女性の物流企業社員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の物流企業社員の現状

物流は男性が多い

物流業界はむかしから男性の多い業界であり、全体的に女性の社員というのは少なめです。

総務省「労働力調査(2017 年)」によれば、運輸業・郵便業全体の女性割合は約2割(19.7%)というデータもあり、他業界から比べても低い数値となっています。

参考:労働力調査(基本集計)

とくにドライバー職や倉庫での荷役職など、力仕事系の職種では女性の割合が少なくなり、女性がまったくいない職場というのもあります。

管理職においても女性は少なめであり、帝国データバンクがまとめた「2019年の女性登用に対する企業の意識調査」によれば、運輸・倉庫業界での女性管理職の平均割合は5.2%となっており、こちらも他業界から比べ低い数値です。

参考:帝国データバンク 女性登用に対する企業の意識調査(2019 年)

女性の多めの職種もある

ドライバー職や倉庫業務などでは女性は少なめですが、次のような職種では女性割合が高いこともあります。

<女性が多めの職種>
・一般職
・総合職(とくに営業、企画、総務などのオフィス系業務)
・アパレルや日用品・雑貨品など女性に親しみやすい商材を取り扱う物流企業の仕事

この中でも、一般事務や営業補佐などの定型サポート業務を行う「一般職」は、女性からの人気が高く、一般職は女性ばかりという職場も少なくありません。

女性の採用には積極的

昨今、物流業界では人手不足が深刻化しており、はたらき手を確保すべく女性の雇用にも積極的です。

次のような取り組みを進め、女性を呼び込もうとする企業も増えています。

<物流業界の女性を呼び込む取り組み>
・性別関係なく、本人の適正や能力を重視した採用活動
・女性管理職登用数の拡大
・子育て支援制度の充実
・「時短勤務」や「リモートワーク」など、柔軟な働き方の導入
・倉庫施設などにキレイでオシャレなデザインを導入し、従来の男臭いイメージを撤廃
・職場での男女差別意識、セクハラなどを撤廃する教育

こうした取り組みも後押しとなり、近年は少しずつではありますが物流業界の女性人口は増えてきています。

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女性の物流会社社員の強み・弱み

女性の強み

女性には次のような強みがあります。

・女性ならではのコミュニケーション力が生きる
・正確で丁寧な作業は女性のほうが比較的得意
・女性視点でのサービスを企画、考案できる

物流業界では、オフィス系の業務でも、倉庫などでの現場系の業務であっても、ソロプレイではなく周囲とのチームワークや連携が求められます。

そのため、女性ならではのコミュニケーション力の高さや気配りなどが生きる場面も多いでしょう。

また荷物は、時間通り、破損なくお客さまのもとに届けなければなりません。

そのためには、倉庫での仕分けや梱包、ドライバーの配送まで、各自が自分の仕事を時間通り正確にかつ丁寧にこなさなければなりません。

そのような場面でも、女性ならではの几帳面さ、きめ細かさが生きることがあります。

女性の弱み

女性には次のような弱みがあります。

・体力や身体能力面なハンデ
・男性中心の業界のため、「女性だから」と甘くみられることもある
・女性向けの設備(トイレ、更衣室、制服など)が用意されていない現場もある

もっとも大きな弱みとなるのが、体力、身体能力面です。

物流業界では肉体労働系の仕事も多く、冷暖房の完備されてない倉庫で長時間の立ち作業をしたり、ドライバー職であれば長時間の運転、また荷積みなどを自分で行うこともあります。

そのような仕事で活躍している女性もいますが、男性に比べ体力、身体能力面でハンデを受けやすいのは事実です。

一方で総合職がたずさわるようなオフィス系の業務であれば、肉体労働はさほどないため、性別的な影響は少なくなります。

女性社員の結婚後の働き方・雇用形態

倉庫スタッフやドライバー職のような現場系の職種、一般職などで働く女性の場合、結婚を機に退職する人も一定数います。

もしくは、正社員からパート・アルバイトに雇用形態を変え、結婚後は無理なく働くという人もいます。

物流業界では、「女性は結婚後は家庭に入るもの」、「女性はすぐ辞めてしまうので仕事を教えても無駄である」といった古い固定観念が残る会社もあり、そういった風潮が後押しになることもあるようです。

一方、総合職の場合は、もともとキャリアウーマンとして定年まで働くつもりで入社してくる女性も多いため、結婚を機に退職する人というのは少なく、引き続き総合職の正社員としてキャリアを重ねていく人が目立ちます。

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物流企業社員は子育てしながら働ける?

子育て支援も充実し、両立も可能

最近は物流業界でも、女性向けの子育て支援制度を充実させる企業が増えてきており、それらを上手く活用し、仕事と子育てを両立する女性もいます。

例として、女性社員の働き方改善に積極的である「佐川急便(SGホールディングス)」では、次のような子育て支援制度を用意しています。

<佐川急便の子育て支援制度の一例>
・厚生労働省より「子育てサポート企業」として認定
・育児休業(子供が3歳になる前日まで)
・育児短時間勤務(子供が小学校4年生の終期まで)
・看護休暇(子供が怪我をした場合など、最大10日まで)
・介護休暇
・産休・育休者座談会の実施
・女性活躍推進度を各事業会社のステークホルダー評価に導入

この佐川急便のように、出産後約3年間も育児休業がとれる企業も増えてきており、職場復帰後も時短勤務などを活用しながら仕事と両立させる女性もいます。

参考:佐川急便株式会社 ワークライフバランスへの取り組み

弊害要素

ただし、物流企業では子育ての弊害要素もあります。

<子育ての弊害要素>
・肉体労働系の職種は体を酷使するため、家事や子育てとの両立は体力的につらくなりやすい
・シフト勤務となる職種では、夜勤や土日祝日の出勤が発生することがある
・繁盛期には連日残業が発生し、帰宅が夜遅くになることがある
・管理職に進み責任の重い業務をまかされると、子育て中でも、すぐに仕事を抜けられないこともある

一般的に、子育て中の女性であれば、仕事内容や勤務時間などにある程度の配慮がなされます。

とはいえ昨今は人手不足も深刻化してきているため、どうにも手が回らない職場では、子育て中の女性であっても特別扱いはされず、残業などが発生場合もあります。

管理職に進む場合

物流企業は「年功序列」を採用している会社が多く、勤続年数を重ねると、主任、係長、課長といった管理職に昇進していくのが一般的です。

管理職は、それまで物流業務でたくわえた経験や知識、また年長者としての人間性やマネジメント力も問われるため、年齢を重ねても活躍しやすいポジションです。

肉体労働ではないため、男女の差も出にくく、女性の管理職のほうが職場をうまくまとめることもあります。

その後、60~65歳で定年を迎え老後生活をおくるのが一般的ですが、希望者は「定年後再雇用制度」などを利用して、仕事を継続することもできます。

管理職に進まない場合

管理職の席は限られているため、全員が管理職に進めるわけではありません。

また、自ら率先して管理職には進まず、現場での仕事を選ぶ人もいます。

管理職に進まず、倉庫スタッフやドライバー職といった現場系の仕事を続けていく場合には、年齢を追うごとに「体力」的な壁にぶつかるでしょう。

50代60代になっても現場の第一線で活躍している人もいますが、それには若い時以上に、身体づくりや健康管理に気を配る必要がでてきます。

ドライバー職においては独立・開業もしやすいため、定年後は自営業・フリーランスのドライバーとして業務委託で働いていくことも可能ですが、いずれにしても体力は維持する必要があります。