臨床工学技士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「臨床工学技士」とは

臨床工学技士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

病院で使用する生命維持のための機器操作や保守点検を行い、医療現場を支える。

臨床工学技士とは、医師の指示を受けて、生命維持管理装置の操作を行ったり、それらの機器の保守点検を行ったりする技術者のことです。

臨床工学技士が扱う医療機器には「人工心肺装置」「人工透析装置」「人工透析装置」などがあり、いずれも医療現場では不可欠な装置ばかりです。

人工透析の仕事が多いですが、勤務先によっては手術中、また集中治療室などで機器を操作する業務もあります。

臨床工学技士になるには、臨床工学技士養成課程がある学校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。

資格取得後は総合病院や診療所(透析クリニックなど)に就職するほか、医療機器メーカーなどの民間企業に勤務する人もいます。

医療機器は年々進化を続けているため、それを扱うための正しい知識と技術を身につけ、責任感をもって業務にあたることが強く求められる職業です。

「臨床工学技士」の仕事紹介

臨床工学技士の仕事内容

医療現場にて医療機器の操作や点検を行う技術者

臨床工学技士とは、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作や、さまざまな医療機器の保守点検を行う技術者です。

臨床工学技士が扱う代表的な機器には、呼吸が十分でない患者さんを補助する「人工呼吸器」、心臓手術の際に体外で血液のガス交換を行う「体外循環装置」、血中の老廃物を浄化する「人工透析装置」などがあります。

これらは、いずれも人体になくてはならない機能を補う機器であり、使い方を一歩間違えれば、患者さんの生命に関わります。

そのため、確かな知識・技術を身につけることはもちろん、現場では常に集中力と責任感を持って確実に操作しなければなりません。

安全に治療を行うため、機器の日常的な保守点検・メンテナンスも臨床工学技士の重要な業務のひとつです。

臨床工学技士の多様な専門的業務の一例

臨床工学技士の業務として多いのは、人工透析業務です。

腎機能が失われた患者さんの血液を、人工透析装置を通して浄化し、浄化した血液を再度患者さんの体に戻します。

人工透析の際には「穿刺(せんし)」といって、専用の管を患者さんの血管に差し込みます。

この「穿刺」は、臨床工学技士に許された医療行為です。

このほか、手術の場における人工心肺や心筋保護装置などの操作や、医師の介助およびポリグラフの観察などを行ったりして、医療チームの一員として手術に関わることもあります。

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臨床工学技士になるには

養成機関に通ったのち国家試験を受ける

臨床工学技士になるには、まず高校卒業後、臨床工学技士養成課程のある専門学校か短期大学(3年制)、または大学(4年制)に通う必要があります。

これらの学校で臨床工学技士として必要な基礎知識・技術を身につけ、国家試験に合格することにより、臨床工学技士の資格を得られます。

新卒者の国家試験合格率は約9割と高く、在学中にまじめに勉強していれば十分に合格できる難易度といえます。

なお、過去に「看護師」「診療放射線技師」「臨床検査技師」のいずれかの養成課程を修めている場合には、専門課程に1年間通えば臨床工学技士の国家試験を受けられます。

臨床工学技士の就職後・キャリアパス

臨床工学技士の多くは、透析専門クリニックや循環器内科、あるいは総合病院・大学病院などの集中治療室や救急救命部などに勤務しています。

新人の臨床工学技士は、各就職先の職場で実務経験に携わりながら、少しずつ専門性を高めていきます。

現在では、特定の業務領域に精通する「専門臨床工学技士」の認定制度の整備も進んでおり、分野ごとの臨床工学のスペシャリストを育成する動きが高まっています。

臨床工学技士になってからも、スキルアップに励む努力が求められます。

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臨床工学技士の学校・学費

自分の理想に合った学校選びをすることが大切

臨床工学技士の国家試験を受けるための一般的な方法は、高校卒業後に4年制大学、もしくは3年制の専門学校・短大のいずれかに進むことです。

自分が希望する学び方やキャリアにより、選ぶべき学校が変わってきます。

臨床工学技士を目指せる大学としては、国立大学や私立大学の医療工学部や科学技術学部、保健学部などがあります。

大学では学問的な理解を深めるには適しており、幅広い教養も身につける時間的な余裕があります。

また、大卒者は場合によっては大病院などへの就職が有利に運んだり、初任給が専門学校・短大の卒業者よりも若干高く設定されていることがあります。

大学院に進学してさらに研究を深めたい人も、大学に進むとよいでしょう。

ただし学費は高額になりやすく、私立大学だと、書籍代や研究費なども含めて卒業までにかかる費用が1000万円ほどになることがあります。

より実践力を重視したい人は専門学校・短大へ

できるだけ早く現場で働きたい人には、専門学校や短期大学がよいでしょう。

これらの学校では最短3年間で国家資格を得ることができ、大学よりも1年早く現場に出て実践を積むことができます。

カリキュラム自体、大学よりも実践力を重視した内容が中心となっており、現場で即活躍できる人材を目指したい人には向いています。

ただし、どのような学校に通うにせよ、臨床工学技士としての専門性を高めていくには自分自身の努力が必要です。

臨床工学技士の資格・試験の難易度

他の医療系国家資格とあわせて取得する人もいる

臨床工学技士として働くには、臨床工学技士国家試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。

この資格は一度取得すれば有効期限はなく、生涯有効なものとなっています。

臨床工学技士の国家試験の受験資格を得る方法は、臨床工学技士の養成課程がある専門学校か短期大学(3年)もしくは大学(4年)を修了することです。

あるいは「臨床検査技師」「診療放射線技師」「看護師」のいずれかの養成課程を卒業している場合は、専門課程に1年通うことで臨床工学技士の国家試験を受けられます。

そのため、人によってはこれらの資格とダブルライセンスで、臨床工学技士になっています。

新卒と既卒では合格率に大きな差が出ている

臨床工学技士国家試験は、とくに難関資格というわけではなく、受験者の8割前後が合格しています。

とくに新卒者の合格率は高めで、9割ほどとなっています。

臨床工学技士の学校での日々の学びに集中し、国家試験前にはきちんと試験対策をすれば、十分に合格できる資格であるといえるでしょう。

ただし、既卒になると合格率は一気に下がり、2割前後となっています。

できるだけ新卒での合格を目指すことが、スムーズに臨床工学技士のキャリアをスタートするためには大切です。

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臨床工学技士の給料・年収

勤続年数が上がることで収入アップが望める

臨床工学技士の平均年収は、求人サービス各社のデータを見ていくと、350万円~530万円程度がボリュームゾーンと考えられます。

国家資格を持つ医療系の技術職であることから、安定した収入は得やすいですが、新人時代や若手のうちは給料がやや低めです。

初任給は18万円~22万円程度、1年目の平均年収は300万円ほどの人が多いようです。

経験年数が上がるにつれ収入もアップし、ベテラン技士になれば年収500万円以上を安定的に得られる人も増えてきます。

基本給に加え、勤務先の医療機関によって資格手当や住宅手当・通勤手当・育児手当・扶養者手当などの各種手当が加わります。

職場体制や手当の内容によっても収入差が出やすい

臨床工学技士は、総合病院などの大規模病院から、街のクリニックまで、多様な医療機関に勤務しています。

待遇は各医療機関ごとに異なりますが、とくに小規模の医療機関は即戦力になれる人が歓迎され、高待遇で採用されることが多いようです。

勤務体制は各職場でまちまちですが、患者さんの容体の急変などにより残業が増えた場合には、残業手当が多くつく傾向も見られます。

その他、当直やオンコールの有無や日数によっても、手当による収入差が出やすい職業です。

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臨床工学技士の現状と将来性・今後の見通し

チーム医療における専門職としての活躍が期待される

医療機器が急速に進歩し続ける現代において、「医療」と「工学」の知識の両方を有する臨床工学技士は、医療現場をスムーズに回していくうえで、不可欠な存在になっています。

また、医療現場での「チーム医療」の考え方がますます普及するなか、高度な医療機器を正しく扱うことができる専門職としての臨床工学技士の存在感は、今後もさらに高まっていくでしょう。

国民病といわれる糖尿病とも深い関連のある透析の現場でも臨床工学技士は大きな需要がありますし、昨今ニーズが高まっているのは「DMAT(災害派遣医療チーム)」の一員としての活躍です。

DMATに属する臨床工学技士は、災害現場の現地に送る医療機器の確認をしたり、地域の病院や自衛隊などと連携をとって治療にも携わったりします。

このほか、臨床工学技士としての知識を生かし、臨床現場ではなく、研究所やメーカーなどで医療機器そのものの開発に貢献する人もいます。

多様な活躍の可能性を秘めた職種ですが、機器の進化に遅れをとらぬよう、常に新技術に興味を持って勉強を続けることが重要となってくるでしょう。

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臨床工学技士の就職先・活躍の場

総合病院や透析クリニックなどの医療現場を中心に活躍

臨床工学技士の扱う医療機器の多くは、患者さんの生命維持に関わるものです。

そのため、臨床工学技士のおもな勤務先は、多数の入院用ベッドやICU(集中治療室)を備えた大規模な総合病院・大学病院となっています。

こうした病院では、医療機器管理室や手術室、ICU、透析室などの部門で活躍するケースが多くなるでしょう。

大規模病院以外でも、人工透析を専門的に行う透析専門クリニック、循環器専門の病院に勤務する人も比較的多いです。

医療機関以外では、医療機器メーカーに社員として就職し、研究開発部や営業部に所属して働く人もいます。

あるいは、大学から大学院まで進んで研究職に就いたり、大学や専門学校で新たな臨床工学技士を育成する教育者(先生)になる場合もあります。

臨床工学技士の1日

勤務先によって1日の流れはまったく異なる

臨床工学技士は、多数の入院ベッドを備えた大病院のほか、地域の透析クリニックなど、さまざまな医療機関を中心に勤務しています。

救急外来があるなど24時間体制で患者さんを受け入れている病院では、シフト制で不規則な勤務体系となることがあります。

一方、透析業務だけに従事する場合など、勤務時間が比較的定まっていることもあります。

ここでは、循環器内科で働く臨床工学技士のある1日の例を紹介します。

8:30 出勤・カンファレンス
9:00 機器点検・準備
9:30 医療機器の見回り点検・操作
10:00 手術での機器操作
12:00 休憩
14:00 午後診療の準備(機器点検など)
15:00 診療開始
17:00 使用済み医療機器の稼働終了
18:00 勉強会に参加
19:00 業務終了

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臨床工学技士のやりがい、楽しさ

医療機器のプロとして頼られる存在

現代の医療機器は年々進化が進んでおり、それらを適切に操作・管理するプロフェッショナルとして、臨床工学技士に期待される役割は非常に大きなものとなっています。

とくに臨床工学技士の扱う医療機器は、人工心肺や人工呼吸器、血液浄化装置など、生命維持に直結する機材も多く含まれます。

臨床工学技士は、透析などの日常的な治療の場はもちろん、手術やICUといった緊迫した医療の場で活躍することもあり、個々の希望するキャリアに応じ、各職場で存分に専門性を発揮して活躍することが可能です。

業務を通して、ほかの医療従事者に先立って、新たな医療機器に触れることができるのも臨床工学技士の醍醐味です。

また、昨今の臨床工学技士は、災害現場で活躍する医療チームの一員としての活躍も期待されますし、医療機器メーカーで新たな機器開発をしたり研究分野に進んだりする人もいます。

臨床以外にもさまざまな活躍の場があるのも魅力といえるでしょう。

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臨床工学技士のつらいこと、大変なこと

命の重みを背負って立つことの精神的重圧

命の重みを背負って立つことの精神的重圧

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臨床工学技士に向いている人・適性

医療と機械の両方に興味があり、常に冷静さを保てる人

医療の世界は日進月歩で進化しており、今後も、新たな医療機械が次々と導入されることが予想されます。

そのため、臨床工学技士は新たな機器でもすぐにメカニズムから勉強して操作できる、工学に強い人が求められます。

医療と機械の両方に強い興味関心をもてる人には、非常に向いている職業です。

また、臨床工学技士は一人だけで治療に当たるのではなく、常に「医師」や「看護師」などと協力してチームの一員として働きます。

医療機器のプロとしての責任感や誇りをもちながらも、周囲と密にコミュニケーションをとることができる人でないと務まりません。

また、患者さんの容態急変時に遭遇する機会もあるため、イレギュラーな事態があっても冷静さを保ち、焦らずに自分のすべきことに集中できる人に向いている職業です。

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臨床工学技士志望動機・目指すきっかけ

医療や人体の働き、工学分野への興味から目指す人が多い

臨床工学技士を目指す人の多くが、もともとは漠然と医療関連の仕事に就きたいと考えるなかで、この仕事を目指すようになるようです。

たとえ臨床工学技士という職業名にはなじみがなかったとしても、自分が病院を受診した際に、最先端の医療機器に興味をもったのがきっかけで、臨床工学技士のことを知ったと話す人もいます。

人の命を助ける仕事がしたいと考えていたなかで、医療現場にて、工学に関する専門的知識を備えた技士として活躍できる職種があることを知り、臨床工学技士を志すというケースはよく見られます。

高校卒業後は工学を専門的に学びたいと進路を考えていくなかで、臨床工学技士のことを知り、進学先を決定する人もいます。

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臨床工学技士の雇用形態・働き方

正社員として働く人が多いが、パートの求人もある

病院などの医療機関でも、医療機器メーカーでも、臨床工学技士の募集は正職員(正社員)がほとんどです。

医療機器の管理に関するプロフェッショナルとして、各職場で重要な役割を担って働く人は多いです。

ただし、パートなど非正規雇用の求人もまったくないわけではありません。

パートの臨床工学技士は、透析クリニックなどで透析患者さんの対応をすることが多く、1日の勤務時間は正規雇用の技士よりも少なめです。

夜勤・当直も避けることができるため、介護や子育てなどで多忙な人が、あえて非正規の働き方を選択することもあります。

いずれの雇用形態でも、臨床工学技士としての業務に従事する際には国家資格が求められます。

臨床工学技士の勤務時間・休日・生活

勤務先によっては夜勤を含めた不規則な勤務体系となる

臨床工学技士の勤務時間は勤務先によって異なります。

医療機関は朝が比較的早く、日勤であれば8時ごろには業務を開始し、外来診察が終わる17時前後まで、休憩をはさんで実質1日に8時間程度の勤務となります。

24時間体制の医療機関では、日勤に加え、夜勤や当直勤務が入ることもあり、やや不規則な生活となります。

休日は4週8休、または月8~10日程度が一般的で、必ずしも固定の曜日に休めるとは限りません。

勤務場所が病院の透析室や手術室の場合、処置内容やスケジュールは事前に組まれているため、比較的決まった時間で業務が終わりやすいです。

しかし、救急外来やICUなど急を要する現場で働く場合には、職場体制によっては突発的な残業が発生することがあります。

臨床工学技士の求人・就職状況・需要

日本各地の医療機関にて多数の求人が出ている

医療機器が革新的な進歩を続けていることから、臨床工学技士の求人は増加傾向にあります。

総合病院など大病院の医療機器管理室や手術室、ICU、透析室のほか、透析専門クリニック、循環器内科医院などでは求人もよく見られます。

また、活躍の場が日本全国にあることも、臨床工学技士の強みといえるでしょう。

このほか、数は多くないものの、医療機器メーカーなどの一般企業でも臨床工学技士の求人が出ることがあります。

さらに、臨床工学技士の養成学校での講師・教員としての求人もありますが、たいていはキャリア豊富な人材が求められるため、新卒者が採用されるケースはまれです。

こういった事情もあり、若手のうちは、医療機関で患者さんと接しながら経験を積んでいくキャリアが一般的です。

臨床工学技士の転職状況・未経験採用

未経験からの転職も可能だが、一から勉強する熱意と覚悟が必要

臨床工学技士は、医療職のなかでは転職する人がそこまで多い職種ではありません。

医療や工学の専門性が求められること、国家資格取得のために大学や専門学校に通わなくてはならないこともあって、未経験や他業界からの転職はとくに少ないです。

ただし、現状では臨床工学技士はまだ人手が不足しているとされるため、熱意さえあれば、一からこの仕事を目指して学び、転職するのも可能です。

また、臨床工学技士は「看護師」「臨床検査技師」「診療放射線技師」などの国家資格を取得している場合、1年間の臨床工学に関する専門課程の受講で国家試験を受けられます。

そのため、上記に挙げた職業として働いてきた人が、臨床工学技士の資格を取得して転職するケースはあります。

すでに医療現場で働いた経験がある人は、転職時にも過去のキャリアが評価されやすく、また前職の経験を生かして活躍しやすいでしょう。

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臨床工学技士に夜勤はある?

勤務先によっては夜勤・当直も入る

臨床工学技士は、病院や透析センターなどの医療機関を中心に、医療機器メーカーなどでも活躍しています。

勤務先によって勤務体系が異なり、完全な日勤のみで働ける場も多々見られます。

しかし、規模の大きな医療機関では24時間体制で入院患者さんや救急の対応をするため、その際には夜勤を含めたシフト制勤務となることがあります。

夜勤ありの職場では、2交代勤務もしくは3交代勤務となり、朝から夕方の勤務となる日もあれば、日によっては夕方から朝までといった夜勤シフトが入る不規則な勤務サイクルとなります。

また、当直制度を採用している医療機関で働く場合には、夜間の緊急呼び出しに対応するために待機します。

何事もなければ仮眠もとれて休めますが、夜間はスタッフの人数も昼間より少ないため、慌ただしく動き回る日もあります。

臨床工学技士の業務は拡大? 地位は向上する?

高度な医療機器を適切に扱える専門職として、地位が向上している

臨床工学技士の資格が誕生してから、医療現場において、その存在感は時代が進むごとに高まっているといえます。

ひと昔前は、もし医療機器に不具合や使い方の不明点があったときには、医療機器メーカーの担当者に連絡をするのが一般的でした。

しかし、現在は院内「ME(Medical Engineer)室」の臨床工学技士へ依頼すればよいシステムになっており、よりスムーズに診察・治療が進められる体制が整っています。

医療機器は年々高度化が進んでいるため、現代の臨床工学技士は常に新たな技術を学び続け、身につけた知識を現場で存分に発揮し、貢献することが期待されています。

今後、AIの発展によって簡単な業務は人の手を借りずに進められるようになると考えられていますが、生体に使用する医療機器を完全に無人化するのは困難です。

また、臨床工学技士が昨今は災害時の医療派遣チームの一員としての役割を担うケースも増えており、地位は確実に高まっているといえるでしょう。