「登録販売者」の仕事とは

登録販売者の仕事内容

第2・3類医薬品を販売する資格を持つ

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などにおいて、一般用医薬品(第2類・第3類)を販売するために必要とされる資格であり、またその資格を持っている人のことをいいます。

薬剤師とは異なり、処方箋に基づく調剤や要指導医薬品・第1類医薬品の販売はできませんが、薬剤師に次ぐ医薬品のスペシャリストとして、さまざまな場所での活躍が期待されています。

多様なニーズを抱えるお客さまの相談や要望に応えるため、高いコミュニケーション能力や接客スキルとともに、医薬品に関する正しい専門知識も必要となってくる仕事です。

近年はセルフメディケーションを見据えたスイッチOTC医薬品の増加にともない、登録販売者の需要もさらに高まってきている傾向にあります。

登録販売者の就職先・活躍の場

活躍の場は広がりを見せている

今まで登録販売者のおもな就職先は、薬局やドラッグストアがおもなものでした。

しかし最近では、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、家電量販店などでも医薬品を取り扱うことが多くなり、登録販売者の活躍の場は広がりを見せています。

24時間開店しているドラッグストアやコンビニエンスストアでの勤務の場合、夜勤が入ることがあり、その分手当が付くので収入は増える可能性があります。

家電量販店で医薬品の取り扱いが始まったのは最近のため、医薬品の配置から接客、販売など売り場全体の業務を任されることが多く、販売方法などに関しても自分で工夫する余地があります。

登録販売者1日

登録販売者は、市販薬やサプリメントに関する情報提供などのほか、接客販売も業務の一部になります。

ここではドラッグストア勤務の登録販売者を例に挙げて見てみましょう。

ドラッグストア勤務の登録販売者のスケジュール



07:50 出勤
タイムカードを押し、制服に着替えます。

08:00 レジ準備・荷出し
レジを立ち上げ、金庫から現金を入れます。
配送された品物の中から、その日に品出しするものを台車におろして運びます。

09:45 朝礼
他の店員さんに連絡事項を伝え、必要な情報を共有します。

10:00 開店
前日の売上報告や残務処理、商品の陳列を行います。

11:00 日配品の発注
パンや牛乳など、日持ちのしないもの(日配品)の発注をおこないます。
また終日、必要に応じてお客さんの相談に乗ったりアドバイスをします。

13:00 休憩
他の店員さんと交代で昼食を取ります。

14:00 医薬品の発注、在庫管理など
医薬品の発注・特注品(店舗にない商品)の発注を行ったり、商品の入れ替え、在庫管理、棚替えや島の装飾などをおこないます。

17:00 業務終了

早出の日は、レジ締めを他の店員さんに任せて業務を終了します。

登録販売者になるには

登録販売者試験に合格し、登録をする

登録販売者になるには、都道府県が行う登録販売者試験に合格し、従事する都道府県で販売従事登録する必要があります。

試験に合格したあとも、一定の実務経験を得るまでは、経験豊富な登録販売者の管理・指導の下に仕事を行う必要があるなどの制限があります。

経験を積むことで、店舗管理者や管理代行者としてステップアップしていくことも可能になります。

試験勉強にあたっては、さまざまなテキストや通信教育講座などがあるので、自分の環境に合う勉強法で学んでいくのがよいでしょう。

登録販売者の学校・学費

通信教育やカレッジ、独学などで学ぶ

登録販売者の試験を受けるのに、学歴・年齢・実務経験は不問となっており、だれでも受験することができます。

試験のために、3か月ほどの通信教育講座やカレッジ通学で勉強する人もおり、費用は5万円前後の場合が多いようです。

カレッジは、社会人の人でも通えるよう夜間からの授業が設けられているところも多くありますので、確実に合格を目指すにはそういった場所を利用するのもひとつの手です。

また書店などで独学用のテキストやドリルも多く販売されているので、自分のペースで勉強したい人は独学も視野に入れるとよいでしょう。

登録販売者の資格・試験の難易度

試験の合格率は低め。しっかり対策を

登録販売者として働くためには、登録販売者の資格試験に合格し、自治体に登録申請をしなければなりません。

近年、登録販売者資格試験の合格率は、自治体より幅はありますが、30%〜50%台付近で推移しています。※

このことから、試験の難易度が高くなっている可能性も考えられるため、試験対策はしっかりと行う必要があるでしょう。

受験自体は誰でもできますが、誰でも合格できるというにはほど遠い状況ですので、注意が必要です。

厚生労働省 登録販売者試験実施状況

登録販売者の給料・年収

実務経験を積めば年収アップも見込める

正社員として働く登録販売者の平均年収は、300〜400万円程度がボリュームゾーンとされています。

なお、パートやアルバイトなど時給制で働く人も多く、その場合の時給は850円〜1100円程度となっています。

店舗によっては登録販売者の資格を持っていることで、資格手当が基本給に1万円前後上積みされるケースもあります。

特別に高い収入が得られる仕事ではありませんが、実務経験を積んでいくことで給料アップにつながる可能性は十分に考えられます。

登録販売者のやりがい、楽しさ

さまざまな場面で知識が役立つ

登録販売者の資格を取得するためには、医薬品に関する広い知識が必要となってきます。

そのため資格取得後は、ドラッグストアなどの勤務先でお客さんに最適の薬を選ぶお手伝いをすることができます。

人々が薬を適正に使い、つらい症状を自分でコントロールしたりする「セルフメディケーション」にも貢献できることは、この職種におけるやりがいのひとつでしょう。

また勤務先だけでなく、自分や自分の家族が医薬品を使うときにも知識を利用して、適切にセルフメディケーションを行うことができるのも魅力です。

登録販売者のつらいこと、大変なこと

新しい情報を吸収し続ける必要がある

医学の進歩とともに、新しい医薬品もどんどん開発・販売されます。

そのため医薬品に関しての知識を覚えることには終わりがなく、常に新しい情報に触れ、知識を刷新していかなくてはいけません。

また、さまざまなお客さんと接する職業ですが、医薬品を買い求める人は何かしらの不調を抱えていることがほとんどです。

不調を抱えた人の気持ちを考え、素早く的確な対応をして、お客さんに負担を与えないような配慮が必要になります。

登録販売者に向いている人・適性

向学心があり、思いやり深い人

販売登録者は常に新しい医薬品の知識や、医学に関する情報などを吸収し続けなければいけません。

そのため、向学心があり、新しい情報を積極的に取り入れることができる人が販売登録者に向いているといえるでしょう。

また、医薬品によってセルフメディケーションにつとめる人々には、何かしらの不調を抱える人が少なくありません。

そういった人のつらさを想像し、適切な接し方のできる、思いやりの心がある人が販売登録者に向いているといえます。

超高齢化社会に向け、販売登録者が接する人は多くなることが予想されるため、人と接することが好きであることも重要でしょう。

登録販売者志望動機・目指すきっかけ

ドラッグストアでの勤務などがきっかけ

登録販売者は、2009年から資格試験が始まった新しい認定資格のため、他の職種とくらべ周知されているとはいいがたいのが現状です。

そのような中で「登録販売者」という資格についての情報を他の人々より早く得ることができるのは、医薬品を取り扱っているドラッグストアや薬局で働いている人たちです。

登録販売者の資格を取り、自治体に認定を受ければ、職場を変えることなしにより良いサービスを提供できることからも、ドラッグストアや薬局で勤務している受験者は多くいます。

登録販売者の雇用形態・働き方

正社員、パート勤務など

登録販売者の勤務形態はは正社員やパート勤務など、人により違いがあり、パート勤務の登録販売者も比較的多くいます。

たいてい一つの店舗に1人の登録販売者がいることが多いですが、正社員が退勤した後の数時間をパート社員の販売登録者が受け持つこともあります。

そのような働き方ならば、周囲の環境によっては子育て中でも登録販売者として勤務することも可能であるといえるでしょう。

正社員の場合は勤務時間が長く、遅番や残業などがあるときは20時を過ぎることもあるため、未就学児や低学年の子供がいる場合は配慮が必要になります。

登録販売者の勤務時間・休日・生活

24時間営業の店舗だと夜勤がある

登録販売者の勤務時間は、勤務先の店舗や施設により差があります。

深夜営業などのないドラッグストアの場合は、だいたい9:30〜19:30くらいが勤務時間になります。

早番と遅番でシフト制になることが多いですが、比較的規則的な時間の勤務なので生活リズムは整いやすいのがメリットです。

24時間営業のコンビニやドラッグストアの場合は、シフト制で夜勤が入る場合があり、その分生活リズムは不規則になりがちです。

その分、夜勤手当がつくので収入の面では待遇が良くなることが多いです。

登録販売者の求人・就職状況・需要

介護関係の施設でも需要が増えている

昨今では、ドラッグストアの店舗数はコンビニより多いと言われており、そのため登録販売者の需要も一定してあります。

また、近頃では高齢者の利用する施設や、老人ホームなどでも登録販売者の求人を出しているところがあります。

看護師などが常駐していない老人ホームなどでは、適切なセルフメディケーションのアドバイザーとして、登録販売者が求められることがあります。

市販の医薬品では症状が良くならなかったり、明らかに医療機関に行くべき状況である場合に、すみやかに受診を促す役目を担うこともあるでしょう。

登録販売者の転職状況・未経験採用

転職・未経験ともに求人は多い

登録販売者の求人は、経験者も未経験者も多くありますが、とくに経験者は優遇されることが多いです。

登録販売者の仕事内容は薬の情報提供だけでなく、販売や接客も仕事なので、登録販売者としては新人でも、ドラッグストアなどでの職務経験があると有利にはたらくと思われます。

そうでなくとも未経験者の採用は多くありますので、子育て中に勉強をして資格を取っておき、育児がひと段落ついてから販売登録者として働き始めることも可能です。

登録販売者の現状と将来性・今後の見通し

近年、登録販売者の活躍の場は、コンビニやスーパー、家電量販店などにまで広がりを見せています。

それに伴って登録販売者の需要も拡大している一方、登録販売者の資格取得者が年々増加したことにより、飽和状態にあるともいわれます。

一部の企業では、人件費削減のために国家資格である薬剤師の数を減らし、パート・アルバイトの登録販売者を増やす傾向が見られています。

そのようなことから、より良い勤務条件の下で働くためには、将来的に責任者や管理職を目指していく必要があるといえるでしょう。