「看護師」とは

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医療現場で患者さんの心身のケアを行い、医師の診察・治療をサポートする。

医師が患者の診察や治療を行う際に補助をしたり、病気や怪我の患者のケアを行う仕事です。

血圧、体温、脈などの測定、注射、点滴、採血などの治療の補助、食事やお風呂、ベッドメーキングなどの身のまわりの世話などを行います。

看護師になるためには、看護師養成の課程がある学校において3〜4年学んだのち、看護師国家試験に合格し、看護師免許を取得することが必要です。

看護師国家試験の合格率は90%前後となりますが、看護学校の倍率は高いものとなっています。

医師や薬剤師、栄養士などがチームを組んで治療を行う「チーム医療」において、看護師は今まで以上に重要な役割を担うようになってきていますが、高齢化社会が進む状況において、看護師は不足している状況です。

「看護師」の仕事紹介

看護師の仕事内容

患者さんと医師の間でサポートをする

看護師の代表的な仕事は、医師の診療の補助的役割を担い、患者さん本人やその家族の対応を中心となって行うことです。

外来患者さんの診療や検査のサポート、入院患者さんの注射や点滴、食事のお手伝い等の業務のほか、患者さんの話し相手になることで不安を和らげる役割も果たします。

患者さんにとっては、ときに医師以上に身近な存在にもなりうるのが看護師です。

看護師にはさまざまな種類があり、日本看護協会が認定する専門看護師、認定看護師、認定看護管理者の認定資格などがあります。

専門看護師は、大学院修士課程において所定の単位を取得し、さらに実務経験5年以上、うち専門分野での看護を3年以上経験し、試験に合格すると資格を取得できます。

認定看護師は、実務経験5年以上、うち認定看護分野の経験が3年以上あり、所定の教育カリキュラムを受けたのち、試験に合格することで資格を取得できます。

認定看護管理者は、看護組織を管理する能力を有することを認定するもので、実務経験5年以上かつ大学院で看護管理の修士課程を修了し、師長以上の職位で管理職経験を積むと受験できます。

看護師の就職先・活躍の場

病院、介護施設、企業など多岐にわたる

看護師の勤務先として代表的なものは病院やクリニックですが、他にも看護師はさまざまな場所で活躍しています。

高齢化にともない、特別養護老人ホームなどの介護施設で、かかりつけ医の指示に従って適切な処置をしたり、急なけがや体調不良の応急処置をする看護師も増えています。

また、共働き夫婦の増加により病児保育施設のニーズが高まっており、そういった施設で病中病後の子供を看護する人も年々増えてきています。

大きな企業では社内に医務室を設置している場合があり、そのような場所で「産業看護師」として働くこともあります。

看護師の1日

患者さんの異変を見逃さない

看護師は、患者さんがコールを押したり異変が起こったりした際に、すぐに駆け付けられるよう、必ず1名は病棟にいるようなシフトになっています。

ここでは病棟看護師の、夜勤と日勤を続けて行う場合のスケジュールを見てみましょう。

<病棟看護師のスケジュール(1日目夜勤・2日目日勤)>

16:00 出勤
日勤看護師からの申し送り、引き継ぎをおこないます。

18:00 午後のバイタルチェック
体温、血圧、脈拍を測定し、お通じの回数や体調についてなど簡単な問診をします。

21:00 消灯
患者さんに声かけをしながら、各部屋をまわり消灯します。

24:00 夜間勤務
デスクワーク、ナースコールへの対応、病棟内の巡回などをします。
頃合いを見て仮眠を取ります。

06:00 朝のバイタルチェック
患者さんの体温、血圧、脈拍を測定し、体調などの問診を行い、必要な場合は主治医に報告します。

08:00 配膳、食事介助
歩くのが困難な患者さんの食事を配膳したり、食事の介助などを行います。

08:30 日勤看護師の出勤
日勤の看護師に申し送りと引き継ぎをし、自分もそのまま日勤に入ります。

9:00 看護業務
検査が入っている患者さんのお迎え、点滴、清拭、必要書類の受け渡し、コール対応その他の業務を行います。

12:00 配膳、食事介助、休憩
患者さんの昼食の配膳や食事介護を行います。
交代で休憩をとります。

14:00 看護業務
午後の検査が入っている患者さんのお迎え、点滴、清拭、書類の受け渡し、コール対応その他の業務を行います。

16:00 退勤
その日の夜勤の看護師に申し送りと引き継ぎを行い、業務終了となります。

看護師になるには

看護師の資格か准看護師の資格を取る

看護師として働くには、国家資格である看護師免許の取得が必要です。

高校卒業後、看護師養成課程のある学校で3〜4年間学んだのち、看護師国家試験に合格することで資格を取得できます。

看護師の資格には、国家資格ではない「准看護師」もあります。

准看護師には正看護師と同じ医療行為が許されており、中学卒業後2年間准看護師の養成学校で学び、准看護師試験に合格すると、都道府県知事により認可されます。

中学卒業後すぐに看護の世界にたずさわることができますが、中卒扱いになってしまうことや、正看護師よりも待遇が良くないこともあり、准看護学校は年々減少しています。

日本看護協会でも正看護師一本化が叫ばれており、近い将来、准看護師になるルートはなくなる可能性が高いといえます。

看護師の学校・学費

専門学校か大学かを選ぶ

高校卒業後に正看護師を目指す場合は、専門学校に3年通うか、4年制大学に通うことになります。

病院勤務をする場合、臨床実習を多く経験している専門学校卒の看護師のほうが仕事に慣れやすい傾向があります。

ただし、大学は4年間かけて多くの知識を得て卒業するため、慣れてくると伸びしろが大きいのが大卒の強みです。

また、将来は大学院で研究をしたい人や、保健師を目指す人などは、大学でしっかりと学んでおくのがよいでしょう。

給与の面では、卒業したのが専門学校でも大学でも特に変わりはありませんので、将来を見据えた学校選びが重要です。

中学卒業後にすぐ働きたい場合、准看護師養成学校に2年間通うことで准看護師の資格試験が受けられますが、学歴が中卒止まりになってしまう可能性があります。

高校卒業までの学歴を得たい場合、准看護師の養成課程のある高等専修学校へ通うと、准看護師の資格と高卒認定を同時に取ることも可能ですので、学校探しの参考にするとよいでしょう。

学費は通う学校や看護師になるルートによって差が出ますが、准看護師養成所が2年で100万円前後、看護専門学校が3年で300万円前後、4年制大学だと350万円〜700万円前後です。

看護師の資格・試験の難易度

学習と実習をしっかりこなせば問題ない

最新の看護師国家試験の合格率は、新卒・既卒合わせて90%以上と高い水準にあります。

難易度は高いですが、養成機関において、所定の学習要領や臨床実習をきちんとこなし、身につけていれば合格はできるでしょう。

ただし、他の国家試験でも言えますが、新卒で不合格になってしまうと、卒後年数が経つごとに合格率は格段に下がっていきます。

看護師として1年でも早く世の中の役に立てるようになるためにも、在学中にしっかり勉学に励み、新卒で合格できるように努力するのがもっとも合理的といえます。

看護師の給料・年収

勤務内容がハードな分、高収入

看護師の給料は勤務先によって異なります。

平均年収は400万円〜600万円となっており、一般の会社員より高収入を得られる場合もあります。

手当などの面においても高待遇の職場が多いですが、不規則な勤務体系であることや、人の命に関わるため日々精神的なストレスも多い過酷な業務です。

そのため、業務内容に対して給料や待遇が見合っていないのではないかという声も多くあります。

現在、医療職の働き方改革により、残業を減らしたり、勤務形態の改善が進められ、今後、看護師の業務に関する負担はより適正なものになっていくと思われます。

ハードな仕事をこなすには、仕事そのものにやりがいと夢を見出せるかどうかが大事といえるでしょう。

看護師のやりがい、楽しさ

患者さんとのさまざまな交流がある

看護師は、医師の指示の下で患者さんにいろいろな処置を施す中で、患者さんと身近に接することが多くあります。

特に、入院期間が長い患者さんなどには、看護師との交流を楽しみにしている人もいます。

病気やケガが思うように治らないときなど、看護師が話を聞き、共感したり、ときには励ましたりすることで、患者さんの心を軽くできることもあります。

オペ室勤務の看護師は日ごろ患者さんと交流することは少ないですが、自分がオペを担当した患者さんが回復し、無事に退院していかれることにやりがいを感じる人が多いです。

看護師のつらいこと、大変なこと

勤務が不規則なため、体力気力が必要

入院施設のある一般的な病院に勤めている看護師は、ほとんどの場合夜勤と日勤の両方をこなすため、生活が不規則になります。

夜勤の翌日にそのまま日勤をこなし、24時間を超えて拘束されることも往々にしてあり、過酷な勤務であるといえるでしょう。

患者さんのケアの中には病状のケアのほか、精神的ケアも欠かせないため、ストレスも溜まりやすい傾向にあります。

昨今では看護師の過酷な勤務形態を見直し、職場環境を改善する動きが盛んになってきています。

看護師に向いている人・適性

細やかな気配りができる、献身的な人

看護師はさまざまな病状の患者さんと対応しなければなりません。

病状によって、患者さんがどのようなことを苦痛に感じるか、不安を覚えるかなどを細やかに察知し、つらさを和らげることができる人には適性があるといえるでしょう。

また、病院内で最も患者さんが身近に感じるのも看護師です。

病気のつらさだけでなく、あらゆる苦悩を打ち明けられることもあります。

看護師志望動機・目指すきっかけ

看護師は身近であるため憧れられやすい

病院はだれしも一度は行くことと思いますが、そこに勤務している看護師に憧れて、同じように人を助けたいという希望を持つ人も少なくないようです。

とくに幼少期に何かしらの理由で入院しなければいけない状態であった人が、看護師に励まされたことで、自分も恩返しをしたいという思いで看護師を目指したりすることもあります。

また、医療の仕事に興味があり、人と接することが好きなことから、看護師を志す人もいます。

どのような動機であれ、根本的に命に興味がある、人間が好きな人であることは共通項といえるでしょう。

看護師の雇用形態・働き方

勤務先により雇用形態が違う

病院勤務の場合、看護師の雇用形態は大抵の場合、正職員での求人になります。

現在の病院は看護師の働きやすさ向上のため、託児所を設置したり、各種手当もつくので収入は良いですが、どうしても生活は不規則になりがちです。

また、デイケアセンターや老人ホームなどの高齢者施設などに勤める看護師は、正社員のほか、パートや派遣社員もいます。

看護師が24時間常駐している場合は別ですが、デイケアセンターなどでは基本的に朝から夕方までの勤務なので、育児中でも生活リズムを崩さずに働きやすいでしょう。

看護師の勤務時間・休日・生活

2交代制・3交代制などで不規則な生活

看護師は常に患者さんの容体が急変してもすぐに対応できるよう、2交代制や3交代制という勤務形態で働くことが多いです。

そのため生活のリズムは崩れやすく、休日も不規則であるため、なかなか思うように休みが取れないということも少なくありません。

勤務時間は朝早くから深夜まで、さまざまな時間帯で働く場合が多いですが、個人経営のクリニック勤務の場合は診療時間に合わせた勤務時間となります。

不規則な生活でも確実に睡眠が取れるよう、睡眠薬を適宜利用して健康管理をしている看護師もいます。

看護師の求人・就職状況・需要

慢性的な人手不足により需要は高い

看護師は、地域によっても差がありますが、気力体力ともに必要な職種のため、慢性的に人手不足であるといえます。

現在では少しずつ男性看護師も増えてはきたものの、いまだ女性看護師のほうが圧倒的に多い状況であり、結婚や出産を機に退職する人も多くいます。

そのため病院でも、女性のライフプランによって働きやすい環境を整備し、託児所を完備したり、時短勤務や外来担当など、子育て中でも働ける環境作りを目指しています。

また、SMO(治験施設支援機関)では、看護師の資格を活かし、治験コーディネーターとして活躍する人もいます。

看護師の転職状況・未経験採用

地域によって差があるが求人は多め

地域により、看護師がどのくらい不足しているかには違いがありますが、他職種と比べると求人は多く、転職も困難ではありません。

新卒や未経験の募集も多くあり、出産や育児でブランクのある人でも就職先は見つかりやすいといえるでしょう。

特に地方では看護師の人員不足が深刻であるため、Uターン就職にも適した職種であるといえます。

異業種からの転職ですと、まず国家試験の受験資格を得るところから始めなければいけないため、新卒での年齢も高くなり、看護師に必要な体力がない場合があります。

看護師の現状と将来性・今後の見通し

人手不足・産休育休の取り方が課題

非常に需要の高い仕事ですが、医師同様、地方都市や田舎町で働く看護師不足が課題となっています。

大都市の有名病院以外では、患者さんの数に対して、必要な看護師の数を配置できていない病院もあります。

女性が多い職種であるため、妊娠中の勤務、産休や育休により夜勤などの出来る人材が確保できないといった課題もあります。

しかし高齢化社会の昨今、看護師は病院や診療所での診療補助だけでなく、福祉施設への勤務や訪問介護、患者さんとその家族の心のケアなど、さまざまな役割が期待されている職種でもあります。