社社員」とは

エネルギーの一種であるガスを製造し、家庭や企業、工場などに安全に供給する。

ガス会社とは、エネルギーのひとつであるガスを製造し、安全・安心な方法で家庭や企業、工場などに提供する会社です。

ガス市場は導管を利用してガスを運ぶ「都市ガス」と、ガスをボンベで運ぶ「LPガス」に大きく分けることができ、大小あわせて全国に約200の企業が、LPガス会社については全国に約2万もの企業があります。

大手ガス会社では基本的に毎年新卒採用を実施しており、企業によっておもに大卒や大学院修了者を対象とした試験と、高等専門学校卒を対象とした試験があります。

「事務職」のような文系職種では学部・学科が指定されることはほぼありませんが、技術職については理工系学部・学科を対象とした試験を設けている企業もあります。

ガス会社の平均年収は600万円~700万円程度がボリュームゾーンとされており、安定した給料や福利厚生の下に働けるといわれてきました。

しかし2017年4月には都市ガス小売市場の自由化が決まり、今後は電力業界と同様、ガス業界も激しい変化の波にさらされていくと考えられます。

「ガス会社社員」の仕事紹介

ガス会社社員の仕事内容

ガスを安全に供給し、私たちの生活を支える仕事

地域に根差した事業を行うガス会社

ガス会社は、エネルギーのひとつであるガスを製造し、安全・安心な方法で家庭や企業、工場などに提供する仕事です。

ガス市場は、導管を利用してガスを運ぶ「都市ガス」と、ガスをボンベで運ぶ「LPガス(いわゆるプロパンガス)」に大別することができます。

都市ガス会社については、大手4社といわれる東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスをはじめ、大小あわせて全国に約200の企業が、LPガス会社については全国に約2万もの企業があります。

ガス会社の具体的な仕事内容としては、家庭や企業などのお客さまと直接やりとりをする営業や、ガス製造プラントの設計や維持管理、ガス供給パイプラインの建設・保安業務などが挙げられます。

ガス会社各社は、ある程度それぞれの事業エリアが決まっており、各地域に根差した事業を営んでいます。

ライフラインを確保し私たちの生活を守る

ガスはライフラインであり、水や電気と並び、社会生活を成り立たせるために重要なエネルギーです。

私たちが生活を続けるためにガス会社が担う役割と責任は大きいといえるでしょう。

エネルギーを効率的に使用し、CO2削減を実現するシステムを構築するなど、より広い視点で研究開発を行っている会社もあります。

ほかにもシェールガスに代表されるような新しい資源の確保を行い、ガス供給のみならず、価格の面でも安定供給をはかっています。

とくに大手ガス会社は、広い視点や将来的な展望を見すえた取り組みが求められるでしょう。

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ガス会社社員になるには

大学や高専を卒業し、ガス会社の採用試験を受ける

職種に応じた採用試験を受ける

ガス会社の社員として働くには、各ガス会社が実施する採用試験を受ける必要があります。

代表的なルートは高校卒業もしくは高専、大学を卒業してから入社試験に合格するのが一般的ですが、大手のガス会社になると、新卒の場合は大学または高専の卒業見込み者のみの募集が多い傾向にあります。

ただしガス製造工場の設備の運転・点検・維持管理などの技術職や事務職などは、大手ガス会社でも、新卒の高校卒業見込み者を募集しているケースもあります。

採用試験は営業、経理、広報、輸送、原料調達などの「事務職」と、ガス製造設備やパイプラインなどの施工や管理、運営監視、修繕などを行う「技術職」に分けて実施されるケースが一般的です。

ただ、職種のくくり方や制度はさまざまで、「総合職(文系)」と「総合職(理系)」に分けられていたり、部署異動のない「プロフェッショナル職」があったりと、企業によって事情は異なります。

ガス会社社員のキャリアプラン

ガス会社は多くの職種があるため、本人のやる気によりさまざまなキャリアプランが考えられます。

営業職であれば、エンドユーザー営業からハウスメーカー営業、そして機器販売の計画立案を行ったり、技術職であれば、工場の維持管理職から自社設備の建設担当、そして設備建設の企画をしたりするケースが多いです。

これにはさまざまな経験を積まなければならず、チャレンジ精神を持って業務に取り組む姿勢が求められます。

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ガス会社社員の学校・学費

大卒以上と高専卒で別々の採用枠があることが多い

ガス会社の採用試験にあたっては、おもに大卒者や大学院修了者を対象とした試験と、高等専門学校卒者を対象とした試験があります。

大卒者や院卒者については、事務職の募集では学部・学科が指定されることはほぼありませんが、技術職については、理工系学部・学科の専攻者に限定されるケースもあります。

高等専門学校卒者については、機械や電気電子、制御、通信、土木、建築など、学校で学んだ専門分野に応じて、現場での技術系専門職に就く道が一般的です。

なお、高卒からでもガス会社の社員になることはできます。

とくにLPガスの供給・販売をしている企業は規模もさまざまで、地元に密着していることも多いため高卒採用をしている会社もあります。

ガス会社社員の資格・試験の難易度

就職後にそれぞれの業務に応じた資格が必要

ガス会社での仕事は、専門的な知識が求められる機会が多くありますが、必要なスキルや資格は就職後に取得するケースがほとんどで、就職時点でなんらかの資格が必要となることはありません

業務上必要となる資格としては、都市ガス会社であれば「ガス主任技術者」が、LPガス会社であれば「液化石油ガス設備士」や「高圧ガス販売主任者第2種」が、代表的なものとして挙げられます。

中途で入社する際、特に技術系の職種ではこうした経験や業務に応じた資格は必要かもしれません。

ガス工事に関わる技術系の資格はガス機器設置スペシャリスト、簡易内管施工士、液化石油ガス設備士などがあり、「ガス主任技術者(乙・甲)」や「管工事施工管理技士」といった資格も求められることがあります。

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ガス会社社員の給料・年収

ガスの需要は安定的で給料も一定額が見込める

ガス会社の経営は安定しており、給料も安定している

ガス会社の平均年収は、600万円~700万円程度がボリュームゾーンとされています。

ガスは社会生活に不可欠なインフラであるためニーズが途切れず、社会情勢などにより売り上げの増減は当然あるものの、利用者が大幅に増減することはないでしょう。

一定の売り上げは見込めるため、給与面でも安定している業界です。

ただし、ガス会社はそれぞれの地域に根付いた小さな規模のところも多く、そうした企業は大手よりも低めの給与水準となっているようです。

都市ガスの自由化により給料にも影響が

業界全体として、昔から給料や福利厚生が安定・充実しているといわれていますが、都市ガスが自由化されたことや、地方の過疎化などもあり、ガス会社の事業環境は厳しくなりつつあります。

とくに2017年にスタートした都市ガスの小売全面自由化よってその状況は多少変わりつつあります。

都市ガス会社各社は地域に根付いたビジネス展開が中心だったため、独占的な供給スタイルで成り立っていました。

都市ガスの小売全面自由化によって新規参入企業が増えれば当然競争が生まれ、売り上げにも影響を及ぼすため、給与面に影響が出てくる可能性もあります。

極端に変わることは考えにくく、業界の安定性はしばらく続くと考えられますが、サービスの向上や商品開発などの企業努力が求められており、これまでと同じ姿勢では給与面に影響が出てくるでしょう。

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ガス会社社員の現状と将来性・今後の見通し

競合他社と競い合いながら切磋琢磨していく時代に突入

従来のガス会社は、基本的にはそれぞれの地域で独占的に事業を展開できたことから、比較的安定した経営状態を保ってきました。

しかし、都市ガス小売市場が自由化されたことによって、消費者が都市ガス会社を自由に選べる時代が到来し、電力業界と同様に、ガス業界も激しい変化の波にさらされています。

消費者から選ばれることが必要になったガス会社各社には、さらなるサービス向上や、ガス発電を用いた電力事業への参入など、新たな事業展開が求められています。

ガスも電力も小売の自由化が実施されているため、とくにほかのエネルギーを上手に織り交ぜたサービスは企業としても必要になる上に、顧客からのニーズも高まるでしょう。

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ガス会社社員の就職先・活躍の場

都市ガスは都市部、LPガスは地方が活躍の場

ガス会社は、取り扱うガスが都市ガスかLPガスかによって、その事業内容やガスの特徴、活躍の場は大きく異なります

都市ガスの場合、主成分は「メタン」であり、気体のまま導管を利用して供給されますので、都市ガス会社社員はガス配管のある都市部がおもな活躍の場となります。

都市ガスの大手は東京ガス(関東地方)、東邦ガス(東海地方)、大阪ガス(関西地方)、西部ガス(九州北部)の4社です。

一方、「LPガス」はLPガスの主成分は「プロパン」や「ブタン」であり、ガスが充填されたボンベを運ぶ、もしくは建物に備え付けているタンクにガスを充填することでガスが提供されます。

そのためLPガス会社社員はおもにガス配管のない地方エリアで働くことになります。

ガス会社社員の1日

役所や他事業者と交渉しながら仕事を進める

ガス会社社員のスケジュールは、担当する業務によってさまざまです。

公共性の高い事業であるため、他企業や自治体とのコミュニケーションが多いようです。

<あるガス会社社員の1日>

9:00 出社、メールチェック、案件ごとの打ち合わせ
10:00 役所訪問、担当者と打ち合わせ
12:00 休憩
13:00 他業者訪問、水道管の調査
15:00 発注書の作成などデスクワーク
18:00 帰社

ガス会社社員のやりがい、楽しさ

社会に必要不可欠な事業に関われること

ガスは電気や水道と同じように私たちの生活になくてはならないものであり、社会や経済を支えるインフラのひとつです。

一度供給が止まれば大勢の人が困るだけでなく、経済的にも大きな損害を与えてしまうため、ガス業界は、生活はもとより日本経済を支える分野の一つといっても過言ではありません。

ガス会社の事業はそれぞれの地域との関係性が深いために、日々の業務のなかでお客さまと接する機会も多く、人々の役に立っているという実感が得やすいでしょう。

また、市場の自由化に伴って競争環境にあるとはいえ、インフラ業界は他業界よりも非常に安定しているといえますので、長期間にわたって安心して働ける点もガス会社の魅力です。

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ガス会社社員のつらいこと、大変なこと

ガスという危険物を取り扱うという難しさ

ガスは目に見えないことに加え、その性質上、一歩間違えれば重大事故につながる危険性もはらんでいるため、取り扱いについては細心の注意を払わなければなりません

製造プラントや供給パイプラインを担当する技術系職の場合、万が一にもガス漏れなどが発生しないよう、利用者が使う機器の設置、建物などへの配管など、あらゆる面で安全性を絶対確保する責任があります。

高い集中力を維持して作業にあたることが求められ、安全を確保するためにガスに関する専門知識も備えなくてはなりません。

また事務系職の場合でも、お客さまに不安なくガスを使用してもらえるよう、専門知識に基づいた詳しい説明をすることが必要になるでしょう。

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ガス会社社員に向いている人・適性

主体性をもって仕事に取り組める人

これまでの都市ガス事業は、各地域のガス会社が販売を独占できたため、経営は極めて安定的で、「挑戦」や「変革」という言葉とは縁遠い企業が多かったかもしれません。

しかし、都市ガスの小売が自由化されたことにより、大手電力会社を筆頭にガス事業に乗り出す企業が現れ、ガス会社は市場競争にさらされるようになりました。

ガス会社社員に対しても、これまでのような受け身の姿勢だけでなく、主体性をもって積極的に新しい事業に取り組んでいくことが求められています。

変化を恐れず、さまざまなことにチャレンジできる人は、これからのガス会社社員に向いているといえるでしょう。

また公共性の高い仕事であることから、社会のために働きたい、地域に貢献したいという人にも向いています。

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ガス会社社員志望動機・目指すきっかけ

公共性の高い仕事をしたい人が多い

社会貢献できる点や公共性の高さが人気

ガスは社会インフラのひとつであり、ガス会社の仕事は社会貢献度が非常に高いといえます。

ガス会社への就職を志望するのは、そうした公共性の高い仕事をして、社会の役に立ちたいと考える人が多いようです。

ガスは身近な存在であると同時に、多くの人の役に立てる仕事ができるという理由は多くみられます。

また企業や分野としての安定さに魅力を感じ就職を希望するパターンもあるでしょう。

大手ガス会社は就職先として人気が高く、新卒採用時は優秀な学生も集まり、入社時に資格が必要ないことから人物重視で行われていることが多いです。

そのため、いかに自分がガス業界に向いているかをアピールできるかがカギとなるでしょう。

ほかの希望者と差別化を図るために

ガス会社の公共性の高さは、多くの人がそこにやりがいと魅力を感じ、就職を目指しているのが志望動機の根幹となるところです。

ただ、そうした志望動機は、誰にでもあてはまるため、他の就職希望者との差別化が困難です。

そのため、いかに自分らしさを加えられるかがポイントとなります。

業界研究や企業研究を入念に行ったり、ガス会社各社が実施するインターンシップに参加したりして、一歩踏み込んでガス事業への造詣を深めるとよいでしょう。

自分が調べたり体験したりしたガスにまつわるエピソードを志望動機にもりこむと、より興味を持ってもらえ、採用担当者を納得させる材料になります。

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ガス会社社員の雇用形態・働き方

キャリア形成ルートが選べる企業もある

ガス会社は多くの職種があるため、本人のやる気によりさまざまなキャリアプランが考えられます。

大卒や大学院卒で入社した社員は、企業によっては、就職時点である程度キャリアの形成方法を選択できる場合があります。

複数の職務を数年単位でローテーションする「ゼネラリストコース」と、営業や施工管理など、ひとつの職務に専従する「スペシャリストコース」の2種が設けられている都市ガス会社があります。

どちらのコースがよい・悪いということはありませんので、自身が思い描くキャリアプランに応じて、最適な働き方を選択できるという点が、ガス会社の利点といえるでしょう。

ガス会社社員の勤務時間・休日・生活

配属部署によって勤務時間は異なる

ガス会社の勤務時間は、事務職などオフィスワークの場合、9:00~17:30くらいに設定されているところが一般的であるようです。

ただし、ガスは24時間365日安定供給が必要なインフラのひとつであるため、お客さまサービス関連の部署や設備保安部門など、担当業務によっては「交代制勤務」が採用されています。

多くは3交代制の勤務であるため、日勤、夜勤、宿直勤務などをこなす必要があるでしょう。

また、公共性の高い事業であるため、なんらかのトラブルが発生した場合は、早急に解決するため、勤務時間にかかわらず業務をこなさなければならない場合もあります。

とくに技術職の場合は、台風や地震などの自然災害によってパイプラインに損害が及べば一刻も早く復旧させるために働かなければいけません。

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ガス会社社員の求人・就職状況・需要

就職先としての人気は非常に高い

大手ガス会社では、基本的に毎年新卒募集をしており、一度に数十人ほどの人員を採用するところも珍しくありません。

また、地方の中小規模のガス会社であっても、定期的に採用を実施しているところは数多くあります。

ガスの需要は今後も急激に少なくなることはないため、人口が減少するなかでも安定的な需要があり、ガス会社社員も一定の採用が見込めるといってよいでしょう。

ただ、大手都市ガス会社を中心に、就職先としては学生から非常に高い人気があるため、採用されるには厳しい競争を勝ち抜かなければなりません。

とくに、安定性の高い大企業の数が限られる地方では、多くの学生が殺到して非常に高い倍率となることもあるため、しっかりとした試験対策が必要です。

ガス会社社員の転職状況・未経験採用

転職希望者も多く、競争は熾烈をきわめる

ガス会社は、大手を中心として不定期に中途採用を実施しているところも数多くあります。

募集にあたっては、新卒採用時とは異なって、職種別に採用されるケースがほとんどですが、職種によって経験者を対象としているものと、未経験者でも対象となるものが混在しています。

ただ、どちらの場合であっても、ガス会社は非常に人気企業ですので、転職を成功させるのは容易ではありません

技術系職種であれば、「管工事施工管理技士」などの業務に関連する資格を取得するといったように、他の転職希望者よりも優位に立つ努力が必要になるでしょう。

一般的には30代中盤あたりまでが転職しやすいといわれていますが、技術職など経験と実績が重要視される職種ではあまり年齢は関係なく採用されるようです。

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